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11話 恩返し(side轟美玲)
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「ミレイ! 久しぶりのマイホームはどうだった?」
空港にて、チームメイトのリンダがいつものように手を上げた。
アタシは散々な目に遭ったことを告げた。
「ええ! レベルアップなしで行けるダンジョンじゃないわよ?」
「リンダはどうしたのよ? 適合食材は見つかってるんでしょ? いい調理人は見つけたの?」
「それがまだなのよね。よりによってスライムなんて雑魚を適合食材なんて最悪よ。最初だけだわ、食べれていたのは。生活水準を上げた今、アレを口にするのは勇気いるわ」
そうね、とアタシも告げる。
自分の適合食材もその類だ。
どうして今まで大丈夫だったのに、今になってダメになるのか。
タイミングが悪すぎる。
コレからダンジョンに向かうと言うのに、気分が落ちるったらありゃしない。
「どうした、二人とも。らしくねーぞ?」
チームメイトのマイクが陰気を吹き飛ばすように快活に笑った。
「それが今回ハズレを引いたそうよ? モーゼはもう下火だって」
「今までは大丈夫だったんだろ? どうしたんだ一体?」
「身内でのいざこざがあった様よ。大事な時だってのに、タイミングを考えなさいよ!」
「それより二人とも、今ジャパンで面白い配信があるんだが知ってるか?」
マイクがそう言って見せたチャンネル名は、あまり目にしない類のものだった。
「ねぇ、この人本当にゴブリンを食べてるの?」
嫌なものを見た、と言う顔でリンダがチャンネルから顔を遠ざける。
けど私は、そこにずっとお礼を言いそびれた人を見つけて、思わず声を上げた。
「洋一さん!?」
「どうしたミレイ? 知ってる人か?」
「アタシの恩人よ。アタシがまだ駆け出しで食べていくのもやっとの頃、同じく低ステータスの彼が私に賄いを分けてくれたの。その中に偶然適合調理がまぎれててね。アタシはどんどんと頭角を表した。でも、彼とはそれきり会えずじまい。店に行けば会えると思ってた。けどそんな人は店で働いてないと言うし……」
「そのお店が?」
「モーゼよ」
「それが今モーゼを辞めて独立した?」
「同じタイミングでモーゼが下火に?」
「聞けば聞くほどタイミングが良すぎるな。まだダンジョンアタックまで時間はあるだろ?」
「え、ええ。まさかジャパンに蜻蛉返りさせる気?」
「俺もその人がどれほどやるかはわからないが……ついでだ。みんなでレベルアップしに行こうぜ? その人がモーゼの大黒柱かどうかそこで確かめてみりゃいい。そしてリンダ、その人はスライムも最上級の料理に仕立ててる」
「それは本当?」
「ゴブリンですら美味にさせる腕前だ。お前の適合食材はスライムだから気になるだろう?」
「そう言うことなら行きましょうミレイ。あなたの恩人に会いに行くわよ!」
流れに押し切られるまま、アタシは恩人に挨拶をしに行くこととなった。
帰国情報はどこにも流れてないので、マスコミに突撃されることはなかった。
「ジャパンの夏は暑いわね。空気の層と言うの? ダンジョンとは別種の嫌な感じだわ」
「リンダはもう少し恥じらいを持つんだな。そんな派手な格好で男の視線を一心に浴びておいて涼しくなりたいは無理があるだろ。ミレイを見習ってみろ……って、恩人にご執心で聞こえちゃいないか?」
マイクの茶化す様な声が聞こえてくる。何よ、アタシがなんだってのよ!
「そんな場所に隠れてないで来い。食材見繕ってくぞ!」
「分かってるわよ!」
マイクとリンダに揶揄われて、アタシは真夏にもかかわらずコートを靡かせて歩いた。
「失礼ですが、時の人がこの時期になんのご用ですか?」
「探索者がダンジョンに用もなくきちゃいけねーか?」
「ここはSSSSランク様のご満足いただけるダンジョンはございませんので」
「ああ、そう。もちろん要件は別だ。ヨーイチ・ポンホウチはもう着てるかい? ウチのチームメイトの恩人らしいんだ」
「ミレイ様が? 洋一さんの?」
探る様な視線。
やはり彼はこのダンジョンセンターに護られてるか。
なんとなくわかっていた。
彼は人がいいからモーゼでその存在を秘匿されていたと。
「信じてくれなくてもいいわ。でも、アタシのステータスはFスタートで、レベル1/1。その窮地を救ってくれたのが洋一さんだった。彼は食べていけない私に、賄いで自分が食べるはずだった食事を分けてくれたのよ。お店には何度も顔を出したけど、彼に会うことができなかった。けど、ここでなら会えると知って」
「そう言う事でしたか。ですが今の彼は独立しています。高位ランクを振り翳して無理やり作らせる様なことはご遠慮願います」
「心得ているわ。私はただ、あの時のお礼をしたいの。コレは彼へのプレゼントよ。それでもダメかしら?」
「……すぐには信用できませんので、私がその場を見定めさせていただきますわ」
たかがダンジョンセンターの受付如きが、SSSSランクの私にこのものの言いよう。
だが逆にコレほど信頼されているのだ。モーゼとは違い、彼はその場で大切にされてるのだと感じた。
「それでいいわ」
受付の女性を同伴し、ちょうど配信中の彼の元へとお邪魔した。
今の格好、変じゃないかしら?
さっきまで気にもならなかったことが、今になって急に気になってくる。
「あの、お久しぶりです」
「うん、どちらさんかな?」
アタシの声かけに、洋一さんは思い出せなかった様に頭を掻く。
しかしすぐ横でアタシの事を知ってる奴がアタシの名前を口にした。
「バカ、轟美玲を知らないのか!」
「え、轟美玲さん? そいつは驚いた。だってもうお帰りになったと思っていたから」
「今日は洋一さんにわざわざ会いにきたらしいんですよ?」
「へ? 俺に?」
「アタシ、今は随分見た目が変わっちゃったから分かんないけど、12年前にお世話してもらったミィです」
「ミィちゃん!? わー、お久しぶりだねぇ」
ミィと名乗って、ようやく彼はアタシの事を思い出してくれた。
もう12年も前の話を昨日のことの様に思い出す。
今は本名の轟美玲として活躍してると言えば、びっくりした様に頷いた。
「はぁ~、あのミィちゃんがね。アレからどうしてるかなーってずっと心配してたんだ。俺はずっと丁稚だったからさ」
「お店には顔を出してたんですよ? でもオーナーさんはそんな奴雇ってないって言うし」
「俺は住み込みの日雇いだからね。雇用契約は結んでないんだよ。それに他のスタッフも一流だからさ、そこに俺が混ざったら店の名前が落ちちゃうだろ?」
ステータスの高さがものを言う世界で、彼は相変わらず搾取されていた。
アタシが脚光を浴びてる時も、彼はどん底を歩いていた。
「コレ、お土産です」
「空ウツボ! こんな高級食材貰っちゃっていいのかい?」
「こんなのじゃ返しきれない恩を貰ってるから」
「だとしてもなー……そうだ!」
そう言って、彼はその場で捌いて見せた。
昔からそうだ。
自分だけで消費すると言う考えがない彼は、巧みな包丁さばきで瞬く間に捌いてしまった。
「新しい調理法を思いついたんだ。ちょっと味見してってよ」そんな口調で、フワッフワで透明な身を湯掻いてから焼き上げた。
柚子の風味に赤味噌のタレで信じられないくらい味わい。
レストランで注文すればきっと十数万は下らない料理を、その場にいる全員に振る舞った。
「コレだ。思い出の味……」
適合調理は空ウツボの白焼ではなかった。
食べるたびに頭打ちになるレベル上限。レベル120以上は上がらないのか?
そう思ったレベル上限が、たった今6上昇した。
「なんだこりゃ! コレがあの淡白な味わいと言わしめた空ウツボか?」
「適合食材じゃないからそこまで期待してなかったけど、コレはやばいわ」
「これこれ! ポンちゃん、また腕あげたか?」
「軽く湯掻く事で油の臭みを消せることに気づいてさ」
「オレは気にならなかったが、それに気づけるポンちゃんがすげーよ」
よほど仲がいいのだろう、好き勝手されてる洋一さん。
彼はいつも通りの笑顔で雑談に身を投じ、お酒を交えたらすぐに数年来の仲間であるかの様に振る舞う。
いきなりお邪魔したのにも関わらず、ついでだからとリンダとマイクも適合食材を聞かれて、即席でチャチャっと料理してもらっていた。
思わずうちのチームで独占契約してしまいそうになるが、受付女性の鋭い視線によってそれは遮られた。
「大袈裟だなぁ、コレくらいだったら材料持ち込みでいつでも作ってあげるよ。もちろんミィちゃんもね? またいつでも来なさい」
「はい!」
数週間前まで、鬱々とした気持ちだった私はもういない。
新しいダンジョンアタックも、今まで以上の効率の良さで取り込めた。
チーム『フレイヤ』は今後も最難関ダンジョンで活躍する事を期待された。
空港にて、チームメイトのリンダがいつものように手を上げた。
アタシは散々な目に遭ったことを告げた。
「ええ! レベルアップなしで行けるダンジョンじゃないわよ?」
「リンダはどうしたのよ? 適合食材は見つかってるんでしょ? いい調理人は見つけたの?」
「それがまだなのよね。よりによってスライムなんて雑魚を適合食材なんて最悪よ。最初だけだわ、食べれていたのは。生活水準を上げた今、アレを口にするのは勇気いるわ」
そうね、とアタシも告げる。
自分の適合食材もその類だ。
どうして今まで大丈夫だったのに、今になってダメになるのか。
タイミングが悪すぎる。
コレからダンジョンに向かうと言うのに、気分が落ちるったらありゃしない。
「どうした、二人とも。らしくねーぞ?」
チームメイトのマイクが陰気を吹き飛ばすように快活に笑った。
「それが今回ハズレを引いたそうよ? モーゼはもう下火だって」
「今までは大丈夫だったんだろ? どうしたんだ一体?」
「身内でのいざこざがあった様よ。大事な時だってのに、タイミングを考えなさいよ!」
「それより二人とも、今ジャパンで面白い配信があるんだが知ってるか?」
マイクがそう言って見せたチャンネル名は、あまり目にしない類のものだった。
「ねぇ、この人本当にゴブリンを食べてるの?」
嫌なものを見た、と言う顔でリンダがチャンネルから顔を遠ざける。
けど私は、そこにずっとお礼を言いそびれた人を見つけて、思わず声を上げた。
「洋一さん!?」
「どうしたミレイ? 知ってる人か?」
「アタシの恩人よ。アタシがまだ駆け出しで食べていくのもやっとの頃、同じく低ステータスの彼が私に賄いを分けてくれたの。その中に偶然適合調理がまぎれててね。アタシはどんどんと頭角を表した。でも、彼とはそれきり会えずじまい。店に行けば会えると思ってた。けどそんな人は店で働いてないと言うし……」
「そのお店が?」
「モーゼよ」
「それが今モーゼを辞めて独立した?」
「同じタイミングでモーゼが下火に?」
「聞けば聞くほどタイミングが良すぎるな。まだダンジョンアタックまで時間はあるだろ?」
「え、ええ。まさかジャパンに蜻蛉返りさせる気?」
「俺もその人がどれほどやるかはわからないが……ついでだ。みんなでレベルアップしに行こうぜ? その人がモーゼの大黒柱かどうかそこで確かめてみりゃいい。そしてリンダ、その人はスライムも最上級の料理に仕立ててる」
「それは本当?」
「ゴブリンですら美味にさせる腕前だ。お前の適合食材はスライムだから気になるだろう?」
「そう言うことなら行きましょうミレイ。あなたの恩人に会いに行くわよ!」
流れに押し切られるまま、アタシは恩人に挨拶をしに行くこととなった。
帰国情報はどこにも流れてないので、マスコミに突撃されることはなかった。
「ジャパンの夏は暑いわね。空気の層と言うの? ダンジョンとは別種の嫌な感じだわ」
「リンダはもう少し恥じらいを持つんだな。そんな派手な格好で男の視線を一心に浴びておいて涼しくなりたいは無理があるだろ。ミレイを見習ってみろ……って、恩人にご執心で聞こえちゃいないか?」
マイクの茶化す様な声が聞こえてくる。何よ、アタシがなんだってのよ!
「そんな場所に隠れてないで来い。食材見繕ってくぞ!」
「分かってるわよ!」
マイクとリンダに揶揄われて、アタシは真夏にもかかわらずコートを靡かせて歩いた。
「失礼ですが、時の人がこの時期になんのご用ですか?」
「探索者がダンジョンに用もなくきちゃいけねーか?」
「ここはSSSSランク様のご満足いただけるダンジョンはございませんので」
「ああ、そう。もちろん要件は別だ。ヨーイチ・ポンホウチはもう着てるかい? ウチのチームメイトの恩人らしいんだ」
「ミレイ様が? 洋一さんの?」
探る様な視線。
やはり彼はこのダンジョンセンターに護られてるか。
なんとなくわかっていた。
彼は人がいいからモーゼでその存在を秘匿されていたと。
「信じてくれなくてもいいわ。でも、アタシのステータスはFスタートで、レベル1/1。その窮地を救ってくれたのが洋一さんだった。彼は食べていけない私に、賄いで自分が食べるはずだった食事を分けてくれたのよ。お店には何度も顔を出したけど、彼に会うことができなかった。けど、ここでなら会えると知って」
「そう言う事でしたか。ですが今の彼は独立しています。高位ランクを振り翳して無理やり作らせる様なことはご遠慮願います」
「心得ているわ。私はただ、あの時のお礼をしたいの。コレは彼へのプレゼントよ。それでもダメかしら?」
「……すぐには信用できませんので、私がその場を見定めさせていただきますわ」
たかがダンジョンセンターの受付如きが、SSSSランクの私にこのものの言いよう。
だが逆にコレほど信頼されているのだ。モーゼとは違い、彼はその場で大切にされてるのだと感じた。
「それでいいわ」
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今の格好、変じゃないかしら?
さっきまで気にもならなかったことが、今になって急に気になってくる。
「あの、お久しぶりです」
「うん、どちらさんかな?」
アタシの声かけに、洋一さんは思い出せなかった様に頭を掻く。
しかしすぐ横でアタシの事を知ってる奴がアタシの名前を口にした。
「バカ、轟美玲を知らないのか!」
「え、轟美玲さん? そいつは驚いた。だってもうお帰りになったと思っていたから」
「今日は洋一さんにわざわざ会いにきたらしいんですよ?」
「へ? 俺に?」
「アタシ、今は随分見た目が変わっちゃったから分かんないけど、12年前にお世話してもらったミィです」
「ミィちゃん!? わー、お久しぶりだねぇ」
ミィと名乗って、ようやく彼はアタシの事を思い出してくれた。
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「お店には顔を出してたんですよ? でもオーナーさんはそんな奴雇ってないって言うし」
「俺は住み込みの日雇いだからね。雇用契約は結んでないんだよ。それに他のスタッフも一流だからさ、そこに俺が混ざったら店の名前が落ちちゃうだろ?」
ステータスの高さがものを言う世界で、彼は相変わらず搾取されていた。
アタシが脚光を浴びてる時も、彼はどん底を歩いていた。
「コレ、お土産です」
「空ウツボ! こんな高級食材貰っちゃっていいのかい?」
「こんなのじゃ返しきれない恩を貰ってるから」
「だとしてもなー……そうだ!」
そう言って、彼はその場で捌いて見せた。
昔からそうだ。
自分だけで消費すると言う考えがない彼は、巧みな包丁さばきで瞬く間に捌いてしまった。
「新しい調理法を思いついたんだ。ちょっと味見してってよ」そんな口調で、フワッフワで透明な身を湯掻いてから焼き上げた。
柚子の風味に赤味噌のタレで信じられないくらい味わい。
レストランで注文すればきっと十数万は下らない料理を、その場にいる全員に振る舞った。
「コレだ。思い出の味……」
適合調理は空ウツボの白焼ではなかった。
食べるたびに頭打ちになるレベル上限。レベル120以上は上がらないのか?
そう思ったレベル上限が、たった今6上昇した。
「なんだこりゃ! コレがあの淡白な味わいと言わしめた空ウツボか?」
「適合食材じゃないからそこまで期待してなかったけど、コレはやばいわ」
「これこれ! ポンちゃん、また腕あげたか?」
「軽く湯掻く事で油の臭みを消せることに気づいてさ」
「オレは気にならなかったが、それに気づけるポンちゃんがすげーよ」
よほど仲がいいのだろう、好き勝手されてる洋一さん。
彼はいつも通りの笑顔で雑談に身を投じ、お酒を交えたらすぐに数年来の仲間であるかの様に振る舞う。
いきなりお邪魔したのにも関わらず、ついでだからとリンダとマイクも適合食材を聞かれて、即席でチャチャっと料理してもらっていた。
思わずうちのチームで独占契約してしまいそうになるが、受付女性の鋭い視線によってそれは遮られた。
「大袈裟だなぁ、コレくらいだったら材料持ち込みでいつでも作ってあげるよ。もちろんミィちゃんもね? またいつでも来なさい」
「はい!」
数週間前まで、鬱々とした気持ちだった私はもういない。
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