16 / 32
本編
地獄の納税政策発令!
しおりを挟む「え、サザーランさん。一体それはどういう事ですか?
「どうもこうも国の兵隊さんがね、国の一大事だから税金制度を課すと言い出してきたの」
「この国は一大事というほどの危機的状況なのですか?」
勇者召喚だなんてするくらいだから、それなりに厄介ごとは抱えているのだろう。しかしその割に調度品は豪華で贅沢な品がそこかしこで主張されていた。
他国に見せしめるための豊かさを主張するにしたって、危機に瀕した国にしてはお金の使い方がそこまでピンチじゃないから見限ったけど。
召喚されて一週間やそこらでピンチになるほどなのか?
その問題にあたりはつくけど。
一応は国の預かりでしょう?
まさかいまだに手綱を引けてないとは思わない。
強力な力を持つ物を呼び寄せるということは、それを制御する能力もまた持ち得ていることなのだ。
じゃなきゃ魔王倒せる力を野放しにはしないだろう。
「それで、納税額はいかほどで?」
「売上の90%。全てスチールで支払えとのお達しよ」
「バカなんですか?」
「ちょ、どこで誰が聞いてるかもわからないんだよ?」
平民の日常通貨はカッパーだ。
それを商人通貨のスチールで望む。
なんならゴールドでも良いとまで行ってくる始末。
まず間違いなくこの国を運営したことのない相手が上についた事を意味する。
あいつら、国を乗っ取ったか。
いつか何かやると思ってたけど、随分と思い切った事をした物だ。
国を出る前に国を乗っ取った。
遅かれ早かれこの国は終わる。
その兆しは先制攻撃の課税制度で目に見えている。
初手90%の時点で隠すこともないバレバレの破滅。
そしてそれは始まりに過ぎないのだ。
次第に他国の乗っ取りを兼ねての徴兵、治安の乱れが予想される。
ならこちらは先制を打つべきだ。
「サザーランさん、この国を一望できる高い場所を知ってますか?」
「見晴らしの丘の事かい?」
「見晴らしの丘? そんな都合のいい場所があるんですか?」
「一応この国の名所だしねぇ。他国のお偉方がよく見物しにくるよ」
それって、どうやって攻め滅ぼすか検討してるんじゃない?
でもそんな場所を名所にしてるってことは国防には自信があったってことだ。
でもその中枢から食い破られた今、防衛を誇ったところでもう遅い、か。
「何をするつもりだい?」
「少し新たなビジネスを思いつきまして」
「稼いでもお国に持っていかれちまうよ?」
「それも含めて少しこちらの意思表示をしておこうと思いまして」
「意思表示?」
「少し見晴らしをよくしようと思ってます」
地形破壊にうってつけの魔法があるけど、ちょっと撃つ場所を躊躇う。
だからビジネスとして住民を安全地帯に誘い出してから撃ち込みたいのだ。
その為の方策を提案する。
0
お気に入りに追加
67
あなたにおすすめの小説
きのまま錬金!1から錬金術士めざします!
ワイムムワイ
ファンタジー
森の中。瀕死の状態で転生し目覚めた男は、両親を亡くし親戚もいない少女に命を救われた。そして、今度はその少女を助けるために男が立ち上がる。
これはそんな話。
※[小説家になろう]で書いてた物をこちらにも投稿してみました。現在、[小説家になろう]と同時に投稿をしています。いいなと思われたら、お気に入り等してくれると嬉しくなるので良ければお願いします~。
※※2021/2/01 頑張って表紙を作ったので追加しました!それに伴いタイトルの【生活】部分無くしました。
STATUS
項目 / 低☆☆☆☆☆<★★★★★高
日常系 /★★★☆☆ |コメディ /★★☆☆☆
戦闘 /★★☆☆☆ |ハーレム /★★☆☆☆
ほっこり /★★☆☆☆ | えぐみ /★★☆☆☆
しぶみ /★★☆☆☆
世界設定 /有or無
魔力 /有 | 使い魔/有
魔法 /無 | 亜人 /有
魔道具/有 | 魔獣 /有
機械 /無 |ドラゴン/有
戦争 /有 | 勇者 /無
宇宙人/無 | 魔王 /無
主人公設定
異世界転生 | 弱い
なぜかモテる | 人の話が聞けます
※これはあくまでも10/23の時のつもりであり、途中で話が変わる事や読んでみたら話が違うじゃないか!等もありえるので参考程度に。
この話の中では、錬金術師ではなく錬金術士という事にして話を進めています。
好色一代勇者 〜ナンパ師勇者は、ハッタリと機転で窮地を切り抜ける!〜(アルファポリス版)
朽縄咲良
ファンタジー
【HJ小説大賞2020後期1次選考通過作品(ノベルアッププラスにて)】
バルサ王国首都チュプリの夜の街を闊歩する、自称「天下無敵の色事師」ジャスミンが、自分の下半身の不始末から招いたピンチ。その危地を救ってくれたラバッテリア教の大教主に誘われ、神殿の下働きとして身を隠す。
それと同じ頃、バルサ王国東端のダリア山では、最近メキメキと発展し、王国の平和を脅かすダリア傭兵団と、王国最強のワイマーレ騎士団が激突する。
ワイマーレ騎士団の圧勝かと思われたその時、ダリア傭兵団団長シュダと、謎の老女が戦場に現れ――。
ジャスミンは、口先とハッタリと機転で、一筋縄ではいかない状況を飄々と渡り歩いていく――!
天下無敵の色事師ジャスミン。
新米神官パーム。
傭兵ヒース。
ダリア傭兵団団長シュダ。
銀の死神ゼラ。
復讐者アザレア。
…………
様々な人物が、徐々に絡まり、収束する……
壮大(?)なハイファンタジー!
*表紙イラストは、澄石アラン様から頂きました! ありがとうございます!
・小説家になろう、ノベルアッププラスにも掲載しております(一部加筆・補筆あり)。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
疲れきった退職前女教師がある日突然、異世界のどうしようもない貴族令嬢に転生。こっちの世界でも子供たちの幸せは第一優先です!
ミミリン
恋愛
小学校教師として長年勤めた独身の皐月(さつき)。
退職間近で突然異世界に転生してしまった。転生先では醜いどうしようもない貴族令嬢リリア・アルバになっていた!
私を陥れようとする兄から逃れ、
不器用な大人たちに助けられ、少しずつ現世とのギャップを埋め合わせる。
逃れた先で出会った訳ありの美青年は何かとからかってくるけど、気がついたら成長して私を支えてくれる大切な男性になっていた。こ、これは恋?
異世界で繰り広げられるそれぞれの奮闘ストーリー。
この世界で新たに自分の人生を切り開けるか!?
連れ去られた先で頼まれたから異世界をプロデュースすることにしました。あっ、別に異世界転生とかしないです。普通に家に帰ります。 ②
KZ
ファンタジー
初めましての人は初めまして。プロデューサーこと、主人公の白夜 零斗(はくや れいと)です。
2回目なので、俺については特に何もここで語ることはありません。みんなが知ってるていでやっていきます。
では、今回の内容をざっくりと紹介していく。今回はホワイトデーの話だ。前回のバレンタインに対するホワイトデーであり、悪魔に対するポンこ……天使の話でもある。
前回のバレンタインでは俺がやらかしていたが、今回はポンこ……天使がやらかす。あとは自分で見てくれ。
※※※
※小説家になろうにも掲載しております。現在のところ後追いとなっております※
【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
前世では美人が原因で傾国の悪役令嬢と断罪された私、今世では喪女を目指します!
鳥柄ささみ
恋愛
美人になんて、生まれたくなかった……!
前世で絶世の美女として生まれ、その見た目で国王に好かれてしまったのが運の尽き。
正妃に嫌われ、私は国を傾けた悪女とレッテルを貼られて処刑されてしまった。
そして、気づけば違う世界に転生!
けれど、なんとこの世界でも私は絶世の美女として生まれてしまったのだ!
私は前世の経験を生かし、今世こそは目立たず、人目にもつかない喪女になろうと引きこもり生活をして平穏な人生を手に入れようと試みていたのだが、なぜか世界有数の魔法学校で陽キャがいっぱいいるはずのNMA(ノーマ)から招待状が来て……?
前世の教訓から喪女生活を目指していたはずの主人公クラリスが、トラウマを抱えながらも奮闘し、四苦八苦しながら魔法学園で成長する異世界恋愛ファンタジー!
※第15回恋愛大賞にエントリーしてます!
開催中はポチッと投票してもらえると嬉しいです!
よろしくお願いします!!
記憶喪失になった嫌われ悪女は心を入れ替える事にした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
ファンタジー
池で溺れて死にかけた私は意識を取り戻した時、全ての記憶を失っていた。それと同時に自分が周囲の人々から陰で悪女と呼ばれ、嫌われている事を知る。どうせ記憶喪失になったなら今から心を入れ替えて生きていこう。そして私はさらに衝撃の事実を知る事になる―。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる