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勝ち取れ、仲間の蘇生と友の信頼!
23話 Bランクダンジョン実況生中継⑤
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俺たちは四階層に降りるなり、周囲から漂う腐臭に嫌悪感を露わにした。これは居るな。
一回層で俺たちに襲いかかってきたゾンビ系統が。
『───GURRRRRR』
だが四階層に居座るモンスターは俺たちの想像を遥かに超える巨体だった。
その図体はまるで山。
伸ばした首は蛇の如く長く、鎌首をもたげている。
しかしあちこち肉体が腐り落ちており、臓物が溢れていた。
肋骨の隙間から見える心臓でさえ俺たちの身長以上ある。
手足が生えており四つん這い。
尻尾があり、トカゲのような見た目。
つまりは首の長いドラゴンのゾンビが一匹だけそこに居座っていた。
「こいつはヒュドラゾンビ。本来なら迂回すべき対象だけど、君たちとは非常に相性がいい。全10階層からなるBランクダンジョンだが、中ボス相当のこいつからも金の鍵のドロップ報告はある。今回この場所を指定したのはこいつが居たからだ。こいつとボスを含めて討伐すれば、一回の探索で上手くいく。そう考えての提案だ。それにここのモンスターは総じて火と聖属性を苦手としている。【フレイムトーチャー】や【洗浄】のスキルと非常に相性がいいんだ。もちろん頼忠君がいるからこその活躍の場だ。このメンツが活躍できる場所は結構限定されるからね。今回私が君たちをこの場に招待したのはそんな目的があったからなのさ」
蓬莱さん曰く、こいつはリポップも早く、ボス相当のドロップアイテムを落とすらしい。そして俺たちとの相性が抜群。
だが異常なほどにタフで、継戦力がとにかくかかる事。
同時に、ここに潜るほとんどの探索者においての邪魔者という共通認識から『ゲートキーパー』だなんて呼ばれ方をしている。
「この先になにがいるんすか?」
「生きたドラゴンだよ。頼忠君はワイバーンって知ってるかい?」
「ファンタジー代表の空飛ぶトカゲですよね?」
「そう、そいつ。ドロップ品がAランクに上がるための納品アイテムとして人気なのさ。勿論、そこに至れるまでの力量も加味されてAランクという箔が付く。私も通った道だ。頼忠君ならすぐに追いつくと思ってるよ?」
「無茶言わんでくださいよ。俺はまだ駆け出しですよ?」
:その目の前まで来てる奴がなんか言ってるぞ?
:駆け出しなのにレベル50超えてる件
:本人からしたら無我夢中なんやろうけど
:どこにも必死さが見当たらないからたぶん内心余裕だぞ?
:まず一般人はゾンビドッグすら越えられないんよ
:あの犬やたらライフあるからな
:その上で群れるし仲間も呼ぶ
:噛まれるだけで破傷風待ったなし!
:Bからやたら殺意が高過ぎるんよ
:Cランクパーティーでも梃子摺る相手をワンパンしてる時点で……
どうやら世間一般の評価では、俺はとっくにBランク相当らしい。
まぁ四階層まで平穏無事に来て、Fランクですは無理あるもんな。
「とりま、倒すって方針で行きますか。慎、作戦はどうする?」
「俺がヘイトを貰って、魔法ならチャージ。ブレスならバリアを張る」
「お前バリアとかいつの間に取得したんだ?」
「ついさっきだ。40になった時に火炎属性のバリアを張ることができるようになった。効果はブレスのような全体攻撃からのダメージ軽減。ただ相性が水属性攻撃の場合は逆にダメージが増加する諸刃の剣でもある。使い所が非常に試される、危険に晒す可能性もあるから言い出しにくかった」
「相手がドラゴンでゾンビ。ブレスの可能性があるとしても水の可能性は低いと見ての申し出か?」
「そうだ。属性の見極め次第ではプラチナ装備のダメージカットに頼るしかないが、使えるなら使っていきたい。その分頼忠にポーションやマナポーションを頼ることになるが良いか?」
「在庫なら山ほどあるから気にすんな。どうせならオーバーキル狙おうぜ? 金の鍵ゲットがこの探索のメイン課題だからな!」
:頼もし過ぎる!
:アタッカーであり荷物持ちも兼ねてアイテムを端から量産できるの、実質エースなんですわ
:たった一人でいろんな役割奪ってることに早く気づいて!
:ポーションって余るものだっけ?
:余らんぞ。でも今は余る傾向にある。誰かさんのおかげでな
:それ絶対【+1】の所為だろ
:タダで貰っておきながら所為は草
:乞食がよぉ
:慎君、マナポーションに頼った動きになりつつあるけど平気?
:ここだけだろ? DでBに挑むから余裕がないだけだよ
:そりゃランクに見合った場所で無茶はしないか
:すぐ物足りなくなってBに行きそう
:【+1】とセットじゃなきゃ無理でしょ
:聖女です。ポーション普及のおかげで仕事がなくなりました!
:とっとと上位聖女になってもろて
:よもやプレゼントで失職する人が出るとは思わんやろ
:なんで生中継で配布するのが一回だけじゃないの?
:もう何十回もやってるのは、公平性を出すため
:他人に配ってるのに在庫過多なのがもうおかしいんよ
しょうがないじゃんよ、ダブるんだもん。
文句なら【+5】に言ってくれ。よもや一度の抽選で二回出るとは思いもよらんわ。
幸運が5000越えだしてからはっちゃけてきた感があるのは否めないよ、マジ。
戦闘は慎が延焼効果付きの魔法を唱えることから始まった。
相当にライフが多いのか、1000ダメージくらいじゃピクリともしないヒュドラゾンビ。
その癖顔の前を素通りしようとすると目を覚ますのだから厄介極まりない。
俺が近づこうにも近づけないので、やはりここは遠距離かと慎からフレイムエンチャントをかけてもらって攻撃した。
<飯狗頼忠の攻撃!>
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
<+5発動!>
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
<フレイムエンチャント発動!>
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
<+5発動!>
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
<+3発動!>
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビは炎を振り払えない
ヒュドラゾンビは目を覚ました
ようやくお寝坊さんが起き出した。
ここまでに与えたダメージは約3万。
ゴブリンオーガならまだ雑魚を回してた頃だな。
「追撃のぉ浄化!」
<要石カガリの攻撃!>
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
<浄化発動!>
クリティカル!
ヒュドラゾンビに40000のダメージ!
ヒュドラゾンビの神経を活性化させた
ヒュドラゾンビは炎を振り払えない
延焼ダメージ!
ヒュドラゾンビに10000のダメージ!
ヒュドラゾンビはのたうち回っている
聖属性強すぎない!?
明らかに俺のダメージや慎の魔法の上をいくんだが?
「お腹すいた~、ちょっと休憩」
でも燃費の悪さが玉に瑕。
休憩中の要石さんを攻撃させないために慎が前に出る。
漢だぜ!
<漆戸慎の攻撃!>
魔法陣から炎の槍が幾つも撃ち出される!
ヒュドラゾンビに10000のダメージ!
ヒュドラゾンビはのたうち回っている
ヒュドラゾンビは炎を振り払えない
延焼ダメージ!
ヒュドラゾンビに10000のダメージ!
……おや?
要石さんが攻撃してからやたら与えダメージ高くなってませんか?
もしかしてさっきクリティカルした場所って結構な弱点じゃねーのか?
それを確かめるために俺も攻撃に加わる。
<飯狗頼忠の攻撃!>
クリティカル!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
<+5発動!>
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
オーバーキル!
ヒュドラゾンビをやっつけた
<オーバーキルボーナス!>
虹の鍵を手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
<+5発動!>
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
<+1発動!>
金の鍵を手に入れた
<+3発動!>
ヒュドラゾンビのスキルコアを手に入れた
ヒュドラゾンビのライフコアを手に入れた
腐食した尻尾肉を手に入れた
おおっと、こりゃまた大惨事だ。
でもここは念願の金の鍵入手場所。そこを喜んでおくべきだろう。
やたら虹色に光る箱と鍵をささっと回収しつつ、何事もなく金の鍵入手報告に移る。
あと尻尾肉は洗浄でどう化けるか非常に興味があったので要石さんにアルバイトしてもらった。
アルバイト代金? 虹の箱オープン権でええやろ。
「やりましたよ、皆さん! 念願の金の鍵ゲットです! 出るもんですねぇ、中層ボスからでも」
:その後ろに大量に転がる虹の鍵と箱から目を逸らしつつの報告
:俺でなくても見逃さんやろ
:今更金の鍵なんて誰も見向きもせんぞ、虹の鍵! 虹の鍵を所望する!
:欲しい人は欲しいぞ?
:そりゃ貰えるなら欲しいよ
:プレゼントなんてしたら殺し合いがはじまんぞ?
:草
:この配信でのみ価値が低いだけで世間からの評価はなんも変わってないからな
「流石に世界相手に喧嘩売るのでプレゼントにはしないでーす。欲しければ自分で手に入れてね? 頼忠君、余ってる様なら私も一回まわしたいなー、なんて?」
「タダは流石にちょっと」
「ちぇー、ダメか」
「でもそうですね、慎と要石さんに向けられるバッシング、家族の安全をサポートしてくれるなら鍵の提供をしてもいいですよ?」
「頼忠……」
「頼っち……」
配信中と言うだけでも、二人に対して結構な嫉妬の声が向けられている。
もしこれで慎達にもレインボーボックスを開かせたとあったら殺害予告も来かねない。
流石にそれは協力してもらったご両親に悪すぎるからな。
保険はかけておくべきだよ。
うちの両親への対応のように迅速にさ。
でも俺がお願いしただけじゃ絶対に叶えてくれない。
だから向こうから何か交渉してきた時に出すべき札として取っておいたのだ。
「やるます! って言うか、ここまで活躍させて他のクランに取られるのも癪だしね。いいよ、うちが全部引き取ろう! 君たちの家族は安全だ。だからハリーハリーハリー」
:見よ、これが金の亡者の姿である
:英雄なんだよなぁ
:まるで餌に釣られる子犬の様だ
:振られた尻尾が幻視できるくらい媚びてんぞこれ
:チュール差し出した猫でもこうはならんやろ
:なるんだよなぁ
:でも実際、ここでレインボーボックス回したら殺害予告が届くのは目に見えてるししゃーない
:世の中の探索者心狭すぎんだろ
:ポッと出に先を越されたらキャリア関係なしに殺意湧くから妥当
:社長の息子が突然部長に据え置きされる会社か
:あるある
:ワンマン社長ほどその傾向にあるよな
:家族だけでやってろ定期
:待って待って待って! まだ回さないで。金の鍵じゃなくて虹の鍵でも代用可にするから!★アイリーン・クルセイド
:ここに来てご本人登場
:そりゃ(金の鍵より資産価値高けりゃ)そうよ
「アイリーンさんからの要求は金の鍵だったのでそれ以外はダメでぇす」
:あああああああああああ!!★アイリーン・クルセイド
:この人、特級聖女です
:世界の権威なんよなぁ
:悲嘆に崩れ落ちる姿が目に見える様だぜ!
:きっと今頃世界を呪ってるぜ?
:呪ってるのは娘さんを亡くした親族の方なんよ
:こんな茶番よりも早くうちの娘を返してください!
:日数が伸びるたびに生存の目は薄くなるんですよね? だったら漆戸君の分は後回しでいいので、先に娘の蘇生を優先させるべきなのでは!?
:せっかく聖女様が虹の鍵で代用可と言ってくださってるのに、それを撤回するなんてどうかしてるわ!
急に元気になったな、遺族の人たち。
そりゃ救いの目が目の前に降りてくれば元気になるか。
「一人分の鍵が手に入った途端にご遺族さんは随分と強気ですね。でもこれは貴方達が決めた依頼書だ。一つは俺に、もう一つは慎に手に入れさせる。そう言った約束だった。少々無茶振りが過ぎるが、俺たちはその条件を飲んで依頼を受けている。依頼の成功率を上げるのならまず慎を連れてくる選択肢なんてないはずなのに、貴方達が選んだそれを覆す理由はなんでしょう?」
:それは……
:そんな事より! 蘇生させたいと思うならまず先に確約するべきではないですか! 言ってはなんですけど漆戸君では入手にどれほど時間がかかるか……
はい、ダウト。それもう白状してるようなもんだろ。
慎を上位ダンジョンで苦しめばいいって。そして無茶振りした結果、俺が思わぬところで好プレーを出した。
なんでそっちで出した条件が覆ると思ってるんだろうこの人たち。
今回は例外でダンジョンアタックを中継生放送してるけど、普通なら公開される事なく秘匿されるもんなんだぜ?
中身が見えることによって気を強く持つのはあんたらの勝手だけど、ルールを捻じ曲げんのは感心できんな。
慎だって流石に黙ってないぞ? なんせ命の危険に一番晒されたのはこいつだからな。
俺と要石さん? この空気感は慣れみたいなところあるから。
「本当に、今回は俺にとって随分と分の悪い依頼内容だった。でもご家族の気持ちは痛いほど分かる。うちの父親もダンジョンに向ったきり帰らずじまいで母子家庭になった経緯があるからな。だからこうして己の行いを恥じて真剣に探索に打ち込んでいる。確かに俺はまだ金の鍵を入手してない。でも救いの目が見えた瞬間に手のひらを返すのはいかがなものかと思います。それは俺では鍵の取得が難しいと、そう取れますので。じゃあ何で参加させたのかと疑念がつきません」
「そうね、今回私が受けた依頼内容も漆戸慎を探索チームに入れること。入手できない可能性を鑑みて私のクラン預かりの飯狗頼忠のパーティ希望。要石カガリさんについては純粋な思いから今回の探索について来てもらっています。依頼を受諾した以上は作戦成功まで助力するつもりでいますが、作戦実行中に横から口を挟んでくるのは少しマナーを疑います」
:そうよな、この手の依頼って成功率100%だと思ってる素人おるけど自分たちで決めたルールが足引っ張ってることあるよな
:実際この探索って依頼主がどれだけ代金負担してんの?
「0だねぇ、感情論100%の抗議文が送られてきたと思ってよく見たら依頼書だったって話さ」
:草
:蘇生は可能性であって100%できるもんや無いんやで
:そもそも世界で蘇生されてるのは揃って金と権力を持つ偉人達や
:一般人が蘇生されたって例は見た事ないもんなぁ
:それくらいの無茶振り言ってるって自覚なしだったんか
:呆れるわ
:でも、だって! じゃあどうすれば良いんですか? 一週間前まで元気に笑ってた子が、ある日突然石ころに変わったなんて打ち明けられて、その日以降をどう過ごせばよかったんですか!?
:まずライフコアが戻ってくるだけマシ
:それよなぁ
:うちのねーちゃんなんて家族に対してボロクソ書いてた日記が遺品になって届いたんだぞ? 泣いて良いやら怒って良いものやら感情がバグって死を受けられなかったのを思い出すわ
:それぐらい探索者にとって死は日常
:探索者じゃない子だから問題なんや
:これは大手企業が探索者もどきを量産したのが悪い
:アイツらダンジョンをゲーム感覚で進むから迷惑なんだよ、マナーもなってないしゴミを量産するしで
:ダンジョンアイドルな
:慎君も確かそうだったはず
なんか話が暗くなってきたので話題を変えるために俺は慎、要石さん、蓬莱さんにそれぞれ一個ずつ虹の鍵を渡して同時にオープンするという暴挙に出た!
「それはそれとしてオープン!」
:あ! こっちが大事な話をしてるって時に!
:不意打ち汚いぞ!
:あーーー俺のレインボーボックスちゃんが!!!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
荒ぶるコメントと共に、レインボーボックスは俺たちの視界を虹色の光で染め上げた。
一回層で俺たちに襲いかかってきたゾンビ系統が。
『───GURRRRRR』
だが四階層に居座るモンスターは俺たちの想像を遥かに超える巨体だった。
その図体はまるで山。
伸ばした首は蛇の如く長く、鎌首をもたげている。
しかしあちこち肉体が腐り落ちており、臓物が溢れていた。
肋骨の隙間から見える心臓でさえ俺たちの身長以上ある。
手足が生えており四つん這い。
尻尾があり、トカゲのような見た目。
つまりは首の長いドラゴンのゾンビが一匹だけそこに居座っていた。
「こいつはヒュドラゾンビ。本来なら迂回すべき対象だけど、君たちとは非常に相性がいい。全10階層からなるBランクダンジョンだが、中ボス相当のこいつからも金の鍵のドロップ報告はある。今回この場所を指定したのはこいつが居たからだ。こいつとボスを含めて討伐すれば、一回の探索で上手くいく。そう考えての提案だ。それにここのモンスターは総じて火と聖属性を苦手としている。【フレイムトーチャー】や【洗浄】のスキルと非常に相性がいいんだ。もちろん頼忠君がいるからこその活躍の場だ。このメンツが活躍できる場所は結構限定されるからね。今回私が君たちをこの場に招待したのはそんな目的があったからなのさ」
蓬莱さん曰く、こいつはリポップも早く、ボス相当のドロップアイテムを落とすらしい。そして俺たちとの相性が抜群。
だが異常なほどにタフで、継戦力がとにかくかかる事。
同時に、ここに潜るほとんどの探索者においての邪魔者という共通認識から『ゲートキーパー』だなんて呼ばれ方をしている。
「この先になにがいるんすか?」
「生きたドラゴンだよ。頼忠君はワイバーンって知ってるかい?」
「ファンタジー代表の空飛ぶトカゲですよね?」
「そう、そいつ。ドロップ品がAランクに上がるための納品アイテムとして人気なのさ。勿論、そこに至れるまでの力量も加味されてAランクという箔が付く。私も通った道だ。頼忠君ならすぐに追いつくと思ってるよ?」
「無茶言わんでくださいよ。俺はまだ駆け出しですよ?」
:その目の前まで来てる奴がなんか言ってるぞ?
:駆け出しなのにレベル50超えてる件
:本人からしたら無我夢中なんやろうけど
:どこにも必死さが見当たらないからたぶん内心余裕だぞ?
:まず一般人はゾンビドッグすら越えられないんよ
:あの犬やたらライフあるからな
:その上で群れるし仲間も呼ぶ
:噛まれるだけで破傷風待ったなし!
:Bからやたら殺意が高過ぎるんよ
:Cランクパーティーでも梃子摺る相手をワンパンしてる時点で……
どうやら世間一般の評価では、俺はとっくにBランク相当らしい。
まぁ四階層まで平穏無事に来て、Fランクですは無理あるもんな。
「とりま、倒すって方針で行きますか。慎、作戦はどうする?」
「俺がヘイトを貰って、魔法ならチャージ。ブレスならバリアを張る」
「お前バリアとかいつの間に取得したんだ?」
「ついさっきだ。40になった時に火炎属性のバリアを張ることができるようになった。効果はブレスのような全体攻撃からのダメージ軽減。ただ相性が水属性攻撃の場合は逆にダメージが増加する諸刃の剣でもある。使い所が非常に試される、危険に晒す可能性もあるから言い出しにくかった」
「相手がドラゴンでゾンビ。ブレスの可能性があるとしても水の可能性は低いと見ての申し出か?」
「そうだ。属性の見極め次第ではプラチナ装備のダメージカットに頼るしかないが、使えるなら使っていきたい。その分頼忠にポーションやマナポーションを頼ることになるが良いか?」
「在庫なら山ほどあるから気にすんな。どうせならオーバーキル狙おうぜ? 金の鍵ゲットがこの探索のメイン課題だからな!」
:頼もし過ぎる!
:アタッカーであり荷物持ちも兼ねてアイテムを端から量産できるの、実質エースなんですわ
:たった一人でいろんな役割奪ってることに早く気づいて!
:ポーションって余るものだっけ?
:余らんぞ。でも今は余る傾向にある。誰かさんのおかげでな
:それ絶対【+1】の所為だろ
:タダで貰っておきながら所為は草
:乞食がよぉ
:慎君、マナポーションに頼った動きになりつつあるけど平気?
:ここだけだろ? DでBに挑むから余裕がないだけだよ
:そりゃランクに見合った場所で無茶はしないか
:すぐ物足りなくなってBに行きそう
:【+1】とセットじゃなきゃ無理でしょ
:聖女です。ポーション普及のおかげで仕事がなくなりました!
:とっとと上位聖女になってもろて
:よもやプレゼントで失職する人が出るとは思わんやろ
:なんで生中継で配布するのが一回だけじゃないの?
:もう何十回もやってるのは、公平性を出すため
:他人に配ってるのに在庫過多なのがもうおかしいんよ
しょうがないじゃんよ、ダブるんだもん。
文句なら【+5】に言ってくれ。よもや一度の抽選で二回出るとは思いもよらんわ。
幸運が5000越えだしてからはっちゃけてきた感があるのは否めないよ、マジ。
戦闘は慎が延焼効果付きの魔法を唱えることから始まった。
相当にライフが多いのか、1000ダメージくらいじゃピクリともしないヒュドラゾンビ。
その癖顔の前を素通りしようとすると目を覚ますのだから厄介極まりない。
俺が近づこうにも近づけないので、やはりここは遠距離かと慎からフレイムエンチャントをかけてもらって攻撃した。
<飯狗頼忠の攻撃!>
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
<+5発動!>
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
<フレイムエンチャント発動!>
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
<+5発動!>
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
<+3発動!>
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビに2600のダメージ!
ヒュドラゾンビは炎を振り払えない
ヒュドラゾンビは目を覚ました
ようやくお寝坊さんが起き出した。
ここまでに与えたダメージは約3万。
ゴブリンオーガならまだ雑魚を回してた頃だな。
「追撃のぉ浄化!」
<要石カガリの攻撃!>
ヒュドラゾンビに1000のダメージ!
<浄化発動!>
クリティカル!
ヒュドラゾンビに40000のダメージ!
ヒュドラゾンビの神経を活性化させた
ヒュドラゾンビは炎を振り払えない
延焼ダメージ!
ヒュドラゾンビに10000のダメージ!
ヒュドラゾンビはのたうち回っている
聖属性強すぎない!?
明らかに俺のダメージや慎の魔法の上をいくんだが?
「お腹すいた~、ちょっと休憩」
でも燃費の悪さが玉に瑕。
休憩中の要石さんを攻撃させないために慎が前に出る。
漢だぜ!
<漆戸慎の攻撃!>
魔法陣から炎の槍が幾つも撃ち出される!
ヒュドラゾンビに10000のダメージ!
ヒュドラゾンビはのたうち回っている
ヒュドラゾンビは炎を振り払えない
延焼ダメージ!
ヒュドラゾンビに10000のダメージ!
……おや?
要石さんが攻撃してからやたら与えダメージ高くなってませんか?
もしかしてさっきクリティカルした場所って結構な弱点じゃねーのか?
それを確かめるために俺も攻撃に加わる。
<飯狗頼忠の攻撃!>
クリティカル!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
<+5発動!>
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
ヒュドラゾンビに150000のダメージ!
オーバーキル!
ヒュドラゾンビをやっつけた
<オーバーキルボーナス!>
虹の鍵を手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
<+5発動!>
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
虹の鍵を手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
レインボーボックスを手に入れた
<+1発動!>
金の鍵を手に入れた
<+3発動!>
ヒュドラゾンビのスキルコアを手に入れた
ヒュドラゾンビのライフコアを手に入れた
腐食した尻尾肉を手に入れた
おおっと、こりゃまた大惨事だ。
でもここは念願の金の鍵入手場所。そこを喜んでおくべきだろう。
やたら虹色に光る箱と鍵をささっと回収しつつ、何事もなく金の鍵入手報告に移る。
あと尻尾肉は洗浄でどう化けるか非常に興味があったので要石さんにアルバイトしてもらった。
アルバイト代金? 虹の箱オープン権でええやろ。
「やりましたよ、皆さん! 念願の金の鍵ゲットです! 出るもんですねぇ、中層ボスからでも」
:その後ろに大量に転がる虹の鍵と箱から目を逸らしつつの報告
:俺でなくても見逃さんやろ
:今更金の鍵なんて誰も見向きもせんぞ、虹の鍵! 虹の鍵を所望する!
:欲しい人は欲しいぞ?
:そりゃ貰えるなら欲しいよ
:プレゼントなんてしたら殺し合いがはじまんぞ?
:草
:この配信でのみ価値が低いだけで世間からの評価はなんも変わってないからな
「流石に世界相手に喧嘩売るのでプレゼントにはしないでーす。欲しければ自分で手に入れてね? 頼忠君、余ってる様なら私も一回まわしたいなー、なんて?」
「タダは流石にちょっと」
「ちぇー、ダメか」
「でもそうですね、慎と要石さんに向けられるバッシング、家族の安全をサポートしてくれるなら鍵の提供をしてもいいですよ?」
「頼忠……」
「頼っち……」
配信中と言うだけでも、二人に対して結構な嫉妬の声が向けられている。
もしこれで慎達にもレインボーボックスを開かせたとあったら殺害予告も来かねない。
流石にそれは協力してもらったご両親に悪すぎるからな。
保険はかけておくべきだよ。
うちの両親への対応のように迅速にさ。
でも俺がお願いしただけじゃ絶対に叶えてくれない。
だから向こうから何か交渉してきた時に出すべき札として取っておいたのだ。
「やるます! って言うか、ここまで活躍させて他のクランに取られるのも癪だしね。いいよ、うちが全部引き取ろう! 君たちの家族は安全だ。だからハリーハリーハリー」
:見よ、これが金の亡者の姿である
:英雄なんだよなぁ
:まるで餌に釣られる子犬の様だ
:振られた尻尾が幻視できるくらい媚びてんぞこれ
:チュール差し出した猫でもこうはならんやろ
:なるんだよなぁ
:でも実際、ここでレインボーボックス回したら殺害予告が届くのは目に見えてるししゃーない
:世の中の探索者心狭すぎんだろ
:ポッと出に先を越されたらキャリア関係なしに殺意湧くから妥当
:社長の息子が突然部長に据え置きされる会社か
:あるある
:ワンマン社長ほどその傾向にあるよな
:家族だけでやってろ定期
:待って待って待って! まだ回さないで。金の鍵じゃなくて虹の鍵でも代用可にするから!★アイリーン・クルセイド
:ここに来てご本人登場
:そりゃ(金の鍵より資産価値高けりゃ)そうよ
「アイリーンさんからの要求は金の鍵だったのでそれ以外はダメでぇす」
:あああああああああああ!!★アイリーン・クルセイド
:この人、特級聖女です
:世界の権威なんよなぁ
:悲嘆に崩れ落ちる姿が目に見える様だぜ!
:きっと今頃世界を呪ってるぜ?
:呪ってるのは娘さんを亡くした親族の方なんよ
:こんな茶番よりも早くうちの娘を返してください!
:日数が伸びるたびに生存の目は薄くなるんですよね? だったら漆戸君の分は後回しでいいので、先に娘の蘇生を優先させるべきなのでは!?
:せっかく聖女様が虹の鍵で代用可と言ってくださってるのに、それを撤回するなんてどうかしてるわ!
急に元気になったな、遺族の人たち。
そりゃ救いの目が目の前に降りてくれば元気になるか。
「一人分の鍵が手に入った途端にご遺族さんは随分と強気ですね。でもこれは貴方達が決めた依頼書だ。一つは俺に、もう一つは慎に手に入れさせる。そう言った約束だった。少々無茶振りが過ぎるが、俺たちはその条件を飲んで依頼を受けている。依頼の成功率を上げるのならまず慎を連れてくる選択肢なんてないはずなのに、貴方達が選んだそれを覆す理由はなんでしょう?」
:それは……
:そんな事より! 蘇生させたいと思うならまず先に確約するべきではないですか! 言ってはなんですけど漆戸君では入手にどれほど時間がかかるか……
はい、ダウト。それもう白状してるようなもんだろ。
慎を上位ダンジョンで苦しめばいいって。そして無茶振りした結果、俺が思わぬところで好プレーを出した。
なんでそっちで出した条件が覆ると思ってるんだろうこの人たち。
今回は例外でダンジョンアタックを中継生放送してるけど、普通なら公開される事なく秘匿されるもんなんだぜ?
中身が見えることによって気を強く持つのはあんたらの勝手だけど、ルールを捻じ曲げんのは感心できんな。
慎だって流石に黙ってないぞ? なんせ命の危険に一番晒されたのはこいつだからな。
俺と要石さん? この空気感は慣れみたいなところあるから。
「本当に、今回は俺にとって随分と分の悪い依頼内容だった。でもご家族の気持ちは痛いほど分かる。うちの父親もダンジョンに向ったきり帰らずじまいで母子家庭になった経緯があるからな。だからこうして己の行いを恥じて真剣に探索に打ち込んでいる。確かに俺はまだ金の鍵を入手してない。でも救いの目が見えた瞬間に手のひらを返すのはいかがなものかと思います。それは俺では鍵の取得が難しいと、そう取れますので。じゃあ何で参加させたのかと疑念がつきません」
「そうね、今回私が受けた依頼内容も漆戸慎を探索チームに入れること。入手できない可能性を鑑みて私のクラン預かりの飯狗頼忠のパーティ希望。要石カガリさんについては純粋な思いから今回の探索について来てもらっています。依頼を受諾した以上は作戦成功まで助力するつもりでいますが、作戦実行中に横から口を挟んでくるのは少しマナーを疑います」
:そうよな、この手の依頼って成功率100%だと思ってる素人おるけど自分たちで決めたルールが足引っ張ってることあるよな
:実際この探索って依頼主がどれだけ代金負担してんの?
「0だねぇ、感情論100%の抗議文が送られてきたと思ってよく見たら依頼書だったって話さ」
:草
:蘇生は可能性であって100%できるもんや無いんやで
:そもそも世界で蘇生されてるのは揃って金と権力を持つ偉人達や
:一般人が蘇生されたって例は見た事ないもんなぁ
:それくらいの無茶振り言ってるって自覚なしだったんか
:呆れるわ
:でも、だって! じゃあどうすれば良いんですか? 一週間前まで元気に笑ってた子が、ある日突然石ころに変わったなんて打ち明けられて、その日以降をどう過ごせばよかったんですか!?
:まずライフコアが戻ってくるだけマシ
:それよなぁ
:うちのねーちゃんなんて家族に対してボロクソ書いてた日記が遺品になって届いたんだぞ? 泣いて良いやら怒って良いものやら感情がバグって死を受けられなかったのを思い出すわ
:それぐらい探索者にとって死は日常
:探索者じゃない子だから問題なんや
:これは大手企業が探索者もどきを量産したのが悪い
:アイツらダンジョンをゲーム感覚で進むから迷惑なんだよ、マナーもなってないしゴミを量産するしで
:ダンジョンアイドルな
:慎君も確かそうだったはず
なんか話が暗くなってきたので話題を変えるために俺は慎、要石さん、蓬莱さんにそれぞれ一個ずつ虹の鍵を渡して同時にオープンするという暴挙に出た!
「それはそれとしてオープン!」
:あ! こっちが大事な話をしてるって時に!
:不意打ち汚いぞ!
:あーーー俺のレインボーボックスちゃんが!!!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
:うおっまぶし!
荒ぶるコメントと共に、レインボーボックスは俺たちの視界を虹色の光で染め上げた。
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