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六章 体験! エルフの暮らし
エレメントツリー
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ジャキンガルに到着した俺達の目の前には、立方体の透明な板が浮き出ていた。
どうやらこれは全ての住民が持っているようで、それがどのような成長を遂げているかで優秀な人材かを見分ける特徴があるらしい。
なんとなくそう理解する。
「すっげぇ密林。ここで暮らすの? 今から不安なんだけど?」
俺が心からの感想を述べると下野夫妻が苦笑いを浮かべた。
ガイドが開幕不満を漏らして不安であると言いたげだ。
だって俺もここがどんなとこか知らないし。
そこへ、恐ろしいスピードでここへと迫る人影があった。
どうやら敵襲と勘違いさせてしまったらしい。
「なんだ、同胞か。驚かせるな」
息咳切って現れたのは美しいブロンドの髪を後ろに一つにまとめたエルフの狩人だった。
俺たちのツリーとは全く違う成長をしていて、赤く明滅している。
「ここへは初めてきたんです。以前こちらに寄った方から紹介されまして」
「む、異界の民か。彼らとは良き付き合いができている。歓迎しよう、人数はこれで全員か?」
「後から2、3人増えるかもですが今はこれだけです」
「要領を得んな。が、異界の者は謎が多い。深く聞くつもりはないが、あまり厄介ごとを持ち込まれては困るのでな。里には里のルールがある。一日一回の世界樹様のお祈りと畑の世話、簡単な肉体労働だ。それだけで人数分の食事と住む場所の世話をしよう。悪くない提案だろう?」
なるほど、こちらの人は狩人兼案内人なのか。
それで俺たちに住む場所を提供する代わりに働き手として里へ誘致する。上手い仕組みだと思う。
俺達はカレニェニーイルゥ、と非常に呼びづらい名前なので愛称をカレンとして交流を図る。
「アークにミレー、シーマにリンセスか。変わった名だな。だが覚えた。我が里は常に働き手を募集している。今日は案内に努めるが、翌日からは働いてもらうぞ?」
俺達は頷いた。
アークは俺。美玲さんからあっくんと呼ばれて以降そっちの偽名で通してる。本名はアキラだが、異世界では変わった名前らしい。
ミレーは美玲さん。
シーマは下野。
リンセスはプリンセスから来てるのだろうか? 姫路さんのよく使うゲーム用のアバター名らしい。
里は自然溢れる大樹の幹。
そこに石や木材を組み替えて家を作って人々に提供している。
その中にやたら立派な日本家屋が立ってるので、元々そっちの仕事の人がこっちにきているのかもしれない。
「あの屋敷が気になるか?」
まぁ屋敷だよな。他の家屋とは数百年くらい歴史に開きあるもん。
「あれは我らが里長の屋敷だ。異界の民であるダンカンの作でな。彼の手で作り上げられた家屋は我が里の誉。他にも調度品などの加工も営んでいる。仕事を任せるなら一番の腕だろう」
「機会があれば頼んでみます」
「それが良い」
「今日の案内で里長への面通しなどは予定にありますか?」
下野がいつものマッドな表情を隠して学生時代のような丁寧な対応でカレンさんに接している。
「特にはないが、なぜそう思った?」
「いえ、これからこの里で労働するわけではないですか。でしたら名前と顔くらい覚えておいてもらったほうがいいかな、と」
「ふむ、確かにそうだ。しかし里長も忙しい身でな。今日急いで面通しする必要もないだろう。それに日頃の行いはエレメントツリーに良く表れる。何かを企んでいればすぐにバレてしまうぞ?」
「そんな、滅相もない。ただ僕達は少し特殊な特技を持っていまして」
「特殊な特技? それも問題ない。エレメントツリーは統べてを表す。一日働いただけでその全てを見通すことはできんが、特色はよーくわかるものだ。戦いの技術を収めている者か、農業の知恵に詳しいものか、ダンカンのように建築技術に富むか。さて、お前達はどんなタイプか楽しみであるな?」
カレンさんの意味深な笑みが印象に残る。
どうやら俺たちはとんでもない環境に誘い込まれたのではないかと身構えた。
しかし里を案内されていくうちに、案外ここでの暮らしも悪くなさそうだという気分になる。
肉体労働と聞いて身構えたが、他の世界で冒険者やってるのなら意外となんとでもなりそうだ。
最後に住む場所に案内してもらい、その部屋の狭さに辟易とする。
正直にいえばキッチンもなければリビングもなく、室内にベッドが置かれていた。
キングサイズのベッドが二つ、少し距離が離れてる時点で気を遣ってくれたのだろう。
「次元門の設置はどうする?」
「もちろん取り掛かるさ。うちの子も磯貝君のお母さんにお世話してもらうからね?」
お前、人んちのかーちゃんを便利に使い過ぎでは?
うちはほら、内孫だからそりゃべったり可愛がれるけど、お前他人だからな?
下野は俺の愚痴をガンスルーして取り出したスクロールを壁に貼り付け、特大の魔結晶を取り付けた。
取り付けた段階では魔結晶は暗く、薄ぼんやりとした照明代わりだ。
これでもマナ1000はあるが1000/100万なのでお察しだ。
これを毎回溜めるとか正気の沙汰ではないが、向こうは一般生活苦だからな。誰でも通れたら困るわけだ。
「そりゃかーちゃんは喜ぶかもだけど、ちったぁ実家に連れてくとかしとけば?」
「うちの両親はクミン住みだから。ケモミミに焦がれすぎて自らそれを手にした変態だよ?」
「血は争えないくせに。逆に私のところは生粋のシーカーの家系なのよ。私だけが才能なくて居場所がなかったわ。だからトモ君のところに押しかけてきたのだけど。そんな危険な場所に連れてくなんてとてもとても」
「じゃあ非戦闘員で未だに自宅済みなのってウチぐらいなのか?」
「多分だけど、ほとんどがクラセリアから離れて暮らしてると思うよ? かなの実家はヴィオス住みでケモナーだし」
それ結婚式の時に聞いた。
当時見た時正気か? と思ったし。
「うわぁ」
「それ以前にせっかく長寿になったんだからと青春を謳歌してる人が多くて。私たちみたいに子供産んで家庭を築くって発想に至らないのよ。こういう考えは旧時代的って嫌われてるらしいわ」
「まだエルフになって浅い奴らが何抜かしてんだ?」
「未だに人間に引っ張られ続ける人達を旧人類呼びしてるのよ。深く考えるだけ無駄だわ」
確かに姫路さんのいうことももっともだ。
人は環境に適応していくうち、いらない情報を忘れる事で自己進化するのだそうだ。ただの思い込みじゃないのか、それ?
と思いつつ、カーテン一枚越しの夜の営みの音は、大いにご近所迷惑になっていた。
早朝迎えにきたカレンさんの表情が今までにみたことないくらい引き攣っていたので、次からはこっそりといちゃつこうと心に決める。
久しぶりの逢瀬だったのでハッスルしすぎてしまったのだ。
下野に至っては素知らぬ顔でやり過ごしている。
なんなら俺が犯人と言わんばかりの顔で被害者ヅラをしていた。
こいつぅ。
後で覚えてろよ?
───────────────
❗️ エレメントツリーが成長した
───────────────
アーク:エルフ♂
タイプ:ーーー
属 性:ーーー
妖 精:ーーー
精 霊:ーーー
┏放射
耐久━╋???
┃ ┗???
┣忍耐
┗???
───────────────
あと、なんで耐久が基盤になってるんですかねぇ。
まるでわからんぞ?
どうやらこれは全ての住民が持っているようで、それがどのような成長を遂げているかで優秀な人材かを見分ける特徴があるらしい。
なんとなくそう理解する。
「すっげぇ密林。ここで暮らすの? 今から不安なんだけど?」
俺が心からの感想を述べると下野夫妻が苦笑いを浮かべた。
ガイドが開幕不満を漏らして不安であると言いたげだ。
だって俺もここがどんなとこか知らないし。
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どうやら敵襲と勘違いさせてしまったらしい。
「なんだ、同胞か。驚かせるな」
息咳切って現れたのは美しいブロンドの髪を後ろに一つにまとめたエルフの狩人だった。
俺たちのツリーとは全く違う成長をしていて、赤く明滅している。
「ここへは初めてきたんです。以前こちらに寄った方から紹介されまして」
「む、異界の民か。彼らとは良き付き合いができている。歓迎しよう、人数はこれで全員か?」
「後から2、3人増えるかもですが今はこれだけです」
「要領を得んな。が、異界の者は謎が多い。深く聞くつもりはないが、あまり厄介ごとを持ち込まれては困るのでな。里には里のルールがある。一日一回の世界樹様のお祈りと畑の世話、簡単な肉体労働だ。それだけで人数分の食事と住む場所の世話をしよう。悪くない提案だろう?」
なるほど、こちらの人は狩人兼案内人なのか。
それで俺たちに住む場所を提供する代わりに働き手として里へ誘致する。上手い仕組みだと思う。
俺達はカレニェニーイルゥ、と非常に呼びづらい名前なので愛称をカレンとして交流を図る。
「アークにミレー、シーマにリンセスか。変わった名だな。だが覚えた。我が里は常に働き手を募集している。今日は案内に努めるが、翌日からは働いてもらうぞ?」
俺達は頷いた。
アークは俺。美玲さんからあっくんと呼ばれて以降そっちの偽名で通してる。本名はアキラだが、異世界では変わった名前らしい。
ミレーは美玲さん。
シーマは下野。
リンセスはプリンセスから来てるのだろうか? 姫路さんのよく使うゲーム用のアバター名らしい。
里は自然溢れる大樹の幹。
そこに石や木材を組み替えて家を作って人々に提供している。
その中にやたら立派な日本家屋が立ってるので、元々そっちの仕事の人がこっちにきているのかもしれない。
「あの屋敷が気になるか?」
まぁ屋敷だよな。他の家屋とは数百年くらい歴史に開きあるもん。
「あれは我らが里長の屋敷だ。異界の民であるダンカンの作でな。彼の手で作り上げられた家屋は我が里の誉。他にも調度品などの加工も営んでいる。仕事を任せるなら一番の腕だろう」
「機会があれば頼んでみます」
「それが良い」
「今日の案内で里長への面通しなどは予定にありますか?」
下野がいつものマッドな表情を隠して学生時代のような丁寧な対応でカレンさんに接している。
「特にはないが、なぜそう思った?」
「いえ、これからこの里で労働するわけではないですか。でしたら名前と顔くらい覚えておいてもらったほうがいいかな、と」
「ふむ、確かにそうだ。しかし里長も忙しい身でな。今日急いで面通しする必要もないだろう。それに日頃の行いはエレメントツリーに良く表れる。何かを企んでいればすぐにバレてしまうぞ?」
「そんな、滅相もない。ただ僕達は少し特殊な特技を持っていまして」
「特殊な特技? それも問題ない。エレメントツリーは統べてを表す。一日働いただけでその全てを見通すことはできんが、特色はよーくわかるものだ。戦いの技術を収めている者か、農業の知恵に詳しいものか、ダンカンのように建築技術に富むか。さて、お前達はどんなタイプか楽しみであるな?」
カレンさんの意味深な笑みが印象に残る。
どうやら俺たちはとんでもない環境に誘い込まれたのではないかと身構えた。
しかし里を案内されていくうちに、案外ここでの暮らしも悪くなさそうだという気分になる。
肉体労働と聞いて身構えたが、他の世界で冒険者やってるのなら意外となんとでもなりそうだ。
最後に住む場所に案内してもらい、その部屋の狭さに辟易とする。
正直にいえばキッチンもなければリビングもなく、室内にベッドが置かれていた。
キングサイズのベッドが二つ、少し距離が離れてる時点で気を遣ってくれたのだろう。
「次元門の設置はどうする?」
「もちろん取り掛かるさ。うちの子も磯貝君のお母さんにお世話してもらうからね?」
お前、人んちのかーちゃんを便利に使い過ぎでは?
うちはほら、内孫だからそりゃべったり可愛がれるけど、お前他人だからな?
下野は俺の愚痴をガンスルーして取り出したスクロールを壁に貼り付け、特大の魔結晶を取り付けた。
取り付けた段階では魔結晶は暗く、薄ぼんやりとした照明代わりだ。
これでもマナ1000はあるが1000/100万なのでお察しだ。
これを毎回溜めるとか正気の沙汰ではないが、向こうは一般生活苦だからな。誰でも通れたら困るわけだ。
「そりゃかーちゃんは喜ぶかもだけど、ちったぁ実家に連れてくとかしとけば?」
「うちの両親はクミン住みだから。ケモミミに焦がれすぎて自らそれを手にした変態だよ?」
「血は争えないくせに。逆に私のところは生粋のシーカーの家系なのよ。私だけが才能なくて居場所がなかったわ。だからトモ君のところに押しかけてきたのだけど。そんな危険な場所に連れてくなんてとてもとても」
「じゃあ非戦闘員で未だに自宅済みなのってウチぐらいなのか?」
「多分だけど、ほとんどがクラセリアから離れて暮らしてると思うよ? かなの実家はヴィオス住みでケモナーだし」
それ結婚式の時に聞いた。
当時見た時正気か? と思ったし。
「うわぁ」
「それ以前にせっかく長寿になったんだからと青春を謳歌してる人が多くて。私たちみたいに子供産んで家庭を築くって発想に至らないのよ。こういう考えは旧時代的って嫌われてるらしいわ」
「まだエルフになって浅い奴らが何抜かしてんだ?」
「未だに人間に引っ張られ続ける人達を旧人類呼びしてるのよ。深く考えるだけ無駄だわ」
確かに姫路さんのいうことももっともだ。
人は環境に適応していくうち、いらない情報を忘れる事で自己進化するのだそうだ。ただの思い込みじゃないのか、それ?
と思いつつ、カーテン一枚越しの夜の営みの音は、大いにご近所迷惑になっていた。
早朝迎えにきたカレンさんの表情が今までにみたことないくらい引き攣っていたので、次からはこっそりといちゃつこうと心に決める。
久しぶりの逢瀬だったのでハッスルしすぎてしまったのだ。
下野に至っては素知らぬ顔でやり過ごしている。
なんなら俺が犯人と言わんばかりの顔で被害者ヅラをしていた。
こいつぅ。
後で覚えてろよ?
───────────────
❗️ エレメントツリーが成長した
───────────────
アーク:エルフ♂
タイプ:ーーー
属 性:ーーー
妖 精:ーーー
精 霊:ーーー
┏放射
耐久━╋???
┃ ┗???
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───────────────
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