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序章『New Arkadia Frontierへようこそ』

9話

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 おはよう世界。
 ぐっすり眠れたのもあり、案の定昼過ぎに起きた。
 久しぶりに充実した睡眠だったのもあり、脳の活性化も凄まじい。
 目覚めたばかりなのに情報を求める力がすごいのだ。
 もはや情報ジャンキーと言っても差し支えないだろう。
 インプットの場を日常で行い、アウトプットの場をゲームで発散するのが僕のスタイルだ。
 と、いうかこれからそうしていきたい。
 ここ数日は近況報告で終わってるからね。
 ログイン初日からスタートダッシュ! みたいなのは僕のスタイルではないのでどうでも良いが。

 テレビをつけると事業縮小で小型化すると某貿易会社の多数のリストラを問題視する情報番組が映った。なんか既視感があると思ったら、ここ僕の勤務していた会社じゃないか。
 まさかそんな事態になっていただなんて知らなかったな。
 耳に入ってくる情報はエリートコースに入った後輩の出世の話くらいで、穴を掘って埋める日々。
 そのくせやることだけは多くて、やったところでお給料に一切響かない自主退職をさせる為の窓際だって追うんだから笑えない。
 それでも漸く手に入れた仕事先だったので頑張ったんだけどなぁ。
 上司に恵まれなかったのか、はたまた職業に僕のスタイルが合わなかったのか。
 お客さんからは評判が良くても売り上げの成績が悪ければ仕事を干されるのはどこの業界でも同じか。
 要は上司の顔を立て過ぎた結果だよなぁ。
 自業自得と取られても仕方ないか。

 既に終わった話だ。あれこれ考えても意味はないか。

 手元でゴリゴリと回していたコーヒーミルから芳しい良い匂いがしてくる。
 そろそろ1杯分挽き終わる頃かな?
 僕はこの作業がたまらなく好きだ。コーヒーを飲まない時でもゴリゴリしてしまう時がある。

 コーヒーカップにドリップ用の紙をセットして、湯を注ぐ。
 回すようにぐるぐると、膨らんでいく粉末を見守りながら、やがて抽出されたコーヒーがカップに満たされた。

 しかし急いではいけない。コーヒーは香りも楽しむ余裕を忘れてはならない。
 勤務中は一分一秒を争っていたのもあって、自宅で楽しむ余裕はなかったからね。
 昨日買い置きしていたもう一つのモンブランも食べてしまおう。
 ケーキ皿とフォークも用意して。寝起きから優雅な時間を味わってしまう。
 こんな贅沢ができるのは今ぐらいだろう。
 寝起きの頭にコーヒーの苦味とモンブランの甘味が溶け合い、なんか今日も一日幸せになれる気分になった。
 相変わらずコストパフォーマンスの安い僕である。

 玄関に新聞を取りにいく。
 ネット社会の昨今、安易に手に入る情報は信用してはならないというのが僕の信条である。
 とはいえ、新聞なら安心して狙った情報が手に入るというわけでもない。
 ただし、情報を限定すればそこからでもいろんなものが見えてくるのだ。例えばネットに疎い高齢の技術者はネットに疎いのもあって人伝で新聞に頼む。時代はネット社会に移り変わるが、世代によっては時代に取り残されることもあるからね。
 僕はそんな人たちにも声をかけるようにしていた。
 要は仕事がらみの顧客だね。
 会社の需要には合わない顧客だったけど、ノルマ達成のためには仕方なかったのだ。今思うとどれだけ必死だったんだって思うけどね。

 そこで勤続時代に懇意にしていた花屋さんの広告が目についた。
 パーラーTSUBAKI。オーナーは70代の女性で、近所の商店街でも情報通として有名だ。
 駆け出し時代はよくお世話になったし、そのツテでいろんな顧客を開拓させてもらったっけ。
 娘さんと折り合いがつかないことを嘆いていたけど、そのお孫さんさんと一致団結して室内の一角に喫茶室を作って共同経営してるんだ。
 僕もその当時お手伝いしたなぁ。主に資材の調達とかね。
 お花屋さんだから花をモチーフにした飲料をできるといいんじゃないかと提案して、今では繁盛しているらしい。
 問題は後を継いでくれる人がいないことくらいか。
 お孫さんは喫茶に進みたいのでお花のことはちんぷんかんぷん。
 店を畳むかどうかの瀬戸際と聞いていたが、告知には閉店のお知らせとあった。
 そんなきっかけもあって僕はそのお花屋さんに足を運んでいた。
 目的もなく外に出ると大概散財するので、夕食を仕入れる程度の軍資金を持って出発。
 閉店セールも兼ねてか、喫茶室は賑わっていた。
 来客はせめて喫茶室だけでも残して欲しいと懇願していたが、お孫さんの都合でそれは無理だった。
 彼女はまだ高校生で、学校帰りにお婆さんのお店に寄って紅茶などを出していた。
 当然素人が出してるので料金が発生してない。
 それでも種類豊富のフレーバーティーが味わえる場所として花屋にしては人気だったようだ。

 店から出て行く人を見計らって入店。

「一人だけど大丈夫かな?」
「あ、向井さん! おばあちゃーん、向井さん来てくれたよー?」
「本当かい? 随分と久しぶりだねぇ?」

 わざわざ僕なんかのために接客の手を止めてきてくれた。
 空いてる席に案内してもらい、一緒に座る。
 こうやって対面で向かうと緊張するな。
 何せオーナーは僕の母親以上のお年なのだから。

「ご無沙汰してます。こちらに伺うのは二年くらいぶりでしたか。寂しいですね、ここがなくなってしまうなんて」
「こればっかりは自分の体のことだからねぇ。同年代は滅んで施設で世話になってるっていうし、あたしもそろそろお世話になろうと思ってさ」
「そんな、まだまだお若いじゃないですか!」
「自分の体のことくらい自分が一番わかるんだよ。ああ、これは先がないなって。次会う時は葬式だなんて嫌だろう? だからこれがあたしがこの店にしてあげられる最後のお勤めなのさ」

 そう言われてしまえば、僕からは何も返す言葉がない。
 喫茶店のマスターだって、今でこそ若いがいつかこんな日を迎えてしまうかもしれない。ケーキ屋さんだってそうだ。
 僕の好きなお店がなくなってしまうのは寂しいし悔しい。
 でも僕がこの店にしてあげられることなんて数えるほどもない。

 お店から見れば僕は他人なのだ。
 ただそれが悲しくてならない。

「美沙、例のやつ向井さんに出してやんな」
「例のやつ、とは?」
「実はお婆ちゃんと一緒に発明したとっておきのフレーバーティーがあるんです。みんなからも好評で、お店を出したらどうかって誘われてるんですけど、私は学校あるしで答えを出せないままでいるんですけど……」

 ある意味でこれが最後のレシピとして人々の心に刻まれるやつなのだろう。
 僕は美沙ちゃんの入れてくれた紅茶に手を伸ばし、いただきますとつぶやいてから一口いただいた。

「あっ」

 口の中に広がるのはクセの強いベルガモットの香りが付加されたアールグレイ。
 しかし口内で転がすとふわりと鼻腔を突き抜ける蜂蜜の香り。
 本来ならクセの強いもの同士喧嘩し合うのだけど、不思議と調和が取れていた。
 原因は分からない。
 探るようにもう一口飲み、そこで漸く原因となるフレーバーを見つけ出した。

「これは面白いね。蜂蜜の他に香辛料の味がした。でも不思議とその味そのものは主張してなくて、うまくフレーバーとして混ざり合っている。確かにこれはお金を出してもいいと思えるね」

 僕なりの評価を並べると美沙ちゃんはガッツポーズを取り、オーナーさんとハイタッチをした。
 その香辛料の正体は生姜だと聞いた。

「生姜……全然想像できない」
「実は一切水を使わずに生姜のエキスを絞った生姜エキスが美容にもいいらしいんです。問題は入手が限られてて、たくさんのお客さんに来られてもあまりお出しできない点なんです。蜂蜜もひまわりの花の蜜を吸って育った蜂蜜を誓っていて、こっちも品薄で。だからお店を出すとしたら品揃えをよくしてから開きたいなーって」

 だれか出資者になってくれないかなーと語る美沙ちゃん。
 僕も協力してあげたいけど、流石に店を構えるほどの経済力はない。お店は構えるだけでも莫大な費用がかかる上、維持費もかかる。
 そして売り上げだって出さなきゃいけない。
 商品一本でやっていけるほど甘くないのだ。
 ここのお店の常連さんはこれを無料で飲んでるからこそコストを見ない。
 もし値段が設定されたそれが商品として並べられた時、手に取ってくれるかどうか。こればかりは運だからね。
 学生だからというのはさておき、本気で商売するなら色々勉強しないとね、とアドバイスした。
 お店が閉店するのは残念でならないが、僕がしてあげられることは何もないんだ。

 そんな事もあって、僕は帰宅するなりNAFの情報を漁っていた。
 僕ができることといったら再現くらいだ。
 リアルで飲めなくなったあのレシピを、NAFで再現する事で思い出を取り置きしておこうと、そう思った。

 そう言えば彼女もNAFのプレイできる年齢だったな。
 僕も参加していると伝えておけばよかった。
 けど同時に伝えれば面倒ごとに巻き込むなと思い、伝えなくて正解だったとも思う。

 ◇
 
 いつもの時間になり、ログイン。
 材料の選定はできていた。
 しかしその材料はここから遠方。
 レベル1の僕ではまず間違いなく死にに行くようなものだ。
 そこでクランのツテを通じて素材を集めてもらうことにする。

 茶葉はギズモナの根。
 これをアールグレイにするためにガララの蜜を少量加える事で似通った味になると掲示板に記されていた。
 僕は紅茶に詳しくはないので、味についは素人判断だ。

 問題はここから先。
 養蜂家が確立されてない上に、生姜に該当する食材の見当がついてない事。
 食事処専門クランでさえ、まだ出揃ってない素材が多い。
 それを全く一からエキスにする方法も確立しなくてはならない。
 これは骨が折れるぞ、と同時に妙にやる気が出てきてしまっている僕。

 研究は一進一退を繰り返した。
 クランメンバーは僕が行きつまる姿を見るのは初めてだと驚く。
 いや、僕の今までの研究は絵その場その場で辞めてただけだから。
 今回みたいにゴールに向かって打ち込むのが初めてなだけだよと言ったら何を研究してるのかを詳しく追求された。
 クランには材料提供などで世話になってるので隠す意味もない。

「フレーバーティーですか?」
「あれ、ムーン君コーヒー党じゃなかったっけ?」
「実は勤続時代に懇意にしていたお花屋さんが……」

 僕はことのあらましを説明すると、何故か全員が涙ぐんで協力的になってくれた。これは僕の個人的な興味だったのに、今ではクラン一丸で取り組むことになった。

 そして研究に打ち込むこと一ヶ月。
 ついに完璧に近い味に近づいた。
 ただ惜しむらくはこれが毒物であるということだ。
 まさか生姜の味覚にそっくりなビビルデの根が猛毒*Ⅱだとは思いもしない。
 それの抽出液が猛毒以外の何者でもなく、安全に飲むために植物毒*Ⅱの耐性を持つ必要があるのだ。
 これは気軽に進められないな。

 そんな僕に朗報が舞い込む。

「センパイ! 魔導具師のクラン『技術革命』がついに状態異常無効化の効果を付与した装備品の開発に成功したそうです!」
「植物毒*Ⅱの耐性は?」
「今ミントちゃんのクランと協力して製作中です。よかったですね。これでその子をこっちに呼び込めるんじゃないですか?」
「別にそれが狙いではなかったんだけど。お店を持つ苦労はゲームでも体験できるからね。在学しながらその勉強を並行してやるならこっちの方がいいかなって」
「そういうお節介なところ、実にセンパイらしいです」
「それ、褒めてるの?」
「ベタ褒めですよ!」

 うぐぐいすさんは笑う。
 ワンコ狼さんも、都コンブさんも、ニャッキさんも。
 今からその子が来るのを楽しみにしていた。

 そしてパーラーTSUBAKIの閉店日。
 僕は最後の客として別れを惜しみ、そして美沙ちゃんにゲームの招待チケットを手渡した。
 チケット自体はソフトに紐付けされていて、これはうぐぐいすさんが用意してくれた。
 僕のことおせっかいと言いつつ、あの子も決して人のこと言えないじゃないか。

 苦笑する僕に、困惑する彼女。
 なんせそのチケット、ソフトのみならず本体もついているので無料でもらうのは悪いと真剣に悩んでいた。
 しかしせっかく準備したのにもらってくれなきゃ困る。
 僕の一ヶ月の苦労がパァだ。
 なので、暇な時に遊びにおいでよと気楽に誘ってみる。

 美沙ちゃんはその日のうちにきた。
 R18ソフトという意味合いを深く捉えすぎていたのか、特に普通なゲームをおっかなびっくり歩いている。
 そんな彼女に声をかける。

「こんにちわ」
「わひゃ! あ、あの、あたしですか?」
「うん、ようこそNew Arkadia Frontierへ。僕は案内用NPCのムーンライト。このゲームではちょっとした有名人なんだ」
「NPC……本物そっくり、すごい」

 もちろん嘘だ。
 実際有名人だし、上手く誤魔化せたらラッキーくらいに思っている。
 彼女を案内するのが目的だ。
 場所はうちのクランが購入した喫茶室。
 ここは一般開放してあるから、誰でも入れる。
 まだオーナーは決まっていらず、権利はうぐぐいすさんが持っている。

「すごい、本格的な作り。ゲームの中とは思えないです」
「実はこのお店ではまだ一種類の商品しか置いてないんだ。よかったら君にはその商品の開発をしてもらいたいと思っている」
「え、え? これチュートリアル? いきなりオーナーだなんて言われても。困ります」
「もちろん、受けるか受けないか保留してもいいよ。準備が整って、受けたくなったらまたここに来ればいい。今日は僕の奢りだ。喉が渇いたろう? 飲んでいくといい」
「あ、はい。ご馳走になります」

 うぐぐいすさんウェイトレスとなってテーブルにコースターを置き、その上にティーカップを置いた。
 そして植物毒*Ⅱ耐性のブレスレットを置くと困惑される。

「あの、これは?」

 僕はにこりとして答えた。

「実は今から飲んでもらうドリンクは猛毒でね、普通に飲むと死んでしまうんだ」
「帰ります!」

 美沙ちゃんは勢いよく立ち上がった。
 僕はそんな彼女を椅子に座らせ、装備の説明をする。

「落ち着いて。これはそのための装備品。このドリンクの毒を中和する効果がある。僕はこの毒に耐性があるのでそのまま飲んでも平気だが、彼女はその毒の耐性がない。味の方は実際に飲んでみればわかるよ」
「本当ですか? 変なのに捕まっちゃったなぁ」

 僕はうぐぐいすさんに美沙ちゃん、僕、最後に自信の紅茶を注いでもらい、装備をはめて一斉に飲むという選択を取る。
 僕は味見を何度もしてるけど、美沙ちゃんとうぐぐいすさんは今日が初めてである。

 そして最初の一口。僕は狙った通りの味になっていた事に心の中でガッツポーズを取った。
 うぐぐいすさんは目を見開き、美沙ちゃんは呟く。

「なんで……これ、お店の味!」
「おばあさんのお店は残念だったね」
「ねぇ、なんでこの味を知っているの? あなたNPCだったんじゃ!?」
「うん、僕はNPCとして有名人だよ。でも実在している」
「どういう事……?」
「センパイ、事情を説明してあげましょう、これ以上は可哀想です」

 ここでうぐぐいすさんから暴露タイムのお許しが出た。
 というより良心の呵責に耐えられなくなった感じか。

「えっと、ムーンライトさんが向井さん?」
「うん。向井明斗。名前から文字ってムーンライト。これが僕のゲームをプレイするときの固定ハンドルネームだと言うのはあまり知られていないね」
「騙すなんて酷いです。もっと早くいってくれたらよかったのに!」
「正直に言えば、僕がこのゲームを遊ぶ事になったのはつい最近なんだ。けどその当時から誰かさんのおかげで僕の名前は一人歩きしていてね?」

 隣で紅茶を嗜んでいるうぐぐいすさんを睨む。
 
「えっと、そちらの?」
「うぐぐいすよ」
「その彼女がさ、この作品の前作の僕のファンだとかで、こちらでもそれはもう持て囃してくれたわけ」
「その節は本当に申し訳なかったと思います。でもそこに推しへの愛があれば推しませんか!?」
「僕に及ぶ被害も少しは考えなさい」
「あふん」

 脳天に軽くチョップを落とせば、腑抜けた声が返ってきた。
 そのやりとりを見て、ようやく疑心暗鬼になっていた美沙ちゃんに笑顔が戻ってくる。というより噴き出された。

 その笑顔を持ってこの茶番をお開きにした。

「そんな訳で僕はリアルで暇を持て余すわけになり、ゲームに君臨しているのだよ」
「ゲームしている余裕あるんですか?」
「その点については全て私にお任せあれ。養う準備は整っていましょう。あとは先輩の印を一つ推してもらえれば万事解決です!」
「そう言って婚姻届出してくるんだよ、この子?」
「あはは」

 笑い事ではないけど、笑い飛ばさないとやってられないのだ。
 ちなみに彼女は100%本気だ。僕は彼女の気持ちに気付いていながらクランメンバーとの絆が壊れてしまいそうで断り続けていた。
 都コンブさんからはさっさと決断しな。お互いに優良株なんだから渋ってつと奪われちまうよ? と辛辣な言葉をかけてくれている。

 うん、選択するのも烏滸がましいくらい僕の方が商品価値で負けてるからなぁ。
 美沙ちゃんがログアウトするまでこのゲームがどんな場所かたっぷり説明してからその日をおえた。
 翌日から時間を作って彼女はログインするようになった。

 頼りになるNPCにお世話になったと、僕の評判を広めてくれてるようだ。
 お陰様で僕はプレイヤーからすっかり高位AIを積んだNPCと思われるようになった。
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