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暗躍する嫉妬
波乱含みのオフ会
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北海道での日々は、忙しくも俺に新たな目標を考えさせてくれた。
特に『アロンダイト』と一緒に行動する事で、ソロやパーティ単位では見えてこなかった人の動きや、コストのかかり方を知れたのは大きい。
起業する上でまず優先されるのが知識の統一化だ。
俺が複数人に教える環境ならそこまで苦労しないが、事業が成功したら人は増えていく。
なので社員側に教える内容と、顧客に教える内容の差を身をもって教えてもらった。
起業した時に躓かないためのノウハウだ。
貝塚さんとは今後とも仲良くしよう。
そういう意味では流れとはいえ契約しておいてよかったよ。
本人はアレだし、ギルドも濃いけど培ったノウハウは本物だった。
とはいえ、こっちにはゲームのオフ会の為だけで来ているので、あんまりそればかりにかまけているのも違うので切り上げる。
頭を営業モードから切り替えていこうか。
オフ会会場は割と近くにあるどでかいビルの中だった。
最初はショッピングセンターかと思ってたが、ここはまるまるギルドホーム。特にダンジョンエクスプローラーは義務教育とかで、いつでもログインできる環境にあるようだ。
ギルド『バルザイの偃月刀』
アロンダイトを男の園と例えるなら、こちらは女性がとにかく多い。アロンダイトが合わない子達がこぞってこちらに加入したのではないのか? と思ってしまうほどに。
まぁアロンダイトが特殊すぎるだけだが。
「やぁ、荒牧君。隣の彼が?」
「MNOじゃ。六濃君、この人がここのギルドのマスター、瀬尾真緒さん。うちのギルド長とも古い付き合いじゃ」
「ご紹介に預かった瀬尾です。ふぅん、MNOは六濃君なのね? よもやストレートに本名からとっているとは思わなかったよ」
「六濃海斗です。本日はお招きいただきありがとうございます」
「なんのなんの。君の噂はこちらにも届いてるよ? 随分と面白い子が居るって。ロンギヌスの秋津君が手を焼く程だと。本日は君のプレイを楽しみにしてる来客が多いんだ。存分にプレイして行ってくれ。無論、負けるつもりはないがね?」
ニコニコとしながら男装の麗人が笑いかける。
どういう事だと勘繰っていれば、
「瀬尾プロはDE公式のプロモーションにも出演しているお方でな。無論ランカーの一人でもある。あのあと君に抜かれた記録を塗り替えしてるくらいには負けず嫌いなんだ」
なるほど。
「そこ、余計なこと言わない!」
「その上完璧主義ときとる。うちのギルド長とは顔を突き合わせるたびに喧嘩しとるよ」
荒牧さんは肩を竦めてため息をついた。
まぁ貝塚さんは脳筋だから、理詰めタイプの瀬尾さんとは犬猿の仲だろう。
「しかし仲が良いという話では?」
「道内に二つしかないギルドじゃし、仲違いしてる噂が立つと困るから表向きは仲良くしとるよ。マスター同士の衝突は多いが、実力は認め合っとるんじゃ」
成程。お互いに苦労が多いというわけか。
まるで久遠と寧々だな。
あの二人もよく意見がぶつかり合ってるが、本心では嫌ってない。
単純に自分の思い通りに事が運ばなくての衝突だ。
「なるほど、概ね理解しました。統率者の矜持が違えば作戦指揮にも影響しますもんね。特に教育の違いによっては現場での判断も変わってきます」
「ほう、君はなかなか分かる子だね? そうなんだ、あいつは何かにつけて根性論を持ち出すからな。それに付き合わされるこっちは参ってしまうよ」
「心中お察しします。俺も本日まで世話になってたので、そちらのご苦労は身をもって知りましたよ」
「? どういう事だい、荒牧君?」
「彼はかれこれこんな事情でワーカー業に身を奴していてね」
荒牧さんが俺の状況をかいつまんで教えてあげていた。
探索者を夢見て学園に入るも才能は開花せず自主退学。
偶然遊んでいたDEの成績が良くてロンギヌスからの拾い上げ。
以降ワーカーとして売り出し中。
そこで今度そのノウハウを駆け出し探索者や一般人に売り込むべく会社を立ち上げることまで語ってくれたので、お陰で俺の話すことがなくなってしまった。
「ご挨拶が遅れました。今日は招待客の他に、新規事業立ち上げ前の視察も兼ねて現場を見にきています。これ、よろしかったらどうぞ」
俺の事情は荒牧さんが大体語ってくれたので、俺は来賓客としてではなく、新規事業を立ち上げる社長としての名刺を配る。
まだ会社は設立してないが、色々やりたい事やパンフレットの類は制作していた。
俺一人じゃ信用がないので、協賛にロンギヌスと新たにアロンダイトの名を加えて売り込んでいく。
「なるほど、ワーカーとしてのノウハウか。面白いね、うちの子達も才能の使い方で伸び悩んでる子も多い。でも協賛にアロンダイトがあるのは? 君がこちらにきたのは三日前だろう?」
「その3日で信頼を得たんじゃ。今や彼なしのダンジョンアタックは考えられぬとギルド長や先輩方も悲喜交々でな」
「面白い!」
開眼した彼女の瞳からは、他を威圧する眼力が宿っていた。
それだけで周囲に圧が広がり、意識を失う者も少なくない。
その状況を誰よりも早く察して目を瞑る。
「と、いかんな。ついつい童心に帰ってしまう。いい加減に自制しないと」
この人、割と戦闘狂なところあるな。
表向きは貝塚さんと喧嘩してるが、実は同族嫌悪じゃなかろうかと邪推する。
「しかし興味を引いたのは間違いない。ぜひうちのギルドでも手腕を振るって欲しいところだな。まだオファーは受け付けてるかい?」
「今のところ予定はないのでいつでも大丈夫、と言いたいところですがこちらにはオフ会に来ていますので、それが終わり次第ではいかがでしょう。俺が教えられるのはノウハウだけなので、後は受講者側の努力次第ですが」
「アロンダイトのお墨付きだ。ぜひ受講させてもらうよ」
「ありがとうございます」
「こちらも噂のMNOにご助力頂けるなら嬉しい限りだ。今日のパーティは楽しみにしていてくれたまえ」
そう言って瀬尾プロはるんるん気分でエントランスを出て行った。
一見クールそうで賑やかな人だったな。
俺の周りでは見ないタイプだ。
「面白い方でしたね」
「言うたじゃろ? 根っからの負けず嫌いじゃと。アロンダイトを対抗馬に出されたら向こうも黙ってられんのじゃ。それくらいアロンダイトは瀬尾プロにとって大きいからの」
「プライドですか?」
「ワシも詳しくは知らんのじゃが、思想の違いじゃな。彼女は且つて、アロンダイトに在籍しておったらしい。今のギルド長が就任する前、ワシらがオムツの世話になってた頃には活躍してたそうじゃ。その頃はうちもここまで男所帯ではなかったらしいぞ?」
「なるほど、負けられない何かがあるんですね?」
「それは瀬尾プロ以外は分からんよ。脱退後、立ち上げたギルドがワシらの方針の真逆を掲げている時点でお察しじゃがな」
それ以降、荒牧さんがこの件で口を開くことはなかった。
元ギルメンだった彼女が、在職中に何と向き合って今ここに居るのか。俺が首を突っ込んでいい事じゃないか。
「さて、軽くウォーミングアップでもしますか」
ぐるぐると腕を回すと、荒牧さんが「お手並みを拝見させてもらおうか」と獰猛な笑みを見せた。
俺は来客用のダンジョンエクスプローラーを起動し、スコアは狙わず効率化だけを狙って遊んでいく。
モニター越しに見て居るギルドメンバーを魅了するように、俺は探索者ではないからこその視点で一般人の極致を紡ぐように動くことに集中した。
◇◆◇◆
モニターの向こうでは、先ほど話した少年がゲームのプログラムを介してこちらに情報を送り込んでくる。
「これが噂のMNOですか?」
同席した少女、月代美波が訝しむ。
彼女はこの度採用したばかりの新規雇用組。
その中でも特に強いエネルギーを持っていた。
「君はこの子をどう見る?」
「動きはパッとしませんね。戦闘中に邪魔になるのでは?」
「彼は探索者ではないからね。私たちと比べるのは酷だよ」
「探索者ではない!?」
私も知らなかった事実を知り、同年代の強力なライバルを前に目を見張る美波。
「……彼は何者なのでしょう?」
それは誰にも分からない。でも、実際にスコアを出して居る。
プロが多くを占めるハイスコアの中で、彼の名前だけが燦然と輝く。
「それをこれから探るんだ。オフ会後、ウチでしばらく預かることになった。君はMNOに酷く執着しているね?」
「それは……荒牧さんが夢中になるほどの人材です。あの人の隣は私の居場所なのに! 彼が来てから私は見向きもされなくなりました」
「その【嫉妬】は、時に人を狂わせる。しかし私は君を肯定するよ、美波。私はアロンダイトの存在を認可出来ない。しかし私の一存で消滅させることもできないのだ。彼らは我ら道民の希望であり、象徴。それが潰える事は人類の敗北を意味するだろう」
「…………」
「だが、臆する事はない。私は君の味方だよ? 共に邪魔者を消し去ろうじゃないか。なぁに相手はたかだかサポーター。君に才能を持ってすれば他愛もない相手だろう? 後始末は私に任せてくれよ」
「はい、全てはマスターの為に」
従順な人形のように、彼女は私に傅いた。
心の中の悪魔が微笑む。
私は新たに宿した【嫉妬】の力で【強欲】に染まったこの世界を切り開く開拓者となるのだ。
特に『アロンダイト』と一緒に行動する事で、ソロやパーティ単位では見えてこなかった人の動きや、コストのかかり方を知れたのは大きい。
起業する上でまず優先されるのが知識の統一化だ。
俺が複数人に教える環境ならそこまで苦労しないが、事業が成功したら人は増えていく。
なので社員側に教える内容と、顧客に教える内容の差を身をもって教えてもらった。
起業した時に躓かないためのノウハウだ。
貝塚さんとは今後とも仲良くしよう。
そういう意味では流れとはいえ契約しておいてよかったよ。
本人はアレだし、ギルドも濃いけど培ったノウハウは本物だった。
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オフ会会場は割と近くにあるどでかいビルの中だった。
最初はショッピングセンターかと思ってたが、ここはまるまるギルドホーム。特にダンジョンエクスプローラーは義務教育とかで、いつでもログインできる環境にあるようだ。
ギルド『バルザイの偃月刀』
アロンダイトを男の園と例えるなら、こちらは女性がとにかく多い。アロンダイトが合わない子達がこぞってこちらに加入したのではないのか? と思ってしまうほどに。
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「ご紹介に預かった瀬尾です。ふぅん、MNOは六濃君なのね? よもやストレートに本名からとっているとは思わなかったよ」
「六濃海斗です。本日はお招きいただきありがとうございます」
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ニコニコとしながら男装の麗人が笑いかける。
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「瀬尾プロはDE公式のプロモーションにも出演しているお方でな。無論ランカーの一人でもある。あのあと君に抜かれた記録を塗り替えしてるくらいには負けず嫌いなんだ」
なるほど。
「そこ、余計なこと言わない!」
「その上完璧主義ときとる。うちのギルド長とは顔を突き合わせるたびに喧嘩しとるよ」
荒牧さんは肩を竦めてため息をついた。
まぁ貝塚さんは脳筋だから、理詰めタイプの瀬尾さんとは犬猿の仲だろう。
「しかし仲が良いという話では?」
「道内に二つしかないギルドじゃし、仲違いしてる噂が立つと困るから表向きは仲良くしとるよ。マスター同士の衝突は多いが、実力は認め合っとるんじゃ」
成程。お互いに苦労が多いというわけか。
まるで久遠と寧々だな。
あの二人もよく意見がぶつかり合ってるが、本心では嫌ってない。
単純に自分の思い通りに事が運ばなくての衝突だ。
「なるほど、概ね理解しました。統率者の矜持が違えば作戦指揮にも影響しますもんね。特に教育の違いによっては現場での判断も変わってきます」
「ほう、君はなかなか分かる子だね? そうなんだ、あいつは何かにつけて根性論を持ち出すからな。それに付き合わされるこっちは参ってしまうよ」
「心中お察しします。俺も本日まで世話になってたので、そちらのご苦労は身をもって知りましたよ」
「? どういう事だい、荒牧君?」
「彼はかれこれこんな事情でワーカー業に身を奴していてね」
荒牧さんが俺の状況をかいつまんで教えてあげていた。
探索者を夢見て学園に入るも才能は開花せず自主退学。
偶然遊んでいたDEの成績が良くてロンギヌスからの拾い上げ。
以降ワーカーとして売り出し中。
そこで今度そのノウハウを駆け出し探索者や一般人に売り込むべく会社を立ち上げることまで語ってくれたので、お陰で俺の話すことがなくなってしまった。
「ご挨拶が遅れました。今日は招待客の他に、新規事業立ち上げ前の視察も兼ねて現場を見にきています。これ、よろしかったらどうぞ」
俺の事情は荒牧さんが大体語ってくれたので、俺は来賓客としてではなく、新規事業を立ち上げる社長としての名刺を配る。
まだ会社は設立してないが、色々やりたい事やパンフレットの類は制作していた。
俺一人じゃ信用がないので、協賛にロンギヌスと新たにアロンダイトの名を加えて売り込んでいく。
「なるほど、ワーカーとしてのノウハウか。面白いね、うちの子達も才能の使い方で伸び悩んでる子も多い。でも協賛にアロンダイトがあるのは? 君がこちらにきたのは三日前だろう?」
「その3日で信頼を得たんじゃ。今や彼なしのダンジョンアタックは考えられぬとギルド長や先輩方も悲喜交々でな」
「面白い!」
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それだけで周囲に圧が広がり、意識を失う者も少なくない。
その状況を誰よりも早く察して目を瞑る。
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この人、割と戦闘狂なところあるな。
表向きは貝塚さんと喧嘩してるが、実は同族嫌悪じゃなかろうかと邪推する。
「しかし興味を引いたのは間違いない。ぜひうちのギルドでも手腕を振るって欲しいところだな。まだオファーは受け付けてるかい?」
「今のところ予定はないのでいつでも大丈夫、と言いたいところですがこちらにはオフ会に来ていますので、それが終わり次第ではいかがでしょう。俺が教えられるのはノウハウだけなので、後は受講者側の努力次第ですが」
「アロンダイトのお墨付きだ。ぜひ受講させてもらうよ」
「ありがとうございます」
「こちらも噂のMNOにご助力頂けるなら嬉しい限りだ。今日のパーティは楽しみにしていてくれたまえ」
そう言って瀬尾プロはるんるん気分でエントランスを出て行った。
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俺の周りでは見ないタイプだ。
「面白い方でしたね」
「言うたじゃろ? 根っからの負けず嫌いじゃと。アロンダイトを対抗馬に出されたら向こうも黙ってられんのじゃ。それくらいアロンダイトは瀬尾プロにとって大きいからの」
「プライドですか?」
「ワシも詳しくは知らんのじゃが、思想の違いじゃな。彼女は且つて、アロンダイトに在籍しておったらしい。今のギルド長が就任する前、ワシらがオムツの世話になってた頃には活躍してたそうじゃ。その頃はうちもここまで男所帯ではなかったらしいぞ?」
「なるほど、負けられない何かがあるんですね?」
「それは瀬尾プロ以外は分からんよ。脱退後、立ち上げたギルドがワシらの方針の真逆を掲げている時点でお察しじゃがな」
それ以降、荒牧さんがこの件で口を開くことはなかった。
元ギルメンだった彼女が、在職中に何と向き合って今ここに居るのか。俺が首を突っ込んでいい事じゃないか。
「さて、軽くウォーミングアップでもしますか」
ぐるぐると腕を回すと、荒牧さんが「お手並みを拝見させてもらおうか」と獰猛な笑みを見せた。
俺は来客用のダンジョンエクスプローラーを起動し、スコアは狙わず効率化だけを狙って遊んでいく。
モニター越しに見て居るギルドメンバーを魅了するように、俺は探索者ではないからこその視点で一般人の極致を紡ぐように動くことに集中した。
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モニターの向こうでは、先ほど話した少年がゲームのプログラムを介してこちらに情報を送り込んでくる。
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彼女はこの度採用したばかりの新規雇用組。
その中でも特に強いエネルギーを持っていた。
「君はこの子をどう見る?」
「動きはパッとしませんね。戦闘中に邪魔になるのでは?」
「彼は探索者ではないからね。私たちと比べるのは酷だよ」
「探索者ではない!?」
私も知らなかった事実を知り、同年代の強力なライバルを前に目を見張る美波。
「……彼は何者なのでしょう?」
それは誰にも分からない。でも、実際にスコアを出して居る。
プロが多くを占めるハイスコアの中で、彼の名前だけが燦然と輝く。
「それをこれから探るんだ。オフ会後、ウチでしばらく預かることになった。君はMNOに酷く執着しているね?」
「それは……荒牧さんが夢中になるほどの人材です。あの人の隣は私の居場所なのに! 彼が来てから私は見向きもされなくなりました」
「その【嫉妬】は、時に人を狂わせる。しかし私は君を肯定するよ、美波。私はアロンダイトの存在を認可出来ない。しかし私の一存で消滅させることもできないのだ。彼らは我ら道民の希望であり、象徴。それが潰える事は人類の敗北を意味するだろう」
「…………」
「だが、臆する事はない。私は君の味方だよ? 共に邪魔者を消し去ろうじゃないか。なぁに相手はたかだかサポーター。君に才能を持ってすれば他愛もない相手だろう? 後始末は私に任せてくれよ」
「はい、全てはマスターの為に」
従順な人形のように、彼女は私に傅いた。
心の中の悪魔が微笑む。
私は新たに宿した【嫉妬】の力で【強欲】に染まったこの世界を切り開く開拓者となるのだ。
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