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88話 勘違い(side函館支部連絡係)
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洋一達が函館地区を無事抜けた頃、電波障害と寒波はことごとく解消されていた。
函館地区一帯を覆っていた曇天が晴れ渡っていたからである。
『きこ…える……か? 聞こえるか。こちら札幌支部。こちら札幌支部』
その為、いつもなら何度連絡しても繋がらない他支部からの通話が一斉に届き始めた。
あわやパンク寸前という様相。
連絡員達はてんやわんやになり、案内係に回された私にもその任が回ってきた。
『さすがAランク上位者だな。上陸してものの数分で函館地区を開放するとは!』
だからその連絡を受けた時、なんのことだか理解ができなかった。
「あの、なんの話でしょう。まだ函館地区は封鎖されてますよ?」
『うむ? 朗報は伝わってないのかね。函館地域一帯は青空が広がり、氷も溶け始めてる。モンスターの脅威が去った開放地区だと流れてきてるが』
「いえ、全く。確かに十数名の探索者を受け入れはしましたが、そのうち最有力候補はいつまでも出発しないで十数分もの間料理を作り続けていたんですよ? その、備蓄が潰えそうでその点は助かりましたが、逆に戦えるのか心配になりましたよ。上はどうしてあんな人たちに序列上位を与えてしまったんですかね」
理解ができず、それ故にちょっとした苛立ちが口から出た。
こちらが困り果てているのに、モンスターを倒さずに料理の腕を振る舞う。
そりゃあ美味しかった。
でも奮って欲しいのは料理の腕じゃなく、モンスターを駆逐する手腕なのだ。
『そうか、そんな残念な探索者がいたのか。ちなみになんて名前の探索者かわかるか? こちらでも要注意人物として備えておこう』
これは話が早い。
私は諸々の鬱憤を晴らすべく、そこで探索者の名前を口にした。
『本宝治洋一、だと? それは確かかね?』
「はい、そう名乗ってました!」
『バカな、その人物こそが函館地区を解放した張本人だぞ!? 何かの間違いじゃないのかね?』
え?
私の頭の中はせめて序列の降格ぐらいが関の山だと思っていた。
けれど返答は全く別のものだった。
『君、もしかして彼の配信チャンネルを見てないね?』
「あの、それは……今まで電波障害があり、見たくても見れないというか……」
嘘だ。多分見れたとしても見なかったと思う。
それぐらい、どうだっていい。
ヒーローはあんなにくたびれたおじさん達ではない。
できればかっこいいイケメンがいいと思っていた。
だから幻想を抱かないようにそっと現実に蓋をした。
いつでも記憶を上書きできるように。
『今こうやってお話できてる時点で電波は復活している頃だろう。ちゃんと見なさい。そこに全てが隠されている。そう言えば君、その探索者は避難民に対して贅沢な施しをしていたと言ったね? それは一体何人分あったのかね?』
あ……
確かに、たった二人で用意できるとは思えないほどの量。
軽く2000人分はあったと思う。
大量に持ち運ばれ、今では空になった寸胴鍋が十数個転がっている惨状。
ただの善意で提供できる量ではない。
強く勧められたのもあり、私は個人情報でしか知り得なかった「ポンちゃんとヨッちゃんのダンジョン美食倶楽部」というふざけた配信の最新話をみた。
「え、本当にこれ、倒してるの?」
そこにはあり得ない映像が映されてた。
最初の数分は雑談からのコメント返し。
それ見たことかと思った矢先の強襲。
あれはここら一帯を氷漬けにしたユニークモンスター『フライングオニオン』だ。
それをあんなに簡単に撃退して、さらにはその場で料理して。
なんと出来上がった料理を避難民に届けてくれた。
距離的に無理があると思ったが、彼らには飛距離を無視するワープポータルなるとんでもスキルがあるようだった。
それで私たちを青森に避難させてくれたら言うことなかったのに。
そう思わなくはないが、それができたとして感謝するだろうか?
もしそれをされていた場合、右も左も分からない土地に放り出され、家族とは一切連絡が取れず、このように料理の配給すらされない。
雨風を凌ぐ場所くらいは提供されるだろうが、自由は一切なくなるだろう。
最悪だ。
今でこそ十分身動きできないのに、これ以上を自ら臨むなんてあり得ない。
悪いのはモンスターとは言え、助けてくれた恩人に恨みすら抱きそうだ。
そこまで考えて、そうしなかったのは彼らなりの温情なのだと思った。
色眼鏡で見ていたフィルターが剥がれていく。
そう言えば、届けにきた時も「ちょっと作りすぎちゃって」とかあり得ないことを言ってたっけ。
どうすれば2000人分も作りすぎるというのか。
けど私はその言葉のまま受け入れて、特に宣伝もせずに避難者に受け渡していた。
まさかあのお肉がユニークモンスターのものだったとは露知らず。
そして現れたクラウドブロッコリー。本当にあり得ないくらい、強敵との連戦。
もっと疲れてても良さそうなのに、まるで意に介さないように平然と討伐してはそれを料理した。
あれもユニークモンスターの料理だったんだと気がついて、なんてものを食べさせられてしまったんだと気がついた。
これで全員が彼の料理を口にしたということになる。
そして気になるコメントを見つけた。
:非常時だから無償提供だけど、普通なら数十万するからねー、ポンちゃんの料理
:もちろん一杯のお値段やで
:常識だろ
え? そうなの。
確かに未知のモンスターを納品すれば、調査と称して最初は高値で売れることもある。
それが大量だ。
実はとんでもないものを背負わされたんじゃないかという気持ちでいっぱいになる。
美味しくて何杯もおかわりした避難民もいることだろう。
そして視聴するたびに気になる情報が出て来ること出て来ること。
:ヨッちゃんの魔法でドライブしたら快適だろうなー(なお搭乗者)
:なんで通る道のアイスバーンが氷解して、吹雪は晴れ渡り、濃霧も吹っ飛ぶんですかね
:壊れた橋は土魔法錬成して無理やり通ってたからな
:ヨッちゃんだから
:ヨッちゃんだから
:むしろ運転しながらあんなに魔力練れねーよ
:ダイちゃんの運転テクニックも普通じゃないのよ
だれ!?
案内した時にそんな人いなかったわよね!?
思わず頭を抱える。
そう言えばワープポータルを持ってたんだったかしら。
まさかその距離って意外と長いの?
いつでも帰れるからこっちにきたの?
だとしたら幻滅ね。
今の所は配信を切らずに攻略してくれてるようだけど。
これは見張っておく必要が出てきたわ。
私はその日のうちに、市民会館の巨大スクリーンに『美食倶楽部』の配信を上映することにした。
避難者達からはそれなりにクレームが出たが、ただのニュースよりよっぽど見応えがある。
ちょっとおふざけのコメントも多いが、実力があるからこそのリクエストなのだろう。
彼らは簡単そうに無理難題に挑んではこなしていく。
ここから数百キロ先にある大森町への道中映像だけでも十分にアクシデントの連続だった。
道は途切れてる、橋が落ちてる。
これだけで迂回を余儀なくされる。
しかしそれを無理やり通っているのだ。
魔法やドライビングテクニックを駆使して。
訳がわからない。
最初こそはコメディ番組だろうと思われたが、すぐにそれが実戦を交えた実況配信であると知れ渡った。
「いけーーポンちゃん! ワシらの街を取り戻してくれー」
「そこ私の家なの! 無事に取り戻してくれてありがとうね!」
「やったーー!」
「すごいね、お父さん」
「ああ、そうだな」
巨大な人参やジャガイモのモンスターをたちまちのうちにやっつけて、自分たちの街からモンスターを追い払っていくうちに、彼らへの期待は強まり始めていく。
そうとも知らずに彼らはこの場所に何食わぬ顔で現れる。
いつも通り「作りすぎちゃったので皆さんで食べてください」というお決まりの文句も添えて。
熱々のカレーが寸胴に煮込まれていた。
魔法を使っての調理であるが故、ガスや電気とはまた違う調理時間。
この人数分、振る舞うともなれば余裕で一晩以上かかるだろう。
それすら容易にこなせるのは、藤本要さんの魔法技術以外あり得ない。それを作る本宝治の腕もなくてはならない。
「ありがとう、若いの。当時を思い出したようじゃ」
「え? なんのお話です」
「はいはーい、本宝治さんはお忙しいので! ここからは私たちが変わります。ささ、本宝治さん達は現場に戻ってください」
「あ、知ってたんですか」
私は巨大スクリーンにて調理中の彼らの映像が映し出されていることをそれとなく教える。
それを見たご本人は、照れながら「見られてたんですね、応援ありがとうございます」などと謙遜しながら一礼した。
そして現場に戻って一層気を引き締めたように思う。
それに倣うように私たちも配給に感謝しながらその味を噛み締めた。
もちろん味もさることながら、この料理自体が私たちの本土に巣食うモンスターの亡骸であること。
それを食すことで私たちにもモンスターを倒す誉を与えてくれていること。
近しい人をモンスターに殺された恨みや辛みはなかなか消えないが、食すことで溜飲を下げることができると教えられた気持ちになった。
これほどの施しを受けて、泣き言なんて言ってられなくなった。
私だけじゃない、避難者の全てが本宝治さんに感謝を捧げていた。
函館地区一帯を覆っていた曇天が晴れ渡っていたからである。
『きこ…える……か? 聞こえるか。こちら札幌支部。こちら札幌支部』
その為、いつもなら何度連絡しても繋がらない他支部からの通話が一斉に届き始めた。
あわやパンク寸前という様相。
連絡員達はてんやわんやになり、案内係に回された私にもその任が回ってきた。
『さすがAランク上位者だな。上陸してものの数分で函館地区を開放するとは!』
だからその連絡を受けた時、なんのことだか理解ができなかった。
「あの、なんの話でしょう。まだ函館地区は封鎖されてますよ?」
『うむ? 朗報は伝わってないのかね。函館地域一帯は青空が広がり、氷も溶け始めてる。モンスターの脅威が去った開放地区だと流れてきてるが』
「いえ、全く。確かに十数名の探索者を受け入れはしましたが、そのうち最有力候補はいつまでも出発しないで十数分もの間料理を作り続けていたんですよ? その、備蓄が潰えそうでその点は助かりましたが、逆に戦えるのか心配になりましたよ。上はどうしてあんな人たちに序列上位を与えてしまったんですかね」
理解ができず、それ故にちょっとした苛立ちが口から出た。
こちらが困り果てているのに、モンスターを倒さずに料理の腕を振る舞う。
そりゃあ美味しかった。
でも奮って欲しいのは料理の腕じゃなく、モンスターを駆逐する手腕なのだ。
『そうか、そんな残念な探索者がいたのか。ちなみになんて名前の探索者かわかるか? こちらでも要注意人物として備えておこう』
これは話が早い。
私は諸々の鬱憤を晴らすべく、そこで探索者の名前を口にした。
『本宝治洋一、だと? それは確かかね?』
「はい、そう名乗ってました!」
『バカな、その人物こそが函館地区を解放した張本人だぞ!? 何かの間違いじゃないのかね?』
え?
私の頭の中はせめて序列の降格ぐらいが関の山だと思っていた。
けれど返答は全く別のものだった。
『君、もしかして彼の配信チャンネルを見てないね?』
「あの、それは……今まで電波障害があり、見たくても見れないというか……」
嘘だ。多分見れたとしても見なかったと思う。
それぐらい、どうだっていい。
ヒーローはあんなにくたびれたおじさん達ではない。
できればかっこいいイケメンがいいと思っていた。
だから幻想を抱かないようにそっと現実に蓋をした。
いつでも記憶を上書きできるように。
『今こうやってお話できてる時点で電波は復活している頃だろう。ちゃんと見なさい。そこに全てが隠されている。そう言えば君、その探索者は避難民に対して贅沢な施しをしていたと言ったね? それは一体何人分あったのかね?』
あ……
確かに、たった二人で用意できるとは思えないほどの量。
軽く2000人分はあったと思う。
大量に持ち運ばれ、今では空になった寸胴鍋が十数個転がっている惨状。
ただの善意で提供できる量ではない。
強く勧められたのもあり、私は個人情報でしか知り得なかった「ポンちゃんとヨッちゃんのダンジョン美食倶楽部」というふざけた配信の最新話をみた。
「え、本当にこれ、倒してるの?」
そこにはあり得ない映像が映されてた。
最初の数分は雑談からのコメント返し。
それ見たことかと思った矢先の強襲。
あれはここら一帯を氷漬けにしたユニークモンスター『フライングオニオン』だ。
それをあんなに簡単に撃退して、さらにはその場で料理して。
なんと出来上がった料理を避難民に届けてくれた。
距離的に無理があると思ったが、彼らには飛距離を無視するワープポータルなるとんでもスキルがあるようだった。
それで私たちを青森に避難させてくれたら言うことなかったのに。
そう思わなくはないが、それができたとして感謝するだろうか?
もしそれをされていた場合、右も左も分からない土地に放り出され、家族とは一切連絡が取れず、このように料理の配給すらされない。
雨風を凌ぐ場所くらいは提供されるだろうが、自由は一切なくなるだろう。
最悪だ。
今でこそ十分身動きできないのに、これ以上を自ら臨むなんてあり得ない。
悪いのはモンスターとは言え、助けてくれた恩人に恨みすら抱きそうだ。
そこまで考えて、そうしなかったのは彼らなりの温情なのだと思った。
色眼鏡で見ていたフィルターが剥がれていく。
そう言えば、届けにきた時も「ちょっと作りすぎちゃって」とかあり得ないことを言ってたっけ。
どうすれば2000人分も作りすぎるというのか。
けど私はその言葉のまま受け入れて、特に宣伝もせずに避難者に受け渡していた。
まさかあのお肉がユニークモンスターのものだったとは露知らず。
そして現れたクラウドブロッコリー。本当にあり得ないくらい、強敵との連戦。
もっと疲れてても良さそうなのに、まるで意に介さないように平然と討伐してはそれを料理した。
あれもユニークモンスターの料理だったんだと気がついて、なんてものを食べさせられてしまったんだと気がついた。
これで全員が彼の料理を口にしたということになる。
そして気になるコメントを見つけた。
:非常時だから無償提供だけど、普通なら数十万するからねー、ポンちゃんの料理
:もちろん一杯のお値段やで
:常識だろ
え? そうなの。
確かに未知のモンスターを納品すれば、調査と称して最初は高値で売れることもある。
それが大量だ。
実はとんでもないものを背負わされたんじゃないかという気持ちでいっぱいになる。
美味しくて何杯もおかわりした避難民もいることだろう。
そして視聴するたびに気になる情報が出て来ること出て来ること。
:ヨッちゃんの魔法でドライブしたら快適だろうなー(なお搭乗者)
:なんで通る道のアイスバーンが氷解して、吹雪は晴れ渡り、濃霧も吹っ飛ぶんですかね
:壊れた橋は土魔法錬成して無理やり通ってたからな
:ヨッちゃんだから
:ヨッちゃんだから
:むしろ運転しながらあんなに魔力練れねーよ
:ダイちゃんの運転テクニックも普通じゃないのよ
だれ!?
案内した時にそんな人いなかったわよね!?
思わず頭を抱える。
そう言えばワープポータルを持ってたんだったかしら。
まさかその距離って意外と長いの?
いつでも帰れるからこっちにきたの?
だとしたら幻滅ね。
今の所は配信を切らずに攻略してくれてるようだけど。
これは見張っておく必要が出てきたわ。
私はその日のうちに、市民会館の巨大スクリーンに『美食倶楽部』の配信を上映することにした。
避難者達からはそれなりにクレームが出たが、ただのニュースよりよっぽど見応えがある。
ちょっとおふざけのコメントも多いが、実力があるからこそのリクエストなのだろう。
彼らは簡単そうに無理難題に挑んではこなしていく。
ここから数百キロ先にある大森町への道中映像だけでも十分にアクシデントの連続だった。
道は途切れてる、橋が落ちてる。
これだけで迂回を余儀なくされる。
しかしそれを無理やり通っているのだ。
魔法やドライビングテクニックを駆使して。
訳がわからない。
最初こそはコメディ番組だろうと思われたが、すぐにそれが実戦を交えた実況配信であると知れ渡った。
「いけーーポンちゃん! ワシらの街を取り戻してくれー」
「そこ私の家なの! 無事に取り戻してくれてありがとうね!」
「やったーー!」
「すごいね、お父さん」
「ああ、そうだな」
巨大な人参やジャガイモのモンスターをたちまちのうちにやっつけて、自分たちの街からモンスターを追い払っていくうちに、彼らへの期待は強まり始めていく。
そうとも知らずに彼らはこの場所に何食わぬ顔で現れる。
いつも通り「作りすぎちゃったので皆さんで食べてください」というお決まりの文句も添えて。
熱々のカレーが寸胴に煮込まれていた。
魔法を使っての調理であるが故、ガスや電気とはまた違う調理時間。
この人数分、振る舞うともなれば余裕で一晩以上かかるだろう。
それすら容易にこなせるのは、藤本要さんの魔法技術以外あり得ない。それを作る本宝治の腕もなくてはならない。
「ありがとう、若いの。当時を思い出したようじゃ」
「え? なんのお話です」
「はいはーい、本宝治さんはお忙しいので! ここからは私たちが変わります。ささ、本宝治さん達は現場に戻ってください」
「あ、知ってたんですか」
私は巨大スクリーンにて調理中の彼らの映像が映し出されていることをそれとなく教える。
それを見たご本人は、照れながら「見られてたんですね、応援ありがとうございます」などと謙遜しながら一礼した。
そして現場に戻って一層気を引き締めたように思う。
それに倣うように私たちも配給に感謝しながらその味を噛み締めた。
もちろん味もさることながら、この料理自体が私たちの本土に巣食うモンスターの亡骸であること。
それを食すことで私たちにもモンスターを倒す誉を与えてくれていること。
近しい人をモンスターに殺された恨みや辛みはなかなか消えないが、食すことで溜飲を下げることができると教えられた気持ちになった。
これほどの施しを受けて、泣き言なんて言ってられなくなった。
私だけじゃない、避難者の全てが本宝治さんに感謝を捧げていた。
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