59 / 173
59話 管理者権限
しおりを挟む
うんうんと富井さんが頷き、喋るまでの時間を待つ。
「これは、良いものだな。今の時代はこんなものが当たり前に食べられるのか」
「当たり前では無いな」
「そうなのか?」
「これはあくまでポンちゃんの技能があってこそのものだ」
「つまり?」
「ここでしか味わえないものだな」
富井さんは納得したように頷きながら、味わって咀嚼する。
「それで、何の話じゃったかのう」
「ダンジャン管理者のナンバリングによる権限の優位性についてでしたか」
「そうじゃったそうじゃった」
この下り、毎回やるんだろうか?
無理もないか、話を聞く限り、今までずっと寝たきりという話だ。
「そうじゃのう、五郎にできることと、そこのスライムでできることには違いがある」
「キュッ(スライムではない! 妾はオリンという名を貰っておる、そう呼ばれて然るべきじゃ!)」
「何か抗議めいた視線を感じるのう?」
オリンの敵意をビシビシと受け止め、富井さんは首をかしげた。
さっき意思疎通をしたんじゃないのか?
富井さんは聞こえているのにすっとぼけたか。
それとも現在進行形でボケているのか。判断はつかない。
「スライムではなく、オリンと呼んでほしいそうです」
「そりゃ悪かった、そうじゃの、吾郎も犬と呼ばれたら居心地が悪くなる。すまなかったの、オリンや。すごく言いやすい気がするのは何故じゃろうな?」
「そりゃあれだろう、シゲちゃんの奥さんが凛さんだったからだろう? よく周囲からお凛さんと呼ばれておったからじゃろうな」
「ああ!」
今まで忘れてたのか?
仕方ないか、病み上がりだもんな。
思い出すのだって、時間がかかる。
食事によってモヤの掛かっていた記憶が鮮明に思い出されたのなら、あとは俺がそれの手ほどきをすれば良いもんな。
「奥様は富井さんにとってどのような方だったんですか?」
「めちゃくちゃ愛されておったよ? 近所では有名なおしどり夫婦として有名じゃったな!」
「嘘をつくな! シゲちゃんはろくに家に帰らないで迷惑ばかりかけてたろ?」
「おいおい、それはハッちゃんもだろ? ワシだけ悪くいうな。むしろそっちから誘って来てワシだけ貶めるつもりか?」
「バカめ、わしは隙を見て帰っておったわ! 嫁さんは怒らせたら怖いからの!」
始まる、嫁さんバトル。
独り身の俺たちには憧れの先にあるものだ。
羨ましいと思う反面、苦労も多そうだと結婚に対する願望が薄れていく。
俺たちはまだ独身でも良いかなって、そんな気さえするトークが展開された。
それでもいつかはと思うのだが、あいにくと候補は居ない。
悲しいことにね。
そんなこんなで、お嫁さん自慢から、地獄の嫁姑論争に発展し、そして子育ての何たるかを聞かされた上で本題に入る。
話は盛り上がったが、軽く降った話題が予想以上に盛り上がってしまって、質問内容すら吟味する必要があるのかと頭を掻いた。
ヨッちゃんは我関せずでアルコールを進めている。
くそぅ、俺もそっちに回ればよかった。
「それで、権限とはどこまで差が出るものなのですか?」
「正確にはわからんが、例えば五郎ならここから、場所を指定して物を送ることができるとしよう」
「オリンのワープポータルのようなものですか?」
「やはりすでに持っておったか。そうじゃな、それが運べる範囲に差が出る。例えば吾郎の権限だと、国内に限るじゃとかな」
「そこがオリンとの違いですか。確かにうちのオリンならば、エネルギーを借金する事で世界規模での瞬間転移が可能です。しかし吾郎くんにはそれができないと?」
「此奴はメスじゃぞ?」
メスなのに五郎だなんて名付けたのか……いや、オリンと同様に名乗ったのかもしれないか。
となると吾郎じゃなくて、ゴロウが正解。
しかし昔はダンジョンに犬を連れて行っていたらしく、ダンジョン犬として扱う上で五郎と名付けた可能性もある。
そう言えばオリンも女性型だったな。
管理者は全員女性型なのかな?
そこは特に重要じゃない気がするが、まぁいいか。
「エネルギーなんて初めて聞いたの、なぁハッちゃん?」
「そうじゃのう。初めて聞く。多分五郎は扱えない権限なのじゃろう」
そうなのか?
ではどうしてオリンは宇都宮ダンジョンの管理ができてないことを管理者に問い詰めたのだろう?
他の管理者の話を持ち出した時点で、巡回しているかのような口ぶり。
「オリンはそういう意味では五郎より特別なんですかね?」
「ナンバリングによっては扱える権限に大きな隔たりがあるとは聞いたの」
「オリンはそこのところ詳しく教えてくれないんですよね」
「まぁ、吾郎も多くは語らんの。どうも教えたくても権限の都合上しゃべれねいみたいな制限があっての」
じゃあオリンもそういう制限がある上で語らないのか?
「キュッ(別にそういうにではないが、あまり現地人に我々の技術を与えすぎると文明が崩壊する恐れがあるからしないだけじゃ)」
オリンの言い分はよくわかる。正直個人が扱うにはすぎた力だ。
個人の屋台の店主が扱って良い力じゃない。
個人で楽しむ前提での能力だ。
確かに表に出して良い能力じゃないな。
多くを教えないのも理解できた。
ただ一つ、わからない点もあった。
オリンが契約したのは、俺が特殊スキル持ちだったからだ。
けど契約者は八尾さんではなく、富井さんである点。
特殊スキル持ちと利害の一致で契約するんじゃないのか?
そんな疑問をぶつけたところ、二人は顔を見合わせてから笑い合う。
「そう言えばポンちゃんには教えてなかったの」
「ワシもハッちゃん同様に特殊スキル持ちなんじゃ」
えっ、じゃあ俺と同様に肉に加工できる能力者だったのか?
だから富井ミートの損失を補うべく、残された者がダンジョンを利用した?
「この顔、きっと肉加工スキルか何かと思ってる顔じゃな」
「そりゃ富井ミートなんじゃからそう思うじゃろ。全然違うんじゃがな」
「違うんですか?」
「ワシのはこういうもじゃな」
そう言って、懐から取り出したマンドラゴラを手元で日本酒の小瓶に変えた。
なんてこった、この人の加工スキルはアルコールへの変換だったのだ!
驚いている俺に、八尾さんがサプライズ成功とばかりに満面の笑みを浮かべる。
「さっきの酒はこのマンドラゴラから作られたものでな。なんだかんだ重宝しておる」
「非常に美味しかったのを覚えてます。許可さえもらえたら、もう何品か作らせてもらって良いですか?」
「もちろん、ワシは5日これに合う食事をするのが楽しみで生きておったからな。ストックは何本もあるぞ。現役時代に大量にゲットしたからの」
「言っちゃあなんだが、坊主たち以上にシゲちゃんは呑兵衛だぞ?」
「お、いいねぇ、ちょいと飲み比べするか?」
「そういうのはここ以外でやってくれますか?」
先程までずっと黙りこくっていた世良さんが話に入ってくる。
そう言えばここ支部長室だったな。
ここから特にダンジョン管理者の話で盛り上がることはないからと、ダンジョンの中に移動してから二次会を開く。
そういえば出禁になっていた旨を語ると「そんなもんワシの顔パスじゃい」と豪語する富井さんに押し切られて中へ。
オーク肉を楽しみながらの宴会が始まった。
なんていうかね、八尾さんも富井さんもアルコール入ってからの方が調子が出るタイプらしく、戦闘の方で大変お世話になった。
俺の目標はここかなって、なんとなしに思ったね。
それと宇都宮ダンジョンの権利を一時的にオリンが統括することによって、ダンジョン崩壊の危機は去った。
溜まったエネルギーは、無事変換されてことなきを得たようだ。
そのおかげで、それで富を得ていた人たちは商売が立ちいかなくなってしまったそうだが、ダンジョンの搾取によって成り立つ商売なんて最初から無理があるって言う事だな。
俺たちも一歩間違えたらそうなりかねないので注意しようと思うのだった。
「これは、良いものだな。今の時代はこんなものが当たり前に食べられるのか」
「当たり前では無いな」
「そうなのか?」
「これはあくまでポンちゃんの技能があってこそのものだ」
「つまり?」
「ここでしか味わえないものだな」
富井さんは納得したように頷きながら、味わって咀嚼する。
「それで、何の話じゃったかのう」
「ダンジャン管理者のナンバリングによる権限の優位性についてでしたか」
「そうじゃったそうじゃった」
この下り、毎回やるんだろうか?
無理もないか、話を聞く限り、今までずっと寝たきりという話だ。
「そうじゃのう、五郎にできることと、そこのスライムでできることには違いがある」
「キュッ(スライムではない! 妾はオリンという名を貰っておる、そう呼ばれて然るべきじゃ!)」
「何か抗議めいた視線を感じるのう?」
オリンの敵意をビシビシと受け止め、富井さんは首をかしげた。
さっき意思疎通をしたんじゃないのか?
富井さんは聞こえているのにすっとぼけたか。
それとも現在進行形でボケているのか。判断はつかない。
「スライムではなく、オリンと呼んでほしいそうです」
「そりゃ悪かった、そうじゃの、吾郎も犬と呼ばれたら居心地が悪くなる。すまなかったの、オリンや。すごく言いやすい気がするのは何故じゃろうな?」
「そりゃあれだろう、シゲちゃんの奥さんが凛さんだったからだろう? よく周囲からお凛さんと呼ばれておったからじゃろうな」
「ああ!」
今まで忘れてたのか?
仕方ないか、病み上がりだもんな。
思い出すのだって、時間がかかる。
食事によってモヤの掛かっていた記憶が鮮明に思い出されたのなら、あとは俺がそれの手ほどきをすれば良いもんな。
「奥様は富井さんにとってどのような方だったんですか?」
「めちゃくちゃ愛されておったよ? 近所では有名なおしどり夫婦として有名じゃったな!」
「嘘をつくな! シゲちゃんはろくに家に帰らないで迷惑ばかりかけてたろ?」
「おいおい、それはハッちゃんもだろ? ワシだけ悪くいうな。むしろそっちから誘って来てワシだけ貶めるつもりか?」
「バカめ、わしは隙を見て帰っておったわ! 嫁さんは怒らせたら怖いからの!」
始まる、嫁さんバトル。
独り身の俺たちには憧れの先にあるものだ。
羨ましいと思う反面、苦労も多そうだと結婚に対する願望が薄れていく。
俺たちはまだ独身でも良いかなって、そんな気さえするトークが展開された。
それでもいつかはと思うのだが、あいにくと候補は居ない。
悲しいことにね。
そんなこんなで、お嫁さん自慢から、地獄の嫁姑論争に発展し、そして子育ての何たるかを聞かされた上で本題に入る。
話は盛り上がったが、軽く降った話題が予想以上に盛り上がってしまって、質問内容すら吟味する必要があるのかと頭を掻いた。
ヨッちゃんは我関せずでアルコールを進めている。
くそぅ、俺もそっちに回ればよかった。
「それで、権限とはどこまで差が出るものなのですか?」
「正確にはわからんが、例えば五郎ならここから、場所を指定して物を送ることができるとしよう」
「オリンのワープポータルのようなものですか?」
「やはりすでに持っておったか。そうじゃな、それが運べる範囲に差が出る。例えば吾郎の権限だと、国内に限るじゃとかな」
「そこがオリンとの違いですか。確かにうちのオリンならば、エネルギーを借金する事で世界規模での瞬間転移が可能です。しかし吾郎くんにはそれができないと?」
「此奴はメスじゃぞ?」
メスなのに五郎だなんて名付けたのか……いや、オリンと同様に名乗ったのかもしれないか。
となると吾郎じゃなくて、ゴロウが正解。
しかし昔はダンジョンに犬を連れて行っていたらしく、ダンジョン犬として扱う上で五郎と名付けた可能性もある。
そう言えばオリンも女性型だったな。
管理者は全員女性型なのかな?
そこは特に重要じゃない気がするが、まぁいいか。
「エネルギーなんて初めて聞いたの、なぁハッちゃん?」
「そうじゃのう。初めて聞く。多分五郎は扱えない権限なのじゃろう」
そうなのか?
ではどうしてオリンは宇都宮ダンジョンの管理ができてないことを管理者に問い詰めたのだろう?
他の管理者の話を持ち出した時点で、巡回しているかのような口ぶり。
「オリンはそういう意味では五郎より特別なんですかね?」
「ナンバリングによっては扱える権限に大きな隔たりがあるとは聞いたの」
「オリンはそこのところ詳しく教えてくれないんですよね」
「まぁ、吾郎も多くは語らんの。どうも教えたくても権限の都合上しゃべれねいみたいな制限があっての」
じゃあオリンもそういう制限がある上で語らないのか?
「キュッ(別にそういうにではないが、あまり現地人に我々の技術を与えすぎると文明が崩壊する恐れがあるからしないだけじゃ)」
オリンの言い分はよくわかる。正直個人が扱うにはすぎた力だ。
個人の屋台の店主が扱って良い力じゃない。
個人で楽しむ前提での能力だ。
確かに表に出して良い能力じゃないな。
多くを教えないのも理解できた。
ただ一つ、わからない点もあった。
オリンが契約したのは、俺が特殊スキル持ちだったからだ。
けど契約者は八尾さんではなく、富井さんである点。
特殊スキル持ちと利害の一致で契約するんじゃないのか?
そんな疑問をぶつけたところ、二人は顔を見合わせてから笑い合う。
「そう言えばポンちゃんには教えてなかったの」
「ワシもハッちゃん同様に特殊スキル持ちなんじゃ」
えっ、じゃあ俺と同様に肉に加工できる能力者だったのか?
だから富井ミートの損失を補うべく、残された者がダンジョンを利用した?
「この顔、きっと肉加工スキルか何かと思ってる顔じゃな」
「そりゃ富井ミートなんじゃからそう思うじゃろ。全然違うんじゃがな」
「違うんですか?」
「ワシのはこういうもじゃな」
そう言って、懐から取り出したマンドラゴラを手元で日本酒の小瓶に変えた。
なんてこった、この人の加工スキルはアルコールへの変換だったのだ!
驚いている俺に、八尾さんがサプライズ成功とばかりに満面の笑みを浮かべる。
「さっきの酒はこのマンドラゴラから作られたものでな。なんだかんだ重宝しておる」
「非常に美味しかったのを覚えてます。許可さえもらえたら、もう何品か作らせてもらって良いですか?」
「もちろん、ワシは5日これに合う食事をするのが楽しみで生きておったからな。ストックは何本もあるぞ。現役時代に大量にゲットしたからの」
「言っちゃあなんだが、坊主たち以上にシゲちゃんは呑兵衛だぞ?」
「お、いいねぇ、ちょいと飲み比べするか?」
「そういうのはここ以外でやってくれますか?」
先程までずっと黙りこくっていた世良さんが話に入ってくる。
そう言えばここ支部長室だったな。
ここから特にダンジョン管理者の話で盛り上がることはないからと、ダンジョンの中に移動してから二次会を開く。
そういえば出禁になっていた旨を語ると「そんなもんワシの顔パスじゃい」と豪語する富井さんに押し切られて中へ。
オーク肉を楽しみながらの宴会が始まった。
なんていうかね、八尾さんも富井さんもアルコール入ってからの方が調子が出るタイプらしく、戦闘の方で大変お世話になった。
俺の目標はここかなって、なんとなしに思ったね。
それと宇都宮ダンジョンの権利を一時的にオリンが統括することによって、ダンジョン崩壊の危機は去った。
溜まったエネルギーは、無事変換されてことなきを得たようだ。
そのおかげで、それで富を得ていた人たちは商売が立ちいかなくなってしまったそうだが、ダンジョンの搾取によって成り立つ商売なんて最初から無理があるって言う事だな。
俺たちも一歩間違えたらそうなりかねないので注意しようと思うのだった。
3
お気に入りに追加
533
あなたにおすすめの小説
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

回復力が低いからと追放された回復術師、規格外の回復能力を持っていた。
名無し
ファンタジー
回復術師ピッケルは、20歳の誕生日、パーティーリーダーの部屋に呼び出されると追放を言い渡された。みぐるみを剥がされ、泣く泣く部屋をあとにするピッケル。しかし、この時点では仲間はもちろん本人さえも知らなかった。ピッケルの回復術師としての能力は、想像を遥かに超えるものだと。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる