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五章
早速やってしまいましたか?
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あれからリアルで一ケ月が経過しました。
私も茉莉さんもまだまだ余裕を見せていますが、絶賛過保護気味な旦那様に安静にと言われて少し鬱憤が溜まり始めました。
もう少し自由をくれてもいいのではないか? ボイスメッセでの話題は大体それに終始します。
そんな時です。ココットこと琴子ちゃんから改めてお誘いを受けたのは。
とりあえず第三陣として受け入れ態勢が整ったという事で私達二人は先にログインして後から孝さんと合流する形になりました。
早速やらかして怪しまれないようにヒューマンで行こうと事前に決めています。今回は料理でサポートが前提ですからね。
ゲンさんまで、とはいきませんがお外でランチを頂けるようにはしときたいですね。
茉莉さんは新しく解放されたジョブで行くそうです。私はどうしようかな?
それじゃあこれで……
全ての選択を終えて琴子ちゃんの待ってくれているいつもの酒場まで歩いていきます。途中茉莉さんと合流して雑談。
一緒に組合へ入っていきます。
なんだかんだと通い慣れた場所ですからね。少し雰囲気が違っているかもとは思いましたが、そんなこともなかったです。お、居ました。相変わらず頭の先から爪先まで真っ黒ですね。それよりも気になるのが種族です。お外はまだ明るいんですけど陽光(サン)のスリップダメージは平気なのでしょうか? 確か吸血鬼にとっての天敵ですよね? ですがそれを突っ込むのはおかしなことなので突っ込みません。何か考えがあるのでしょうし、その手のアイテムを手に入れたのでしょう。
「おまたせしました、ココットさん」
「おまたせ~。あたしが誰かわかるかなー?」
いつも通りに振る舞う私達に、ココットは本心を心の奥に蹴っ飛ばしてよそ行きの表情で対応してくれました。
ちょっと茉莉さん、横で笑いすぎですよ?
「いらっしゃいませお姉さま方。本日はようこそお越しくださいました」
「ご招待に参じました」
「ん、ご招待ありがとねー。妊婦って暇だねーってこの子とよく話してたのよ。だから丁度良かったとも言えるね。ナイスよココちゃん」
「あ、そうだ。こっちでは違う名で呼び合うのが礼儀でしたね。改めまして、ユミリアです」
「あたしはローズ。安直だけどバラって意味ね」
「ユミリア姉様にローズ姉様ですね。では私の事もそのままココット、もしくはココとお呼びください」
「もう、そんなかたっ苦しい挨拶要らないって。呼び捨てでいいよ」
「では、そのように」
「ココちゃん、敬語もやめようか?」
眼を見張るようにココットはこちらを見やり、俯きがちに言葉を濁した。
「よ、宜しいのですか?」
「宜しいのです。ゲームでは縦の付き合いではなく横のつながりが大事だと仰っていたではないですか。だからお姉さまではなくリア姉さんぐらいでお願いね」
「はい、わかりました。リア姉さん、ローズさん」
「宜しい。じゃあこれからの予定を考えようか。その前に……」
茉莉(ローズ)さんはその場でキョロキョロすると、店員さんを呼んでおススメメニューを人数分頼みました。やはりゲンさんの料理が忘れられなかったみたいですね。
注文を取りに来た店員さんは無防備にさらけ出されたローズさんの双丘をまじまじと見ながら心ここに在らずといった風に注文を受け取ってました。
もはやガン見でしたがローズさんの方が気にしてないので気づかれてないと思ってるんでしょうか? 女性はそういうのすぐわかるから気をつけた方がいいですよー。この子はわざと見せつけてるだけですから。
そして赤面しながら厨房へ戻っていきます。もうはっきり言って牛ですもんね。琴子ちゃんをちらりと覗くと胸を隠すようにして顔を赤くさせています。
その顔には比べるな! と、恥じらいの色が見て取れました。比べられるだけいいじゃないですか。私なんてぺったんこですよ? これから赤ちゃんの為のおっぱいが張るのにかけてます……なんて口が裂けても言えませんよ、ええ。
「にゃはは、あの子あたしの魅力にメロメロだったね」
「へー、そんなことやってていいのかなー? 後で旦那さんに言いつけてやろ。ゲームの中で浮気してましたって」
「ああ、ちょっと待って、リアルの話持ち出すのはなしだから!」
「えー……どうしよっかなー。ココちゃんはどう思う?」
「え、私の意見ですか? ローズさんは確かにお綺麗ですけど、もう少しガードを固めた方がいいと思いました。あれではまるで誘惑しているようにも取れますよ?」
「ですって、ローズさん?」
「んにゅぅ、ココちゃんは手厳しいな~」
「ふふ、そうこうしているうちに一品目が来たみたいですね。早速頂いてしまいましょう。ココちゃん、ここでのマナーで注意することはありますか?」
「一般的なテーブルマナーで大丈夫ですよ、姉さん。逆にマナーのなってない方が多いのでそれに眼を瞑る方が多いですね」
「まぁ、ですってローズさん」
「ん? なんふぁ言った?」
すでに食べてましたよ、この子……
なんてお行儀の悪い。いえ、知ってましたけど。
マナー以前の問題でした。
「ではココちゃん、私達も頂いてしまいましょうか」
「はい、姉さん」
茉莉(ローズ)さんの顔を見ながらくすくすと笑い、運ばれてくる食事を奪い合うようにしながら楽しい食事会を終えた私達は組合を出て買い物を済ませます。
組合登録は初めっからするもんじゃないのが今の常識のようです。
なんかこういうのは新鮮でいいですね。
「それじゃあ早速出かけましょう。その前に……はぐれないようにパーティ申請送っておきますのでOK押してくださいね」
「ええ」
「こっちはオッケー」
「確認しました。それでは参りましょう、こちらです」
先導するココットの背中を眺めながら私達も後を追う。
門番さんに挨拶を交わし、広がる大平原に感嘆の声をあげます。
「うわぁ、すごい」
「ほんとだねー。別ゲーじゃここまでマップにリアリティ求めないよ?」
「そこはやはりゲーム要素としてでしょうか?」
「わかんないけどMAPのうちの一つとして、序盤というのもあるけどひろーく作ってMOBは疎らにってのが定番だからね。ここみたいに草が一本一本風で靡かないし、風に乗って土や草の香りが届くって言うのはちょっとないね。五感フルダイブ型でも結構珍しい方かも。最近はリアル過ぎないやつに人気が集中する傾向だからね」
「へー、そうなんですね。ですってココちゃん。彼女はこう言ってますが、ココちゃんはどう思いますか?」
ちょっと大げさすぎないように驚いて、ローズさんが合いの手を入れていく。
ナイスフォローです。つい最近までやってたものですからうまくブランクを出すのが大変ですね。
「んー、そうだなぁ。姉さんも昔フルダイブ型VRMMOはやってたんだよね? その当時はどんな感じだったの? それと比べないとどこがどうすごいのか私にはわからないかも。だってここではこの環境が当たり前だったから」
すっかりと口調を崩したココットに問われ、可能な限り思い出して見ます。
鮮明に思い出せましたけどうまく思い出せない風に装いました。
なんせ10年も前ですからね。鮮明に覚えてる方がおかしいでしょうから。
「そうだね。よく覚えてないけどここまでじゃなかったと思う。最初の方は風が全身に当たって気持ちいい、とかお水の中に手を入れたら冷たくて気持ちいいとか、当たり前のことで感動してたなぁ。リアルでいつでも体験できるのに、おかしいですよね」
「そうですね。でもそれがゲームの中で同様にできるとなると話は違うのではないでしょうか?」
「ふむ。言われてみれば当時はそこに注目されてましたね。ココちゃん賢いです」
頭をなでなでしてあげます。
するとくすぐったそうにしながらも、抵抗はしないでちょっと嬉しそうでした。
話を戻しまして。
ここでビルド公開をして出来ることを再確認していきましょうか。
まず最初はココットから。言わずもがな今も【吸血姫】だそうです。このタイプは位階が上がっていくものだそうで、一番上まで来てしまったので、今はジョブのレベリングに終始しているようでした。
そしてローズさんは【猛獣使い】。MOBに言うことを聞かせて餌やりをしている間は一時的にパーティメンバーに参加させることができるという珍しいジョブ。
最近派生したものらしく、扱える人はそう多くないです。
人気は最近派生したばかりのテイマーに取って変わられてますね。こっちは小型MOBを永続的にこき使うジョブです。
そのかわり餌代が凄いらしく、人を選ぶとも言われて要るらしいですが、本人曰く「いい女は男もペットも取り替えるモノ」だなんて自慢してました。
メモを取っていると足元で泣きつかれましたが、最後まで書ききって懐にしまいます。慈悲はない。
そして私の番が回って来ました。
「それで姉さんはどんなのにしたの?」
「そうだよー、リアさんは何にしたのさ!」
興味津々のココットに、粗探ししてやろうと息巻くローズさん。
「んー、私はこれ見て面白そう! ってニュアンスで決めたのね。バトルコックっていうジョブで……」
「あっ……まぁ、うん。種族リセットは無料ですので、はい。今回がダメでもやり直しは効きますよ、うん」
「なんでしょう、ココちゃんのその言葉の濁し方。少々引っかかりますね」
「掲示板での評価は下から数えた方が早いやつだね。扱える人が居ないだけで弱くはないよ」
「ちょっと、ローズさん!」
「ははーん、成る程、そういう事ですね。ココちゃんの歯切れが悪い理由がわかりました。つまり万人受けはしない類だと?」
無言でしたがココットは肯定するように頷きました。分かりやすいですね。
まぁここはお姉さんに任せてくださいよ。
ジョブLV1で扱えるスキルは塩コショウとタコ糸ですか。確かにこれは厄介ですね。ですが……
《塩コショウ:肉の美味しさを引き出す》
・MPを1消費して下拵えをする。
・討伐前に対象へ使用する事で下拵えした肉がドロップする。
《タコ糸:魔法のタコ糸を生成》
・MPを消費してタコ糸を生成、糸の長さによって消費するMPが変わる。
・料理前に使用することによって肉の形を整える。
あらあら、これは良いですね。実に私向けと言えます。
私も茉莉さんもまだまだ余裕を見せていますが、絶賛過保護気味な旦那様に安静にと言われて少し鬱憤が溜まり始めました。
もう少し自由をくれてもいいのではないか? ボイスメッセでの話題は大体それに終始します。
そんな時です。ココットこと琴子ちゃんから改めてお誘いを受けたのは。
とりあえず第三陣として受け入れ態勢が整ったという事で私達二人は先にログインして後から孝さんと合流する形になりました。
早速やらかして怪しまれないようにヒューマンで行こうと事前に決めています。今回は料理でサポートが前提ですからね。
ゲンさんまで、とはいきませんがお外でランチを頂けるようにはしときたいですね。
茉莉さんは新しく解放されたジョブで行くそうです。私はどうしようかな?
それじゃあこれで……
全ての選択を終えて琴子ちゃんの待ってくれているいつもの酒場まで歩いていきます。途中茉莉さんと合流して雑談。
一緒に組合へ入っていきます。
なんだかんだと通い慣れた場所ですからね。少し雰囲気が違っているかもとは思いましたが、そんなこともなかったです。お、居ました。相変わらず頭の先から爪先まで真っ黒ですね。それよりも気になるのが種族です。お外はまだ明るいんですけど陽光(サン)のスリップダメージは平気なのでしょうか? 確か吸血鬼にとっての天敵ですよね? ですがそれを突っ込むのはおかしなことなので突っ込みません。何か考えがあるのでしょうし、その手のアイテムを手に入れたのでしょう。
「おまたせしました、ココットさん」
「おまたせ~。あたしが誰かわかるかなー?」
いつも通りに振る舞う私達に、ココットは本心を心の奥に蹴っ飛ばしてよそ行きの表情で対応してくれました。
ちょっと茉莉さん、横で笑いすぎですよ?
「いらっしゃいませお姉さま方。本日はようこそお越しくださいました」
「ご招待に参じました」
「ん、ご招待ありがとねー。妊婦って暇だねーってこの子とよく話してたのよ。だから丁度良かったとも言えるね。ナイスよココちゃん」
「あ、そうだ。こっちでは違う名で呼び合うのが礼儀でしたね。改めまして、ユミリアです」
「あたしはローズ。安直だけどバラって意味ね」
「ユミリア姉様にローズ姉様ですね。では私の事もそのままココット、もしくはココとお呼びください」
「もう、そんなかたっ苦しい挨拶要らないって。呼び捨てでいいよ」
「では、そのように」
「ココちゃん、敬語もやめようか?」
眼を見張るようにココットはこちらを見やり、俯きがちに言葉を濁した。
「よ、宜しいのですか?」
「宜しいのです。ゲームでは縦の付き合いではなく横のつながりが大事だと仰っていたではないですか。だからお姉さまではなくリア姉さんぐらいでお願いね」
「はい、わかりました。リア姉さん、ローズさん」
「宜しい。じゃあこれからの予定を考えようか。その前に……」
茉莉(ローズ)さんはその場でキョロキョロすると、店員さんを呼んでおススメメニューを人数分頼みました。やはりゲンさんの料理が忘れられなかったみたいですね。
注文を取りに来た店員さんは無防備にさらけ出されたローズさんの双丘をまじまじと見ながら心ここに在らずといった風に注文を受け取ってました。
もはやガン見でしたがローズさんの方が気にしてないので気づかれてないと思ってるんでしょうか? 女性はそういうのすぐわかるから気をつけた方がいいですよー。この子はわざと見せつけてるだけですから。
そして赤面しながら厨房へ戻っていきます。もうはっきり言って牛ですもんね。琴子ちゃんをちらりと覗くと胸を隠すようにして顔を赤くさせています。
その顔には比べるな! と、恥じらいの色が見て取れました。比べられるだけいいじゃないですか。私なんてぺったんこですよ? これから赤ちゃんの為のおっぱいが張るのにかけてます……なんて口が裂けても言えませんよ、ええ。
「にゃはは、あの子あたしの魅力にメロメロだったね」
「へー、そんなことやってていいのかなー? 後で旦那さんに言いつけてやろ。ゲームの中で浮気してましたって」
「ああ、ちょっと待って、リアルの話持ち出すのはなしだから!」
「えー……どうしよっかなー。ココちゃんはどう思う?」
「え、私の意見ですか? ローズさんは確かにお綺麗ですけど、もう少しガードを固めた方がいいと思いました。あれではまるで誘惑しているようにも取れますよ?」
「ですって、ローズさん?」
「んにゅぅ、ココちゃんは手厳しいな~」
「ふふ、そうこうしているうちに一品目が来たみたいですね。早速頂いてしまいましょう。ココちゃん、ここでのマナーで注意することはありますか?」
「一般的なテーブルマナーで大丈夫ですよ、姉さん。逆にマナーのなってない方が多いのでそれに眼を瞑る方が多いですね」
「まぁ、ですってローズさん」
「ん? なんふぁ言った?」
すでに食べてましたよ、この子……
なんてお行儀の悪い。いえ、知ってましたけど。
マナー以前の問題でした。
「ではココちゃん、私達も頂いてしまいましょうか」
「はい、姉さん」
茉莉(ローズ)さんの顔を見ながらくすくすと笑い、運ばれてくる食事を奪い合うようにしながら楽しい食事会を終えた私達は組合を出て買い物を済ませます。
組合登録は初めっからするもんじゃないのが今の常識のようです。
なんかこういうのは新鮮でいいですね。
「それじゃあ早速出かけましょう。その前に……はぐれないようにパーティ申請送っておきますのでOK押してくださいね」
「ええ」
「こっちはオッケー」
「確認しました。それでは参りましょう、こちらです」
先導するココットの背中を眺めながら私達も後を追う。
門番さんに挨拶を交わし、広がる大平原に感嘆の声をあげます。
「うわぁ、すごい」
「ほんとだねー。別ゲーじゃここまでマップにリアリティ求めないよ?」
「そこはやはりゲーム要素としてでしょうか?」
「わかんないけどMAPのうちの一つとして、序盤というのもあるけどひろーく作ってMOBは疎らにってのが定番だからね。ここみたいに草が一本一本風で靡かないし、風に乗って土や草の香りが届くって言うのはちょっとないね。五感フルダイブ型でも結構珍しい方かも。最近はリアル過ぎないやつに人気が集中する傾向だからね」
「へー、そうなんですね。ですってココちゃん。彼女はこう言ってますが、ココちゃんはどう思いますか?」
ちょっと大げさすぎないように驚いて、ローズさんが合いの手を入れていく。
ナイスフォローです。つい最近までやってたものですからうまくブランクを出すのが大変ですね。
「んー、そうだなぁ。姉さんも昔フルダイブ型VRMMOはやってたんだよね? その当時はどんな感じだったの? それと比べないとどこがどうすごいのか私にはわからないかも。だってここではこの環境が当たり前だったから」
すっかりと口調を崩したココットに問われ、可能な限り思い出して見ます。
鮮明に思い出せましたけどうまく思い出せない風に装いました。
なんせ10年も前ですからね。鮮明に覚えてる方がおかしいでしょうから。
「そうだね。よく覚えてないけどここまでじゃなかったと思う。最初の方は風が全身に当たって気持ちいい、とかお水の中に手を入れたら冷たくて気持ちいいとか、当たり前のことで感動してたなぁ。リアルでいつでも体験できるのに、おかしいですよね」
「そうですね。でもそれがゲームの中で同様にできるとなると話は違うのではないでしょうか?」
「ふむ。言われてみれば当時はそこに注目されてましたね。ココちゃん賢いです」
頭をなでなでしてあげます。
するとくすぐったそうにしながらも、抵抗はしないでちょっと嬉しそうでした。
話を戻しまして。
ここでビルド公開をして出来ることを再確認していきましょうか。
まず最初はココットから。言わずもがな今も【吸血姫】だそうです。このタイプは位階が上がっていくものだそうで、一番上まで来てしまったので、今はジョブのレベリングに終始しているようでした。
そしてローズさんは【猛獣使い】。MOBに言うことを聞かせて餌やりをしている間は一時的にパーティメンバーに参加させることができるという珍しいジョブ。
最近派生したものらしく、扱える人はそう多くないです。
人気は最近派生したばかりのテイマーに取って変わられてますね。こっちは小型MOBを永続的にこき使うジョブです。
そのかわり餌代が凄いらしく、人を選ぶとも言われて要るらしいですが、本人曰く「いい女は男もペットも取り替えるモノ」だなんて自慢してました。
メモを取っていると足元で泣きつかれましたが、最後まで書ききって懐にしまいます。慈悲はない。
そして私の番が回って来ました。
「それで姉さんはどんなのにしたの?」
「そうだよー、リアさんは何にしたのさ!」
興味津々のココットに、粗探ししてやろうと息巻くローズさん。
「んー、私はこれ見て面白そう! ってニュアンスで決めたのね。バトルコックっていうジョブで……」
「あっ……まぁ、うん。種族リセットは無料ですので、はい。今回がダメでもやり直しは効きますよ、うん」
「なんでしょう、ココちゃんのその言葉の濁し方。少々引っかかりますね」
「掲示板での評価は下から数えた方が早いやつだね。扱える人が居ないだけで弱くはないよ」
「ちょっと、ローズさん!」
「ははーん、成る程、そういう事ですね。ココちゃんの歯切れが悪い理由がわかりました。つまり万人受けはしない類だと?」
無言でしたがココットは肯定するように頷きました。分かりやすいですね。
まぁここはお姉さんに任せてくださいよ。
ジョブLV1で扱えるスキルは塩コショウとタコ糸ですか。確かにこれは厄介ですね。ですが……
《塩コショウ:肉の美味しさを引き出す》
・MPを1消費して下拵えをする。
・討伐前に対象へ使用する事で下拵えした肉がドロップする。
《タコ糸:魔法のタコ糸を生成》
・MPを消費してタコ糸を生成、糸の長さによって消費するMPが変わる。
・料理前に使用することによって肉の形を整える。
あらあら、これは良いですね。実に私向けと言えます。
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