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20話 男の背中
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崩落した岩盤を点と線を繋ぐように包丁で切り込むと、この部屋に来た時と同じような感覚で道がひらけた。
どうやら俺は、ダンジョンの壁をモンスターと同じように切り分けることができるようだ。
戦闘には全くなんの役にも立たないが、さっきの戦闘では、なぜか役に立った。
ステータスとかも伸びたし、これはどうやって言い訳したもんかな。
「ポンちゃん! 元の道に戻ったみたいだぜ!」
「良かった!」
「ギシャアアアアアアア!!」
「まずい、逃げたモンスターが誰か襲ってるぜ!」
「よりにもよって飛行タイプか」
「先に仕留めておきたかったね!」
さっきまでの狭い空間だったら仕留め切れたのにね、と井伊世さんは舌打ちをする。
「ヨッちゃん、地面に落とせる?」
「わかんねぇが、やるだけやってみるぜ! さっき料理食って魔力も満タンだしな!」
「何?」
「どう言う事だ。あとで詳しく聞かせてもらおうか、藤本?」
「あ、やべ」
墓穴を掘ったな、ヨッちゃん。
どのみちバレる事だ。俺の料理は食うと魔法使用回数が回復する。
まだステータスがレベルアップ問わずに上昇する事はバレてないが『うっかりヨッちゃん』のおかげでバレるのも時間の問題か。
バジリスクは無事始末した。俺の包丁が普通に点を穿って絶命した。
魚を活き〆するのと似たようなものだ。
神経を遮断し、相手に気取られずに部位を削り落とす。気がつけば翼はもがれ、自重を支える脚はない。
石化の視線も地面に向けて浴びせ続けた。
首を落とされたのを知ったのは絶命する少し前くらいか。
被害者は全員跪いて助かったことを神に感謝していた。
助かって良かったねー。
俺はバジリスクの肉を解体しながら献立を考えた。
「ヨッちゃん、こいつ唐揚げにしようと思うんだけど」
「いいねぇ、生姜たっぷりで頼むぜ?」
「ここにきてまだ食うのかい?」
「救助者の回復を早めるためにも食事は必要です。助かった事にホッとして、お腹も空いてきてるようですし」
救助者は四名。
戦闘を生業とするものは3名で、内一名はどう見ても一般人の服装だった。
そんな格好でダンジョン入るなんて正気か?
俺が言えた事じゃないが。
調理中、声をかけられる。
「あの、ポンちゃんさんですよね? いつも配信見てます」
「今も配信中だったんだよ。お会いできて嬉しいな」
最初はただのファンだと思っていたのだけど、彼は思い出したかのように態度を変えてこう伝えた。
「それでですね、轟美玲様との馴れ初めについてですが」
「ミィちゃん? 彼女と出会ったのは12年前。お互いに駆け出しの頃でね。まぁ俺はいまだに駆け出しだけど。あの頃の彼女は食べるのにも困ってて、賄いでよかったら食べてく? って声をかけたんだよね。最初は申し訳なさそうにしてたけど。それからはちょっとした近況報告をする仲になったね。今日はレベルがいくつ上がった! とか、ステータス上がったらお店に食べに行く! とか。それからは全然会わなくてさ。彼女が噂の轟美玲であるって知ったのは、つい先日の事さ」
「へぇ、底ステータスだった頃は良いとして、いまだに釣り合いが取れてると思ってるんですか?」
なんだろう、この人。唐突に嫌なことを聞くな。
俺のファンじゃないのか?
「ストップ。お前炎上配信者だな? ポンちゃんに何の用だ」
卯保津さんが止めに入る。
「だったら何だって言うんですかー? 底ステ風情が、SSSSランク探索者と轟美玲様とお近づきになってるってだけでも俺たちは向っ腹が立つんだ。俺は轟美玲様のファンから直々に依頼を受けてですねー?」
「まあ、そう言うことだろうと思ったよ。でもな、命の恩人に向かってその口の聞き方はどうなんだ?」
「は? バジリスクを倒したのはあんたらSランク探索者じゃないのかよ! そんな荷物持ちに華を持たせなくったって……」
「いや、倒したのはそこに居るポンちゃんだぞ? 俺たちは横で見てただけだ。な?」
「ああ、そうさね。手柄は全部そこで料理してるやつのもんだ」
卯保津さんが先程の戦闘での感想を述べ、井伊世さんもそれに賛同した。
「はぁああああああああ!?」
炎上系配信者はすっごい驚いてた。
まぁびっくりするよな。俺も内心驚いてる。
「あと、総合Fとかいつの話だ? ポンちゃんならとっくにC3まできてるぞ?」
「サイクロップス戦でまたいくつか上がってるんじゃないかい?」
「あれはしっかり編集してるからな。見逃したやつはアーカイブで確認よろしくぅ!」
「すいません、サイクロップスってAAランクのサイクロップスですか」
挙手をしたのは救助者の一名。
「そうだぞ、足元から細切れにしてったのは俺たちから見ても驚愕だった。最終的に頭だけ残してそれで料理しちまうんだからよ! やばかったぜー、覚醒ポンちゃんは。何で今までFだったのか全て納得した。大器晩成型だったんだよ、ポンちゃんは。成長し始めたらあっという間にSSSSSランクに行くぜ、こいつは。轟美玲越えだ」
「大袈裟ですよ。唐揚げ出来ましたので、皆さんにお配りしますね。空腹でしょう、今飲み物お配りしますので、しばしお待ちください」
炎上系配信者はその場でポカンと呆けていた。
「嘘だろ? 総合Cとか嘘だよな?」
ガバリと復活するや否や、俺の肩を掴んでガックンガックン揺らしてくる。
揺らしてくるが、俺は微動だにしなかった。
どうやら俺のステータスは、彼の筋力を上回ってしまっているようだ。
「冗談じゃねーよ! ステータスがひっくり返ったぁ!? ハァッッ!!?」
「何当たり前のこと言ってんだ? レベルが上がればステータスは上がるだろうよ。そんな常識までママのお腹に置いてきたか?」
「黙れよ、ロートル! お前だって生まれつき高ステで威張ってきただろ! 俺だけ悪く言うんじゃねぇ!」
「なんか見てるだけで可哀想だねぇ、この子。私もここの唐変木もEからの叩き上げだよ。高ステってーのは後からついて回ってきた話さね」
「おいメスゴリラ。今の俺はまだまだ成長途中だぜ? 最近SSになった」
「との事だ。初期ステータスが低ければ低いほど、伸び幅が大きく上がる。初期のレベル上限が少ないやつほど、レベル上限は上がりやすいんだ」
訳がわからないと言う顔を終始見せる炎上配信者。
生まれとか、強さとかそんなに大事かな?
今自分にできることを一つ一つ積み上げて、自分を形作ることをしてこなかったら自分もこうなっていたのだろうか?
そう思うと、それはそれで悲しいと思う。
「ほら、スープもできたよ。感情が昂ってる君も、これを飲んで落ち着きなさい」
「は? こんな場所で作った飯を胃の中にいれられっかよ! お前らだけで勝手に食いな!」
「お、良いのか? よーし! 一人分減ったぜ。みんなで山分けな!」
「ありがとうございます! 円城さん! 今日のご恩を一生忘れません!」
「お前、ポンちゃんに適合食材料理してもらいたかったんじゃねーのか?」
「バカよせ、それは傷口に塩を塗り込む行為だぞ」
「その目的すら偽装かよ。ほんと、救えねーな」
救助者たちが何か言い合ってる。
彼は円城君というのか。
このステータス優遇社会の被害者でもある。
本当に腹が減ってないのであれば問題ないが、俺の目は空腹者がこの場に四人いることを捉えていた。
だから食べられないのではなく、食べたくないと言う感情が支配しているのだろう。
だったらこの天の岩戸を開けるのに必要な鍵は……食事の団欒だ。
俺は彼を無視して料理の評価をし合った。
遠く離れていた彼がいつの間にか腹部を抑えて近寄っていた。
何か放って置けないこの感じ、ずっと何か引っかかっていた。
そうだ、彼はあの時のミィちゃんに似てるんだ。
「良かったらスープだけでもどう?」
「仕方ねーな、そこまで言うんなら味見してやらあ」
不遜な態度で受け取り「美味えじゃねえか」と呟く。
そりゃ良かった。
おかわりをしてるうちに、俺たちの食事の輪に入って唐揚げなんかも口にした。
そして判明する適合食材。
炎上君の適合食材はAAランクのバジリスクだったらしい。
俺もよくわからない食材が適合したので、彼の苦難の道のりには思うところがあった。
お互いに頑張っていこうぜ、そう背中を叩けば「うす」だなんてよそよそしく返事をした。
帰る頃にはすっかり一段の一人になっていて、今後の生活を皆おpすべきかと真剣に迷っていた。
俺はそんな彼の後ろ姿をただ黙って見送った。
どうやら俺は、ダンジョンの壁をモンスターと同じように切り分けることができるようだ。
戦闘には全くなんの役にも立たないが、さっきの戦闘では、なぜか役に立った。
ステータスとかも伸びたし、これはどうやって言い訳したもんかな。
「ポンちゃん! 元の道に戻ったみたいだぜ!」
「良かった!」
「ギシャアアアアアアア!!」
「まずい、逃げたモンスターが誰か襲ってるぜ!」
「よりにもよって飛行タイプか」
「先に仕留めておきたかったね!」
さっきまでの狭い空間だったら仕留め切れたのにね、と井伊世さんは舌打ちをする。
「ヨッちゃん、地面に落とせる?」
「わかんねぇが、やるだけやってみるぜ! さっき料理食って魔力も満タンだしな!」
「何?」
「どう言う事だ。あとで詳しく聞かせてもらおうか、藤本?」
「あ、やべ」
墓穴を掘ったな、ヨッちゃん。
どのみちバレる事だ。俺の料理は食うと魔法使用回数が回復する。
まだステータスがレベルアップ問わずに上昇する事はバレてないが『うっかりヨッちゃん』のおかげでバレるのも時間の問題か。
バジリスクは無事始末した。俺の包丁が普通に点を穿って絶命した。
魚を活き〆するのと似たようなものだ。
神経を遮断し、相手に気取られずに部位を削り落とす。気がつけば翼はもがれ、自重を支える脚はない。
石化の視線も地面に向けて浴びせ続けた。
首を落とされたのを知ったのは絶命する少し前くらいか。
被害者は全員跪いて助かったことを神に感謝していた。
助かって良かったねー。
俺はバジリスクの肉を解体しながら献立を考えた。
「ヨッちゃん、こいつ唐揚げにしようと思うんだけど」
「いいねぇ、生姜たっぷりで頼むぜ?」
「ここにきてまだ食うのかい?」
「救助者の回復を早めるためにも食事は必要です。助かった事にホッとして、お腹も空いてきてるようですし」
救助者は四名。
戦闘を生業とするものは3名で、内一名はどう見ても一般人の服装だった。
そんな格好でダンジョン入るなんて正気か?
俺が言えた事じゃないが。
調理中、声をかけられる。
「あの、ポンちゃんさんですよね? いつも配信見てます」
「今も配信中だったんだよ。お会いできて嬉しいな」
最初はただのファンだと思っていたのだけど、彼は思い出したかのように態度を変えてこう伝えた。
「それでですね、轟美玲様との馴れ初めについてですが」
「ミィちゃん? 彼女と出会ったのは12年前。お互いに駆け出しの頃でね。まぁ俺はいまだに駆け出しだけど。あの頃の彼女は食べるのにも困ってて、賄いでよかったら食べてく? って声をかけたんだよね。最初は申し訳なさそうにしてたけど。それからはちょっとした近況報告をする仲になったね。今日はレベルがいくつ上がった! とか、ステータス上がったらお店に食べに行く! とか。それからは全然会わなくてさ。彼女が噂の轟美玲であるって知ったのは、つい先日の事さ」
「へぇ、底ステータスだった頃は良いとして、いまだに釣り合いが取れてると思ってるんですか?」
なんだろう、この人。唐突に嫌なことを聞くな。
俺のファンじゃないのか?
「ストップ。お前炎上配信者だな? ポンちゃんに何の用だ」
卯保津さんが止めに入る。
「だったら何だって言うんですかー? 底ステ風情が、SSSSランク探索者と轟美玲様とお近づきになってるってだけでも俺たちは向っ腹が立つんだ。俺は轟美玲様のファンから直々に依頼を受けてですねー?」
「まあ、そう言うことだろうと思ったよ。でもな、命の恩人に向かってその口の聞き方はどうなんだ?」
「は? バジリスクを倒したのはあんたらSランク探索者じゃないのかよ! そんな荷物持ちに華を持たせなくったって……」
「いや、倒したのはそこに居るポンちゃんだぞ? 俺たちは横で見てただけだ。な?」
「ああ、そうさね。手柄は全部そこで料理してるやつのもんだ」
卯保津さんが先程の戦闘での感想を述べ、井伊世さんもそれに賛同した。
「はぁああああああああ!?」
炎上系配信者はすっごい驚いてた。
まぁびっくりするよな。俺も内心驚いてる。
「あと、総合Fとかいつの話だ? ポンちゃんならとっくにC3まできてるぞ?」
「サイクロップス戦でまたいくつか上がってるんじゃないかい?」
「あれはしっかり編集してるからな。見逃したやつはアーカイブで確認よろしくぅ!」
「すいません、サイクロップスってAAランクのサイクロップスですか」
挙手をしたのは救助者の一名。
「そうだぞ、足元から細切れにしてったのは俺たちから見ても驚愕だった。最終的に頭だけ残してそれで料理しちまうんだからよ! やばかったぜー、覚醒ポンちゃんは。何で今までFだったのか全て納得した。大器晩成型だったんだよ、ポンちゃんは。成長し始めたらあっという間にSSSSSランクに行くぜ、こいつは。轟美玲越えだ」
「大袈裟ですよ。唐揚げ出来ましたので、皆さんにお配りしますね。空腹でしょう、今飲み物お配りしますので、しばしお待ちください」
炎上系配信者はその場でポカンと呆けていた。
「嘘だろ? 総合Cとか嘘だよな?」
ガバリと復活するや否や、俺の肩を掴んでガックンガックン揺らしてくる。
揺らしてくるが、俺は微動だにしなかった。
どうやら俺のステータスは、彼の筋力を上回ってしまっているようだ。
「冗談じゃねーよ! ステータスがひっくり返ったぁ!? ハァッッ!!?」
「何当たり前のこと言ってんだ? レベルが上がればステータスは上がるだろうよ。そんな常識までママのお腹に置いてきたか?」
「黙れよ、ロートル! お前だって生まれつき高ステで威張ってきただろ! 俺だけ悪く言うんじゃねぇ!」
「なんか見てるだけで可哀想だねぇ、この子。私もここの唐変木もEからの叩き上げだよ。高ステってーのは後からついて回ってきた話さね」
「おいメスゴリラ。今の俺はまだまだ成長途中だぜ? 最近SSになった」
「との事だ。初期ステータスが低ければ低いほど、伸び幅が大きく上がる。初期のレベル上限が少ないやつほど、レベル上限は上がりやすいんだ」
訳がわからないと言う顔を終始見せる炎上配信者。
生まれとか、強さとかそんなに大事かな?
今自分にできることを一つ一つ積み上げて、自分を形作ることをしてこなかったら自分もこうなっていたのだろうか?
そう思うと、それはそれで悲しいと思う。
「ほら、スープもできたよ。感情が昂ってる君も、これを飲んで落ち着きなさい」
「は? こんな場所で作った飯を胃の中にいれられっかよ! お前らだけで勝手に食いな!」
「お、良いのか? よーし! 一人分減ったぜ。みんなで山分けな!」
「ありがとうございます! 円城さん! 今日のご恩を一生忘れません!」
「お前、ポンちゃんに適合食材料理してもらいたかったんじゃねーのか?」
「バカよせ、それは傷口に塩を塗り込む行為だぞ」
「その目的すら偽装かよ。ほんと、救えねーな」
救助者たちが何か言い合ってる。
彼は円城君というのか。
このステータス優遇社会の被害者でもある。
本当に腹が減ってないのであれば問題ないが、俺の目は空腹者がこの場に四人いることを捉えていた。
だから食べられないのではなく、食べたくないと言う感情が支配しているのだろう。
だったらこの天の岩戸を開けるのに必要な鍵は……食事の団欒だ。
俺は彼を無視して料理の評価をし合った。
遠く離れていた彼がいつの間にか腹部を抑えて近寄っていた。
何か放って置けないこの感じ、ずっと何か引っかかっていた。
そうだ、彼はあの時のミィちゃんに似てるんだ。
「良かったらスープだけでもどう?」
「仕方ねーな、そこまで言うんなら味見してやらあ」
不遜な態度で受け取り「美味えじゃねえか」と呟く。
そりゃ良かった。
おかわりをしてるうちに、俺たちの食事の輪に入って唐揚げなんかも口にした。
そして判明する適合食材。
炎上君の適合食材はAAランクのバジリスクだったらしい。
俺もよくわからない食材が適合したので、彼の苦難の道のりには思うところがあった。
お互いに頑張っていこうぜ、そう背中を叩けば「うす」だなんてよそよそしく返事をした。
帰る頃にはすっかり一段の一人になっていて、今後の生活を皆おpすべきかと真剣に迷っていた。
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