劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)

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暴食の力

明かされた真実

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 寧々から念話を貰ったので帰りましょうと促し帰宅したら、二人が抱き合ってる場面を目撃してしまった。
 え、もしかしてそういう関係だった?
 再びドアを閉め直して仕切り直しすると、二人して居住まいを正していた。


『あなたは何も見なかった、いいわね?』


 念話で念押しされ、何事もなかったように笑顔で迎えられる。


『お話はできた?』

『ええ、その件も踏まえて仲間内だけでお話ししたいとのことよ。悪いけどもう一人の方には席を外してもらう必要が……』

『いや、一度そっちに戻るよ。今回は食費を使い込みすぎた。ストックがなくなったからな』

『昨日の今日で?』


 訝しむ寧々。


『こっちのギルドは大所帯でな。100人分用意したら尽きた。間に合った事が奇跡と言っていい』

『そうなのね、私も一度帰還するわ。方法はそちらに任せていい?』

『どうぞどうぞ』


 俺は一旦寧々を東京へ帰し、自分の部屋に戻ると、クオンに挨拶を交わして商店街で買った海産物を取り出した。


「久遠、お土産。蟹と鮮魚どっちがいい?」

「美味しいやつ!」


 台所で料理をしてた久遠が、俺の声に気がついてやってくる。
 最近こっちで出入りしてるから出かけたにも関わらず突然帰ってくることに対応してくれるのでありがたい。
 合鍵を渡しているので、勝手に上がっては何やら物色してるのを見て見ぬ振りする程度の覚悟は必要だが。
 まぁ、そこまで悪さはしないという確信を持って接している。

 そして荒牧さんに断りを入れて、ギルド長をお借りする。
 何か効きたそうにしてたけど、突然現れた寧々に対して歓迎したことから、自分の知らない顔を持っているのに気づき、席を外してくれた。
 ちょっとDEの練習でもしてくると出かけて行った。
 俺たちは一旦家に戻った。
 久遠は蟹を初めて見たらしく、活け〆したブツをちょんちょんついている。その様子からおっかなびっくりっていう感じだ。


「何してんの?」

「うわ、動いた! ムックン、こいつ生きてるよ!」

「そりゃ鮮度がいいの買ってきたから。貝塚さん、カニの食い方はボイルが主流でしたっけ?」

「知らん!」

「……あなたにはもう聞きません」


 たった一言のやり取りで会話が終わった。
 こういうのは簡潔とは言わない。
 話をするだけ無駄というのだ。

 製法に詳しくなくたって、よく食べる食事法を聞いただけなのにこの対応である。
 俺は食事を用意してくれて当たり前だという考えの人は尊敬することはない。


「ムックン、このひとだぁれ?」


 満を辞して久遠が尋ねてくる。
 まるで背景にそぐわない人物が不法侵入してきたみたいな身構え方である。まぁ初見は驚くよな。
 なんと言っても眼力が凄まじいのだ。


「落ち着きなさい、久遠。一応知り合いよ。そしてダンジョンチルドレンの関係者と言えばわかるかしら?」

「魔石病の? わかった。でも男の人も適応するんだね、初めて知った」


 久遠は至極真っ当にそう答える。
 男にしか見えないのだ、今の彼女は。


「ここはもう東京ですので、力を入れなくてもいいですよ? その顔は周囲を威圧するので、リラックスしていただければ」

「それは一理あるね。ふにゃ~」


 リラックスモードになる時の、空気が抜ける音を口で言う貝塚さん。こう見えてギルドではすごく頼られているのだと言って誰が信じてくれるのか? 
 周囲の反応を見るからに、誰も信じてくれなさそうだ。


「女の人!?」


 そしてリラックスモードの貝塚さんをようやく同性と認めた久遠。
 どこか満足げに微笑む貝塚さん。
 もうこの人は放っておこう。


『寧々、貝塚さんの相手は頼むな?』

『ちょっ、押し付けないでよ』


 知り合いじゃなかったのかよ?
 まるで不本意みたいな対応に戸惑った。

 蟹をボイルして食す。食べ方はネットで調べた。
 荒牧さんに聞いても良かったが、ギルド調がこの有様じゃ聞くだけ無駄だろう。
 酢醤油や塩。
 鮮度のいい蟹はどう食べても美味しかった。

 ダンジョンチルドレン絡みだから一応凛華にも連絡はしたが、明海を連れてくるとのことで今から何を言われるか身構える。
 なんせこの部屋には俺を除けば女子しかいないのだ。

 俺は凛華一筋とどれほど言ったところで、不潔と罵られる未来が見えている。
 いざとなったら貝塚さんを頼ろう。
 彼女はこの中で唯一女子らしくない。
 ヨシ! 俺は対抗手段を得てノリノリで支度をした。

 少ししてインターホンが鳴る。
 玄関に出れば凛華と明海が着飾って登場だ。


「今日はご馳走になりますね」

「お兄、蟹があるって聞いて駆けつけたよ! 美味しいところ取っててくれた?」


 クリスマスデート以来に出会う妹はあの時のままだ。
 しかし玄関の靴に俺以外の女性物の見慣の靴があると知り、一瞬眉を顰めるが、中に入って宅を囲む面子を見て表情を歪めた。


「お兄の不潔ー! 凛華お姉ちゃんというものがありながらこんなに女子を囲んでー」


 パァン!
 乾いた音と共に俺の頬は叩かれた。
 痛みはない。けど心が痛かった。


「あ、明海! こっちこっち。カニの美味しいところあるよ!」

 
 久遠が助け舟を入れる。
 見た感じは同学年ぽい見た目だが、久遠はこう見えて上級生だ。


「久遠ちゃんも、お兄を狙ってるからって一人暮らしの男の家に上がり込むなんて最低だよ!」

「明海は何をそんなにツンツンしてるの? 今日は同じ魔石病患者同士の懇親会だよ? ムックンから聞いてない?」

「えっ……、本当なのお姉ちゃん?」

「今回は明海さんが悪いですね。確かに私も言葉足らずでしたが。来年明海さんが入学する際にお世話になる方々ですよ。海斗さんは明海さんと仲良くして欲しくて招待したんです」

「そうなんだ、あたし何にも知らなくて。叩いてごめんね、お兄?」

「いいよ、俺も説明不足だった。その代わり料理は用意したからさ。今日はジャンジャン食べてってくれよ。凛華も、ゆっくりしてってくれ、といつのまにか指が切れてたんだ?」


 カニの棘に刺さったのか、血が指先から垂れた。
 それを見て何を思ったのか、その指先を明海が咥えた。


「ちょ、お前」

「ふっふーん、子供の頃はこうやってぺろぺろしたじゃん? 恥ずかしがんないでよー」

「そういう問題じゃ……ぐっ」


 こいつ、めっちゃ吸ってくる。戯れにしたってやり過ぎだろうに。


<六濃明海と仮契約を結びました>


 言わんこっちゃない。


『明海さんと仮契約は結ばれましたか?』


 状況を見越した凛華が念話で聞いてくる。


『勘弁してくれ、妹まで巻き込むつもりはなかったのに』

『明海さんも寂しがっていましたから。私もこちらの念話を得て、随分と寂しさを紛らわせています。これくらいは許してあげてください』


 そこまで言われたら、確かに妹も裏に押し込めばいいってもんじゃないか。


『お兄、聞こえる?』

『どうした愚妹?』

『愚妹って誰のことじゃーー!!』


 念話をしながらジタバタ暴れる明海。
 この子は二つのことを同時にこなすのは苦手そうだ。


「ほらほら、暴れなくたっておかわりはあるわよ? 久遠、受け皿とって」

「はーい」


 寧々の掛け声に久遠が答え、久遠から回ってきた皿に俺がボイルした蟹の身を乗せて出した。
 それを摘んで啜る明海。なんとも嬉しそうにすすっている。

 そして暫くして、全く身に覚えのないボクっ子の存在に気がついた。
 今ではすっかり我が物顔で居座っているが、こいつは誰だと妹から念話が煩い。


「そちらの方については私からお話があるわ。もちろんこれはあなた方にも関係があることよ」

「寧々? そう言えば知り合いに会いに行くって話だったね」

「僕から話すよ、寧々」

「真琴……じゃあお願いするわ。私も覚悟はできたもの」


 久遠が寧々に向ける視線を遮って、立ち上がる。
 寧々にだけ泥は被せないつもりなのか、やはり義理人情には厚い人のようだ。


「まず、僕の自己紹介から始めようかな? 僕は北海道のギルド『アロンダイト』のギルド長、二代目だけど一応偉い人だから敬うように」

「おお! ギルドマスター! 凛華お姉ちゃんのお兄さんのマスター山だったよね?」

「はい。ですがアロンダイトですか、うちの父様と同じく古参のギルドマスターが率いる強豪ギルドの一つですね」

「そうなの? え、じゃあ本当にすごい人じゃん! うわー、雲の上すぎて全然話についていけない」


 明海が何も知らされてないなりに必死に食いついて状況を理解しようとしていた。


「まぁね。でもボク自身の出生は少しばかり異なるんだ」

「どういう事?」


 家族経営のギルドなら、二代目は親族となる。
 しかし親族でもなんでもない人が二代目を継いだ。
 その理由が明海には理解できないでいた。


「ボクと、そこに居る寧々は過去の記憶を抹消されて一時期一緒に暮らしたことがある。あれは五年も前のことだったかな? 誰か五年前の事件に詳しい人」


 誰か心当たりのある人はいないか?
 そんな言葉掛けに凛華が挙手をする。


「父様の研究施設から被験体が逃げ出したと報告を受けております。まさかあなた達は?」

「どういう事、お姉ちゃん?」


 未だ状況を掴み切れずに居る明海。
 よもや魔石病そのものが御堂グループの自作自演で、来るべき序列戦のための戦力増強の布石であるなんて思いもしない。
 そしてそれを率いるのが凛華の実の父親であることなんて知る由もないのだ。


「明海、驚かないで聞いてくれ」

「う、うん」


 俺は真剣な目で妹の肩を掴んで言葉を紡いだ。
 話の雰囲気から冗談ではないと気づいた明海は、息を呑んで俺の次の言葉を飲んだ。


「兄ちゃん達な、実は世界をかけた戦いに身を投じているんだ」

「へ?」


 妹は案の定、間の抜けた返事を漏らした。
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