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ダンジョンチルドレン
迎え入れ準備
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<side佐咲寧々>
「えぇ、一体何の話よ」
その日、凛華から詰め寄られて私は眉根を寄せた。
身に覚えのない妄言の数々。
いつもの妄想だろうと切って捨てるには実家の情報まで持ち出す始末。
人の事を悪女と結論づける時は決まって誰かからの受け売りで。
この騙されやすさに何度ため息を吐いた事か。
「落ち着きなさい。藪から棒に何の騒ぎよ?」
ポカポカと胸を叩く彼女は何かにつけて私に反抗的だ。
しかしここまで過剰になる時は決まって海斗絡みの時である。
「お兄様から何を聞いたの?」
「実は……」
凛華が渋々語ったのは、この間やって来た北谷久遠さんをギルドで預かった事。
海斗と一つ屋根の下で危険が危ないと日々妄想を募らせているらしい。
「最近あんた妄想激しいわよ? 発情でもしてんの?」
「し、してません! 失礼ですね!?」
顔も真っ赤にして説得力のない。
氷のお姫様はどこに行ったのよ。
今のあんたの顔、元同級生が見たら何事かと思うわよ。
「私達もそうだけど、久遠さんは海斗に対して思い詰めてる点があれば恩義が上回るわ。そんな誰かと競争してるわけじゃないんだし抜け駆けなんてしないわよ」
「それは……」
自分の妄想が行きすぎてると自覚したのか、急にモジモジし出す。
本当にこの子、一体どんな人生送ったらこうも主張の激しい性格になるの?
うちの妹達(中学生、小学生)よりひどいわよ?
「それと、うちの実家には研修に行ったのでしょう? 確かに父は海斗みたいな出来る人は好きでしょう。でもだからって婿に欲しいとまで言い出したりしないと思うわ?」
「そうでしょうか?」
「あり得ないわよ。人材として優秀でも、すぐに結婚だなんて言い出さないわ。そこは安心なさい」
そう言って実家に電話してみたら……
『おう、寧々か。海斗君はいい奴だなぁ? いつあんなの引っ掛けたんだ? 俺もカーチャンも瑠璃も牡丹も気にいっちゃってさぁ、従業員も全員あいつに感謝してたぜ? 結婚式はいつにするってその話題ばかり上がってるよ』
開口一番それである。
瞬きを忙しないくらいした後、額から顎にかけて垂れる汗を拭い、眉間を揉み込んでから次の言葉を脳内で選定し、吐き出すように言った。
「父さん……母さんに妹達も何勝手に人の同級生を口説いてんのよ! 確かに彼は私の理想の相手ではあるけどね? それとこれとでは話が別というか!」
そんな発言をしたもんだから、横で聞いていた凛華から氷のオーラが漏れ出ている。
ひぃ! 般若!
「寧々さん、先ほどの否定とは別方向に話が転がっているようですが?」
前髪を口から垂らす彼女の殺気は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
氷のお姫様はパワーアップして氷の王女に進化した。
お陰で教室がマイナスに突入したように冷え込んだ。
まだ冬服に着替える前なんだからやめてよね?
「そんなんじゃないわよ。ちょっと変な方に話が飛んだだけ。うちの家は誰かさんのお父さんが首を切ったもんだから将来有望な男子なら誰でもいいような風潮があるの。その、海斗は誰にとっても有望株よね?」
「そうですね。ですがウチは……」
「あなたはお父さんの元から離反するのでしょう? お兄様も海斗を良く思っている。妹さんからの信頼も高い。一番の優良株はあなただわ? いつでもダンジョンに入れる上位探索者のお兄様がいるじゃない?」
「ふふふ、そうですわね」
よし! 乗り切った。
この子は煽ておけば気分を良くしてくれるから扱いやすいわ。
問題は久遠よね、あの子は本当にわからない。
魔石病という利点で一気に距離を詰めてきたダークホース。
海斗もベタベタされてもそこまで嫌がってなかったのよね?
何だったら妹分として見てる部分もあるわね。
そう考えたら凛華が心配するのもわかるのよね。
下手なことはしないだろうと思う反面、命の恩人だ。
それも目玉が飛び出るような莫大な額。
もし同じ境遇なら自分の身一つささげるだけで返せるだけなら安いとさえ思ってしまう。
恋なんて所詮まやかし。
自分にどれだけ投資出来るかで決める子も多い。
あの子がそういうタイプではない事を祈るしかないけど、うちの妹たちなら簡単に靡くのも分かるのだ。
海斗は弱者側だから一般人を差別しない。
才能の覚醒がない家族を持つ私にとってそれは何よりもありがたい相手。父が欲しがるのも理解できる。
けど、まだ私の気持ちがはっきりしないのよね。
尊敬や憧れは強い。
崇拝するレベルに至ってる。
技術面では合格、夫に迎えるには優良株。
けど恋心を抱いてるかと言われたら、凛華程の剥き出しの独占欲はないのも事実。
気になる相手ではあるんだけど……
恋愛って難しいわね。
私も凛華みたいに考えられたなら、幾分か楽になるんだけど。
「とにかく、久遠さんが来る前までにこちらも場を整えておくべきではなくて?」
「場とは?」
「倶楽部を作るわよ。部活動と言った方がいいかしら?」
「明海さんを受け入れる為の、ですか?」
「ええ、海斗はあの子がダンジョンに潜るのは嫌がるでしょうけど……」
「自分の身を守る為の力は必要です」
その通り。
モンスターの他にも自衛の手段はあって損はない。
世間に探索者が溢れた現在、日常にも危険は潜んでいるからだ。
「その為の力の使い方を教える部活動よ。メンバーは知り合いを誘って体裁を取るつもり。海斗が居なくたって私達なら出来る。そうでしょう?」
「そうですね、早速増えたTPが役に立ってくれました」
「例のお父様の計画とやらの?」
この子は私にも何隠してるような口振りをする。
惚けてるのか、嘘が下手くそなのか。
それとも今こうやって合わせてる会話すら偽装なのか。
でも、海斗のことにムキになってる時は本音っぽいのよね。
「ええ。兄様も対策を立ててくれています」
「そんな時なのに男の心配をする余裕はあるのね?」
半眼で見やると「それとこれは話が別です!」とそっぽを向いた。
わかりやすいんだから。
部活動の方針をまとめて職員室に赴くと、何やら職員室が騒がしい。
「先生、どうされたんですか?」
「ああ、佐咲か。前理事長が突然地方に飛ばされることになってな。新しい理事が着任されて、その対応に追われているんだ」
「理事長が?」
確かにここ最近の理事のワンマンぶりは目に余った。
海斗からの搾取しかり、その目論見が破れたら責任を追放した生徒に散らせるなど横暴っぷりがひどい。
学園の出資者は御堂グループ。
「凛華、何か聞いてる?」
「お父様の采配に私は口出しできませんので」
いい子ちゃんで過ごしてる実家の話はしたくないようだ。
それこそ人形のように心に蓋をしているらしい。
お兄様の前でだけ本当の自分を曝け出すのだとか。
その心を開く相手が増えたと最近妄想が逞しい。
「どちらにせよ、これで少しはクリーンになってくれたらいいわね」
まだまだ膿は出せば搾り取れる学園内。
上位生が下位生に対する差別意識は消えることは無い。
一度迫害された者なら自らその位置に就こうとは思わないが、生まれついての勝ち組はそうではない。
教員の中でもいまだに下位クラス生を軽んじてる風潮が見られるので総とっかえしない限りクリーンにはできないと思う。
その為にも在校生の私達が明海さんの住む場所を提供してあげなければ。
「凛華、今は海斗の事については休戦協定を結びましょう。私達がいがみあっている場合ではないわ」
「そうですね。それで明海さんを傷つけてしまったら私の管理不行き届き。海斗君に合わせる顔がありません」
「妹さん意外にも、久遠さんも来るのよ? 戦力が集結したらしたで良く無い感情を持つ者も集まってくるわ」
魔石病患者を付け狙う組織の手。
今は逃げおおせたが、それでおしまいとはいかないだろう。
いつまで隠し通せるか?
外に出払ってる海斗にばかり頼れない。
在学中のわたしたちの手腕にかかっているのだ。
「ええ、海斗さんの為にも!」
あの人が絡むと急に欲望をむき出しにするこの子と協力するのは少し不安だけど、TPは安定して稼げている。
海斗が提供してくれた6000万の他に、600万と前から比べたら大貢献。
それというのもパーティーで踏破できたのが大きいだろう。
誰かさんが荒稼ぎしてくれたおかげで踏破報酬は雀の涙でしか無いけれど、それでも私達は学園生としては最短ルートを進んでいた。
「えぇ、一体何の話よ」
その日、凛華から詰め寄られて私は眉根を寄せた。
身に覚えのない妄言の数々。
いつもの妄想だろうと切って捨てるには実家の情報まで持ち出す始末。
人の事を悪女と結論づける時は決まって誰かからの受け売りで。
この騙されやすさに何度ため息を吐いた事か。
「落ち着きなさい。藪から棒に何の騒ぎよ?」
ポカポカと胸を叩く彼女は何かにつけて私に反抗的だ。
しかしここまで過剰になる時は決まって海斗絡みの時である。
「お兄様から何を聞いたの?」
「実は……」
凛華が渋々語ったのは、この間やって来た北谷久遠さんをギルドで預かった事。
海斗と一つ屋根の下で危険が危ないと日々妄想を募らせているらしい。
「最近あんた妄想激しいわよ? 発情でもしてんの?」
「し、してません! 失礼ですね!?」
顔も真っ赤にして説得力のない。
氷のお姫様はどこに行ったのよ。
今のあんたの顔、元同級生が見たら何事かと思うわよ。
「私達もそうだけど、久遠さんは海斗に対して思い詰めてる点があれば恩義が上回るわ。そんな誰かと競争してるわけじゃないんだし抜け駆けなんてしないわよ」
「それは……」
自分の妄想が行きすぎてると自覚したのか、急にモジモジし出す。
本当にこの子、一体どんな人生送ったらこうも主張の激しい性格になるの?
うちの妹達(中学生、小学生)よりひどいわよ?
「それと、うちの実家には研修に行ったのでしょう? 確かに父は海斗みたいな出来る人は好きでしょう。でもだからって婿に欲しいとまで言い出したりしないと思うわ?」
「そうでしょうか?」
「あり得ないわよ。人材として優秀でも、すぐに結婚だなんて言い出さないわ。そこは安心なさい」
そう言って実家に電話してみたら……
『おう、寧々か。海斗君はいい奴だなぁ? いつあんなの引っ掛けたんだ? 俺もカーチャンも瑠璃も牡丹も気にいっちゃってさぁ、従業員も全員あいつに感謝してたぜ? 結婚式はいつにするってその話題ばかり上がってるよ』
開口一番それである。
瞬きを忙しないくらいした後、額から顎にかけて垂れる汗を拭い、眉間を揉み込んでから次の言葉を脳内で選定し、吐き出すように言った。
「父さん……母さんに妹達も何勝手に人の同級生を口説いてんのよ! 確かに彼は私の理想の相手ではあるけどね? それとこれとでは話が別というか!」
そんな発言をしたもんだから、横で聞いていた凛華から氷のオーラが漏れ出ている。
ひぃ! 般若!
「寧々さん、先ほどの否定とは別方向に話が転がっているようですが?」
前髪を口から垂らす彼女の殺気は飛ぶ鳥を落とす勢いだ。
氷のお姫様はパワーアップして氷の王女に進化した。
お陰で教室がマイナスに突入したように冷え込んだ。
まだ冬服に着替える前なんだからやめてよね?
「そんなんじゃないわよ。ちょっと変な方に話が飛んだだけ。うちの家は誰かさんのお父さんが首を切ったもんだから将来有望な男子なら誰でもいいような風潮があるの。その、海斗は誰にとっても有望株よね?」
「そうですね。ですがウチは……」
「あなたはお父さんの元から離反するのでしょう? お兄様も海斗を良く思っている。妹さんからの信頼も高い。一番の優良株はあなただわ? いつでもダンジョンに入れる上位探索者のお兄様がいるじゃない?」
「ふふふ、そうですわね」
よし! 乗り切った。
この子は煽ておけば気分を良くしてくれるから扱いやすいわ。
問題は久遠よね、あの子は本当にわからない。
魔石病という利点で一気に距離を詰めてきたダークホース。
海斗もベタベタされてもそこまで嫌がってなかったのよね?
何だったら妹分として見てる部分もあるわね。
そう考えたら凛華が心配するのもわかるのよね。
下手なことはしないだろうと思う反面、命の恩人だ。
それも目玉が飛び出るような莫大な額。
もし同じ境遇なら自分の身一つささげるだけで返せるだけなら安いとさえ思ってしまう。
恋なんて所詮まやかし。
自分にどれだけ投資出来るかで決める子も多い。
あの子がそういうタイプではない事を祈るしかないけど、うちの妹たちなら簡単に靡くのも分かるのだ。
海斗は弱者側だから一般人を差別しない。
才能の覚醒がない家族を持つ私にとってそれは何よりもありがたい相手。父が欲しがるのも理解できる。
けど、まだ私の気持ちがはっきりしないのよね。
尊敬や憧れは強い。
崇拝するレベルに至ってる。
技術面では合格、夫に迎えるには優良株。
けど恋心を抱いてるかと言われたら、凛華程の剥き出しの独占欲はないのも事実。
気になる相手ではあるんだけど……
恋愛って難しいわね。
私も凛華みたいに考えられたなら、幾分か楽になるんだけど。
「とにかく、久遠さんが来る前までにこちらも場を整えておくべきではなくて?」
「場とは?」
「倶楽部を作るわよ。部活動と言った方がいいかしら?」
「明海さんを受け入れる為の、ですか?」
「ええ、海斗はあの子がダンジョンに潜るのは嫌がるでしょうけど……」
「自分の身を守る為の力は必要です」
その通り。
モンスターの他にも自衛の手段はあって損はない。
世間に探索者が溢れた現在、日常にも危険は潜んでいるからだ。
「その為の力の使い方を教える部活動よ。メンバーは知り合いを誘って体裁を取るつもり。海斗が居なくたって私達なら出来る。そうでしょう?」
「そうですね、早速増えたTPが役に立ってくれました」
「例のお父様の計画とやらの?」
この子は私にも何隠してるような口振りをする。
惚けてるのか、嘘が下手くそなのか。
それとも今こうやって合わせてる会話すら偽装なのか。
でも、海斗のことにムキになってる時は本音っぽいのよね。
「ええ。兄様も対策を立ててくれています」
「そんな時なのに男の心配をする余裕はあるのね?」
半眼で見やると「それとこれは話が別です!」とそっぽを向いた。
わかりやすいんだから。
部活動の方針をまとめて職員室に赴くと、何やら職員室が騒がしい。
「先生、どうされたんですか?」
「ああ、佐咲か。前理事長が突然地方に飛ばされることになってな。新しい理事が着任されて、その対応に追われているんだ」
「理事長が?」
確かにここ最近の理事のワンマンぶりは目に余った。
海斗からの搾取しかり、その目論見が破れたら責任を追放した生徒に散らせるなど横暴っぷりがひどい。
学園の出資者は御堂グループ。
「凛華、何か聞いてる?」
「お父様の采配に私は口出しできませんので」
いい子ちゃんで過ごしてる実家の話はしたくないようだ。
それこそ人形のように心に蓋をしているらしい。
お兄様の前でだけ本当の自分を曝け出すのだとか。
その心を開く相手が増えたと最近妄想が逞しい。
「どちらにせよ、これで少しはクリーンになってくれたらいいわね」
まだまだ膿は出せば搾り取れる学園内。
上位生が下位生に対する差別意識は消えることは無い。
一度迫害された者なら自らその位置に就こうとは思わないが、生まれついての勝ち組はそうではない。
教員の中でもいまだに下位クラス生を軽んじてる風潮が見られるので総とっかえしない限りクリーンにはできないと思う。
その為にも在校生の私達が明海さんの住む場所を提供してあげなければ。
「凛華、今は海斗の事については休戦協定を結びましょう。私達がいがみあっている場合ではないわ」
「そうですね。それで明海さんを傷つけてしまったら私の管理不行き届き。海斗君に合わせる顔がありません」
「妹さん意外にも、久遠さんも来るのよ? 戦力が集結したらしたで良く無い感情を持つ者も集まってくるわ」
魔石病患者を付け狙う組織の手。
今は逃げおおせたが、それでおしまいとはいかないだろう。
いつまで隠し通せるか?
外に出払ってる海斗にばかり頼れない。
在学中のわたしたちの手腕にかかっているのだ。
「ええ、海斗さんの為にも!」
あの人が絡むと急に欲望をむき出しにするこの子と協力するのは少し不安だけど、TPは安定して稼げている。
海斗が提供してくれた6000万の他に、600万と前から比べたら大貢献。
それというのもパーティーで踏破できたのが大きいだろう。
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