48 / 173
48話 病院食を考える
しおりを挟む
「病院食というと、加熱調理済みのミンチ系が好まれるのか。こういうのは越智間さんの得意分野だよなぁ。スープとか、固形物とか」
「別にそこまで難しく考えんでも、食材の提供だけでもいいんでない?」
「まぁそうなんだけど。ゴースト系は足が速いからな」
「ゴーストに足ねーのに?」
何言ってんだよって目で見るな。
劣化しやすいって意味で言ってんの!
「キュッ(妾のストレージ内なら時間も止まるが?)」
なるほど。
「オリン曰く、俺が直接送り届けるなら可能っぽそうですね」
「キュッキュー(パスを繋げる方が早いじゃろうて。貯金はまだあるじゃろ?)」
事あるごとに俺のEN貯金を崩そうとしてくるオリン。
溜まりすぎると何か良くない事でもあるのだろうか?
「分かりました、まずはその戦友のいる病院をお教え願いますか。そこに卸してるメーカーと結託してモンスターミートの提供を考えてみようと思います。ついでに調味料も。八尾さんのお野菜は?」
「既に全国区に提供されておるよ。この道60年じゃからな」
「ならば肉と調味料の提供でいいか」
「良いのか? 他の支部への提供数を減らしてまでワシの願いを聞き入れて」
「それなんですが、俺はちっとも考えてこなかったことが恥ずかしく思ってます」
「と、いうと?」
「俺、料理は食べにきてもらう前提で振る舞ってました」
「普通はそうじゃな。しかし普通の行動ができぬものもおる」
「それを今日知れた。そして知った以上、なんとかしたいと思うのが俺です。全てのメニューをモンスターミートにできる日はまだまだ先となりますがぜひ協力させてください!」
「ありがとう。奴にいい土産話ができたわ」
八尾さんは微笑み、握手を交わす。
勿論これは始まりでしかない。点滴で命を繋いでる人にどうやって食べさせるかだ。
「相手の方の意識は……」
「残念なことにない。ずっと眠りっぱなしよ。ただ残された家族のことを思えば、延命装置を切ることはできんだろう」
「何か事情があるんですか?」
「遺族年金だ」
「あー」
思った以上に浅い理由だった。
よく考えなくたって分かる。当時八尾さんと一緒に駆け回ってた時点でSランク以上。
もらえる年金も高額。
それを当てにして生活しているのだ。
家族だからと言われたらそれまでだが、向上心はないのだろうか?
「あの家族をあまり責めてやるな。あいつの家も色々あってな、奴の年金だけが支えじゃねぇのよ」
「他にも?」
「あいつに世話になった奴も多いいんだ。その世話になった奴らが顔を見せにくる場所を守ってもいるんだ。ワシの都合で楽になどさせられんのよ」
「そう言った事情もあったのですね。なら遺族年金だなどと言わなくとも」
「奴らがそれに頼ってるのも事実よ」
「ハァ……」
どうにも複雑な事情があるようだ。
「じゃあ、直接に面会もままならないのでは?」
「直接対決はまだ先じゃな。まずは工場への連絡が先じゃ……それと、例のメニューはいつでも食べさせてもらえるのかな?」
八尾さんが箸で摘んで口に入れるジェスチャーをした。
ピーマンの肉詰めのことだろうか?
もしくは刺身か?
どちらにせよ……
「新鮮な素材をご用意いただけるのなら、いつでも」
「では次の来店にはそれに見合う日本酒を用意しよう。ご相伴に預かってくれるかな?」
「是非にでも!」
やはり酒呑は惹かれ合うものだ。
ただアルコールが強いものが好きと言うわけではない。
酒に合う食事があるように、酒もまた食事に合わせたくなるものだ。
新しい出会いとはそう言うものだと思う。
俺は料理からそれを学んできた。
勿論、うまい食材に出会った時に引き出しは多い方がいい。
新しい酒と出会うたび、もっと勉強をしておけばよかったと思う程だ。
ゴーストタウンを抜け、ダンジョンセンターへと帰還する。
八尾さんは大笑いしながらクエスト終了サインをした。
俺達は報酬を受け取り、引き続きクエストの受付をする。
病院の給食センターへの素材提供。
どんなものが出来上がるかを見届けるのもまた仕事だ。
一度自分で仕上げてから、再現可能かを検証する大事なクエストである。
「なんと言うか、お人よしだな」
「いやー、うまい酒を奢ってくれるって言われたら」
「金ならいくらでもあるだろうに」
「俺たちは金はあってもコネがありませんからね、それに亀の甲より年の功と言うでしょう?」
「違いない。だが同時に鬼コーチとしても有名だ。あまり調子に乗るなよ?」
俺たちはお互いに顔を見合わせる。
世良さんは怖がってるが、今日ご一緒した限りでは八尾さんは気のいいお爺さんという感じだった。そう話すと、
「それはきっと適合調理の更新で気分が良かったからだろう」
「あー……」
それも確かにあるのかな?
「良い食べっぷりでした。盗んじゃいないだろうなって全部自分の懐に入れるほどに」
「この世のありとあらゆる美食を堪能してきた八尾さんが?」
「適合食材、適合調理は全てを覆すのでしょう。俺も食材を見つけるたびに自分の力不足を突きつけられる気分です。まだもっと美味しくできるんじゃないかって、いつも緊張してますよ」
「あんたほどの腕前でも悩みがあるのか?」
「ははは、お陰様で繁盛させてもらってますが、俺なんてまだまだですよ。もっとうまい料理を作りたい。料理なんてのはそれこそゴールのない真っ暗闇なんです」
「探索者にとってのダンジョンみたいなものか?」
「どうでしょうか……似たようなもの、と断言出来るほど俺はまだダンジョンに詳しくないですから」
「そりゃそうだろ。ダンジョン侵食から60年。いまだに新しい発見があるんだ。ゴールのない旅という意味じゃ一緒だ」
「そう、ですね」
「おーい! 話は終わったぞ! 今から会ってくれるそうだ!」
遠くから八尾さんの声がする。
俺は世良さんに一礼して、宇都宮の街を先導する八尾さんの後に続いた。
その日だけで結構な人と出会い、食材を提供。
調理の仕方を習う。
一般人向けと病人向け。
健康だからこそ消化ができる料理と、消化不良の人向けの料理。
状態によっての提供形態の違い。
これが俺には新鮮に映った。
「なるほど、ナマモノは基本無理と」
「例の患者さんは胃が弱り切ってます。液状の栄養食以外は受け付けません」
「消化の良いものなら大丈夫と?」
「液状といえど肉汁オンリーでは難しいでしょう」
「一つだけ面白い食材があるんですが」
俺が取り出したのはリビングアーマーソーセージ。
食べると肉汁が口の中に溢れるが、もともと肉ではないので魂を凝縮させた液体だ。
「これは!」
「どうでしょう?」
「コッテリしてるのに、このアッサリ感。白湯の様でいて、不思議な風味がある。この食材は?」
「リビングアーマーです」
「は?」
「リビングアーマーです」
「は?」
何度も聞き返された。
東京では当たり前になりつつある食材も、まだまだ宇都宮では行き届いてないらしい。誰かが買い占めてるんだろうか?
「別にそこまで難しく考えんでも、食材の提供だけでもいいんでない?」
「まぁそうなんだけど。ゴースト系は足が速いからな」
「ゴーストに足ねーのに?」
何言ってんだよって目で見るな。
劣化しやすいって意味で言ってんの!
「キュッ(妾のストレージ内なら時間も止まるが?)」
なるほど。
「オリン曰く、俺が直接送り届けるなら可能っぽそうですね」
「キュッキュー(パスを繋げる方が早いじゃろうて。貯金はまだあるじゃろ?)」
事あるごとに俺のEN貯金を崩そうとしてくるオリン。
溜まりすぎると何か良くない事でもあるのだろうか?
「分かりました、まずはその戦友のいる病院をお教え願いますか。そこに卸してるメーカーと結託してモンスターミートの提供を考えてみようと思います。ついでに調味料も。八尾さんのお野菜は?」
「既に全国区に提供されておるよ。この道60年じゃからな」
「ならば肉と調味料の提供でいいか」
「良いのか? 他の支部への提供数を減らしてまでワシの願いを聞き入れて」
「それなんですが、俺はちっとも考えてこなかったことが恥ずかしく思ってます」
「と、いうと?」
「俺、料理は食べにきてもらう前提で振る舞ってました」
「普通はそうじゃな。しかし普通の行動ができぬものもおる」
「それを今日知れた。そして知った以上、なんとかしたいと思うのが俺です。全てのメニューをモンスターミートにできる日はまだまだ先となりますがぜひ協力させてください!」
「ありがとう。奴にいい土産話ができたわ」
八尾さんは微笑み、握手を交わす。
勿論これは始まりでしかない。点滴で命を繋いでる人にどうやって食べさせるかだ。
「相手の方の意識は……」
「残念なことにない。ずっと眠りっぱなしよ。ただ残された家族のことを思えば、延命装置を切ることはできんだろう」
「何か事情があるんですか?」
「遺族年金だ」
「あー」
思った以上に浅い理由だった。
よく考えなくたって分かる。当時八尾さんと一緒に駆け回ってた時点でSランク以上。
もらえる年金も高額。
それを当てにして生活しているのだ。
家族だからと言われたらそれまでだが、向上心はないのだろうか?
「あの家族をあまり責めてやるな。あいつの家も色々あってな、奴の年金だけが支えじゃねぇのよ」
「他にも?」
「あいつに世話になった奴も多いいんだ。その世話になった奴らが顔を見せにくる場所を守ってもいるんだ。ワシの都合で楽になどさせられんのよ」
「そう言った事情もあったのですね。なら遺族年金だなどと言わなくとも」
「奴らがそれに頼ってるのも事実よ」
「ハァ……」
どうにも複雑な事情があるようだ。
「じゃあ、直接に面会もままならないのでは?」
「直接対決はまだ先じゃな。まずは工場への連絡が先じゃ……それと、例のメニューはいつでも食べさせてもらえるのかな?」
八尾さんが箸で摘んで口に入れるジェスチャーをした。
ピーマンの肉詰めのことだろうか?
もしくは刺身か?
どちらにせよ……
「新鮮な素材をご用意いただけるのなら、いつでも」
「では次の来店にはそれに見合う日本酒を用意しよう。ご相伴に預かってくれるかな?」
「是非にでも!」
やはり酒呑は惹かれ合うものだ。
ただアルコールが強いものが好きと言うわけではない。
酒に合う食事があるように、酒もまた食事に合わせたくなるものだ。
新しい出会いとはそう言うものだと思う。
俺は料理からそれを学んできた。
勿論、うまい食材に出会った時に引き出しは多い方がいい。
新しい酒と出会うたび、もっと勉強をしておけばよかったと思う程だ。
ゴーストタウンを抜け、ダンジョンセンターへと帰還する。
八尾さんは大笑いしながらクエスト終了サインをした。
俺達は報酬を受け取り、引き続きクエストの受付をする。
病院の給食センターへの素材提供。
どんなものが出来上がるかを見届けるのもまた仕事だ。
一度自分で仕上げてから、再現可能かを検証する大事なクエストである。
「なんと言うか、お人よしだな」
「いやー、うまい酒を奢ってくれるって言われたら」
「金ならいくらでもあるだろうに」
「俺たちは金はあってもコネがありませんからね、それに亀の甲より年の功と言うでしょう?」
「違いない。だが同時に鬼コーチとしても有名だ。あまり調子に乗るなよ?」
俺たちはお互いに顔を見合わせる。
世良さんは怖がってるが、今日ご一緒した限りでは八尾さんは気のいいお爺さんという感じだった。そう話すと、
「それはきっと適合調理の更新で気分が良かったからだろう」
「あー……」
それも確かにあるのかな?
「良い食べっぷりでした。盗んじゃいないだろうなって全部自分の懐に入れるほどに」
「この世のありとあらゆる美食を堪能してきた八尾さんが?」
「適合食材、適合調理は全てを覆すのでしょう。俺も食材を見つけるたびに自分の力不足を突きつけられる気分です。まだもっと美味しくできるんじゃないかって、いつも緊張してますよ」
「あんたほどの腕前でも悩みがあるのか?」
「ははは、お陰様で繁盛させてもらってますが、俺なんてまだまだですよ。もっとうまい料理を作りたい。料理なんてのはそれこそゴールのない真っ暗闇なんです」
「探索者にとってのダンジョンみたいなものか?」
「どうでしょうか……似たようなもの、と断言出来るほど俺はまだダンジョンに詳しくないですから」
「そりゃそうだろ。ダンジョン侵食から60年。いまだに新しい発見があるんだ。ゴールのない旅という意味じゃ一緒だ」
「そう、ですね」
「おーい! 話は終わったぞ! 今から会ってくれるそうだ!」
遠くから八尾さんの声がする。
俺は世良さんに一礼して、宇都宮の街を先導する八尾さんの後に続いた。
その日だけで結構な人と出会い、食材を提供。
調理の仕方を習う。
一般人向けと病人向け。
健康だからこそ消化ができる料理と、消化不良の人向けの料理。
状態によっての提供形態の違い。
これが俺には新鮮に映った。
「なるほど、ナマモノは基本無理と」
「例の患者さんは胃が弱り切ってます。液状の栄養食以外は受け付けません」
「消化の良いものなら大丈夫と?」
「液状といえど肉汁オンリーでは難しいでしょう」
「一つだけ面白い食材があるんですが」
俺が取り出したのはリビングアーマーソーセージ。
食べると肉汁が口の中に溢れるが、もともと肉ではないので魂を凝縮させた液体だ。
「これは!」
「どうでしょう?」
「コッテリしてるのに、このアッサリ感。白湯の様でいて、不思議な風味がある。この食材は?」
「リビングアーマーです」
「は?」
「リビングアーマーです」
「は?」
何度も聞き返された。
東京では当たり前になりつつある食材も、まだまだ宇都宮では行き届いてないらしい。誰かが買い占めてるんだろうか?
13
お気に入りに追加
533
あなたにおすすめの小説
追放されたら無能スキルで無双する
ゆる弥
ファンタジー
無能スキルを持っていた僕は、荷物持ちとしてあるパーティーについて行っていたんだ。
見つけた宝箱にみんなで駆け寄ったら、そこはモンスタールームで。
僕はモンスターの中に蹴り飛ばされて置き去りにされた。
咄嗟に使ったスキルでスキルレベルが上がって覚醒したんだ。
僕は憧れのトップ探索者《シーカー》になる!

劣等生のハイランカー
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
ダンジョンが当たり前に存在する世界で、貧乏学生である【海斗】は一攫千金を夢見て探索者の仮免許がもらえる周王学園への入学を目指す!
無事内定をもらえたのも束の間。案内されたクラスはどいつもこいつも金欲しさで集まった探索者不適合者たち。通称【Fクラス】。
カーストの最下位を指し示すと同時、そこは生徒からサンドバッグ扱いをされる掃き溜めのようなクラスだった。
唯一生き残れる道は【才能】の覚醒のみ。
学園側に【将来性】を示せねば、一方的に搾取される未来が待ち受けていた。
クラスメイトは全員ライバル!
卒業するまで、一瞬たりとも油断できない生活の幕開けである!
そんな中【海斗】の覚醒した【才能】はダンジョンの中でしか発現せず、ダンジョンの外に出れば一般人になり変わる超絶ピーキーな代物だった。
それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ
双葉 鳴|◉〻◉)
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。
彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。
そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。
洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。
さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。
持ち前のサバイバル能力で見敵必殺!
赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。
そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。
人々との出会い。
そして貴族や平民との格差社会。
ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。
牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。
うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい!
そんな人のための物語。
5/6_18:00完結!

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~
ある中管理職
ファンタジー
勤続10年目10度目のレベルアップ。
人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。
すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。
なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。
チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。
探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

ダンジョンで有名モデルを助けたら公式配信に映っていたようでバズってしまいました。
夜兎ましろ
ファンタジー
高校を卒業したばかりの少年――夜見ユウは今まで鍛えてきた自分がダンジョンでも通用するのかを知るために、はじめてのダンジョンへと向かう。もし、上手くいけば冒険者にもなれるかもしれないと考えたからだ。
ダンジョンに足を踏み入れたユウはとある女性が魔物に襲われそうになっているところに遭遇し、魔法などを使って女性を助けたのだが、偶然にもその瞬間がダンジョンの公式配信に映ってしまっており、ユウはバズってしまうことになる。
バズってしまったならしょうがないと思い、ユウは配信活動をはじめることにするのだが、何故か助けた女性と共に配信を始めることになるのだった。

凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

素材ガチャで【合成マスター】スキルを獲得したので、世界最強の探索者を目指します。
名無し
ファンタジー
学園『ホライズン』でいじめられっ子の生徒、G級探索者の白石優也。いつものように不良たちに虐げられていたが、勇気を出してやり返すことに成功する。その勢いで、近隣に出没したモンスター討伐に立候補した優也。その選択が彼の運命を大きく変えていくことになるのであった。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる