劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)

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奇妙な共闘

牙を向く【嫉妬】

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 少し指導に熱を入れすぎてしまった翌日、勝也さんから呼び出されて向かった先で俺は初めて致命的ミスを犯したのだと知った。

「周王学園が、消えた。ですか?」

「ああ、親父から連絡を受けて今調査してるが、学園の敷地が忽然と消えて空きスペースになってしまってるんだ。お前の方で何か情報を掴んでないかと思ってな。確か昨日、例の裏授業を学園内のダンジョンで行ってきたそうじゃないか?」

「昨日授業を終えた後は別に普通でしたけど。というか、これは今更ですので明かしますが、俺瞬間移動できるようになったんです」

「冗談はよせ、今はそんな……本当なのか?」

 初手冗談と切り捨てようとした勝也さんだったが、俺が一切不真面目そうな顔してないので本当であると察してくれた。
 王としての新しい能力だと明かせば、それならば飲み込む他ないかと渋い顔で頷いた。

「ならば今すぐにダンジョン内に戻って、学園敷地内へと侵入出来るか?」

「やってみます」

 俺はその場で自室へとワープし、転移の魔道具を介してダンジョンへと移動を試みた。
 しかし何度やっても辿り着くのは三重のダンジョンのみで、学園のダンジョンにも、学園にも辿り着けずにいた。

「ダメでした」

「うわ、急に現れるな! びっくりした」

 マスタールームへと転移で戻れば、お茶を飲もうとしていた勝也さんが突然のことにお茶を吹きこぼすところだった。

「取り急ぎとの事でしたので迅速に来た訳ですが」

「まぁ、いい。俺も気になるからな。凛華とのコンタクトは取れるか? 他の契約者でも良い」

「やってみます」

 妹は、あれから口を聞いてくれないのか一切応答がない。
 しかし凛華、寧々、久遠との連絡は取れるようだった。

『凛華、今そちらの状況はどうなっている?』

『どうなっているとは? 普通に授業をしていますけど』

 凛華はまだ状況を掴めていないようだ。
 学園側も普通に授業を行なっており、まだ消失してる事に気がついてないようだよ

「凛華との連絡がつきました」

「妹はなんと言っていた?」

「普通に授業を受けている。おかしな点などないと不思議そうに返されました」

「向こう側とこちら側が切り離された事実を知らない?」

「かと。また新しい情報が入り次第メールを送ります。直接来ても良いですけど、能力の説明をするのも面倒なので」

「そうしてくれると助かる。麒麟字プロにも伝えておこう。彼女も親戚の子を学園によこすと張り切っていたからな。他人事ではないだろう」

 それ本人……と伝えたところで信じないか。
 
「御堂さんにアポイントを取ってもらえますか?」

「お前なら顔パスだよ。親父と手を組んだんだろ?」

「まだお土産をあげた程度で図々しくないですか?」

「親父は喜んでたぜ? 俺を挟むより直接顔を見せてやれ。取り敢えず門番に止められたらこいつを見せるといい」

「これは?」

 手渡されたのは黄金に輝くバッジだった。
 胸ポケットに添えるだけでも随分と目立つ。

「御堂グループ御用達の証明バッジ。必要ないとは思うが、まだ末端にまでお前の情報が行き届いてない可能性がある。疑ってかかられたらそいつを見せてやれば一発だ」

「それを先に渡してくださいよ」

「お前はすぐに楽をしようとするからダメだ。こいつは本当ならば数を踏んだ奴のみが勝ち取れるんだぞ? まあお前はそれ以上のものを手に入れて見せたんだからこんなものに頼らなくたって本来大丈夫なんだが、今は急を要するからな。今妹を救出できるのはお前だけだ。あいつを泣かせたら、ちょっと色々とお話しする必要が出てくる」

 ただそこに座ってるだけなのの、威圧感が半端ない。
 立ち上る気迫に阿修羅を背負っている。
 妹が絡むだけで兄貴は修羅の道へ簡単に踏み入れる。
 そんな覚悟をヒシヒシと感じ取っていた。

「俺にも愛する家族が居ますので勝也さんのお気持ちは痛いほど察していますよ。そして凛華は俺の半身でもある。失うなどもってのほかです」

「ならば良し! 俺はここで連絡を待つ」

「そう言えば恭弥さんは?」

「あいつは周王学園の各支部の様子を見に行っている」

「普通に電話で連絡取れば良いじゃないですか」

「各支部の学園側とは音信不通なんだよ。それと北海道のバルザイの偃月刀が無期限の活動停止を申し出た。あまりにもタイミングが良すぎる。何か裏があるはずだ」

「アロンダイトの貝塚さんに連絡は?」

「生憎と俺には先方にコネがない。お前経由で話を持って行っても良いが……話を切り出しにくい。中には卒業生も多いだろう? パニックを起こす可能性がある。この件はなるべく秘密裏に処理したい」

「ならば俺が動きます。契約者の一人に関係者がいますので」

「初耳なんだが?」

 勝也さんが眉間に皺を寄せた。

「緊急事態でしょ? 追って連絡をよこしますから」

 そう言って逃げるように北海道の荒牧さん宅へと瞬間移動する。
 部屋主は居ないか、まぁ普段ならギルド活動中だしな。
 外に出て最寄りのゲームセンターに行くと、そこは伽藍堂。
 おかしい、あまりにも人が居なすぎる。
 これは一体どういう事だ?

 ゲームセンター内の電源は入っていて、さっきまでそこで遊んでいただろう人の営みがある。
 ぬいぐるみキャッチャーには詰みコイン、ドリンクコーナーには飲みかけのドリンクが置かれていて、まるで人だけが忽然といなくなった不自然さを醸し出す。

『貝塚さん、今大丈夫ですか?』

 何回も念話を飛ばすが、明海と同様に念話が帰ってくることはない。なんだ、この薄寒い感触は。
 世界に何が起こっている。

【あれ? まだ人が残ってたんだ。全部移動させたはずなのになぁ】

 こいつ、直接脳内に!
 現れたのは黒猫。
 しかしそれ猫の形に闇を凝縮させた異物。
 そう、こいつは……

「お前が、【嫉妬】の王エンヴィか」

【ボクの事を知ってるってことは、ああ前回の失敗作が見逃した王って君のことかぁ。暴食だっけ? 前のボクってば怖いもの知らず~】

 三日月を描くように猫の口が歪む。
 失敗作、なんの話だ。
 それだと【王】は何人もいるみたいではないか。

【その顔は不思議って顔だね? ボクは賢いから分かるんだぁ!】

「質問に答えろ。ここにいた人間を何処にやった?」

【え、なんで敵に教えなくちゃいけないの。でもそうだねー、ボクの侵略を見逃してくれたら教えてあげても良いよ?】

 侵略?
 絶対見逃したらやばいやつだろう、それは。

「一つ聞く、お前の侵略地は地球か?」

【ピンポンピンポン大正解! 手始めにこの地をボクの故郷に送ってあげたんだけど、何人生きて帰って来れるかなぁ? アッハハハハ】

 そうか、そう来るか。
 魔法少女にそもそもなんの期待も寄せず、敵対勢力をまとめて別の場所に送る事で侵攻を進めるか。

「外道めが。俺がお前の侵略を食い止めてやる」

【でっきるっかなー? ボクはこの地球に六体居るよ。一体を倒してもすぐに再生しちゃう。同時に破壊しない限り、侵略は止まらない!】

「随分とお優しい事だな。なら同時に破壊してやれば良い」

【あれあれ~敵の言葉を信じちゃうんだ。暴食って案外おバカ?】

「お前ほどではないよ」

【実はぁ~全部で52689体いまぁす! 同時に破壊しないとすーぐ再生しちゃうよぉ!?】

「それが本当だって確証もないだろうが。取り敢えずお前は死ね。カマエル、少し遊んでやれ」

「ようやく出番? 待ちくたびれちゃったぁ」

 俺の影から一体の天使があくびをしながら現れる。
 別に眷属でもなんでもないが、契約者だ。
 天使なのに俺の影に好んで入ってくる。まるで闇の者のようだ。
 そのうちうっかり堕天でもするんじゃないか、こいつ?

【なんで、天使が人間なんかに……】

 天使相手にこのビビりよう。
 つまりエンヴィのソウルグレードはそこまで高くない感じか。
 
「じゃあいっくよー、どーん!」

 技名も何もなく、ただ手のひらから放ったエネルギー弾でエンヴィの一体は消滅した。
 これで侵略は一時的に食い止める事は出来ても、一度何処かへ送られた人間が戻ってくる手立てにはならず……
 なんのヒントも得られなかった。
 なんともタチの悪い。まるで暗闇の中を手探りで進むような感覚だ。
 ただでさえ俺はダンジョンの中以外では能力が制限されてるって言うのに、更には育て上げた戦力とも隔離されて……非常に追い込まれてる気分だった。
 【嫉妬】の王め、やってくれる!

「主様! 褒めて褒めて!」

 しかし感情を怒りで染めながらも、それだけではなんの解決策にもならない。思考を切り替え、市販の洋服に身を包んだ天使をあやしながら俺は東京へと帰還した。
 【嫉妬】の王の侵略は、実はもっと用意周到なものなのかもしれない。この事実は御堂さんと擦り合わせておく必要があるだろう。

「おうおう、よくやった。あとでアイスを奢ってやるぞ?」

「主様の手作り?」

「ここは市販ので我慢しとけ」

「えー」

 なんで“なんとなしで放ったエネルギー弾”で俺の手作りメニューを食わせにゃならんのだ。
 ま、不貞腐れて働かない宣言をされても困るし、後でな? と後出しすることで約束を先延ばしした。
 長命種族は気が長いので、先延ばしは有効な戦術の一つだぞ?
 シャスラはなんでも食うが、天使のこれはただのおねだりだから別に腹減ったからの催促ではないのが大きい。

 さて、御堂さんはこの侵略をどう見るかね。
 と、このタイミングで寧々から念話が届いた。

『海斗、少し良い?』

『どうした。何か進展があったか?』

『そうね、凛華から聞いたわ。学園の外で大変なことになってるのでしょう?』

『ああ、俺たちの世界に周王学園が存在してないというあり得ない事実との直面が起こっている』

『そんなバカなこと……景色はいつも通りなのよ?』

『ならば結界の類でこちらから見えなくなっている?』

『その可能性も考えてみるべきね。ところで明海は元気にしてる? 今日学園で見かけなかったのだけど』

『いや、実は昨晩例の訓練中、お友達に少しスパルタ指導しすぎてしまってな。それから口を聞いてもらえずじまいだ』

『何やってるのよ……あなたらしくもない』

『本当に面目ない。まさか昨日の今日でこんなことになるなんて』

『まぁ良いわ。明海とは今念話を繋げられるの?』

『いや、それが全く繋がらないんだ。最初は俺の声を拒否ってるかと思っていた。けど、全く違う要因の場合もある。こんなミスをするなんて、反省したところで明海は帰ってこないと言うのに……』

『相当参ってるようね。ならその件はこちらで引き受けるわ。あの子達は学園内で迷子になったのでしょう? だったら同じ学園にいる私たちが捜索する方が手っ取り早いわ』

『助かる。そして同時に今まずいことが起きている』

『まだ何かあるの?』

『どうやらこの一連の事件、【嫉妬】の王エンヴィの仕掛けた侵略戦の可能性がある。懇意にしていた北海道のギルドは全滅していた。次はどの地域が侵略されるか分かったもんじゃない。ここにきて戦力を学園に集中させていたことが仇になった。御堂のダンジョンチルドレンの大半が今年に向けて調整していたのもあり、現地は大幅な戦力ダウンだ』

 勝也さんの提案に、俺はただ乗っかるだけで安堵していた。
 それがここにきて突然の切り離し。
 何をどうやって償えば良いのかわからない。

 そんなミスを自嘲する俺へ、寧々は淡々と当たり前の事のように口にした。
 あまりにもあっけらかんとした口調だったので、聞いた俺の方がきょとんとしてしまったくらいだ。

『貴方らしくないわよ海斗。貴方は王様なんだから配下の私たちに命令をすれば良いの。戦力が分断された? だから何。むしろ向こうのミスは私達をただの学園生と侮っていた事よ。こっちの件はこっちで解決するから、海斗は表の侵略をなんとかなさい』

『あ、ああ。任せて平気か?』

『秒で捻り潰してやるわよ。それよりも、私達が帰ってきた時に日本が侵略されてましたーなんて事だけはやめてよ? まだまだ親孝行し足りないんだから』

『ふ、はは。逞しい部下に恵まれて嬉しいよ。そうだよな、たかが有象無象、潰せなくて何が暴食か。骨ひとつ残さずむしゃぶりつくしてやってこその王か。どうやら俺は守るべき存在を手元から失って意気消沈していたようだ。だが寧々の言葉でようやく思い出したよ。俺は王だ、暴食の王なんだ』

『全く、しっかりしなさいよね? あんたが冷静さを欠いたら誰が私たちの指揮をするわけ?』

『すまない、今ので頭が冷えたよ。俺たちに舐めた態度を取った落とし前は相手にしっかりつけてもらわないとな!』

『そうよ、その意気で頑張りましょう』

 一人焦っていた俺に喝を入れてくれた寧々に感謝しつつ、俺は御堂グループのアポイントメントをとって謁見する。

 ちなみにバッジがなかったら追い払われるところだった。
 あって良かった虎の子のバッジ。
 やっぱり俺が若すぎるから協力者と言っても何処か不審がられるんだよなぁ。
 そこら辺は至急なんとかしないとだ。
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