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ダンジョンチルドレン
【強欲】は苛立つ
しおりを挟む「何、次々と被験体が借金を返済していると? 何が、どうなっているのだ。治療に使う命の雫は希少な上、入手がごく僅か。そう言う話ではなかったのか?」
ここ数日で順風満帆だった計画が次々と破綻している。
しかしそれ以外では取るに足らないミスがあるくらいだ。
何か異常事態の前触れか?
それとも私の計画に逆らう者が現れたかのどちらかか。
「しかし、どういう事か関東の周王学園を中心に出回っている様でして」
あの親の後ろでしか威張れないボンボンが我がグループに意趣返しすると?
一体誰の入れ知恵か。
詳しく話を聞いてやらねばならぬか。
「理事の白鳥を呼べ。電話越しではない、逃げられない様に本人を直接連れて来い。その口から直々に聞いてやる!」
「はっ、すぐに連れて来させます」
まったく、バカ息子の件だけでも頭が痛いというのに。
下々はこの計画がどれほど世界に影響を与えるかわかっておらんのだ。
「旦那様、そのように血管を張り詰めていてはお体に触りますよ?」
二番目の妻であり、秘書の静香が妖艶な笑みを湛えてお茶を配膳した。
この女にも娘を産ませたが魔石との相性は悪かった。
きっと才能も持たずに生まれた落ちこぼれだろう。
私の遺伝子を引き継いでいながらなんとも腹立たしい。
「お前の娘が適合者だったらよかったのだが……」
「生憎と、魔石そのものと相性が合いませんでしたもので」
話をすると、目を細めて怒気を強める。
その話には触れるなと暗に言われた。
触れたくないのはこちらも同じだ。
それくらいに魔石病患者は希少な人材。
本当は病気でもなんでもない。
ダンジョン以外では肉体の構築がうまく行かずに適度に命の雫を摂取しなければ生きるのも辛い。
ただそれだけの事だった。
しかしその事実を知らせずに束縛するのは訳がある。
いくらグループが大企業といえど、この計画は人非道的過ぎると仲間内から避難を受け、計画は頓挫した。
仕方なく秘密裏に行っているため、表沙汰にできなかった。
しかし次のダンジョン活性前にこちらも手勢を揃えておきたかった。
一度は勝ち取った平和。
仮初の平和に人々は堕落した。たったの二十年で、人々はダンジョンを受け入れた。
あれだけの犠牲者を出しておきながら、沈静化したダンジョンなど取るに足らないと傲慢に振る舞っている。
正直今のAランクになんの期待もできなかった。
息子もAランクと名乗っているが、私の時代に比べて新人に毛が生えた程度。
とても次の活性を乗り越えられる者ではない。
だから魔石適合者の確保は何よりも優先だった。
が、世間は『かつての英雄はとうとう頭がおかしくなった』と白い目を向けてくる。
そんな言葉を受け流しながら次の厄災を乗り越えようなど自分以外に誰が居るのか?
否、誰もいないから私がやらねばならんのだ。
その為被験体が逃げ出せないように借金で首枷をした。
勿論金貸業には相手が払えない不積をいくらでも積んで良いと言ってある。
期日まで押しとどめるように。
そう言う契約だ。
受け取り後、向こうの希望額で買い取る予定だった。
「そもそも何故今まで払われなかった額がなぜこうも出回り始めた?」
「それを例の男から聞き出すのでしょう? 堂々巡りされていますわ、旦那様」
「ふん、お前はそうやって私の元で悠々として居ればいいので気が楽だものな?」
「一体誰が結んだ契約だったかしら?」
「若気の至りという奴だ。私も当時はケツの青いガキだった。そういう事だよ」
私は30年前に起こったダンジョンブレイクを思い起こしていた。
偶然手にした才能で英雄的活躍を見せ、モンスターを撃退!
世界は平和を取り戻した。
そこまではよくある話だ。
が、同時に失ったものもある。理性がその最たるものか。
超常的な力を持った者による勘違い、あるいは手違い。
自分をいじめていた相手を勢い余って殺してしまう者が急増した。
世界はモンスターよりも才能覚醒者を恐れ始めた。
英雄から一転、犯罪者のように取り上げられる。
弱者の被害妄想が探索者の立場を弱めた。
このままではいけない。
私は才能覚醒者を集めて国を作った。
世界に生まれた脅威によって覚醒した者達が、まるでモンスターのように取り上げられるのに耐えられなかった。
命を賭けてモンスターの脅威を打ち破った者に与えられる報酬が弱者からの迫害だなんてそんなの間違っている。
私はダンジョンボスを討伐して手に入れた『王の権能【強欲】』の力を使って血の契約を結ばさせ、意識を操った。
総理大臣、テレビアナウンサー、評論家。ありとあらゆる日本国内に影響力を持つ人物に近寄り、契約を結んで力を行使する。
代償に寿命を持っていかれたが、人々からの探索者への非難は次第に薄まった。
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強欲の権能はそれらを自分の望むままに操る。
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今回の仮契約者の学長も、それに従いすぎたようだ。
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私のうちに眠る強欲は年々肥大化していく。
もう私でも止められない。
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ダンジョン攻略の中核にいるのは探索者に他ならないからだ。
探索者を守るために施した契約も、今では腐敗を生むばかり。
それでも私は探索者を守った。
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今の沈静化したダンジョンなら、一般人でも対応することが出来るだろうが、活性化したダンジョンは別物だ。
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だから寿命を削ってまで探索者を守ったというのに、その結果が探索者の腐敗だと!?
守るべき一般市民を迫害して、追いやる。
そんな現実に私は頭がどうにかなりそうだった。
もう、このまま潰えてしまってもいい。
もう疲れた、もう眠りたい。
そんな弱りそうになった時にいつだって言葉をかけてくれる存在がいた。
『明、お前はいつも頑張ってるよ。いや、頑張りすぎてるくらいだ。少しは誰かに頼ってもいいんだぜ? 俺とかさ』
六王晶正。
私と同様にダンジョンボスを倒して『王の権能【色欲】』を継承し、以前までの苗字を捨てた、たった一人の友人だ。
御堂グループの落ちこぼれであった私の唯一の理解者。
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まだ才能なんかもない一般人の私たちは逃げを選ぶ。
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『すげーぞ、明! これってゲームみたいにレベルあがんのかな?』
いつになく大興奮している晶正。
私と同様に社会や家族に不満を持っていた彼は、どこかでストレスを発散する相手を求めていた。それがちょうど現れたくらいに思っているのだろう、興奮を隠しきれない顔だった。
『絶対やばい力だよ、それ。デメリットがあるって』
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それにその計画を指示してくれたのは他ならぬ君じゃないか。
確かに非人道的だけど、未来のためだからと背中を押してくれたのは他ならぬ君なのに。
『気持ちはわかるが晶正、私は自分の娘を既に三人も捧げている。親友だからとせっかくの適合者を見逃すつもりはないよ』
『そうか、なら差し違えてもお前をここで倒す! うぉおおおおおおお!」
なのに君はここで私に立ち向かうというのか?
いつだって私のヒーローだった君が、私に武器を向ける。
意味がわからなかった。
どうしてこうなってしまうんだ。
私はどこで間違えた?
『考え直せ、これも世界平和のためだろう?』
『うぉおおおおお!』
私は、私達は王の権能に振り回されていた。
お互いに命を削ってようやく正気に戻る。
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ずっと心の支えだった半身を失ってから、私の中の強欲がより大きくなったように感じる。
彼はいつだって理性的だった。
なのにどうしてあんな行為に出たのか?
つまりは『王の権能』。
彼の持つ【色欲】は家族を害するものに酷い敵意を覚えるらしい。
自分が家族の一員になれなかったことを嘆くと同時に、ならばこの【強欲】を飼い慣らすには?
全てが遅くなった感情に乾いた笑いが浮き上がる。
もう、全部のことがどうでもいい。
私は生きる事に疲れ切っていた。
彼と共に暮らす時間を守るための努力が、その時に潰えてしまったのだから。
「旦那様、お客さまですわ」
「通せ」
執務室にやってきたのは随分と頭部が若返った小太りの男だ。
クソを量産させるのだけが得意な無能。
無能なりに使い道があると思ったが、無能はどこまで行っても無能であると今回の顛末を聞いてそう思った。
粛清が必要だ。
生贄が。世界が贄を欲している。
私は悪魔になんか魂を売った覚えはないが、今なら悪魔の契約書に軽率にサインしてやりたいぐらいに世界中の無能な人間が憎くて仕方ない。
誰がこの世界を取り戻したのか忘れた愚物どもめ!
「お久しぶりでございます」
「今日はそんな社交辞令を聞くために呼び出したわけではない。命の雫の出どころはお前の管轄だと聞いた。一体どこから湧いて出た?」
あれは例の男を使って希少品にまで上り詰めたアイテム。
出回られては困るのだ。
「それが私共もよくわかっていないのですが……」
「管理者なのに知らないなどと、どの口が言うんだ?」
「イダダダダ! わらくし、わらくしのこのくひがれごらいまふ!」
『傀儡師』の能力【遠隔操作】で口の端を引っ張り上げたら簡単に口を割った。
私を舐めてきた相手は全員殺すことにしている。
その方が後腐れはないからな。
この男も自分の保身に走って重要情報を秘匿する傾向にある。
計画の邪魔をするなら消すか?
「申し訳ございません! それがそのアイテムを持ち込んだのは既に自主退学をしたFクラス生という噂でして!」
「名は?」
「えーと、なにぶんとFクラス生は覚える価値なしと言い渡していまして」
バンッ
テーブルを叩けば目の前の男はビクッと肩を震わせた。
「覚えていない? そう言いたいのか?」
「は、ハィィィィ、その通りでございます!」
「ふざけるなぁ! それが人の上に立つ人間の態度か! 職務怠慢にも程がある!! 仕事を舐めているのか!?」
「も、申し訳ございませーん!」
謝れば済むと思っているのか?
それともこの場を乗り過ごせばなんとでもなると思っているのか?
なんたる腐敗。
この腐敗は誰が招いた?
……私か。
探索者の慢心、それによる上下格差。
それを生み出したのは私が契約を結んだもの達。
彼らはそれぞれの強欲さを肥大化させて現在に至る。
私が契約したばかりに、なんて事をしてしまったのか。
こんな世界を、私は見たかったわけではないというのに。
「ガッ!?」
男の首を締め上げる。
そんな腐敗を許してしまった私からのせめてもの情けだ。
計画遂行のための生贄となってもらう。
これからの平和のために、膿は吐き出す必要があった。
「うご、ゲガッ!? うげぇええええ!!」
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