劣等生のハイランカー

双葉 鳴|◉〻◉)

文字の大きさ
上 下
24 / 147
ダンジョンチルドレン

愚者の末路

しおりを挟む
 長津学長が例の決闘場所に駆けつけたときには、首席と次席を除くAクラス生が一丸となって勝鬨を上げる姿だった。

 勝利をしたのは間違いないが、まだ退学は決まってない。

 それらの采配は学園側が決めるのだから、まだこの不祥事を揉み消せるはずだ。
 長津は思わず前髪をかきむしり、そして掻きむしった手元に大量の抜け毛だあるのを気にせず振るう。

 これからなんだ。これから成り上がるところなんだ。
 それをこんなことでつまづいてたまるか!


「これは一体なんの騒ぎかな?」

「学長だ!」

「やってやりましたよ、学長! 俺たちが目障りなFクラス生を追い出してやりました! これでこの学園は安泰ですね!」

「そうです! 我々Aクラス生に特別ボーナスがあっても良いくらいです。ねぇ?」


 なにを勝手なことを。
 苛立ちを隠しきれずに長津は表情をこわばらせつつ、学長として生徒を諭す。

 そもそも実力主義の学園に、特別ボーナスなんて措置はない。
 

「貴方たちの言い分は分かりました。しかし退学させるとなると学園側の処理が必要だ。例の生徒はどこにいるのかね?」


 長津はまだ出て行ってないのならいくらでも丸め込めると確信していた。

 そんな長津に最後通告を告げるのは一人の少女。
 佐咲寧々だった。


「学長、六濃君からは此方を預かっています」


 手渡されたのは自主退学を示す手紙と生徒手帳、制服一式だった。

 綺麗に畳まれており、すでに学生寮も出払った後だと告げられた。

 自主退学なら学園側の処理は必要ない。
 それは理事長の決めた公約だった。

 そして生徒手帳の返却。
 残りのポイントはまるまる学園のもの。

 奨学金の返済も完済済み。
 学園寮の維持費すら余裕で賄える額。

 これでは追いかけて戻ってきてくれと言っても絶対に帰ってきてはくれないだろう。
 何せ自主的に退学してるのだ。


「そんな……私の輝かしい未来が……」


 今まで学長に至るまでの努力が水の泡だと言わんばかりに取らぬ狸の皮算用を始めた長津学長が、逃した魚の大きさに愕然として足元から崩れ落ちた。


「あれ、学長なんかショック受けてない?」


 追い出した生徒たちは自分たちが一体何をしでかしたのかすら理解できていないように眺めている。
 そこへ遅れて駆けつける足柄山教頭。


「こらーー! お前達! あれだけFクラス生には手を出すなと言っただろう!? この責任はお前らにとってもらうからな!?」


 Aクラス生は自分達がなにを言われているかわからず、キョトンとする。


「あーあ、だから辞めなさいと言ったのに。私は止めたのよ? それを貴方達が強行した。違うとは言わせないから」

「才能の有無でしか物事の判断ができない人たちです。仕方ありませんわ」

「アンタもそのうちの一人だったけどね?」


 寧々が凛華を見据えて言う。


「まぁ佐咲さんたらいつのお話をされているの? 人は成長するのです。私は六濃君と出会って変わりました。世の中にはあんな人も居るのですね」

「とはいえ、これからよ? 学園は彼の退学で荒れるわ。教員達の無茶振りは私達に降りかかってくる。貴方はそれに応えられる?」

「努力はいたします」

「そ。私の足は引っ張らないでちょうだい?」

「そちらこそ。いつになったら私に追いつくのですか?」

「言ってなさい!」


 六濃海斗がいなくなったことでよりライバル心を燃え上がらせる二名の女子生徒。



 そしてそれ以外のAクラス生はと言えば。


「そんな、俺たちがFクラスに編入だなんて冗談ですよね?」


 12名全員がFクラスからやり直しとなった。

 今までの稼ぎをFクラスからやり直しさせることで補填させる予定だが、一丸となったところでかつて在籍していた六濃海斗に追いつける訳もない。

 完全に生徒に鬱憤をぶつけた結果である。

 そもそも、Aクラスに在籍しながら獲得TPが一人頭50万。

 12名分まとめれば500万相当だが、Fクラス換算では中抜きして25万相当にしかならない。
 全員合わせてこれなのだ。

 如何に海斗が頭のおかしい稼ぎをしていたのか理解するのに十分だろう。

 一学期でどの程度稼いだかは今更知る由もない。
 だが反省させるという意味ではこれ以上の厳罰はなかった。


「君たちにはFクラス換算で全員合わせて5000万稼ぐまで上位クラスへの編入を封じさせてもらう」
 
「5000万!? そんな額! 首席クラスじゃないですか!」

「学園側では守秘義務があるが君たちには教えておこう。実は一学期に発表したあの成績表は改竄されている。あれは理事長の独断だが、本来なら首席に立つのはあの生徒、六濃海斗君だったんだ」

「えっ」


 元Aクラス生はたじろいだ。
 話が違う、口々にそう呟いている。


「だが彼は才能の覚醒をしていないFクラス生。そんな彼でさえFクラス換算で出せたんだよ? 君たちは優れた才能を持っていると自負しているよね? 死ぬ気になればすぐに追いつくさ」

「そんな! 僕たちは一学期でさえ50万が精一杯だったんですよ?」

「……ズルじゃ、無いんですか?」


 生徒達の悲痛な声。
 泣きたいのはこっちだよと足柄山は項垂れる。


「ああ、それを彼は一学期で賄った。たった一人でな。君たちは彼に言ったそうだね? 汚い手を使って首席を脅し、ポイントを獲得したと」

「それは……だって信じられません! 才能のない無能がそんなTPを稼ぐなど」

「だが実際稼げている。なお、Fクラス換算での5000万はAクラス換算での10億だ。せいぜい頑張りたまえ」

「は?」


 全員の思考が固まった。
 驚くのも無理はないだろう。

 実際に何回ダンジョンを踏破したって短期間でそんな額を稼いでくるのはとても優れた才能の持ち主でも不可能。

 それも一年にも満たない在学中にプロの探索者に匹敵する額を稼ぎ切るなんて誰だって信じない。


「そうだ、君たちの言う手段でも使ったらどうだ? 学園の首席を脅す、だったかな? もしかしたら上手く行くかもしれないぞ?」


 それだけ言って足柄山はFクラスを後にした。


「ちょっと待てよ! もしかして俺たちとんでもないことしてしまったんじゃないか?」

「俺は知らないぞ! 金里が言い出しっぺだ!」


 一丸となっていた非難の声は、やがて首謀者を選出するように仲間割れを始めた。
 巨悪を退けた後に待っていたのは、仲間割れの末の生贄決定の儀式。


「そんな、俺は良かれと思って! 実際みんなも賛同してくれてたじゃないか!」

「お前に賛同した俺たちが馬鹿だったよ。席順が上位だからっておつむの中身まで有能とは限らないのな」

「金里君、最低。自分で言い出したのに責任を取らないつもり?」

「おい、それより生徒手帳見てみろ! ステータスが軒並み落ち込んでるぞ」

「は? なんだこの環境。Fクラス生ってこんな制約が付いてたのか? 上位生からサンドバッグになるべくして選出された生徒とは聞いてたが、ここまで酷いのかよ?」


 そこに記載されていたのはクラス順に変わる与えるダメージ量から命中補正までありとあらゆる制約だった。

 ダメージ変動、命中補正、状態異常<F>
 →F=100%
 →E=75%
 →D=50%
 →C=30%
 →B=15%
 →A=0%

 これは与える方であり、耐性は別だ。

 それぞれのクラスに割り振られた状態では、Aクラス生がFクラス生に攻撃をするとダメージが二倍になる効果が乗る。
 これはモンスターにも同様だった。

 
 しかし六濃海斗はAクラス生の攻撃を受けてもびくともしない。

 なんだったら魔法も弾くし、状態異常も無効化してみせた。

 その異常性に、自らがFクラスに入ってようやく気づく生徒達。

 勿論ダンジョン内でもAクラスにいた時程の快進撃には至れない。


「クソ、Fランクモンスターがこんなに手強いだなんて!」

「Aクラスにいた時は雑魚だったのに、クラスが変わるだけでこうも違うの?」


 今まで武技や魔法で一撃だったのに、今では二発打ち込んでようやくだった。

 回数制のスキルにおいて、回数の多さはメリットであるが、こうも効率が悪いと悪い点がよく見える。

 その結果、不和の波は着々と一人の生徒へ集中した。

 ただでさえプライドの高いAクラス生。

 生贄制度を推奨したように、その生贄を最底辺として虐げることになんの疑問も抱かない。

 今は足を引っ張り合う時ではないのに、それがわからないほど彼らにとって虐待は日常に組み込まれていた。

 うまくいかない時の衝動を与えることでのストレスの解消。その矛先はいつだって自分達より劣る相手へ行って来ていた。

 しかしその矛先に自分達が組み込まれた場合、その矛先の向かう先はいつだって一つ。

 全員が不信感を感じる相手が、選出されるのだ。


「金里! お前が盾になれよ! お前が扇動したから俺達がこんな目に合うんだぞ!」

「なに? 俺は魔法タイプだぞ! 防御の高い君が前に出るべきだ」

「うるせえ! 雑魚は黙って俺様の言うことを聞け!」

「ぶへ!」


 最終的には暴力での解決。
 才能があろうとなかろうと、性格面までは金では解決してくれない。

 プライドの高さで成り上がった成金探索者集団は傲慢で各方面で問題行動を起こし続けている。

 Fクラスにおいて成績順はあってないようなもの。

 ここでは誰を生贄を捧げるかで日常を過ごしていた彼らだったが、ダンジョンから出た後に本当の恐怖を思い知ることになる。


「本日のクラス対抗戦はDクラス生、Eクラス生が不在の為C、B、Aクラス生との組み合わせとなります」

「は?」


 ダンジョンの攻略でさえ誰かを生贄にしていたFクラス生が、上位クラス生に抗えるわけもなく。

 本気を出してないのに蹂躙されるという拷問に近い日々を過ごすことになる。


「あたしこの学園止めるわ! 退学よ、退学するわ!」


 そんな事を叫ぶ生徒もいるが、生徒に課せられた借金は10億。

 連帯責任で頭数で割っても一人8000万以上の負担金。

 裏口入学の比ではない。

 しかし学園側にとって貴重なFクラス生サンドバッグを逃すつもりはなく、自主退学申請は借金の返済をしない限りは受け付けない方針だった。

 学園側にとって、生徒とは学園運営をするための供物。
 一人や二人いなくなったところでどうでも良い。

 何せこの世界の半分以上は既にダンジョンに殺されている。

 そのダンジョンに対応する手段こそがダンジョン適性。

 つまりは探索者。

 その育成の為なら多少の犠牲には目を瞑るのが都立周王学園の育成方針だった。

 この欺瞞に満ちた学園では、この体制に疑問を持つ教員は誰一人としていない。

 社会がそうだから、自分達はそれに準じている。
 
 そう、信じ込んでいた。
しおりを挟む
感想 18

あなたにおすすめの小説

スキル:浮遊都市 がチートすぎて使えない。

赤木 咲夜
ファンタジー
世界に30個のダンジョンができ、世界中の人が一人一つスキルを手に入れた。 そのスキルで使える能力は一つとは限らないし、そもそもそのスキルが固有であるとも限らない。 変身スキル(ドラゴン)、召喚スキル、鍛冶スキルのような異世界のようなスキルもあれば、翻訳スキル、記憶スキルのように努力すれば同じことができそうなスキルまで無数にある。 魔法スキルのように魔力とレベルに影響されるスキルもあれば、絶対切断スキルのようにレベルも魔力も関係ないスキルもある。 すべては気まぐれに決めた神の気分 新たな世界競争に翻弄される国、次々と変わる制度や法律、スキルおかげで転職でき、スキルのせいで地位を追われる。 そんななか16歳の青年は世界に一つだけしかない、超チートスキルを手に入れる。 不定期です。章が終わるまで、設定変更で細かい変更をすることがあります。

ダンジョン美食倶楽部

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
長年レストランの下働きとして働いてきた本宝治洋一(30)は突如として現れた新オーナーの物言いにより、職を失った。 身寄りのない洋一は、飲み仲間の藤本要から「一緒にダンチューバーとして組まないか?」と誘われ、配信チャンネル【ダンジョン美食倶楽部】の料理担当兼荷物持ちを任される。 配信で明るみになる、洋一の隠された技能。 素材こそ低級モンスター、調味料も安物なのにその卓越した技術は見る者を虜にし、出来上がった料理はなんとも空腹感を促した。偶然居合わせた探索者に振る舞ったりしていくうちに【ダンジョン美食倶楽部】の名前は徐々に売れていく。 一方で洋一を追放したレストランは、SSSSランク探索者の轟美玲から「味が落ちた」と一蹴され、徐々に落ちぶれていった。 ※カクヨム様で先行公開中! ※2024年3月21で第一部完!

お持ち帰り召喚士磯貝〜なんでも持ち運び出来る【転移】スキルで異世界つまみ食い生活〜

双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ひょんなことから男子高校生、磯貝章(いそがいあきら)は授業中、クラス毎異世界クラセリアへと飛ばされた。 勇者としての役割、与えられた力。 クラスメイトに協力的なお姫様。 しかし能力を開示する魔道具が発動しなかったことを皮切りに、お姫様も想像だにしない出来事が起こった。 突如鳴り出すメール音。SNSのメロディ。 そして学校前を包囲する警察官からの呼びかけにクラスが騒然とする。 なんと、いつの間にか元の世界に帰ってきてしまっていたのだ! ──王城ごと。 王様達は警察官に武力行為を示すべく魔法の詠唱を行うが、それらが発動することはなく、現行犯逮捕された! そのあとクラスメイトも事情聴取を受け、翌日から普通の学校生活が再開する。 何故元の世界に帰ってきてしまったのか? そして何故か使えない魔法。 どうも日本では魔法そのものが扱えない様で、異世界の貴族達は魔法を取り上げられた平民として最低限の暮らしを強いられた。 それを他所に内心あわてている生徒が一人。 それこそが磯貝章だった。 「やっべー、もしかしてこれ、俺のせい?」 目の前に浮かび上がったステータスボードには異世界の場所と、再転移するまでのクールタイムが浮かび上がっていた。 幸い、章はクラスの中ではあまり目立たない男子生徒という立ち位置。 もしあのまま帰って来なかったらどうなっていただろうというクラスメイトの話題には参加させず、この能力をどうするべきか悩んでいた。 そして一部のクラスメイトの独断によって明かされたスキル達。 当然章の能力も開示され、家族ごとマスコミからバッシングを受けていた。 日々注目されることに辟易した章は、能力を使う内にこう思う様になった。 「もしかして、この能力を金に変えて食っていけるかも?」 ──これは転移を手に入れてしまった少年と、それに巻き込まれる現地住民の異世界ドタバタコメディである。 序章まで一挙公開。 翌日から7:00、12:00、17:00、22:00更新。 序章 異世界転移【9/2〜】 一章 異世界クラセリア【9/3〜】 二章 ダンジョンアタック!【9/5〜】 三章 発足! 異世界旅行業【9/8〜】 四章 新生活は異世界で【9/10〜】 五章 巻き込まれて異世界【9/12〜】 六章 体験! エルフの暮らし【9/17〜】 七章 探索! 並行世界【9/19〜】 95部で第一部完とさせて貰ってます。 ※9/24日まで毎日投稿されます。 ※カクヨムさんでも改稿前の作品が読めます。 おおよそ、起こりうるであろう転移系の内容を網羅してます。 勇者召喚、ハーレム勇者、巻き込まれ召喚、俺TUEEEE等々。 ダンジョン活動、ダンジョンマスターまでなんでもあります。

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう

果 一
ファンタジー
目立つことが大嫌いな男子高校生、篠村暁斗の通う学校には、アイドルがいる。 名前は芹なずな。学校一美人で現役アイドル、さらに有名ダンジョン配信者という勝ち組人生を送っている女の子だ。 日夜、ぼんやりと空を眺めるだけの暁斗とは縁のない存在。 ところが、ある日暁斗がダンジョンの下層でひっそりとモンスター狩りをしていると、SSクラスモンスターのワイバーンに襲われている小規模パーティに遭遇する。 この期に及んで「目立ちたくないから」と見捨てるわけにもいかず、暁斗は隠していた実力を解放して、ワイバーンを一撃粉砕してしまう。 しかし、近くに倒れていたアイドル配信者の芹なずなに目撃されていて―― しかも、その一部始終は生放送されていて――!? 《ワイバーン一撃で倒すとか異次元過ぎw》 《さっき見たらツイットーのトレンドに上がってた。これ、明日のネットニュースにも載るっしょ絶対》 SNSでバズりにバズり、さらには芹なずなにも正体がバレて!? 暁斗の陰キャ自由ライフは、瞬く間に崩壊する! ※本作は小説家になろう・カクヨムでも公開しています。両サイトでのタイトルは『目立つのが嫌でダンジョンのソロ攻略をしていた俺、アイドル配信者のいる前で、うっかり最凶モンスターをブッ飛ばしてしまう~バズりまくって陰キャ生活が無事終了したんだが~』となります。 ※この作品はフィクションです。実在の人物•団体•事件•法律などとは一切関係ありません。あらかじめご了承ください。

八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます

海夏世もみじ
ファンタジー
 月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。  だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。  彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。

処理中です...