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霊獣は居るだけでお得、それが新常識!
25話 なっちゃう? Sランク
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「頼忠君。君、今後戦闘参加禁止ね?」
「え、なんでですか?」
「なんでもかんでも、こうやって毎回毎回宝物を持ってくるから周囲の目が君をどうやって搾取しようかって考えに至るんだよ。ほら、クラン宛に何度も意味不明な督促状が来てる。見たまえ」
「拝見します」
朝から蓬莱さんに呼び出しを喰らって、何事かと思ってたらお小言を食らった。
その原因はどうやら価値を正しく理解せずに何でもかんでもあげてしまう俺が原因らしい。
今から二ヶ月前、幼馴染の慎がもたらした案件。
その一週間後に行われた無茶振りの応酬。
その配信で行った『天上天下ワクワクプレゼント係』の次回配布はいつになるのか、と続いて当たり前のようなお便りが世界各国から何通も届くそうだ。
それと言うのも俺がゴールドボックスやらレインボーボックスをバカスカ出しているのを見て居る奴がいるからで……それで期待してしまうらしい。
「で、どう思う? 私は君からの意見も聞かずに決めてしまうのはどうかと思ってるんだが、同時にこれは君の身柄を守る為の措置でもあるんだ」
「それを持ち出されると確かに。いつの間にか俺は有名人になってしまってたみたいですね」
「何を今更。世間の注目度はアイリーンを出し抜いて君がトップだよ? 早く君を戦場に寄越してくれ、なんて催促も増えてきている。でも君が戦闘に参加できない旨を提示すればどうだい? 向こうは金の鍵、虹の鍵、レインボーボックスの入手手段を失い、たちまち君から興味をなくすだろう」
「なるほど、実は俺もレベルが伸び悩んでいたんでこれ以上戦闘の介入はどんなもんかなって思ってたんですよ」
「へぇ、バカみたいにレベル上昇速度の高い君が伸び悩むことなんてあるんだ。参考までに聞かせてくれるかい?」
「100っすねぇ。どうもここで打ち止めみたいっす」
「あっはははは!」
笑われた。解せぬ。
「なんで笑うんすか?」
「100なんてバカみたいな数字が出てきたからだよ。人間の成長限界は80までとされてる世界で100だよ? 誰だって笑うさ。そもそも世界ランク1位のジェイムス・マッケンジーが80で、彼の為にSランクなるものが設立されるかもってダンジョンニュース速報で流れてたくらいに君は常識の外にいる」
「でも、生態チェックで100を弾き出してるんすよね。ほら、ライセンスカード」
「本当じゃん?」
「だから嘘なんて言ってませんって」
「だとしたら君、Sランクの獲得資格が発行されるよ?」
「でもそれって国からの要請に逆らえない奴ですよね?」
「それはA~Bまでの話だね」
「Sは違うんですか?」
「私は君にジェイムスのお話をしたっけか?」
「聞いたことないっすね」
「なら話そう。彼は人間を完全に辞めてしまい化け物となった探索者なんだよ」
「ウケるwww」
「笑い事じゃないんだよ? 彼に殺された軍人は多いんだ。彼はとにかく自分より弱い奴に見下されるのが嫌いでね。だからSランクという檻を引き合いに出して国は接触禁止の御触れを出したいんだ」
「はぁ、でもそんな危険人物と俺が一緒の檻に入っちゃってもいいんすかね?」
「人々を破滅させるって意味合いでは似たようなもんだよ。特に君の場合は配信を見た者の希望と絶望を同時に与えて勝手に落ち込ませるという負のスパイラルを作り出してるんだ」
「不可抗力じゃないっすか」
「ジェイムスだって不可抗力さ。彼は本当は優しい人間なんだ。でも力を持ちすぎてしまった。最初こそはその筋力の高さに期待していた周囲の人間は彼を王として持て囃し始めた」
「あ、なんかオチが見えてきましたね」
「そう、勝手に崇拝されてそれが当たり前になった彼は傲岸不遜な態度を取るようになった。王として相応しいように周囲からの勝手な妄想を植え付けられてしまったんだ。彼としては不本意でも、心優しい彼は断るということを知らなかった」
「あれ、なんか微妙に俺と似てますね、ジェイムス氏。親近感湧くなぁ」
「似てるというよりは生き別れの兄弟かってくらいそっくりだよ。なんせ彼のスキル【STR】は筋力を100にする代わり他のステータスを1にするというとんでもないスキルだったんだ」
あー、俺のスキルの筋力版か。じゃあそっくりでも仕方ないわ。
だってあれ、レベル上がる度になんもしなくても勝手に100づつ上がってくし。ムキムキマンになるのもしゃあないわ。
「じゃあジェイムス氏の筋力は8000越えですか?」
「装備の充実で10000は越えているんじゃないかって言われてるわ。Sランクへの加入条件はどこかのステータスが10000を超えてることが条件になりそうよ」
「あ、じゃあ俺はとっくに満たしてますね」
「まあレベル100なら……って何これ!?」
生態チェックのステータス部分を渡すと、面白いくらいに驚かれた。
俺のステータスは、今こうなっている!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
飯狗頼忠
レベル:100【上限】
称号 :死に抗う者、クレイジープレゼンター
探索ランク:C
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
筋 力: 100 【+120】 220
知 識: 90 【+108】 198
耐 久: 110 【+132】 242
精 神: 140 【+168】 308
器 用: 150 【+180】 330
敏 捷: 120 【+144】 262
幸 運:10000【+12000】22000
H P: 363
M P: 297
物 攻: 105
物 防: 231
魔 攻: 253
魔 防: 275
投 擲:11165
回 避:11131
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<霊獣>
【ラッキーラビット★★★☆☆/位階:壱】
ピョン吉、ピョン次、ピョン美、ピョン子、ピョン奈、ピョン太
◎主人のステータスを参照し、20%を主人に還元【個体別】
◎一日一回、即死判定を無効化してくれる【個体別】
【ーーーー☆☆☆☆☆/位階:ーー】
もう一匹獲得可能!
◎???
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<スキル>
【+1】発動確率50%×幸運補正
【+2】発動確率25%×幸運補正
【+3】発動確率10%×幸運補正
【+5】発動確率0.1%×幸運補正
◎行動回数、ドロップ再抽選に大きく影響する/パッシブ
【レベル+1】発動率1%×幸運補正
【レベル+2】発動率0.01%×幸運補正
◎レベル上昇時、確率でレベルアップ/パッシブ
【霊獣枠+1】
◎霊獣の最大所持枠を2に増加させる/パッシブ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「なんでこんなことになってるの!? 元の数値の倍以上あるじゃない! 装備は……今つけてないし。なんなのこれ!?」
「配信の時獲得したうさぎ、いるじゃないですか」
「ああ、あの君の側にだけやたら群れてた」
「どうやらあの子達の影響っぽいです。個体ごとの性能が、主人のステータスを反映させて20%を還元が本来の性能っぽいんですけど」
「6匹いるから120%に膨れ上がっちゃってる?」
「そんな感じです。あとこの子達、俺が死にそうになったら個体ごとに一回だけ身代わりになってくれるらしいんす」
「減ってしまうの?」
「アストラル体に戻るだけで、翌日には復活しますね」
「じゃあ君の周りにうさぎちゃんがいる限り無敵というわけね?」
「それ以前にアホみたいに高い察知力に回避力と投擲力を併せ持つんで」
「まずダメージを与えられないと?」
「死ぬ未来が見えないんすよね」
「普通に化け物なのよね。なんでまだ高校生やってんの?」
「いやぁ、アイリーンさんや蓬莱さん見てると俺くらいは学生生活を満喫しとかないとって気になるじゃないですか? それに彼女もできたし、今人生最高潮なんですよ、なんで高校生辞める必要があるんです?」
「お金目当てじゃないといいわね? モテたって頼忠君の稼いだお金目当てなら、渡した瞬間に逃げるわよ?」
「その心配はないですね。俺の彼女要石さんなんで」
「あぁ、洗浄の子ね、なら大丈夫か。あの子食欲しかないから」
「それはそれで失礼ですね?」
確かに食い意地張ってるけど。
いちおう清い関係だかんな? 色気がないとは言ってない。
俺が童貞すぎて色々目に毒なのを気にせず接してくれる良い子なのだ。
散々囮役にしといてよく恋人にできるなって?
それは向こうと同様一度ごめんなさいして乗り越えてっから。
それとお互いに色目使ってくる相手除けと言う共通の理由があるのだ。
それは偽りの関係じゃないのかって?
良いんだよ! 青春、青春!
「そもそも彼女、聖女の素質があるみたいだからそっち系の留学するって乗り気で今必死こいて勉強してるんすよ」
「あー、じゃあまだ手をつけてないんだ?」
「向こうも俺にそっち関連は期待してないっすね」
「どう考えてもメッシー君なんだよなぁ。正直、私の直感では彼女はどんどんすごくなっていくと思うんだよ、上位聖女くらいなっちゃうんじゃないの?」
「だから俺もこのまま一般探索者でいいものか迷ってるんすよ。まぁ彼女が俺にべったりくっついてくれるおかげで美人局被害はめっきり減りましたね」
「君、学校でそんな被害受けてたの? 言ってよ。校長に威圧かけるなりなんなりするのに!」
「女の子に言い寄られるのって、非モテの俺からしたら嘘でも嬉しいんすよ。たとえ裏があっても逆らえないんす」
「君はもっとこう、自分に自信を持ちなさい。謙虚すぎる君は見ていて辛いな。で、話を戻すんだけどSランク認定試験は受けるかい? もしウケるんなら今週中にランクをAまで上げておきなさい。なぁに、君ならすぐさ。ワイバーンのドロップ品くらい余裕で回収可能だろう?」
「あー、これ以上親に迷惑かけたくないんで箔付程度に取っておこうかな?」
「むしろ取ることで迷惑かけまくりだと思うけど……」
「えっ、そうなんですか!」
「トンビが鷹を産んだ、なんて自分が息子より劣るみたいな被虐精神を持つ親世代は少なくないのよ。君のお父さんは現役の探索者だろう? だったら尚更さ。確かランクは……」
「現役のAランクっすね」
「そう、A……ってAランク!?」
「ゴールドボックスから装備二式、レインボーボックスから霊獣を引いて今日も元気にパーティメンバーとBランクダンジョン行ってますよ」
「君、ご家族にそんな優遇しちゃダメじゃないか。だから美人局が横行するんだよ?」
「いや、俺親父にそんなプレゼントしてないっすよ?」
「じゃあどうしてそんな高級装備を!?」
「普通に蓬莱オークションから落札してますね、俺の金で」
「そっちかーー!」
オークションで支払われた金は一部手数料が引かれて俺の下に転がり込んでくる。
それを家族である親父が勝手に使い込んだのだ。
後で返すから、といまだに返すことなく借金を続けている。
ちなみにあるたびに使う事からもう親父に通帳の管理を任せるのは辞めると母さん預かりとなったのはユニーク装備を粗方揃え終わった後だった。
親父が俺にした借金は総額で7000億。
踏み倒すのが目に見えているが、俺としては親には長生きしてほしいので、利息はつけずに見守っている。
それでも母さんからの取り立てが厳しく、今日もお宝目当てでワイバーンのドロップを当てに行くのだ。
ちなみにこのドロップ品に限っては金で買って数を揃えてもいいとされている。
その代わりアホみたいに高いので、その金額を稼げるのもAランクに上がれる資質とされた。
「じゃあ息子にひと足先に上に行かれた程度で済むか」
「ですねー。でもうちの親父のステータス、言っちゃなんですけどユニークアイテム頼りのところがあるんで平均のAの皆さんより全然低いんですよ。俺よりは高いんですけど」
「そりゃ、レベルと霊獣の暴力で底上げした君より高いのはザラさ。それでもCからB、BからAの境界線は果てしなく遠い。君が思ってる以上にね」
「俺、Aまで登れるんでしょうか?」
「登れるさ。納品数においては君に勝る相手は居ないくらいにダンジョンセンターは儲けさせてもらってると思うよ? 政府だってさっさと君を顎で使いたいのに、なんでまだCなのかって疑問視してるんだ」
「そりゃ顎で使われるのが嫌だからに決まってんでしょ?」
当たり前だよなぁ?
なんで嬉々として顎で使われにいく奴がいると思ってんだ。
箔付? 優遇?
金で解決できる問題は自分でできちゃうんだよなぁ。間に政府が割り込む余地はない!
俺の回答に蓬莱さんは大きなため息を吐いた。
「え、なんでですか?」
「なんでもかんでも、こうやって毎回毎回宝物を持ってくるから周囲の目が君をどうやって搾取しようかって考えに至るんだよ。ほら、クラン宛に何度も意味不明な督促状が来てる。見たまえ」
「拝見します」
朝から蓬莱さんに呼び出しを喰らって、何事かと思ってたらお小言を食らった。
その原因はどうやら価値を正しく理解せずに何でもかんでもあげてしまう俺が原因らしい。
今から二ヶ月前、幼馴染の慎がもたらした案件。
その一週間後に行われた無茶振りの応酬。
その配信で行った『天上天下ワクワクプレゼント係』の次回配布はいつになるのか、と続いて当たり前のようなお便りが世界各国から何通も届くそうだ。
それと言うのも俺がゴールドボックスやらレインボーボックスをバカスカ出しているのを見て居る奴がいるからで……それで期待してしまうらしい。
「で、どう思う? 私は君からの意見も聞かずに決めてしまうのはどうかと思ってるんだが、同時にこれは君の身柄を守る為の措置でもあるんだ」
「それを持ち出されると確かに。いつの間にか俺は有名人になってしまってたみたいですね」
「何を今更。世間の注目度はアイリーンを出し抜いて君がトップだよ? 早く君を戦場に寄越してくれ、なんて催促も増えてきている。でも君が戦闘に参加できない旨を提示すればどうだい? 向こうは金の鍵、虹の鍵、レインボーボックスの入手手段を失い、たちまち君から興味をなくすだろう」
「なるほど、実は俺もレベルが伸び悩んでいたんでこれ以上戦闘の介入はどんなもんかなって思ってたんですよ」
「へぇ、バカみたいにレベル上昇速度の高い君が伸び悩むことなんてあるんだ。参考までに聞かせてくれるかい?」
「100っすねぇ。どうもここで打ち止めみたいっす」
「あっはははは!」
笑われた。解せぬ。
「なんで笑うんすか?」
「100なんてバカみたいな数字が出てきたからだよ。人間の成長限界は80までとされてる世界で100だよ? 誰だって笑うさ。そもそも世界ランク1位のジェイムス・マッケンジーが80で、彼の為にSランクなるものが設立されるかもってダンジョンニュース速報で流れてたくらいに君は常識の外にいる」
「でも、生態チェックで100を弾き出してるんすよね。ほら、ライセンスカード」
「本当じゃん?」
「だから嘘なんて言ってませんって」
「だとしたら君、Sランクの獲得資格が発行されるよ?」
「でもそれって国からの要請に逆らえない奴ですよね?」
「それはA~Bまでの話だね」
「Sは違うんですか?」
「私は君にジェイムスのお話をしたっけか?」
「聞いたことないっすね」
「なら話そう。彼は人間を完全に辞めてしまい化け物となった探索者なんだよ」
「ウケるwww」
「笑い事じゃないんだよ? 彼に殺された軍人は多いんだ。彼はとにかく自分より弱い奴に見下されるのが嫌いでね。だからSランクという檻を引き合いに出して国は接触禁止の御触れを出したいんだ」
「はぁ、でもそんな危険人物と俺が一緒の檻に入っちゃってもいいんすかね?」
「人々を破滅させるって意味合いでは似たようなもんだよ。特に君の場合は配信を見た者の希望と絶望を同時に与えて勝手に落ち込ませるという負のスパイラルを作り出してるんだ」
「不可抗力じゃないっすか」
「ジェイムスだって不可抗力さ。彼は本当は優しい人間なんだ。でも力を持ちすぎてしまった。最初こそはその筋力の高さに期待していた周囲の人間は彼を王として持て囃し始めた」
「あ、なんかオチが見えてきましたね」
「そう、勝手に崇拝されてそれが当たり前になった彼は傲岸不遜な態度を取るようになった。王として相応しいように周囲からの勝手な妄想を植え付けられてしまったんだ。彼としては不本意でも、心優しい彼は断るということを知らなかった」
「あれ、なんか微妙に俺と似てますね、ジェイムス氏。親近感湧くなぁ」
「似てるというよりは生き別れの兄弟かってくらいそっくりだよ。なんせ彼のスキル【STR】は筋力を100にする代わり他のステータスを1にするというとんでもないスキルだったんだ」
あー、俺のスキルの筋力版か。じゃあそっくりでも仕方ないわ。
だってあれ、レベル上がる度になんもしなくても勝手に100づつ上がってくし。ムキムキマンになるのもしゃあないわ。
「じゃあジェイムス氏の筋力は8000越えですか?」
「装備の充実で10000は越えているんじゃないかって言われてるわ。Sランクへの加入条件はどこかのステータスが10000を超えてることが条件になりそうよ」
「あ、じゃあ俺はとっくに満たしてますね」
「まあレベル100なら……って何これ!?」
生態チェックのステータス部分を渡すと、面白いくらいに驚かれた。
俺のステータスは、今こうなっている!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
飯狗頼忠
レベル:100【上限】
称号 :死に抗う者、クレイジープレゼンター
探索ランク:C
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
筋 力: 100 【+120】 220
知 識: 90 【+108】 198
耐 久: 110 【+132】 242
精 神: 140 【+168】 308
器 用: 150 【+180】 330
敏 捷: 120 【+144】 262
幸 運:10000【+12000】22000
H P: 363
M P: 297
物 攻: 105
物 防: 231
魔 攻: 253
魔 防: 275
投 擲:11165
回 避:11131
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<霊獣>
【ラッキーラビット★★★☆☆/位階:壱】
ピョン吉、ピョン次、ピョン美、ピョン子、ピョン奈、ピョン太
◎主人のステータスを参照し、20%を主人に還元【個体別】
◎一日一回、即死判定を無効化してくれる【個体別】
【ーーーー☆☆☆☆☆/位階:ーー】
もう一匹獲得可能!
◎???
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
<スキル>
【+1】発動確率50%×幸運補正
【+2】発動確率25%×幸運補正
【+3】発動確率10%×幸運補正
【+5】発動確率0.1%×幸運補正
◎行動回数、ドロップ再抽選に大きく影響する/パッシブ
【レベル+1】発動率1%×幸運補正
【レベル+2】発動率0.01%×幸運補正
◎レベル上昇時、確率でレベルアップ/パッシブ
【霊獣枠+1】
◎霊獣の最大所持枠を2に増加させる/パッシブ
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「なんでこんなことになってるの!? 元の数値の倍以上あるじゃない! 装備は……今つけてないし。なんなのこれ!?」
「配信の時獲得したうさぎ、いるじゃないですか」
「ああ、あの君の側にだけやたら群れてた」
「どうやらあの子達の影響っぽいです。個体ごとの性能が、主人のステータスを反映させて20%を還元が本来の性能っぽいんですけど」
「6匹いるから120%に膨れ上がっちゃってる?」
「そんな感じです。あとこの子達、俺が死にそうになったら個体ごとに一回だけ身代わりになってくれるらしいんす」
「減ってしまうの?」
「アストラル体に戻るだけで、翌日には復活しますね」
「じゃあ君の周りにうさぎちゃんがいる限り無敵というわけね?」
「それ以前にアホみたいに高い察知力に回避力と投擲力を併せ持つんで」
「まずダメージを与えられないと?」
「死ぬ未来が見えないんすよね」
「普通に化け物なのよね。なんでまだ高校生やってんの?」
「いやぁ、アイリーンさんや蓬莱さん見てると俺くらいは学生生活を満喫しとかないとって気になるじゃないですか? それに彼女もできたし、今人生最高潮なんですよ、なんで高校生辞める必要があるんです?」
「お金目当てじゃないといいわね? モテたって頼忠君の稼いだお金目当てなら、渡した瞬間に逃げるわよ?」
「その心配はないですね。俺の彼女要石さんなんで」
「あぁ、洗浄の子ね、なら大丈夫か。あの子食欲しかないから」
「それはそれで失礼ですね?」
確かに食い意地張ってるけど。
いちおう清い関係だかんな? 色気がないとは言ってない。
俺が童貞すぎて色々目に毒なのを気にせず接してくれる良い子なのだ。
散々囮役にしといてよく恋人にできるなって?
それは向こうと同様一度ごめんなさいして乗り越えてっから。
それとお互いに色目使ってくる相手除けと言う共通の理由があるのだ。
それは偽りの関係じゃないのかって?
良いんだよ! 青春、青春!
「そもそも彼女、聖女の素質があるみたいだからそっち系の留学するって乗り気で今必死こいて勉強してるんすよ」
「あー、じゃあまだ手をつけてないんだ?」
「向こうも俺にそっち関連は期待してないっすね」
「どう考えてもメッシー君なんだよなぁ。正直、私の直感では彼女はどんどんすごくなっていくと思うんだよ、上位聖女くらいなっちゃうんじゃないの?」
「だから俺もこのまま一般探索者でいいものか迷ってるんすよ。まぁ彼女が俺にべったりくっついてくれるおかげで美人局被害はめっきり減りましたね」
「君、学校でそんな被害受けてたの? 言ってよ。校長に威圧かけるなりなんなりするのに!」
「女の子に言い寄られるのって、非モテの俺からしたら嘘でも嬉しいんすよ。たとえ裏があっても逆らえないんす」
「君はもっとこう、自分に自信を持ちなさい。謙虚すぎる君は見ていて辛いな。で、話を戻すんだけどSランク認定試験は受けるかい? もしウケるんなら今週中にランクをAまで上げておきなさい。なぁに、君ならすぐさ。ワイバーンのドロップ品くらい余裕で回収可能だろう?」
「あー、これ以上親に迷惑かけたくないんで箔付程度に取っておこうかな?」
「むしろ取ることで迷惑かけまくりだと思うけど……」
「えっ、そうなんですか!」
「トンビが鷹を産んだ、なんて自分が息子より劣るみたいな被虐精神を持つ親世代は少なくないのよ。君のお父さんは現役の探索者だろう? だったら尚更さ。確かランクは……」
「現役のAランクっすね」
「そう、A……ってAランク!?」
「ゴールドボックスから装備二式、レインボーボックスから霊獣を引いて今日も元気にパーティメンバーとBランクダンジョン行ってますよ」
「君、ご家族にそんな優遇しちゃダメじゃないか。だから美人局が横行するんだよ?」
「いや、俺親父にそんなプレゼントしてないっすよ?」
「じゃあどうしてそんな高級装備を!?」
「普通に蓬莱オークションから落札してますね、俺の金で」
「そっちかーー!」
オークションで支払われた金は一部手数料が引かれて俺の下に転がり込んでくる。
それを家族である親父が勝手に使い込んだのだ。
後で返すから、といまだに返すことなく借金を続けている。
ちなみにあるたびに使う事からもう親父に通帳の管理を任せるのは辞めると母さん預かりとなったのはユニーク装備を粗方揃え終わった後だった。
親父が俺にした借金は総額で7000億。
踏み倒すのが目に見えているが、俺としては親には長生きしてほしいので、利息はつけずに見守っている。
それでも母さんからの取り立てが厳しく、今日もお宝目当てでワイバーンのドロップを当てに行くのだ。
ちなみにこのドロップ品に限っては金で買って数を揃えてもいいとされている。
その代わりアホみたいに高いので、その金額を稼げるのもAランクに上がれる資質とされた。
「じゃあ息子にひと足先に上に行かれた程度で済むか」
「ですねー。でもうちの親父のステータス、言っちゃなんですけどユニークアイテム頼りのところがあるんで平均のAの皆さんより全然低いんですよ。俺よりは高いんですけど」
「そりゃ、レベルと霊獣の暴力で底上げした君より高いのはザラさ。それでもCからB、BからAの境界線は果てしなく遠い。君が思ってる以上にね」
「俺、Aまで登れるんでしょうか?」
「登れるさ。納品数においては君に勝る相手は居ないくらいにダンジョンセンターは儲けさせてもらってると思うよ? 政府だってさっさと君を顎で使いたいのに、なんでまだCなのかって疑問視してるんだ」
「そりゃ顎で使われるのが嫌だからに決まってんでしょ?」
当たり前だよなぁ?
なんで嬉々として顎で使われにいく奴がいると思ってんだ。
箔付? 優遇?
金で解決できる問題は自分でできちゃうんだよなぁ。間に政府が割り込む余地はない!
俺の回答に蓬莱さんは大きなため息を吐いた。
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それでも【海斗】は大金を得るためダンジョンに潜り続ける。
難病で眠り続ける、余命いくばくかの妹の命を救うために。
かくして、人知れず大量のTP(トレジャーポイント)を荒稼ぎする【海斗】の前に不審に思った人物が現れる。
「おかしいですね、一学期でこの成績。学年主席の私よりも高ポイント。この人は一体誰でしょうか?」
学年主席であり【氷姫】の二つ名を冠する御堂凛華から注目を浴びる。
「おいおいおい、このポイントを叩き出した【MNO】って一体誰だ? プロでもここまで出せるやつはいねーぞ?」
時を同じくゲームセンターでハイスコアを叩き出した生徒が現れた。
制服から察するに、近隣の周王学園生であることは割ている。
そんな噂は瞬く間に【学園にヤバい奴がいる】と掲示板に載せられ存在しない生徒【ゴースト】の噂が囁かれた。
(各20話編成)
1章:ダンジョン学園【完結】
2章:ダンジョンチルドレン【完結】
3章:大罪の権能【完結】
4章:暴食の力【完結】
5章:暗躍する嫉妬【完結】
6章:奇妙な共闘【完結】
7章:最弱種族の下剋上【完結】
借金背負ったので死ぬ気でダンジョン行ったら人生変わった件 やけくそで潜った最凶の迷宮で瀕死の国民的美少女を救ってみた
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