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本編
新たなビジネス
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「まぁまぁ、まずは女将さんが体験して、それから判断してくれたらいいので」
「いったいどんなことをするつもりなんだい?」
「実は……ゴニョゴニョ」
耳打ちし、ここで話すには人目が多すぎると内密に内容を語る。
「え!? そんなことができるのかい! もし本当なら……あとであんた達の部屋に行くよ。それでいいかい? 仕事が終わってからになるから随分と遅くなるけど、寝るんじゃないよ?」
食いついた。
やはり水仕事の多い職業柄、手荒れが気になるようだ。
香油の類も高級品のようで、王宮ほど出回ってはいないのだろう。
女将さんの髪は軋んでボサボサだ。
そして太陽光を浴びてるのでシミがくっきり浮かび上がっている。
凛ちゃんの美容整形は肌そのものが新品に生まれ変わるものなので、シミもシワも角質の汚れも問答無用でピカピカにしてしまうのだ。
そしてその日の夜。
バザーで買い付けたアロマの香を焚きながらまずは洗髪。
仰向けで、椅子に座りながら髪を洗ってもらうことなど初めてだったのだろう、ものすごく油断した表情を浮かべていた。
わかるよー、他人に頭洗ってもらうのって気持ちいいんだよねー。
キサラちゃんはお店のお手伝いしてるだけあって、洗髪がとにかく上手なのだ。シャンプーもトリートメントもコンディショナーもないのにツヤツヤふわふわになるのはもはや魔法である。
そして布団の上に寝かせられた女将さんが、凛ちゃんのマッサージを受けていた。本当はモミモミしなくたって触れるだけで吸収、改善できるがパフォーマンスは必須だ。
整体師の勉強をしていたこともあり、骨の歪みからこりの解消までたちまちに判断してゴキゴキさせてた。
女将さんは泣き叫んでたけど、骨の歪みは命に関わるからね。
私のお父さんもヘルニアで苦しんでたのを思い出す。
そして、ようやく全ての工程が終わった。
「いててて……まったく、酷い目にあったよ。これじゃあ副業は認められないよ」
「そうおっしゃらず。もう一度自分のお姿を見てから判断してもいいのでは?」
「は? 誰だいこれは……これが、あたし?」
「随分とお若く見えますよ」
「うそだろう。お腹周りの脂肪も、顔に浮き出た頑固なシミもどこに消えちまったんだい?」
「これが、私どもの始めたいサービスとなります」
「こんなの、お貴族様でも通用するんじゃないかい?」
「でしょうね、ですが私達はまず日頃お手入れするまもなく働く皆様に向けてサービスをしたいと思っています」
「料金は? それ次第だ。あんまりボッタくると流石にうちの商売にも響く」
つまり、料金がそこまで過剰じゃなければOK、あるいは商業ギルドに掛け合ってくれると言うことだろう。
「シルバー1枚で、どうでしょう」
「それじゃあ安いね10枚だ」
「そんなに宜しいのですか?」
「あんたね、自分たちのしでかした事がどんな事か自覚がないのかい?」
「無論、最高の仕事をしたと自負しています」
「ならそれくらいは受け取りな。安月給でも10枚ポンと払えるくらいにあんた達の仕事は極上だむしろスチールでも人は来るよ?」
どれくらいの料金設定が平均かわからない以上、損をしてでも普及させるのが目的だった。
けど生まれ変わった女将さんは私たちの仕事を極上と背中を押してくれた。
「あはは、嬉しい限りですね。でもこの通り人手不足なのでお客さんは一日一人まででお願いします」
「だろうね、全員が財産を投げ打ってでも飛びつくよ。あんまり宣伝しない方がいいかい?」
「もう女将さんの姿がこれ以上ない宣伝となってますよ」
「そりゃそうだ」
こうして私達は臨時のアルバイト先を手に入れた。
日中は串焼き屋さんで顔を売り、夜はそれぞれの能力で顧客を増やした。
この中で私だけがあまり働いてない気がするけど、お湯とか火の魔法は私に提供だから。働いてるからー。
「いったいどんなことをするつもりなんだい?」
「実は……ゴニョゴニョ」
耳打ちし、ここで話すには人目が多すぎると内密に内容を語る。
「え!? そんなことができるのかい! もし本当なら……あとであんた達の部屋に行くよ。それでいいかい? 仕事が終わってからになるから随分と遅くなるけど、寝るんじゃないよ?」
食いついた。
やはり水仕事の多い職業柄、手荒れが気になるようだ。
香油の類も高級品のようで、王宮ほど出回ってはいないのだろう。
女将さんの髪は軋んでボサボサだ。
そして太陽光を浴びてるのでシミがくっきり浮かび上がっている。
凛ちゃんの美容整形は肌そのものが新品に生まれ変わるものなので、シミもシワも角質の汚れも問答無用でピカピカにしてしまうのだ。
そしてその日の夜。
バザーで買い付けたアロマの香を焚きながらまずは洗髪。
仰向けで、椅子に座りながら髪を洗ってもらうことなど初めてだったのだろう、ものすごく油断した表情を浮かべていた。
わかるよー、他人に頭洗ってもらうのって気持ちいいんだよねー。
キサラちゃんはお店のお手伝いしてるだけあって、洗髪がとにかく上手なのだ。シャンプーもトリートメントもコンディショナーもないのにツヤツヤふわふわになるのはもはや魔法である。
そして布団の上に寝かせられた女将さんが、凛ちゃんのマッサージを受けていた。本当はモミモミしなくたって触れるだけで吸収、改善できるがパフォーマンスは必須だ。
整体師の勉強をしていたこともあり、骨の歪みからこりの解消までたちまちに判断してゴキゴキさせてた。
女将さんは泣き叫んでたけど、骨の歪みは命に関わるからね。
私のお父さんもヘルニアで苦しんでたのを思い出す。
そして、ようやく全ての工程が終わった。
「いててて……まったく、酷い目にあったよ。これじゃあ副業は認められないよ」
「そうおっしゃらず。もう一度自分のお姿を見てから判断してもいいのでは?」
「は? 誰だいこれは……これが、あたし?」
「随分とお若く見えますよ」
「うそだろう。お腹周りの脂肪も、顔に浮き出た頑固なシミもどこに消えちまったんだい?」
「これが、私どもの始めたいサービスとなります」
「こんなの、お貴族様でも通用するんじゃないかい?」
「でしょうね、ですが私達はまず日頃お手入れするまもなく働く皆様に向けてサービスをしたいと思っています」
「料金は? それ次第だ。あんまりボッタくると流石にうちの商売にも響く」
つまり、料金がそこまで過剰じゃなければOK、あるいは商業ギルドに掛け合ってくれると言うことだろう。
「シルバー1枚で、どうでしょう」
「それじゃあ安いね10枚だ」
「そんなに宜しいのですか?」
「あんたね、自分たちのしでかした事がどんな事か自覚がないのかい?」
「無論、最高の仕事をしたと自負しています」
「ならそれくらいは受け取りな。安月給でも10枚ポンと払えるくらいにあんた達の仕事は極上だむしろスチールでも人は来るよ?」
どれくらいの料金設定が平均かわからない以上、損をしてでも普及させるのが目的だった。
けど生まれ変わった女将さんは私たちの仕事を極上と背中を押してくれた。
「あはは、嬉しい限りですね。でもこの通り人手不足なのでお客さんは一日一人まででお願いします」
「だろうね、全員が財産を投げ打ってでも飛びつくよ。あんまり宣伝しない方がいいかい?」
「もう女将さんの姿がこれ以上ない宣伝となってますよ」
「そりゃそうだ」
こうして私達は臨時のアルバイト先を手に入れた。
日中は串焼き屋さんで顔を売り、夜はそれぞれの能力で顧客を増やした。
この中で私だけがあまり働いてない気がするけど、お湯とか火の魔法は私に提供だから。働いてるからー。
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