劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)

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暴食の力

探索者への道 1

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 シャスラが元の場所に戻った後、俺たちは社宅組と別れて勝也さん達と再びダンジョンを戻ってTP換算を終える。
 立て続けに起こったイベントに、すっかり目的を忘れるところだったが、何とか無事終えて皆疲れ切った顔をしていた。


「海斗、お前には色々言いたい事はあるが、ひとまずもっと名前を売っておけ。無名のままじゃうちの親父は認めんぞ?」

「勝也さんは凛華さんとのお付き合いを認めてくれるんですか?」


 一応凛華との関係を打ち明けはした。
 しかしそれからの反応がないのだ。
 どこか悲しそうな、それでいて本人が良ければそれでいいような。やっぱり悔しい感じがことばの端から滲み出ていた。


「その件については時間をくれ。妹が選んだのなら俺も認めてやりたいが、まずは名前を売り込むことから始めろ。うちで匿うのもそろそろ限界だ」


 確かにな。俺のせいでウロボロスに喧嘩を売った形だし、麒麟字さん繋がりでも俺の活躍で問い合わせも多いと聞く。
 ワーカー業での名刺配布は、俺の名前よりもワーカーとしての仕事内容が知られた感じだもんなぁ。

 でも凛華曰く、ワーカー業のままでは親父さんとの面会謝絶は避けられない。
 やはり戦力として申し分なければダメなのだろう。
 ならどうするか? やはり探索者になるしかないのか?
 だとしてもどうやってなるかだな。


「海斗、お前いい加減に探索者としてデビューしろよ」

「いや、表の世界で扱える能力ないですよ、俺?」


 よもや吸血や暴食の能力は表立って使えまい。
 ワンチャン、眷属召喚は使えるが、まだ検証の域を出ない。
 どうしたもんかと悩んでいると、恭弥さんが言葉を続けた。


「そもそもお前くらい動けるのに無能認定する学園側がおかしいんだ。そりゃ、才能もないのにTPを稼げば嫉妬の的だろうが。だからこそ同じグループ内で切磋琢磨させればそれぞれ成長が見込めるのによ。勿体ねーことするよなって思ってたんだ」

「そこは仕方ないですよ。先生とかも規定を守った結果でしょうし」

「そもそもさ、お前が既に一般人の枠を逸脱してんのに、ずっとワーカーで通すのは無理だろ?」

「流石にそこまで……え、本当に? 俺レベルのワーカー、探せば一人くらい居るでしょ?」


 俺の回答に恭弥さんは首を横に振った。


「残念だが、ワーカーに頼る探索者は二流か三流止まり。そして探索者の行動力について来れるワーカーもまた皆無。お前、Cランク探索者の行動についていったらしいな。噂になってるぜ? 本当に探索者じゃないのかって。基礎体力が既に一般人から逸脱してるそうだ。その事実をうちはいつまでも隠し通せねぇぞ?」

「でも、学園を自主退学した事実は拭いきれませんよ?」

「もう一度俺たちの方で掛け合ってみるよ。本当にお前が無能なのか、検査込みで証明してやるよ。お前もお前で多少は日の当たる場所に出てもいいくらいには思ってるだろ?」

「事情が変わりましたからね。もう、俺は隠れる必要もなくなりました。妹も保護して貰ってます。そして何より、凛華との仲を認めてもらう為にも知名度は必要です」

「なら、才能が無くたっていくらでもモンスターを倒せる知識を披露しに行こうぜ? お前の手帳が役に立つ日が来たって事だ」


 俺がギルドに世話になった日、恭弥さんに見せた手帳のページ項目はあらかた埋まりつつある。


「これで、認めてもらえるもんですか?」

 
 確証はない。ただの手帳にそこまでの価値がつくのか?
 なんだったら雑記帳でしかない。


「実際にお前の凄さは能力だけで測れねぇからな。一緒に行動させて無理矢理認めさせる。じゃなきゃお前は一生弱者だ。それでもいいのか?」

「それは嫌ですね」

「だろ? 勝也、お前もそれでいいよな!」

「ああ、俺はそれで構わん。あとは任せる。俺は俺の仕事をしよう」


 そう言って、勝也さんは俺たちと違うホールへと向かった。
 

 ◇


 神奈川の相模原を抜け東京へと帰ってくる。
 向かった先はダンジョン協会。まずはこっちの役人を味方につけるつもりか。
 順番が逆じゃないだろうか?
 本来はダンジョンの行き来をするためのライセンスが探索者協会で発行されて、そこからダンジョン協会で査定するもの。
 一応ライセンスそのものの取得はしてるが、G止まり。ある意味ワーカー専用とされている。


「すまん、俺はAランクの秋津恭弥ってもんだ。お偉いさんは居るか?」

「少々お待ちください」


 受付で不躾なやり取り。アポイントメントという言葉はこの人には通用しないらしい。
 しばらくして後頭部が少し後退した初老の男性がやってきた。


「ご無沙汰してるね、秋津君。本日はどのようなご用件で?」

「こいつを売り込みに来た」

「この方を?」


 自信満々に俺に指を向ける恭弥さん。
 言われたお役人さんはキョトンとしながら俺を見た。
 どう見たって高校生。
 売り込むならそれなりの実力を持っているのだろうとその目が舐めるように俺の体を見ていく。


「こいつの力は表面上ではわかんねぇよ。海斗、手帳を見せてやれ」

「どうぞ、拙いものですが」


 俺は数冊あるメモ帳をまとめてお役人さんに渡した。
 訝しみつつもそれを捲る。
 しかし内容を目にしてから目つきが変わった。
 次々とページを捲る手が速くなり、やがて興奮気味に肉薄してくる。


「この情報をどこで手に入れたのかね? これは我々が求めてやまない情報群だ! 勿論、既知のものもあるが、全く未知のものまである」

「落ち着けよ、おっちゃん」

「つい、興奮してしまいました。しかしこの情報群は見事なものですよ。この少年は鑑定能力をお持ちなのですか?」

「いんや、そんなもんはねぇ」

「いや、しかしこの情報量はいったいどこから?」

「そいつはあんたの目で確かめてもらいてぇんだ。これからダンジョンに行くぞ。そうだな、Bランクでいいだろ。海斗も問題ないな?」

「俺、Bランク初めてです」

「よし! じゃあ書類をまとめてくれ。あ、これこいつのライセンスな?」


 そう言って恭弥さんが俺のライセンスを持ち出す。
 記されているのは一般人(ワーカー)を示すG。
 それを目にしたお役人さんが普通にありえないと憤る。


「ちょ、ちょ、ちょっと待って秋津君! 確かにこの情報量は凄いけど、GランクのワーカーをBランクダンジョンに連れてくのは立場上お勧めできないな」

「いや、こいつ三重でAランクの深層まで行って帰ってきたやつだから。麒麟児さんに聞いた事ねぇ? うちのギルドのワーカーがついていったって。生憎とうちのギルドにワーカーはこいつしか居なくてさ」

「なっ! それが本当だとしたら、この手帳にはAランクモンスターの特徴まで記されてると!?」

「流石に全部は記せてませんね。あいつら数だけやたら多いいんで、メモしてる暇がありませんでした。溶岩地帯とかもあって、休息できる場所も少なかったですし」

「それを知っていると言うことは本当に!?」

「正直、こいつをいつまでもワーカーとして置いておくことに問題があるんだわ。そこでおっちゃんにも推薦してほしくてさ」

「何の推薦だ?」

「こいつが探索者としてやっていけるかの推薦状。俺も推すけど、同じギルドのやつが推したって自作自演だろ? 実際にダンジョンってのは危険が伴う。そこで余裕で生き抜くことができ、尚且つトレジャーを持ち帰れる実力がある。それを今から査定してほしい。勿論おっちゃん自身についてきてほしいけど、Bランクダンジョンにはついてけないってんなら信用を置いてる探索者でもいいぜ?」

「いや、私もこう見えてBランク探索者だ。まだまだ若いもんには負けんぞ?」

「おし、決まりだな。あとこいつは凄腕のワーカーでもある。途中の飯は期待していいぜ?」


 恭弥さんに任せてたら話がトントン拍子に進むな。


「六王海斗です。ロンギヌス所属、ギルド疾風団でワーカーの手解きを受けました。本日はよろしくお願いします」

「近藤勇だ。秋津君は私をおっちゃんと呼ぶが、好きなように呼んでくれて構わない」

「近藤さんですね。こちらこそうちの上司が大変失礼しました。これ、お礼の品です」

「秋津君のギルドメンバーにしては随分智礼儀正しいね。しかしこれは見たことのない瓶だな。ポーション? にしては随分と黄色がかっているし……いや、これは!!」

「命の雫だな」

「命の雫ですね」

「命の雫ぅううう!?」


 ダンジョン協会のお偉いさんなら見慣れてるものだと思ったけどそうでもないのかな?
 その場で尻餅つきそうなほど腰を抜かし、驚愕していた。


「あっはっは、おっちゃん。この程度で驚いてちゃこいつと一緒に行動できないぜ? こいつはそれを調味料ぐらいにしか思ってないからな」

「流石、秋津君の推す子ですね。挨拶がわりにこんな代物が出てくるとは。もしや……最近このアイテムの価値が値崩れしている原因とは?」


 察しがいいな。


「どうですかね? 俺は分かりませんが。ドライアドの判別方法と討伐方法は熟知していると自負してます」

「いやはや、そんな子がワーカーをやっているというのは驚きですが。少し楽しみになってきましたよ。あ、これ早速いただいても良いですか? 最近ストレスで頭部が寂しくなって参りまして。お恥ずかしい限りですが」


 俺たちはどうぞどうぞと促し、近藤さんは一気に呷った。
 同時に若返る頭部。
 頭部の復活と共に顔つきも少しワイルドになったか?
 自信が蘇ってきたのを感じた。


「おっちゃん、イケてるぜ!」


 手鏡を取り出して恭弥さんがサムズアップ。
 真に受けた近藤さんが、これが今の自分かと手鏡を近付けたり離したりと忙しない。
 これは予想より騒がしい道中になりそうだ。
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