50 / 94
【スバル編】南西国家の忌み子
続・酒乱令嬢ヨルダ=ヒュージモーデン(in藤本要)
しおりを挟む
「まさか、貴方様からお誘いいただけるなんて、思いもしてませんでしたわ」
「私が誘ってはダメだったかい?」
社交パーティの翌日。
オメガから改めて感謝の手紙をもらったヨルダは、埋め合わせとして次のパーティ用に持参するワインをいくつか見繕うのに付き合ってほしいという旨の提案をもらった。
答えは簡潔にイエス。
酒飲みが断るはずがない。
どこでヨルダがワイン好きと知ったのか疑心暗鬼になっているが、パーティ会場であんな大太刀周りをした時点でワインに対して一家言あるのは誰の目で見ても明らかだ。
なんならワイン通だと全員に言いふらした様なものである。
だと言うのに自分はてんで素人と振る舞ったところで誰も信じないだろう。
だとしても貴族のご令嬢が婚約者でもない男と一緒に街を練り歩くと言うのはそれはそれで問題である。
「こんなふうに一緒に歩いて。婚約者様に誤解されませんかしら?」
「あいにくと、私は婚約者に恵まれずにおりますよ」
「あら、オメガ様ほど将来有望な方もいませんでしょうに」
「きっと望みが高すぎるんでしょうね、王宮魔導士としての地位を築く上で、嫁にも相応の魔力量を求めてしまうのです。世継ぎも立派な魔導士になっていただきたいと言う願いからですね」
「それでまだお相手がいませんのね」
「ええ。ヨルダ様がよろしければとも思っていますが?」
気がつけば、びっくりするほど近くにオメガの顔があった。
ヒエッ。
流石のヨルダもこれには乙女な反応を示してしまう。
「悪ふざけはおやめくださいまし」
「ふふ、やっぱり君は一筋縄ではいかないね。でもすぐにその神秘のヴェールを脱がしてあげよう」
本気でドン引きしているヨルダに、一歩も引かないオメガ。
顔がいいだけに、さっきからヨルダの心臓はバクバクだ。
いちいち歯に絹かけた物言いが気に食わないと思いながらも、ヨルダの好みを把握した上でワインセラーを兼ね備えた大型商会に誘ってくれるのは純粋に嬉しくもある。
けど、それはそれ。
色恋に発展させる気は全く持ってないヨルダであった。
そもそも、貴族としてこの場所に骨を埋めるつもりは全くない。
ちょっとワインを楽しんで、それから洋一を見つけ出しておさらばするつもりなのだ。
その間のひと時を邪魔する相手にいい様にされるヨルダではなかった。
「さて、ここだ」
「お待ちしておりました、オメガ様。して、そちらのお連れ様は?」
「私の親友だ。飛び入りで悪いけど彼女の入店も認めてもらえるかな?」
わかっちゃいたけど、やっぱ入場制限の店だよなー。
ヨルダは入場制限の厳しさに頷くばかりである。
ワインとは繊細なものなのだ。
そんな場所に香水がっつり、何を食べたか解らない口臭をプンプンさせて入ろうもんなら、芸術品クラスまで気を遣って仕上げた一品がパアになる。
そんじょそこらの令嬢と一緒にされるのはヨルダとて不服に思うが、基準をパスしてないと判断されては仕方のないことでもあった。
「いいえ、それは認められません」
「僕の認めたワイン通だとしても?」
「オメガ様の実力はご理解してますが、それはあくまでもオメガ様だからでございます。お連れ様がこの店の基準を満たしているかどうかまでは……」
「ならそうだね、テストをしてみてはいかがだろうか?」
「テストでございますの?」
なんのテストだ?
飲み比べなら得意分野だぞ。
ちょっと自信ありげにヨルダ。
しかしオメガは趣向を凝らして全く違うタイプのテストを提案する。
「臭いだけで、どの地域、葡萄の種類、銘柄を当てろですか?」
「君くらいのワイン通ならそれくらいはやってのけると思ってね。どうだい?」
「それで認めてもらえるんでしたら……」
そんな乗り気の二人に対し、オーナーはそんな真似は相当ワインに精通してる方でも難しいですよと言った。
「大丈夫さ、彼女なら目隠しアリでもパスすると思うけどね。それでどうかな?」
ワインは注ぐ際に布で覆うことで銘柄を隠す。
瓶の形でも名産地を見抜く猛者もいるが、それを防ぐ意味合いも兼ねている。そして徹底しての目隠しだ。
これでパスしてみせるのなら認めてやろうじゃないかとオーナーも引き受けた。
「なんだかドキドキしますね」
「臭いだけは心配かい?」
精霊が見えても、臭いだけで産地を当てるのは至難の業だろう。
それにここはワインセラー。
コルクに染み出したあらゆるワインの香りが入り乱れる場所。
そんな場所での匂い当てなど、無理難題にも程がある。
「お待たせしました、オメガ様、お連れ様」
「では、早速やってみようか」
ダメもとで、ワンチャン行けたらラッキーくらいでのチャレンジだ。
「あら? このフレーバーは……これは覚えがありますわ。北東のアヴェンジスの山深い場所にあるリンザス村のスパークリングワイン特有の芳香ですわ。確かブドウは白。そして銘柄は……ピンクゴールド」
「お見事にございます! まさか香りだけで全ての項目を的中させるとは! 本当は二人で結託して私目を騙しているんじゃないですか?」
オーナーは絶賛だ。
「いいえ、昨日お手紙をいただき、今日顔を合わせたばかりでしてよ。このワインはお父様から教えていただいたお気に入りの一品ですの」
「その年齢でワインに興味をお持ちとは、ますます興味深い。いやぁ、さすがはオメガ様のお連れ様だ。このガスパー、まだまだ人を見る目が養えていないことを恥ずかしく思います」
「仕方ないことさ、入学して間もない学生がワイン通だなんて誰も思わないでしょ?」
本当にな。
中身が三十オーバーのオバハンだからこその蘊蓄があってこそ成り立つ。
自分のことながら、やっぱりこの見た目で酒好きは無理があるかーと腕を組んでウンウンと唸るヨルダであった。
そんなわけで見事セラーないに入場する二人。
早速ワインを物色するヨルダを壁側に通せんぼするように。オメガが壁に手をついた。
そう、壁ドンである。
「な、なな。何をしますの?」
「ワインを真剣に選ぶ君も可愛いなと思って」
「冗談はおやめになって。ほら、パーティに持参する一本を選ぶんでしょう?」
そそくさとオメガから距離を取るヨルダ。
しかし逃がさないぞと後ろ手を掴み取る。
「それは君を誘い出す口実だと言ったら?」
「はぁ?」
ちょっとだけ、ヨルダの剣呑な気配が顔を覗かせた。
オメガは両手をあげて降参のポーズをとった。
「悪いね、私の周囲は何かと監視の目がある。それは君もだ」
「一体なんのお話?」
「気づいてなかったか。社交パーティで君が大立ちまわりをしてから、君や私はとある一派から狙われているよ。寝首を欠くほどではないが、どうもとある人物の前に行かせないように行き先の誘導を仕掛けられている。妙に道路工事の看板を見かけなかったりしなかったかい?」
「あ」
ヨルダには思い当たる節があった。
そして、そんな真似をする相手も。
「アソビィ様が?」
「間違いなく。一度君に邪魔されたのをいまだに根に持ってるようだ。あの人にとっての平民いじめは有名だからね。今回はあの聖女様に白羽の矢が立ったわけだ」
「カクティ様が危ないわ!」
「ダメだ、行っては! 君も巻き添えをくらぞ?」
「だからと放っては置けません!」
ヨルダはオメガの手を振り解いて、その手の中にあとで部屋に送ってくれと5本ほど選び抜いたワインを置いた。
あえて訪問するチャンスを手渡した形である。
今回こんな目に合わせた手前、もう顔も見るのも危険だが、今はそれどころじゃない。
「せっかく飲酒を見て見ぬ振りしてくれるルームメイトを見つけたんだ! ここで潰されてたまるか!」
なんと、ここで友情を見せるかと思ったヨルダだったが、相変わらずの酒カス具合を見せてるだけだった。
だめだこいつ、早くなんとかしないと!
「私が誘ってはダメだったかい?」
社交パーティの翌日。
オメガから改めて感謝の手紙をもらったヨルダは、埋め合わせとして次のパーティ用に持参するワインをいくつか見繕うのに付き合ってほしいという旨の提案をもらった。
答えは簡潔にイエス。
酒飲みが断るはずがない。
どこでヨルダがワイン好きと知ったのか疑心暗鬼になっているが、パーティ会場であんな大太刀周りをした時点でワインに対して一家言あるのは誰の目で見ても明らかだ。
なんならワイン通だと全員に言いふらした様なものである。
だと言うのに自分はてんで素人と振る舞ったところで誰も信じないだろう。
だとしても貴族のご令嬢が婚約者でもない男と一緒に街を練り歩くと言うのはそれはそれで問題である。
「こんなふうに一緒に歩いて。婚約者様に誤解されませんかしら?」
「あいにくと、私は婚約者に恵まれずにおりますよ」
「あら、オメガ様ほど将来有望な方もいませんでしょうに」
「きっと望みが高すぎるんでしょうね、王宮魔導士としての地位を築く上で、嫁にも相応の魔力量を求めてしまうのです。世継ぎも立派な魔導士になっていただきたいと言う願いからですね」
「それでまだお相手がいませんのね」
「ええ。ヨルダ様がよろしければとも思っていますが?」
気がつけば、びっくりするほど近くにオメガの顔があった。
ヒエッ。
流石のヨルダもこれには乙女な反応を示してしまう。
「悪ふざけはおやめくださいまし」
「ふふ、やっぱり君は一筋縄ではいかないね。でもすぐにその神秘のヴェールを脱がしてあげよう」
本気でドン引きしているヨルダに、一歩も引かないオメガ。
顔がいいだけに、さっきからヨルダの心臓はバクバクだ。
いちいち歯に絹かけた物言いが気に食わないと思いながらも、ヨルダの好みを把握した上でワインセラーを兼ね備えた大型商会に誘ってくれるのは純粋に嬉しくもある。
けど、それはそれ。
色恋に発展させる気は全く持ってないヨルダであった。
そもそも、貴族としてこの場所に骨を埋めるつもりは全くない。
ちょっとワインを楽しんで、それから洋一を見つけ出しておさらばするつもりなのだ。
その間のひと時を邪魔する相手にいい様にされるヨルダではなかった。
「さて、ここだ」
「お待ちしておりました、オメガ様。して、そちらのお連れ様は?」
「私の親友だ。飛び入りで悪いけど彼女の入店も認めてもらえるかな?」
わかっちゃいたけど、やっぱ入場制限の店だよなー。
ヨルダは入場制限の厳しさに頷くばかりである。
ワインとは繊細なものなのだ。
そんな場所に香水がっつり、何を食べたか解らない口臭をプンプンさせて入ろうもんなら、芸術品クラスまで気を遣って仕上げた一品がパアになる。
そんじょそこらの令嬢と一緒にされるのはヨルダとて不服に思うが、基準をパスしてないと判断されては仕方のないことでもあった。
「いいえ、それは認められません」
「僕の認めたワイン通だとしても?」
「オメガ様の実力はご理解してますが、それはあくまでもオメガ様だからでございます。お連れ様がこの店の基準を満たしているかどうかまでは……」
「ならそうだね、テストをしてみてはいかがだろうか?」
「テストでございますの?」
なんのテストだ?
飲み比べなら得意分野だぞ。
ちょっと自信ありげにヨルダ。
しかしオメガは趣向を凝らして全く違うタイプのテストを提案する。
「臭いだけで、どの地域、葡萄の種類、銘柄を当てろですか?」
「君くらいのワイン通ならそれくらいはやってのけると思ってね。どうだい?」
「それで認めてもらえるんでしたら……」
そんな乗り気の二人に対し、オーナーはそんな真似は相当ワインに精通してる方でも難しいですよと言った。
「大丈夫さ、彼女なら目隠しアリでもパスすると思うけどね。それでどうかな?」
ワインは注ぐ際に布で覆うことで銘柄を隠す。
瓶の形でも名産地を見抜く猛者もいるが、それを防ぐ意味合いも兼ねている。そして徹底しての目隠しだ。
これでパスしてみせるのなら認めてやろうじゃないかとオーナーも引き受けた。
「なんだかドキドキしますね」
「臭いだけは心配かい?」
精霊が見えても、臭いだけで産地を当てるのは至難の業だろう。
それにここはワインセラー。
コルクに染み出したあらゆるワインの香りが入り乱れる場所。
そんな場所での匂い当てなど、無理難題にも程がある。
「お待たせしました、オメガ様、お連れ様」
「では、早速やってみようか」
ダメもとで、ワンチャン行けたらラッキーくらいでのチャレンジだ。
「あら? このフレーバーは……これは覚えがありますわ。北東のアヴェンジスの山深い場所にあるリンザス村のスパークリングワイン特有の芳香ですわ。確かブドウは白。そして銘柄は……ピンクゴールド」
「お見事にございます! まさか香りだけで全ての項目を的中させるとは! 本当は二人で結託して私目を騙しているんじゃないですか?」
オーナーは絶賛だ。
「いいえ、昨日お手紙をいただき、今日顔を合わせたばかりでしてよ。このワインはお父様から教えていただいたお気に入りの一品ですの」
「その年齢でワインに興味をお持ちとは、ますます興味深い。いやぁ、さすがはオメガ様のお連れ様だ。このガスパー、まだまだ人を見る目が養えていないことを恥ずかしく思います」
「仕方ないことさ、入学して間もない学生がワイン通だなんて誰も思わないでしょ?」
本当にな。
中身が三十オーバーのオバハンだからこその蘊蓄があってこそ成り立つ。
自分のことながら、やっぱりこの見た目で酒好きは無理があるかーと腕を組んでウンウンと唸るヨルダであった。
そんなわけで見事セラーないに入場する二人。
早速ワインを物色するヨルダを壁側に通せんぼするように。オメガが壁に手をついた。
そう、壁ドンである。
「な、なな。何をしますの?」
「ワインを真剣に選ぶ君も可愛いなと思って」
「冗談はおやめになって。ほら、パーティに持参する一本を選ぶんでしょう?」
そそくさとオメガから距離を取るヨルダ。
しかし逃がさないぞと後ろ手を掴み取る。
「それは君を誘い出す口実だと言ったら?」
「はぁ?」
ちょっとだけ、ヨルダの剣呑な気配が顔を覗かせた。
オメガは両手をあげて降参のポーズをとった。
「悪いね、私の周囲は何かと監視の目がある。それは君もだ」
「一体なんのお話?」
「気づいてなかったか。社交パーティで君が大立ちまわりをしてから、君や私はとある一派から狙われているよ。寝首を欠くほどではないが、どうもとある人物の前に行かせないように行き先の誘導を仕掛けられている。妙に道路工事の看板を見かけなかったりしなかったかい?」
「あ」
ヨルダには思い当たる節があった。
そして、そんな真似をする相手も。
「アソビィ様が?」
「間違いなく。一度君に邪魔されたのをいまだに根に持ってるようだ。あの人にとっての平民いじめは有名だからね。今回はあの聖女様に白羽の矢が立ったわけだ」
「カクティ様が危ないわ!」
「ダメだ、行っては! 君も巻き添えをくらぞ?」
「だからと放っては置けません!」
ヨルダはオメガの手を振り解いて、その手の中にあとで部屋に送ってくれと5本ほど選び抜いたワインを置いた。
あえて訪問するチャンスを手渡した形である。
今回こんな目に合わせた手前、もう顔も見るのも危険だが、今はそれどころじゃない。
「せっかく飲酒を見て見ぬ振りしてくれるルームメイトを見つけたんだ! ここで潰されてたまるか!」
なんと、ここで友情を見せるかと思ったヨルダだったが、相変わらずの酒カス具合を見せてるだけだった。
だめだこいつ、早くなんとかしないと!
173
お気に入りに追加
919
あなたにおすすめの小説

帰って来た勇者、現代の世界を引っ掻きまわす
黄昏人
ファンタジー
ハヤトは15歳、中学3年生の時に異世界に召喚され、7年の苦労の後、22歳にて魔族と魔王を滅ぼして日本に帰還した。帰還の際には、莫大な財宝を持たされ、さらに身につけた魔法を始めとする能力も保持できたが、マナの濃度の低い地球における能力は限定的なものであった。しかし、それでも圧倒的な体力と戦闘能力、限定的とは言え魔法能力は現代日本を、いや世界を大きく動かすのであった。
4年前に書いたものをリライトして載せてみます。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?
歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。
それから数十年が経ち、気づけば38歳。
のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。
しかしーー
「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」
突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。
これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。
※書籍化のため更新をストップします。
異世界でぺったんこさん!〜無限収納5段階活用で無双する〜
KeyBow
ファンタジー
間もなく50歳になる銀行マンのおっさんは、高校生達の異世界召喚に巻き込まれた。
何故か若返り、他の召喚者と同じ高校生位の年齢になっていた。
召喚したのは、魔王を討ち滅ぼす為だと伝えられる。自分で2つのスキルを選ぶ事が出来ると言われ、おっさんが選んだのは無限収納と飛翔!
しかし召喚した者達はスキルを制御する為の装飾品と偽り、隷属の首輪を装着しようとしていた・・・
いち早くその嘘に気が付いたおっさんが1人の少女を連れて逃亡を図る。
その後おっさんは無限収納の5段階活用で無双する!・・・はずだ。
上空に飛び、そこから大きな岩を落として押しつぶす。やがて救った少女は口癖のように言う。
またぺったんこですか?・・・

転生令嬢の食いしん坊万罪!
ねこたま本店
ファンタジー
訳も分からないまま命を落とし、訳の分からない神様の手によって、別の世界の公爵令嬢・プリムローズとして転生した、美味しい物好きな元ヤンアラサー女は、自分に無関心なバカ父が後妻に迎えた、典型的なシンデレラ系継母と、我が儘で性格の悪い妹にイビられたり、事故物件王太子の中継ぎ婚約者にされたりつつも、しぶとく図太く生きていた。
そんなある日、プリムローズは王侯貴族の子女が6~10歳の間に受ける『スキル鑑定の儀』の際、邪悪とされる大罪系スキルの所有者であると判定されてしまう。
プリムローズはその日のうちに、同じ判定を受けた唯一の友人、美少女と見まごうばかりの気弱な第二王子・リトス共々捕えられた挙句、国境近くの山中に捨てられてしまうのだった。
しかし、中身が元ヤンアラサー女の図太い少女は諦めない。
プリムローズは時に気弱な友の手を引き、時に引いたその手を勢い余ってブン回しながらも、邪悪と断じられたスキルを駆使して生き残りを図っていく。
これは、図太くて口の悪い、ちょっと(?)食いしん坊な転生令嬢が、自分なりの幸せを自分の力で掴み取るまでの物語。
こちらの作品は、2023年12月28日から、カクヨム様でも掲載を開始しました。
今後、カクヨム様掲載用にほんのちょっとだけ内容を手直しし、1話ごとの文章量を増やす事でトータルの話数を減らした改訂版を、1日に2回のペースで投稿していく予定です。多量の加筆修正はしておりませんが、もしよろしければ、カクヨム版の方もご笑覧下さい。
※作者が適当にでっち上げた、完全ご都合主義的世界です。細かいツッコミはご遠慮頂ければ幸いです。もし、目に余るような誤字脱字を発見された際には、コメント欄などで優しく教えてやって下さい。
※検討の結果、「ざまぁ要素あり」タグを追加しました。

惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる