117 / 173
117話 プロの本気:一期一会
しおりを挟む
すっかり残飯と化した食事に舌鼓を打つ俺たちに待ち受けていたものは、初手大福だった。
あの人らしい意外性というか、普通に美味いからタチが悪い。
または虎八の先代から受け継いだこの味だけは絶対変えさせない信念じみたものを感じる。
モーゼを作り上げたオーナーのお眼鏡に適う味なのだろう。
今回のこれで先ほどまでの複雑な味わい地獄から舌をリセットするには打ってつけだ。
多分無意識にそう言う計算がされてるのだろうな。
「いきなり甘味?」
「さっきのデセールは台無しになったからちょうどいいんじゃないか?」
「結局カフェも味わって飲めなかったものね」
全部合わせて残飯になっちゃったものなぁ。
うまく言い換えたところでリゾットか?
工程を客の判断に合わせた結果がこれだ。
菊池さんの店と似た様な提供方法ではあるが、食べ合わせが多過ぎた結果全部ぐちゃぐちゃになった。見た目は最悪である。
越智間さんならどう提供するか考え、そこへ至れない俺の理解力の浅さに項垂れる。
<コメント>
:見た目だけならさっきのよりマシなんだよなぁ
:めっちゃうまそう
:やっぱり見た目って大事よ
:それはそう
:調理過程はあんなに美味しそうだったのになぁ
:私、ラ・ベットラ越智間のファンやめます!
:本当の常連はこんなもの出てくるって予想だにしないから
:人をもてなすのに最高の店なんだよ、見た目はめっちゃいいし
:恋人連れてったら一発でメロメロになる店
:まさか越智間シェフがこんな遊びをするなんてなー
:ほんとなー
:周りが普段のスタイルで争えるタイプじゃないから意外性を狙って?
:あり得る
:言うて、今回はおふざけが過ぎただけでしょ
:《ラ・ベットラ越智間》あれ、私何かやっちゃいました?
:当人がこの有様である
:結局、最高に旨い食い方の究極系が残飯だっただけ
:言い得て妙
:ねこまんまを誰がフレンチでやれって言ったよ!
「なんだろう、この味落ち着くわー」
「ダイフク、ね覚えたわ」
「ハリーたちのお土産にいいんじゃないかしら?」
「これはこのお茶とセットでようやく完成します。鮮焼で食べたオリーブオイル和えとホットワインの関係性のようなものです」
俺がこの大福と抹茶の蘊蓄を語ると、ミィちゃんはこの抹茶もどきがクララちゃん由来と知るなり目の色を変える。
「そう、あの子が。もうこんな深いところでまで洋一さんに信頼をおかれてたのね。油断できないわ」
胸元のエメラルドを握り、何かしら焦燥感を感じてるようだ。もっと仲良くして?
あの子の生い立ちを考えれば、生きていくためにも仕方のない行動なんだからさ、そう目くじら立てないでさ。
すっかり腹が大福の気分になってから、時間差で運ばれてくる皿に高々と聳え立つサラダ。どう見てもブロッコリーの森である。
「なんなのこれ?」
「クレイジー!」
「食べられるのよ、ね?」
皆が皆、食用なのかと目を疑う。
またギミック付きの料理かぁと俺とヨッちゃんだけが納得していた。
<コメント>
:《一期一会》まずはその森に付属のソースを降らせてみな
:わぁ、雨のように滴ってるぅ!
:どう見ても巨大ブロッコリーです
:これ、モンスターブロッコリーか?
:モンスターなの、一般植物なの?
:モンスター見たくでかい一般ブロッコリー
:どっち?
:ダンジョンにはいない
:なるほど
:でもこれ、グリーンモンスターぐらいのサイズあるぞ
:ソースにしては随分と白いですね
:ホワイトソース?
:ねばつく白い液体を弄ぶ美玲様……ゔっ
:↑通報しました
:食事シーンで何を想像してるんだお前は!
:最低
:これだから男は
:女なんだよなぁ
:なおさら悪いわ!
何やらミィちゃん絡みでコメントが加速してるけど、当人はまるで他人事の様。
と言うか、いちいち構うのも面倒と考えてるようだ。
人気者は辛いよね。
そして一期一会のオーナーの指示のままにソースをかけて見えてきたのは、なぜかスープ。
最初こそは聳え立つブロッコリーに目を見張ったが、まさか中身がスープだとは思わない。
サラダではなかったのか?
あまりにも主張の強いブロッコリーをいくつか捥《も》いでスープにひたすと、そこでもまた変化が起きた。
<コメント>
:見て、スープの中で、ブロッコリーが戦ってるわ!
:なんだ、これ
:何これぇ
:まるでコロッセオみたいだな
:いやだよ、こんなコロッセオ
:ブロッコリーたちの共演
:スープは普通なんだよな?
:《一期一会》ファンガスのスープを作ったら、なぜか野菜たちが暴れ出した
:意味がわからないよ
:繊維? 繊維を操ってるの?
:操るってなんだよ、こえーよ
:そんなスープを口に入れられるゲストのなんたる可哀想なことよ
:《一期一会》味はこれ以上にないくらいうまい
:味が良くても見た目が……
:大福で安心してたそばからこれだよ
:《ラ・ベットラ越智間》こればかりはファンガスの特性みたいなもんですからね
:《鮮焼》料理人泣かせな素材ってことだけはわかるだろ?
:オリーブオイルの中だけなら落ち着いた?
:そういえば動かなかったな
:《鮮焼》マテリアルボディに隠し包丁すれば動かないぞ?
:ポンちゃん並みの技能を要求してくるじゃん
:なんでみんなやらないんだって顔してそう
:《菊池大輝》してるぞ。俺もできるし
:してるんだー
:ほんま、この界隈の奴らは
:そういやこの人ポンちゃんの師匠だった
普通はできるもんだと思ってたけど、そうでもなかったみたいだね。
菊池さんやダイちゃんはできてたし、他のみんなも当然のようにできてるもんだと思ってたけど、実はできなかったのか。
そっかー。
<コメント>
:あれ? あくまでも師匠なのは焼きの腕前の話じゃないっけ?
:《鮮焼》その時の俺の担当が焼きだったんだよ。でも他のスタッフだってみんなできたぜ? あいつらはどうしたんだよ
:《一期一会》みんなお前みたいに実家に帰って店を継いだよ。親孝行がしたいんだってよ。うちの店なんてどうでもいいってこったな
:恨み節が強い
:そりゃ、使える様なったのにやめてったらそうよ
:夏季限定のバイトかな?
:似た様なもん
:唯一の生き残りがポンちゃんだったのか
:どうしてそんな職人を大切にできないのか
:《一期一会》ワシの言うことは一切聞きやがらねぇからな。放任主義が過ぎたんだろう。まさか闇討ちしてくるほど恨まれてるとはおもわなかったぜ
:あれ? 実はあの半グレ育児放棄されてた?
:そりゃグレるわ
:暴力でしか愛情表現できなくなっちまったか
:普通に社会不適合者なんだよなー
人の歴史にドラマあり。レストランとしてずっと上位に君臨していたモーゼですら一時も気の休まる時はなかったそうだ。
こうやってモーゼの歴史を菊池さんやオーナーの口から改めて聞くことによって、いかに自分が恵まれた環境にいたのかが良くわかる。
低ステータスであるにもかかわらず、濃厚な下積み時代をおくれたのは、やはりモーゼならではだと思う。
そんなオーナーの仕掛けた皿が、たったこれだけで終わるはずがないと、俺もヨッちゃんも身構えている。
だってスープの上で野菜が戦う程度で驚いていては、あの当時の興奮を超えられない。
その人にとっての最高の時間を提供するのが、あの店のコンセプトだ。
だったら、まだまだ見せてないステージがあるだろうと目を皿のように細める。
すると、スープの中でブロッコリー以外の何かが泳いでいるのを見つける。キノコが動くんだ。
他の何かが泳いでたって不思議じゃない。
いやいや、いい加減突っ込ませてもらおう。
<コメント>
:何かスープの中にいますね
:このスープ一体なんなんだよ
:越智間シェフより遊んでんな
:食べ物で遊ぶなとあれほど
:普通に野菜じゃねーの?
:野菜は泳がないんですよ
:じゃあ魚卵?
:随分と気の早い魚卵ですね
:卵なのにもう泳ぐ気でいるのか?
:どこかのシェフといい勝負ですね
:シェフもそうだが、素材がおかしいんよ
泳いでいたのは、ファンガスの傘だった。
しかも千切りにした。
味はしつこくなく、あっさり目なのに踊り食いしてるかの様な歯応えに喉越しが面白い。
スープそのものの味は濃い目なのは、暴れてるブロッコリーが薄味なのを引き立てるためだろう。
一つ一つが不可解な作りをしてるのに、不思議と料理としてまとまっているのがこの店の魅力だ。
見て楽しい、と言うかフォークから逃げ出そうとする野菜を捕まえるのも一苦労という徒労が募るが、攻略法はきちんとある。
ブロッコリーはスープ上で飲み動く。
ならスープからどかせば? 当然動かない。
小皿が用意されてるのはそのためだ。
「あら、小皿に乗せたブロッコリーは動かないのね」
「スープは一定量ないとブロッコリーを動かせないみたいだね。そしてこのキノコフィッシュも同様に、小皿に盛り付ける分には動かない」
「そのまま攻略してもダメなのね。あたしとしたことが正面突破を仕掛ける以外の選択肢を見出せなかったわ」
「普通に美味いのが悔しいよな」
「味はいいってお墨付きもらってるからね」
<コメント>
:実際に注文して、これが出てきたらシェフを呼びつける自信あるわ
:こんなの食えって言って出されたらクレームもんよ
:もちろん、この企画だから出された物ですよね?
:そもそもこれが市場に流せるのか
それはわからない。
一応俺たちは食ったが、食用に向くかどうかはそれぞれの自治体が決めることだしな!
何はともあれ、プロに任せると遊び出すことがわかった。
ファンガスは何か、こう……遊び心をくすぐる食材なのだろう。
普通に焼いてた俺は、どうも遊び心が足りなかったらしい。
あの人らしい意外性というか、普通に美味いからタチが悪い。
または虎八の先代から受け継いだこの味だけは絶対変えさせない信念じみたものを感じる。
モーゼを作り上げたオーナーのお眼鏡に適う味なのだろう。
今回のこれで先ほどまでの複雑な味わい地獄から舌をリセットするには打ってつけだ。
多分無意識にそう言う計算がされてるのだろうな。
「いきなり甘味?」
「さっきのデセールは台無しになったからちょうどいいんじゃないか?」
「結局カフェも味わって飲めなかったものね」
全部合わせて残飯になっちゃったものなぁ。
うまく言い換えたところでリゾットか?
工程を客の判断に合わせた結果がこれだ。
菊池さんの店と似た様な提供方法ではあるが、食べ合わせが多過ぎた結果全部ぐちゃぐちゃになった。見た目は最悪である。
越智間さんならどう提供するか考え、そこへ至れない俺の理解力の浅さに項垂れる。
<コメント>
:見た目だけならさっきのよりマシなんだよなぁ
:めっちゃうまそう
:やっぱり見た目って大事よ
:それはそう
:調理過程はあんなに美味しそうだったのになぁ
:私、ラ・ベットラ越智間のファンやめます!
:本当の常連はこんなもの出てくるって予想だにしないから
:人をもてなすのに最高の店なんだよ、見た目はめっちゃいいし
:恋人連れてったら一発でメロメロになる店
:まさか越智間シェフがこんな遊びをするなんてなー
:ほんとなー
:周りが普段のスタイルで争えるタイプじゃないから意外性を狙って?
:あり得る
:言うて、今回はおふざけが過ぎただけでしょ
:《ラ・ベットラ越智間》あれ、私何かやっちゃいました?
:当人がこの有様である
:結局、最高に旨い食い方の究極系が残飯だっただけ
:言い得て妙
:ねこまんまを誰がフレンチでやれって言ったよ!
「なんだろう、この味落ち着くわー」
「ダイフク、ね覚えたわ」
「ハリーたちのお土産にいいんじゃないかしら?」
「これはこのお茶とセットでようやく完成します。鮮焼で食べたオリーブオイル和えとホットワインの関係性のようなものです」
俺がこの大福と抹茶の蘊蓄を語ると、ミィちゃんはこの抹茶もどきがクララちゃん由来と知るなり目の色を変える。
「そう、あの子が。もうこんな深いところでまで洋一さんに信頼をおかれてたのね。油断できないわ」
胸元のエメラルドを握り、何かしら焦燥感を感じてるようだ。もっと仲良くして?
あの子の生い立ちを考えれば、生きていくためにも仕方のない行動なんだからさ、そう目くじら立てないでさ。
すっかり腹が大福の気分になってから、時間差で運ばれてくる皿に高々と聳え立つサラダ。どう見てもブロッコリーの森である。
「なんなのこれ?」
「クレイジー!」
「食べられるのよ、ね?」
皆が皆、食用なのかと目を疑う。
またギミック付きの料理かぁと俺とヨッちゃんだけが納得していた。
<コメント>
:《一期一会》まずはその森に付属のソースを降らせてみな
:わぁ、雨のように滴ってるぅ!
:どう見ても巨大ブロッコリーです
:これ、モンスターブロッコリーか?
:モンスターなの、一般植物なの?
:モンスター見たくでかい一般ブロッコリー
:どっち?
:ダンジョンにはいない
:なるほど
:でもこれ、グリーンモンスターぐらいのサイズあるぞ
:ソースにしては随分と白いですね
:ホワイトソース?
:ねばつく白い液体を弄ぶ美玲様……ゔっ
:↑通報しました
:食事シーンで何を想像してるんだお前は!
:最低
:これだから男は
:女なんだよなぁ
:なおさら悪いわ!
何やらミィちゃん絡みでコメントが加速してるけど、当人はまるで他人事の様。
と言うか、いちいち構うのも面倒と考えてるようだ。
人気者は辛いよね。
そして一期一会のオーナーの指示のままにソースをかけて見えてきたのは、なぜかスープ。
最初こそは聳え立つブロッコリーに目を見張ったが、まさか中身がスープだとは思わない。
サラダではなかったのか?
あまりにも主張の強いブロッコリーをいくつか捥《も》いでスープにひたすと、そこでもまた変化が起きた。
<コメント>
:見て、スープの中で、ブロッコリーが戦ってるわ!
:なんだ、これ
:何これぇ
:まるでコロッセオみたいだな
:いやだよ、こんなコロッセオ
:ブロッコリーたちの共演
:スープは普通なんだよな?
:《一期一会》ファンガスのスープを作ったら、なぜか野菜たちが暴れ出した
:意味がわからないよ
:繊維? 繊維を操ってるの?
:操るってなんだよ、こえーよ
:そんなスープを口に入れられるゲストのなんたる可哀想なことよ
:《一期一会》味はこれ以上にないくらいうまい
:味が良くても見た目が……
:大福で安心してたそばからこれだよ
:《ラ・ベットラ越智間》こればかりはファンガスの特性みたいなもんですからね
:《鮮焼》料理人泣かせな素材ってことだけはわかるだろ?
:オリーブオイルの中だけなら落ち着いた?
:そういえば動かなかったな
:《鮮焼》マテリアルボディに隠し包丁すれば動かないぞ?
:ポンちゃん並みの技能を要求してくるじゃん
:なんでみんなやらないんだって顔してそう
:《菊池大輝》してるぞ。俺もできるし
:してるんだー
:ほんま、この界隈の奴らは
:そういやこの人ポンちゃんの師匠だった
普通はできるもんだと思ってたけど、そうでもなかったみたいだね。
菊池さんやダイちゃんはできてたし、他のみんなも当然のようにできてるもんだと思ってたけど、実はできなかったのか。
そっかー。
<コメント>
:あれ? あくまでも師匠なのは焼きの腕前の話じゃないっけ?
:《鮮焼》その時の俺の担当が焼きだったんだよ。でも他のスタッフだってみんなできたぜ? あいつらはどうしたんだよ
:《一期一会》みんなお前みたいに実家に帰って店を継いだよ。親孝行がしたいんだってよ。うちの店なんてどうでもいいってこったな
:恨み節が強い
:そりゃ、使える様なったのにやめてったらそうよ
:夏季限定のバイトかな?
:似た様なもん
:唯一の生き残りがポンちゃんだったのか
:どうしてそんな職人を大切にできないのか
:《一期一会》ワシの言うことは一切聞きやがらねぇからな。放任主義が過ぎたんだろう。まさか闇討ちしてくるほど恨まれてるとはおもわなかったぜ
:あれ? 実はあの半グレ育児放棄されてた?
:そりゃグレるわ
:暴力でしか愛情表現できなくなっちまったか
:普通に社会不適合者なんだよなー
人の歴史にドラマあり。レストランとしてずっと上位に君臨していたモーゼですら一時も気の休まる時はなかったそうだ。
こうやってモーゼの歴史を菊池さんやオーナーの口から改めて聞くことによって、いかに自分が恵まれた環境にいたのかが良くわかる。
低ステータスであるにもかかわらず、濃厚な下積み時代をおくれたのは、やはりモーゼならではだと思う。
そんなオーナーの仕掛けた皿が、たったこれだけで終わるはずがないと、俺もヨッちゃんも身構えている。
だってスープの上で野菜が戦う程度で驚いていては、あの当時の興奮を超えられない。
その人にとっての最高の時間を提供するのが、あの店のコンセプトだ。
だったら、まだまだ見せてないステージがあるだろうと目を皿のように細める。
すると、スープの中でブロッコリー以外の何かが泳いでいるのを見つける。キノコが動くんだ。
他の何かが泳いでたって不思議じゃない。
いやいや、いい加減突っ込ませてもらおう。
<コメント>
:何かスープの中にいますね
:このスープ一体なんなんだよ
:越智間シェフより遊んでんな
:食べ物で遊ぶなとあれほど
:普通に野菜じゃねーの?
:野菜は泳がないんですよ
:じゃあ魚卵?
:随分と気の早い魚卵ですね
:卵なのにもう泳ぐ気でいるのか?
:どこかのシェフといい勝負ですね
:シェフもそうだが、素材がおかしいんよ
泳いでいたのは、ファンガスの傘だった。
しかも千切りにした。
味はしつこくなく、あっさり目なのに踊り食いしてるかの様な歯応えに喉越しが面白い。
スープそのものの味は濃い目なのは、暴れてるブロッコリーが薄味なのを引き立てるためだろう。
一つ一つが不可解な作りをしてるのに、不思議と料理としてまとまっているのがこの店の魅力だ。
見て楽しい、と言うかフォークから逃げ出そうとする野菜を捕まえるのも一苦労という徒労が募るが、攻略法はきちんとある。
ブロッコリーはスープ上で飲み動く。
ならスープからどかせば? 当然動かない。
小皿が用意されてるのはそのためだ。
「あら、小皿に乗せたブロッコリーは動かないのね」
「スープは一定量ないとブロッコリーを動かせないみたいだね。そしてこのキノコフィッシュも同様に、小皿に盛り付ける分には動かない」
「そのまま攻略してもダメなのね。あたしとしたことが正面突破を仕掛ける以外の選択肢を見出せなかったわ」
「普通に美味いのが悔しいよな」
「味はいいってお墨付きもらってるからね」
<コメント>
:実際に注文して、これが出てきたらシェフを呼びつける自信あるわ
:こんなの食えって言って出されたらクレームもんよ
:もちろん、この企画だから出された物ですよね?
:そもそもこれが市場に流せるのか
それはわからない。
一応俺たちは食ったが、食用に向くかどうかはそれぞれの自治体が決めることだしな!
何はともあれ、プロに任せると遊び出すことがわかった。
ファンガスは何か、こう……遊び心をくすぐる食材なのだろう。
普通に焼いてた俺は、どうも遊び心が足りなかったらしい。
12
お気に入りに追加
533
あなたにおすすめの小説
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる