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暗躍する嫉妬
魔法少女襲来!
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空港を出て、そのままタクシーでギルドに戻りクエストの完了手続きを終えると。
「よう海斗、向こうでも暴れたんだって?」
「恭弥さん! お見合いはどうでした?」
「あの後勝也に見つかって引きずられて行ったよ。どいつもこいつも俺の肩書きと持ってる金だけが目当てですって顔したやつしか近付いてこねぇでやんの。ま、そりゃ勝也も同じだがよ」
自業自得じゃないかなぁ?
「それよりもお前、きちんと後ろ盾の署名貰ってきたんだろうな?」
肩を組まれて、圧をかけてくる。全然怖くないのは別に戯れてるだけだからだな。
「バッチリ、二件貰ってきましたよ」
「二件? SEO姉さんとこともう一つは?」
「アロンダイトさんからです。」
「おま、北海道の最大手じゃねーか! どうやって縁を組んだんだよ。言え!」
掴む方の力が強まった。圧はさっきの比じゃない。
戯れてる……んだよな?
「荒牧さんの世話になってるギルドだったんですよ、そこでついでに世話になっただけですね。ギルド長もダンジョンエクスプローラーをやってるそうで、それで話が弾んで数日世話になりました」
「そっかTRSのパイプか。ならワンチャン……ねーよ! 何で新参のTRSがギルドのトップと既に仲良いんだよ! おかしいだろ! DE以外のコネでもないと無理だぞ? お前、そこんところ何か掴んでねーのか?」
まさかギルド長が荒牧さんに恋してるだなんて言えないしなぁ。
アロンダイトのギルド長が実は女性だとカミングアウトしても正気を疑われるだけだ。
「俺も詳しくは知りませんが、紹介してくれた段階では既に仲良しでしたよ?」
「現実は小説より奇なりって事か。ま、そこは別にいいんだがよ」
どうでもよさそうに振る舞ってるのに、やたら突っかかってきてるのが気になるな。
ようでも無けりゃ話しかけてこない人でもある。
って事は時間稼ぎが目的か?
別にそんな手使わなくったってギルドからの命令なら従うのに。
「その子が噂の秘蔵っ子ね?」
そうこうしてると出てきたのが、どこかのキャリアウーマン然とした女性だ。目を隠すように切り揃えた前髪。そこにサングラスがミスマッチ。言っちゃ悪いがあまり似合ってるようには思えない。
「いや、すいませんね。こいつ全然捕まらなくて」
いつになく恭弥さんが謙る相手か。
「こちら、どちら様ですか?」
「シッ、口には気をつけろよ。探索者協会のお偉いさんだ。何でかお前に用があるらしいんだ。お前何かしたのか?」
恭弥さん曰く、ワーカーの俺が探索者になろうとしてるのを探りにきたかもしれないぞ、と警戒を強めているらしい。
そしてダンジョン協会と違って探索者協会の上層部はイコールで御堂と繋がっている。
今コンタクトをとってくる理由がわからないな。
「初めまして六王海斗です。ワーカーのご予約ですか?」
「あなたの事なら知っているわ、私は左近時美奈。探索者協会の総務秘書をしてるの」
「はぁ」
そんな人が一体また何で俺に用なんて?
意味がわからないなりに頷いておく。
「あなた、ここ最近強大な力を得た覚えはない?」
「ここ最近ですか?」
ダンジョンテイマー…は微妙だし、暴食もどっちかと言ったらメシ製作スキルに成り下がってる。
全く身に覚えのない問いかけに首を捻ると……
「あくまでシラを切ると言うわけね。秋津君だったかしら、彼を少し借りていくわね?」
「どうぞ、どうぞ」
俺は恭弥さんから二つ返事でドナドナされていく。
長いものにはまかれるタイプだとは知ってたが、秘蔵っ子を売るか?
それとも俺なら余裕で生き残れると思っての見送りか。
どちらにせよ、覚えてろよ……料理人を敵に回すという恐ろしさ、後で身をもって教えてやる!
◇
「ここら辺で良いかしら?」
周囲を見まわし、左近時さんがサングラスを外すと……そこには、先ほどまで見えていた大人の女性はいなくなっていた。
早着替えのスキルでも持っているのだろうか?
「一体何のご用なんです?」
「黙りなさい! あなたが魔界の大悪魔の一柱【暴食】である事は既に割れてるのよ!」
「あぁ、あなたも王の権能関連ですか。それについてはダンジョンブレイク強行派か、保守派かで俺の対応も変わりますね」
【暴食】であることを見抜いた時点で関係者。
凛華の親父さんの【強欲】とはまた別の派閥か?
意外と権能所持者はこちらに来ているらしい。
「ごちゃごちゃと! あなたは私に罰されれば良いの。【神罰執行】フォームチェンジ!」
何かの詠唱と同時に、どこからか取り出したのか身の丈ほどもあるハンマーを振りかぶる。
そのハンマーを持った手を胸元でクロスさせると、足元からブワッと黄色い煙が上空に向けて左近時さんを覆い隠した。
煙が晴れるまでにおおよそ10秒。
だが、そこから現れた珍妙な格好な年上の女性だった成れの果てに出会《でくわ》して……
「うわぁああああああ、変態だぁあああああああ!!」
叫ばずにはいられなかった。
だってそうだろう?
両親より少し若いくらいのお姉さんが、妹と同じか久遠くらいの見た目になって、奇抜な格好をしてたら誰だって叫ぶ。俺は叫んだ。
普段落ち着いてる俺も、これには正気でいられなかった。
つーか風邪を引いた時に見る悪夢のようだ。
できることなら夢であってくれ! そう願わずにいられないほどだ。
「覚悟!」
<重力場発生《グラヴィティフィールド》>
突如現れた変態──じゃない、常識の追いつかない変人は。
常人では発揮できないほどの跳躍力でビル群の屋上へと飛び上がると、続く衝撃波で俺をその場に縫い止める。
「ぐっ!」
明確な攻撃ならともかく、俺はこの手の攻撃に弱い。
つーか、こっちが【暴食】だから仕掛けてくるって意味がわからん。俺が一体あなたに何をしたというのか。
どんなに非難を訴えたところで、相手の攻撃は一切緩まない。
これはあれだ。学園でのFクラス生の扱いとまるで同じ。
自分の行いが正義だから、悪の言い分には耳を貸さない。
そんな一方的な感情を攻撃から感じ取る。
「──トド・メェッ!!」
「んなくそおぉおおおおお!」
俺は両腕をクロスしてガードの姿勢。
しかしそこに【暴食】を乗せた。
これはダンジョン内で人類の暮らしを辞めかけた時の発見なのだが、実際に口で食わずとも受け切れるダメージ内なら相手の攻撃そのものを喰えるのだ。
食ったところで眷属召喚は出来ないが、攻撃を凌ぐのにこれ以上ない防御手段。
そして今回はそれ以上の効果を俺に見せてくれる。
「──私の武器が!」
そう、俺のガードは相手の武器を喰ったのだ。
人間的生活を捨てるだけじゃない、飯バフだけじゃない、防御にも暴食が乗る。これは非常に俺向きな能力だ。
「忘れたんですか? 俺の権能は【暴食】。無機物ですら捕食対象だ、仕掛けてきたのはそっちです。まさか奪われるとか思わなかったというのは無しですよ?」
「なんて、出鱈目な奴! でも私の武器はこいつだけじゃないのよ! 顕現せよ、トールハンマー!!」
今度は存在そのものが雷。それがハンマーの形に具現化し、構えてきた。だが相手の疲労も相当だ。
さっきのミョルニルが通常攻撃だとするのなら、こっちは必殺の一撃。
発動を後回しにするほどには命懸け。
これを喰うのは厳しそうだ。
「必殺のぉ! 暴雷爆心撃!!」
「やめなさい、バカ!」
「あぐ!?」
周囲を瓦礫に変えた不審者と、俺の間に割って入ってきた人物は、見知った顔の女性だった。
「麒麟字さん!? どうしてここに」
「嫌な予感がした、からじゃダメかしら?」
肩をすくめる彼女は、いつもと変わらずクールビューティだ。
だからと言って三重で活躍してるトップランカーが偶然で現れるには無理があるでしょ。
「こらー、離せ! レッドオーガ! こいつは私の獲物よ! ミョルニル取られちゃったんだから! ぶっ殺して取り返すの!」
ミョルニル? さっき喰ったハンマーの事だろうか?
「そこの不審者は何やら関係者みたいな事を吹聴してますが?」
「そうね、こんなのでも知り合いよ。あまり知り合いと名乗りたくないタイプのではあるけれど」
ニコリとするが、その表情は硬い。
「取り敢えず、詳しい事情も踏まえて教えてくれますよね?」
「こいつを懲らしめなくて良いの、また来るわよ?」
荒縄でふんじばった不審者をその辺に捨て置き、厳しく罰しないのかと問われるが、俺は取り合わずに首を横に振る。
別に目的がどうあれ、挑戦はいつでも受け取るつもりだ。
けどなるべくなら周囲に迷惑をかけない場所でお願いして欲しいくらいで。
「その時は是非ダンジョン内でお願いしたいですね」
「あはは、貴方にダンジョン背負わせたら秒殺確定ね」
「そりゃ今の俺は弱体化中ですからね」
「それでああも抑え込める時点で私達は勝ち目無いわ」
「私達?」
「そ。私とそこに居るそいつ。後二人いるんだけどね、その四人は【嫉妬】の権能者との契約関係にあるの。お互いに全く別の思惑はあるんだけどね」
「契約者……じゃあシャスラを見ても我関せずだったのは?」
「あれが【王】だと知ったのは後になってからよ。そして貴方がそれを継承したと知ったのも」
「そうですか、俺達は敵対する関係なんですかね?」
「敵対するな。それがうちの王の思し召しよ」
「え、じゃあこの人は?」
思いっきりこっちに仕掛けてきましたが?
「この子、暴れられたらそれで良いの」
「なんて傍迷惑な……」
これで探索者協会のお偉いさんのだというのだから世も末だ。
隣で麒麟字さんも頭に手を当てていた。
仲間にすら呆れられてますやん。
「よう海斗、向こうでも暴れたんだって?」
「恭弥さん! お見合いはどうでした?」
「あの後勝也に見つかって引きずられて行ったよ。どいつもこいつも俺の肩書きと持ってる金だけが目当てですって顔したやつしか近付いてこねぇでやんの。ま、そりゃ勝也も同じだがよ」
自業自得じゃないかなぁ?
「それよりもお前、きちんと後ろ盾の署名貰ってきたんだろうな?」
肩を組まれて、圧をかけてくる。全然怖くないのは別に戯れてるだけだからだな。
「バッチリ、二件貰ってきましたよ」
「二件? SEO姉さんとこともう一つは?」
「アロンダイトさんからです。」
「おま、北海道の最大手じゃねーか! どうやって縁を組んだんだよ。言え!」
掴む方の力が強まった。圧はさっきの比じゃない。
戯れてる……んだよな?
「荒牧さんの世話になってるギルドだったんですよ、そこでついでに世話になっただけですね。ギルド長もダンジョンエクスプローラーをやってるそうで、それで話が弾んで数日世話になりました」
「そっかTRSのパイプか。ならワンチャン……ねーよ! 何で新参のTRSがギルドのトップと既に仲良いんだよ! おかしいだろ! DE以外のコネでもないと無理だぞ? お前、そこんところ何か掴んでねーのか?」
まさかギルド長が荒牧さんに恋してるだなんて言えないしなぁ。
アロンダイトのギルド長が実は女性だとカミングアウトしても正気を疑われるだけだ。
「俺も詳しくは知りませんが、紹介してくれた段階では既に仲良しでしたよ?」
「現実は小説より奇なりって事か。ま、そこは別にいいんだがよ」
どうでもよさそうに振る舞ってるのに、やたら突っかかってきてるのが気になるな。
ようでも無けりゃ話しかけてこない人でもある。
って事は時間稼ぎが目的か?
別にそんな手使わなくったってギルドからの命令なら従うのに。
「その子が噂の秘蔵っ子ね?」
そうこうしてると出てきたのが、どこかのキャリアウーマン然とした女性だ。目を隠すように切り揃えた前髪。そこにサングラスがミスマッチ。言っちゃ悪いがあまり似合ってるようには思えない。
「いや、すいませんね。こいつ全然捕まらなくて」
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「こちら、どちら様ですか?」
「シッ、口には気をつけろよ。探索者協会のお偉いさんだ。何でかお前に用があるらしいんだ。お前何かしたのか?」
恭弥さん曰く、ワーカーの俺が探索者になろうとしてるのを探りにきたかもしれないぞ、と警戒を強めているらしい。
そしてダンジョン協会と違って探索者協会の上層部はイコールで御堂と繋がっている。
今コンタクトをとってくる理由がわからないな。
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「あなたの事なら知っているわ、私は左近時美奈。探索者協会の総務秘書をしてるの」
「はぁ」
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意味がわからないなりに頷いておく。
「あなた、ここ最近強大な力を得た覚えはない?」
「ここ最近ですか?」
ダンジョンテイマー…は微妙だし、暴食もどっちかと言ったらメシ製作スキルに成り下がってる。
全く身に覚えのない問いかけに首を捻ると……
「あくまでシラを切ると言うわけね。秋津君だったかしら、彼を少し借りていくわね?」
「どうぞ、どうぞ」
俺は恭弥さんから二つ返事でドナドナされていく。
長いものにはまかれるタイプだとは知ってたが、秘蔵っ子を売るか?
それとも俺なら余裕で生き残れると思っての見送りか。
どちらにせよ、覚えてろよ……料理人を敵に回すという恐ろしさ、後で身をもって教えてやる!
◇
「ここら辺で良いかしら?」
周囲を見まわし、左近時さんがサングラスを外すと……そこには、先ほどまで見えていた大人の女性はいなくなっていた。
早着替えのスキルでも持っているのだろうか?
「一体何のご用なんです?」
「黙りなさい! あなたが魔界の大悪魔の一柱【暴食】である事は既に割れてるのよ!」
「あぁ、あなたも王の権能関連ですか。それについてはダンジョンブレイク強行派か、保守派かで俺の対応も変わりますね」
【暴食】であることを見抜いた時点で関係者。
凛華の親父さんの【強欲】とはまた別の派閥か?
意外と権能所持者はこちらに来ているらしい。
「ごちゃごちゃと! あなたは私に罰されれば良いの。【神罰執行】フォームチェンジ!」
何かの詠唱と同時に、どこからか取り出したのか身の丈ほどもあるハンマーを振りかぶる。
そのハンマーを持った手を胸元でクロスさせると、足元からブワッと黄色い煙が上空に向けて左近時さんを覆い隠した。
煙が晴れるまでにおおよそ10秒。
だが、そこから現れた珍妙な格好な年上の女性だった成れの果てに出会《でくわ》して……
「うわぁああああああ、変態だぁあああああああ!!」
叫ばずにはいられなかった。
だってそうだろう?
両親より少し若いくらいのお姉さんが、妹と同じか久遠くらいの見た目になって、奇抜な格好をしてたら誰だって叫ぶ。俺は叫んだ。
普段落ち着いてる俺も、これには正気でいられなかった。
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「覚悟!」
<重力場発生《グラヴィティフィールド》>
突如現れた変態──じゃない、常識の追いつかない変人は。
常人では発揮できないほどの跳躍力でビル群の屋上へと飛び上がると、続く衝撃波で俺をその場に縫い止める。
「ぐっ!」
明確な攻撃ならともかく、俺はこの手の攻撃に弱い。
つーか、こっちが【暴食】だから仕掛けてくるって意味がわからん。俺が一体あなたに何をしたというのか。
どんなに非難を訴えたところで、相手の攻撃は一切緩まない。
これはあれだ。学園でのFクラス生の扱いとまるで同じ。
自分の行いが正義だから、悪の言い分には耳を貸さない。
そんな一方的な感情を攻撃から感じ取る。
「──トド・メェッ!!」
「んなくそおぉおおおおお!」
俺は両腕をクロスしてガードの姿勢。
しかしそこに【暴食】を乗せた。
これはダンジョン内で人類の暮らしを辞めかけた時の発見なのだが、実際に口で食わずとも受け切れるダメージ内なら相手の攻撃そのものを喰えるのだ。
食ったところで眷属召喚は出来ないが、攻撃を凌ぐのにこれ以上ない防御手段。
そして今回はそれ以上の効果を俺に見せてくれる。
「──私の武器が!」
そう、俺のガードは相手の武器を喰ったのだ。
人間的生活を捨てるだけじゃない、飯バフだけじゃない、防御にも暴食が乗る。これは非常に俺向きな能力だ。
「忘れたんですか? 俺の権能は【暴食】。無機物ですら捕食対象だ、仕掛けてきたのはそっちです。まさか奪われるとか思わなかったというのは無しですよ?」
「なんて、出鱈目な奴! でも私の武器はこいつだけじゃないのよ! 顕現せよ、トールハンマー!!」
今度は存在そのものが雷。それがハンマーの形に具現化し、構えてきた。だが相手の疲労も相当だ。
さっきのミョルニルが通常攻撃だとするのなら、こっちは必殺の一撃。
発動を後回しにするほどには命懸け。
これを喰うのは厳しそうだ。
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「やめなさい、バカ!」
「あぐ!?」
周囲を瓦礫に変えた不審者と、俺の間に割って入ってきた人物は、見知った顔の女性だった。
「麒麟字さん!? どうしてここに」
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ミョルニル? さっき喰ったハンマーの事だろうか?
「そこの不審者は何やら関係者みたいな事を吹聴してますが?」
「そうね、こんなのでも知り合いよ。あまり知り合いと名乗りたくないタイプのではあるけれど」
ニコリとするが、その表情は硬い。
「取り敢えず、詳しい事情も踏まえて教えてくれますよね?」
「こいつを懲らしめなくて良いの、また来るわよ?」
荒縄でふんじばった不審者をその辺に捨て置き、厳しく罰しないのかと問われるが、俺は取り合わずに首を横に振る。
別に目的がどうあれ、挑戦はいつでも受け取るつもりだ。
けどなるべくなら周囲に迷惑をかけない場所でお願いして欲しいくらいで。
「その時は是非ダンジョン内でお願いしたいですね」
「あはは、貴方にダンジョン背負わせたら秒殺確定ね」
「そりゃ今の俺は弱体化中ですからね」
「それでああも抑え込める時点で私達は勝ち目無いわ」
「私達?」
「そ。私とそこに居るそいつ。後二人いるんだけどね、その四人は【嫉妬】の権能者との契約関係にあるの。お互いに全く別の思惑はあるんだけどね」
「契約者……じゃあシャスラを見ても我関せずだったのは?」
「あれが【王】だと知ったのは後になってからよ。そして貴方がそれを継承したと知ったのも」
「そうですか、俺達は敵対する関係なんですかね?」
「敵対するな。それがうちの王の思し召しよ」
「え、じゃあこの人は?」
思いっきりこっちに仕掛けてきましたが?
「この子、暴れられたらそれで良いの」
「なんて傍迷惑な……」
これで探索者協会のお偉いさんのだというのだから世も末だ。
隣で麒麟字さんも頭に手を当てていた。
仲間にすら呆れられてますやん。
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※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。
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八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
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