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暴食の力
食えばわかる
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「正直に言いまして、お二方のやり方は無駄が多いです。俺から言わせたら、別にあれは倒さなくてもいいと思うんですが」
「空に対抗手段があると聞いたのはお前だぞ?」
恭弥さんが唇を尖らせながら不満を口にした。
「聞いただけじゃないですか。やって見せろだなんて言ってません」
「実際、海斗ならどうする?」
文句しか言わない恭弥さんと違い、勝也さんが俺ならどうするかやってみろと暗に促した。
「俺流のやり方でいいのなら」
そう言いながら飛んでる一匹をテイムし、下まで降りてきてもらう。
すぐ横にユグドラシルを魔封じの瓶から解放してから解体を始める。こいつを用意したのは即死ダメージを与えても死なないからだ。
時間にして数分枝肉にし終わると、ユグドラシルの根本から新しい鷹型のモンスターが現れた。
枝肉の方は無事である。
「と、こんな感じです」
二人は理解できないようにポカンと間抜け面をさらした後、頭を抱えるようにして天を仰いだ。
どこから突っ込むべきやら「おいおいおいおい」やら「待て待て待て待て」と同じ言葉を繰り返す。どうやら思考が整理しきれないようだ。
二人に打ち明けてない秘密の一端がここにあるからな。
ある程度開示する必要はあるかと妥協した上での開示である。
特に序列戦とやらに巻き込むつもりはないが、暴食の技能は知っておいてほしいところだ。
六王の力は……モノのついでで紹介すればいいかなという腹づもりである。
「ツッコミどころが満載だが、その木はなんだ?」
勝也さんが眉間の皺を揉み込みながら聞いてくる。
「ユグドラシルです。Bランクモンスターですが俺が作りました」
「そもそもお前、討伐しなきゃテイムできないんじゃなかったか?」
恭弥さんも、話が違うぞという顔だ。
「実はAランクダンジョンを踏破したら、Aランク以下は即座にテイム可能になりまして」
「しかも作った? モンスター同士を組み合わせることまで可能と来たか」
それはクリスマス前のダンジョンアタックの時だが、隠すことでもないので伝えていいか。ずっと不遇な才能とばかり思われてるのもアレだし。
「まぁ、はい。一応準備が必要ですが、ユグドラシルのおかげでそれらの懸念も解消されましたね」
恭弥さんが聞いてないぞと声をあげ、俺は聞かれませんでしたからと受け流す。
それよりもモンスター肉のバフ料理を検証しないと、と促せばこの場は見過ごしてくれることになった。
「で、実際検証ってどうやって調べんだよ?」
「喰います」
俺はそのまま生の枝肉に噛みつき、もしゃもしゃと骨ごと咀嚼する。羽毛は邪魔になると思って剥いだが、これはあっても行けたかもしれんね。
バリ、ゴリ、グシャ、ゴクンと飲み込めば、頭の中にメロディがなる。
<ハンターイーグルの捕食効果が適用されます>
消化するまで、敏捷強化、視覚強化、不意打ちの成功率アップ
料理は揚げ物、煮物、炒め物に上記バフ10%
蒸し物に+30%
「骨まで食うのは流石にヤベェよ、お前の体どうなっちまったんだ? 異常だぞ!」
「あー、それは慣れていただくしかないですね。それよりも俺はこれをどう活かすかで考えてます」
「みてるこっちがキツイって意味だ」
「諦めろ、恭弥。海斗は昔からこういうやつだ」
やや諦めた態度の勝也さん。流石凛華の兄貴である。
この包容力があるからこそ凛華を庇い続けてられるのだ。
対して恭弥さんは一人っ子だったのか不満があればすぐ口にした。
貧乏だったとは思えないくらいに、傲慢だ。
いや、探索者になって裕福になったからこそ、俺ほどアグレッシブに生きられないだけか、と考え直す。
俺もTPを稼いだが、未だその使い道に悩んでるもんな。
自分のために使うより仕事第一すぎて身の回りのもので買ったのなんて久遠と一緒に買い物した時の服ぐらいだし。
と、思考が脱線しすぎたな。
「こいつ、食えるのか?」
見るからに厳つい、食べる場所の少なそうな鷹のモンスターを持ち上げて恭弥さんが唸っている。
「それを調べるために俺たちは来たんですよ? 色々作りますんで、お二方には味見係をお願いします」
「まぁ、食えそうなら食うが。実物を見た後だとな」
「これを果たして表に出していいものか……」
「これが一般化されたら、弱小探索者もワーカーも喜ぶしありがたいと思うんですけどねー。俺としてはアリだと思うんですけど」
「なんだかお前の口車にうまく丸め込まれてる気がするんだが?」
「気のせいですよ。せっかく資源があるんだから活かしましょうよって、そういう提案です」
「うーん? まぁ食ってみないことにはわからんか。調理中の護衛は任せとけ!」
殲滅力はお墨付き。これほど心強い護衛も居ないだろう。
恭弥さんは難しいことは勝也さん任せに、調理中の鳥料理に涎を垂らす。
難しく考えすぎてた勝也さんも、料理を口にしたら考えを改めてくれたようだ。
「これは、アリだな!」
「効果は?」
「敏捷強化、視覚強化、後不意打ち時の成功率上昇? 蒸し物以外は10%、蒸し物が30%上昇。効果は食った飯が消化するまでですね」
「バフが三つ? 食っただけで?」
「しかも消化するまでとか……スープ系も可能なのか?」
「ああ、付け合わせとして抱き合わせて売り込んでもいいですね。骨を煮込んでガラスープにしてみますか?」
「だったらさっきの唐揚げもつけてくれ。買う」
「俺は棒棒鶏でいいぞ。もちろん金は払う、言い値で買おう」
「お金がもらえるんなら俺も奮発しますよ。ある程度疾風団で習ったので和洋中行けます。色々検証しましょう。つっても、ダンジョンの中じゃ、模倣でしかありませんが」
「お、言ってみるもんだな!」
「ダンジョン内で携帯食料以外のメシが食える時点で俺たちにはありがたいよ。ほら、俺らって戦うこと以外からっきしだから。着いて来れるワーカーもいなくてずっと簡素なメシで生きてきたから」
勝也さんが力を手に入れたなりの苦労を語る。
食事で苦労したと言うが、こんなことしてるのは俺くらいでみんな苦労してたと思うぞ?
学園内でもモンスターのドロップアイテムを口に入れてまで先に進むの俺くらいしかいなかったし。
その後ガラスープを作る。
煮込むだけ、と言うシンプルさながら煮込む時間を視野に入れてなかった。ダンジョン内は計器が狂う磁場が発生してるので凛華や久遠、寧々に念話で時間の経過を図りながら、転移の魔道具で家で放置する事に。
『なんだったらスープの状態、うち見とこうか?』
『本当か? 助かる』
久遠からの申し出で、自宅で調理通のスープ鍋は久遠の管轄となった。寧々にはシャスラの世話を行なってもらい、凛華には直接ダンジョンに来てもらうことでバランスを取る。
「な、どうしてお前がここに!? 学園内でもすごしてたは筈では?」
首元を隠すような服装で、俺の呼び出しに答えてくれた凛華はよそゆきの格好で朗らかに笑う。
「お兄様には伝えておりませんでしたが、実は私たち、お付き合いしてるのです。ね、海斗さん?」
開口一番、俺に試練を試したがるのを除けば十分に可愛い彼女なのだが、同行者のうちの一人が憤怒の表情で俺を見据えた後、口を開いた。
「取り敢えず、詳しく事情を聞こうか。ん?」
肩に置かれた手は、プルプルと震えていた。
兄がこんなに自分のために怒ってくれたのが嬉しいやら悲しいやら。凛華の方はもう子供じゃないんですからと意固地な兄にぷりぷりと怒りを見せている。
それを側から見て他人事のように笑う恭弥さん。
こうしてダンジョン飯の検証会に新たな参加者を加えた。
その場では合鍵ならぬ、合い魔道具を渡して転移してもらった事にしたが、実は契約者で半分人間じゃなくなったことを伝えたらどんな態度を取られるだろうか?
寿命が伸びたことを喜んでくれるか? はたまた許可なく傷物にしたことを怒り出すか。
そんないつ爆発するかわからない不発弾は、俺たちがイチャつくたびにモンスターをサンドバッグにすることで発散された。
なまじバフがかかってるから凄いこと凄いこと。
モンスターの方が可哀想になってくるとは誰の言葉だったか。
しかし中層を降りたあたりでそんなほのぼのとした雰囲気は一変した。
「なんだ、こりゃ?」
周囲に漂う気配が今までとは違う。
何せこの空間に存在するモンスターがすでに事切れているのだ。
しかしその肉体は消滅せず、その場に残り続けている。
恭弥さんがこんな事態は初めてだと呟いたその時、視界の端で何かが動いた。
「空に対抗手段があると聞いたのはお前だぞ?」
恭弥さんが唇を尖らせながら不満を口にした。
「聞いただけじゃないですか。やって見せろだなんて言ってません」
「実際、海斗ならどうする?」
文句しか言わない恭弥さんと違い、勝也さんが俺ならどうするかやってみろと暗に促した。
「俺流のやり方でいいのなら」
そう言いながら飛んでる一匹をテイムし、下まで降りてきてもらう。
すぐ横にユグドラシルを魔封じの瓶から解放してから解体を始める。こいつを用意したのは即死ダメージを与えても死なないからだ。
時間にして数分枝肉にし終わると、ユグドラシルの根本から新しい鷹型のモンスターが現れた。
枝肉の方は無事である。
「と、こんな感じです」
二人は理解できないようにポカンと間抜け面をさらした後、頭を抱えるようにして天を仰いだ。
どこから突っ込むべきやら「おいおいおいおい」やら「待て待て待て待て」と同じ言葉を繰り返す。どうやら思考が整理しきれないようだ。
二人に打ち明けてない秘密の一端がここにあるからな。
ある程度開示する必要はあるかと妥協した上での開示である。
特に序列戦とやらに巻き込むつもりはないが、暴食の技能は知っておいてほしいところだ。
六王の力は……モノのついでで紹介すればいいかなという腹づもりである。
「ツッコミどころが満載だが、その木はなんだ?」
勝也さんが眉間の皺を揉み込みながら聞いてくる。
「ユグドラシルです。Bランクモンスターですが俺が作りました」
「そもそもお前、討伐しなきゃテイムできないんじゃなかったか?」
恭弥さんも、話が違うぞという顔だ。
「実はAランクダンジョンを踏破したら、Aランク以下は即座にテイム可能になりまして」
「しかも作った? モンスター同士を組み合わせることまで可能と来たか」
それはクリスマス前のダンジョンアタックの時だが、隠すことでもないので伝えていいか。ずっと不遇な才能とばかり思われてるのもアレだし。
「まぁ、はい。一応準備が必要ですが、ユグドラシルのおかげでそれらの懸念も解消されましたね」
恭弥さんが聞いてないぞと声をあげ、俺は聞かれませんでしたからと受け流す。
それよりもモンスター肉のバフ料理を検証しないと、と促せばこの場は見過ごしてくれることになった。
「で、実際検証ってどうやって調べんだよ?」
「喰います」
俺はそのまま生の枝肉に噛みつき、もしゃもしゃと骨ごと咀嚼する。羽毛は邪魔になると思って剥いだが、これはあっても行けたかもしれんね。
バリ、ゴリ、グシャ、ゴクンと飲み込めば、頭の中にメロディがなる。
<ハンターイーグルの捕食効果が適用されます>
消化するまで、敏捷強化、視覚強化、不意打ちの成功率アップ
料理は揚げ物、煮物、炒め物に上記バフ10%
蒸し物に+30%
「骨まで食うのは流石にヤベェよ、お前の体どうなっちまったんだ? 異常だぞ!」
「あー、それは慣れていただくしかないですね。それよりも俺はこれをどう活かすかで考えてます」
「みてるこっちがキツイって意味だ」
「諦めろ、恭弥。海斗は昔からこういうやつだ」
やや諦めた態度の勝也さん。流石凛華の兄貴である。
この包容力があるからこそ凛華を庇い続けてられるのだ。
対して恭弥さんは一人っ子だったのか不満があればすぐ口にした。
貧乏だったとは思えないくらいに、傲慢だ。
いや、探索者になって裕福になったからこそ、俺ほどアグレッシブに生きられないだけか、と考え直す。
俺もTPを稼いだが、未だその使い道に悩んでるもんな。
自分のために使うより仕事第一すぎて身の回りのもので買ったのなんて久遠と一緒に買い物した時の服ぐらいだし。
と、思考が脱線しすぎたな。
「こいつ、食えるのか?」
見るからに厳つい、食べる場所の少なそうな鷹のモンスターを持ち上げて恭弥さんが唸っている。
「それを調べるために俺たちは来たんですよ? 色々作りますんで、お二方には味見係をお願いします」
「まぁ、食えそうなら食うが。実物を見た後だとな」
「これを果たして表に出していいものか……」
「これが一般化されたら、弱小探索者もワーカーも喜ぶしありがたいと思うんですけどねー。俺としてはアリだと思うんですけど」
「なんだかお前の口車にうまく丸め込まれてる気がするんだが?」
「気のせいですよ。せっかく資源があるんだから活かしましょうよって、そういう提案です」
「うーん? まぁ食ってみないことにはわからんか。調理中の護衛は任せとけ!」
殲滅力はお墨付き。これほど心強い護衛も居ないだろう。
恭弥さんは難しいことは勝也さん任せに、調理中の鳥料理に涎を垂らす。
難しく考えすぎてた勝也さんも、料理を口にしたら考えを改めてくれたようだ。
「これは、アリだな!」
「効果は?」
「敏捷強化、視覚強化、後不意打ち時の成功率上昇? 蒸し物以外は10%、蒸し物が30%上昇。効果は食った飯が消化するまでですね」
「バフが三つ? 食っただけで?」
「しかも消化するまでとか……スープ系も可能なのか?」
「ああ、付け合わせとして抱き合わせて売り込んでもいいですね。骨を煮込んでガラスープにしてみますか?」
「だったらさっきの唐揚げもつけてくれ。買う」
「俺は棒棒鶏でいいぞ。もちろん金は払う、言い値で買おう」
「お金がもらえるんなら俺も奮発しますよ。ある程度疾風団で習ったので和洋中行けます。色々検証しましょう。つっても、ダンジョンの中じゃ、模倣でしかありませんが」
「お、言ってみるもんだな!」
「ダンジョン内で携帯食料以外のメシが食える時点で俺たちにはありがたいよ。ほら、俺らって戦うこと以外からっきしだから。着いて来れるワーカーもいなくてずっと簡素なメシで生きてきたから」
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その後ガラスープを作る。
煮込むだけ、と言うシンプルさながら煮込む時間を視野に入れてなかった。ダンジョン内は計器が狂う磁場が発生してるので凛華や久遠、寧々に念話で時間の経過を図りながら、転移の魔道具で家で放置する事に。
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それを側から見て他人事のように笑う恭弥さん。
こうしてダンジョン飯の検証会に新たな参加者を加えた。
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寿命が伸びたことを喜んでくれるか? はたまた許可なく傷物にしたことを怒り出すか。
そんないつ爆発するかわからない不発弾は、俺たちがイチャつくたびにモンスターをサンドバッグにすることで発散された。
なまじバフがかかってるから凄いこと凄いこと。
モンスターの方が可哀想になってくるとは誰の言葉だったか。
しかし中層を降りたあたりでそんなほのぼのとした雰囲気は一変した。
「なんだ、こりゃ?」
周囲に漂う気配が今までとは違う。
何せこの空間に存在するモンスターがすでに事切れているのだ。
しかしその肉体は消滅せず、その場に残り続けている。
恭弥さんがこんな事態は初めてだと呟いたその時、視界の端で何かが動いた。
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