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【ルディ編】騎士見習いの少女
揚げ物談義
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実家からの手配書が引き下げられていることも知らず、ヨルダはすっかり洋一の弟子としての暮らしを満喫していた。
「見て見て~師匠! 柵! 作った!」
「今日もヨルダは元気いっぱいだな」
「それがオレの取り柄だかんな!」
褒められたものではない。
が、終始暗い顔をされているよりはマシであった。
「家屋の方はまだ掛かりそうか?」
「村長の家を見学させてもらってるところ。やっぱさ、実際に家を見るのが早いんだって気づいたんだよね。そんで見れば見るほど知識がなんも足りないことに気づくんだよ。そして行き着いた。床の存在。これ、地面の上に直接木の板引いてるだけじゃねぇんだよな」
「そこに気づくとは、成長したな」
「で、床の下に基礎のようなものを発見した。それを完璧に理解するまでちょっと待ってほしい」
「そうだな、全て納得した上で作ったらいい。それまで何日でも野宿は可能だ!」
「へへ、さすが師匠だぜ」
いまの今まで野宿だったのだ。今更屋根のある場所でないと不便だなんていうわけもない。
鼻の下を人差し指で拭う姿は、どう見ても少年のそれだ。
実家でどれほど窮屈な生活をしていたのか、今はその時の鬱憤を晴らすように快活だ。
「お師匠様、コッコのお世話終りました。明日から僕も世話人として受け入れてもらえそうです」
「おお、良かったなぁ」
ルディは生まれながらに動物に囲まれて育ったせいか、朧げながらに動物との意思疎通ができるようだった。
その特技のおかげで、騎士団でも馬の世話を任されていたらしく、ルディがいなくなった今、どうやって馬の機嫌を取ればいいのかわからなくなってる頃だとすごくいい顔で語っていた。
ヨルダと同じく、あの部隊には相当鬱憤が溜まっていたらしい。この自然な環境で、少しは気分も良くなればいいのだが。
洋一はまるで父親になったかのような心地で、2人の弟子の成長を見守った。
「卵は定期的にもらえると俺も嬉しいし、飯も豪華になるからな」
「それは是非とも頑張りがいがありますね」
「うまい飯は仕事の活力源になるからな。俺は周辺の獣の間引きでもしますかね」
「でも、中には食べれない肉もありますよね?」
ルディは食材調達で何度もハズレを引いてきたのだろう。
あの先輩たちは食えるかどうかで狩猟を判別しなさそうだな、と洋一は考える。
しかし、陽一に限ってその心配は杞憂である。
「問題ない。俺は過去にゴーストやゴーレムもハンバーグにして食った男だ」
「すごい! と喜んでいいのか迷う解答きた」
ルディは素直に喜べる年齢ではなくなったようだ。
「へぇ、どんな味すんの?」
対照的にヨルダは興味津々に洋一に尋ねた。
年齢的には一緒でも、純真さは別物だ。
無論、ルディがそうなってしまった背景には心当たりがありすぎる洋一である。
「ゴーストは薄味だった。煮ても焼いても味気なくてな、本当に困り果てたよ」
「そりゃ、ゴーストですもん」
「だが、一つだけうまく食う方法があった」
「どんなの?」
「天ぷらだ」
「ルディ、聞いたことある?」
ヨルダは一般市民の出であるルディに耳にしたことがあるか尋ねる。
しかし欲しい答えは返ってこず、首を横に振るだけだった。
「原理は単純で、卵に冷水を加え、そこに小麦を混ぜて衣を作る。衣に素材を潜らせて油でさっと揚げれば完成だ」
「揚げる、フライ?」
フライという技術はやはりあったか。
しかし天ぷらというレシピに心当たりはないのか、二人は首を傾げている。
「それなら聞いたことあります。ポティなんかを揚げたの食べたことありますよ。素朴な味が後を引くんですよね」
「へぇ」
一般市民代表のルディの蘊蓄に、上級国民代表のヨルダは感嘆の声を上げる。
「今度油をもう一度使えるようになったら作ってみようか。まぁ、ゴーストの仕入れ次第になるが、それまではお預けだな」
「もー、そんな冗談真に受けませんからね?」
洋一の話はルディには冗談だと受け取られてしまっていた。
「でもさ、師匠の料理って全然聞いたことないものいっぱいあるじゃん? ゴーストの天ぷら? だって本当かもしれないぞ」
ヨルダのみが洋一の話を信じきっている。
まるで中学生にもなってサンタさんの存在を信じている子供のような純真無垢な瞳で、洋一を見上げた。
そんな同世代の子に比べて冷めすぎていると自覚したルディは、前言を撤回して取り繕った。
「それは……そうですけどね」
「じゃあさ、じゃあさ、唐揚げは?」
「今ある肉は唐揚げに適さないからなー」
洋一にとって、唐揚げとは鶏肉で作るものなのだ。
もちろん、牛肉や豚肉のも不味くはない。
狼肉、熊肉だって美味いかもしれない。
コストはかかるが、それも美味しいものである。
しかしこれを唐揚げと認められないと脳内で訴える洋一もいる。
これだよ、これ!
ビールにあう最高の相棒。
それこそが鳥の唐揚げである。
もも肉では脂が乗りすぎる。
胸肉信者の洋一だが、かつての師匠が作り上げた逸品には未だ届かずにいる。洋一もまた道半ばの修行中。
こんなところで偉そうに教えるたちばではなかった。
「揚げるっていうことはフライですよね? ポティ以外のフライって実は食べたことないんですよね」
「単純に原価の問題じゃないか?」
「ああ、仕入れ値の割に合わない?」
「いくらで仕入れて、いくらで売るか。それは商売をする人の腕の見せ所だ。俺はこの国で、油がいくらで取引されてるか知らないからな。だからポティが安価で入手できると安易に思い浮かべることはできたが。油は不明瞭だ」
「ああ」とルディが手のひらに拳を乗せた。
「そういえば、ポティフライを配っているのは決まって教会でした。教会の炊き出しで、振る舞われたものです。売っていたわけではないです」
「炊き出し?」
「ふーん、教会って金あんだな」
「見栄を張ってるだけだよ。そうやって定期的に炊き出しをして、信者を増やすのが目的だ」
「信者、ねぇ」
「この国は豊穣の女神様を信仰してるんだよな」
「豊穣か、確かに生きてる限り感謝することは多くある。が、わざわざそんな胡散臭いところの信者になる必要なんてあるか? この場で直接祈ればいいだろ。教会必要あるか?」
洋一は率直な意見を述べた。
一般人代表のルディですら、その宗教観に目を丸くする。
ヨルダに至っては洋一の常識知らずっぷりを諦め切っていた。
肩をすくめ、手のひらを上に上げている。
「まぁ、信者を増やして他国の教会にマウントを取るのが我が国のやり口ですからね」
「碌でもねぇ国だな」
「ですがそのおかげで平和が維持できています。実態は貴族が平民を奴隷のように酷使する偽りの平穏ですが」
「とりあえず……」
洋一は話を溜め、弟子の顔を一人づつ見ながらこう締めた。
「極力関わり合いにならない方向でいこう」
「まぁ、それが無難ですね」
「オレも、貴族には見つかりたくない」
「ヨシ、目立たずに暮らそうぜ!」
数日前に騎士団に真っ向から喧嘩を打ったことなどさっぱり忘れ、洋一たちは日常に溶け込む為の努力をした。
「見て見て~師匠! 柵! 作った!」
「今日もヨルダは元気いっぱいだな」
「それがオレの取り柄だかんな!」
褒められたものではない。
が、終始暗い顔をされているよりはマシであった。
「家屋の方はまだ掛かりそうか?」
「村長の家を見学させてもらってるところ。やっぱさ、実際に家を見るのが早いんだって気づいたんだよね。そんで見れば見るほど知識がなんも足りないことに気づくんだよ。そして行き着いた。床の存在。これ、地面の上に直接木の板引いてるだけじゃねぇんだよな」
「そこに気づくとは、成長したな」
「で、床の下に基礎のようなものを発見した。それを完璧に理解するまでちょっと待ってほしい」
「そうだな、全て納得した上で作ったらいい。それまで何日でも野宿は可能だ!」
「へへ、さすが師匠だぜ」
いまの今まで野宿だったのだ。今更屋根のある場所でないと不便だなんていうわけもない。
鼻の下を人差し指で拭う姿は、どう見ても少年のそれだ。
実家でどれほど窮屈な生活をしていたのか、今はその時の鬱憤を晴らすように快活だ。
「お師匠様、コッコのお世話終りました。明日から僕も世話人として受け入れてもらえそうです」
「おお、良かったなぁ」
ルディは生まれながらに動物に囲まれて育ったせいか、朧げながらに動物との意思疎通ができるようだった。
その特技のおかげで、騎士団でも馬の世話を任されていたらしく、ルディがいなくなった今、どうやって馬の機嫌を取ればいいのかわからなくなってる頃だとすごくいい顔で語っていた。
ヨルダと同じく、あの部隊には相当鬱憤が溜まっていたらしい。この自然な環境で、少しは気分も良くなればいいのだが。
洋一はまるで父親になったかのような心地で、2人の弟子の成長を見守った。
「卵は定期的にもらえると俺も嬉しいし、飯も豪華になるからな」
「それは是非とも頑張りがいがありますね」
「うまい飯は仕事の活力源になるからな。俺は周辺の獣の間引きでもしますかね」
「でも、中には食べれない肉もありますよね?」
ルディは食材調達で何度もハズレを引いてきたのだろう。
あの先輩たちは食えるかどうかで狩猟を判別しなさそうだな、と洋一は考える。
しかし、陽一に限ってその心配は杞憂である。
「問題ない。俺は過去にゴーストやゴーレムもハンバーグにして食った男だ」
「すごい! と喜んでいいのか迷う解答きた」
ルディは素直に喜べる年齢ではなくなったようだ。
「へぇ、どんな味すんの?」
対照的にヨルダは興味津々に洋一に尋ねた。
年齢的には一緒でも、純真さは別物だ。
無論、ルディがそうなってしまった背景には心当たりがありすぎる洋一である。
「ゴーストは薄味だった。煮ても焼いても味気なくてな、本当に困り果てたよ」
「そりゃ、ゴーストですもん」
「だが、一つだけうまく食う方法があった」
「どんなの?」
「天ぷらだ」
「ルディ、聞いたことある?」
ヨルダは一般市民の出であるルディに耳にしたことがあるか尋ねる。
しかし欲しい答えは返ってこず、首を横に振るだけだった。
「原理は単純で、卵に冷水を加え、そこに小麦を混ぜて衣を作る。衣に素材を潜らせて油でさっと揚げれば完成だ」
「揚げる、フライ?」
フライという技術はやはりあったか。
しかし天ぷらというレシピに心当たりはないのか、二人は首を傾げている。
「それなら聞いたことあります。ポティなんかを揚げたの食べたことありますよ。素朴な味が後を引くんですよね」
「へぇ」
一般市民代表のルディの蘊蓄に、上級国民代表のヨルダは感嘆の声を上げる。
「今度油をもう一度使えるようになったら作ってみようか。まぁ、ゴーストの仕入れ次第になるが、それまではお預けだな」
「もー、そんな冗談真に受けませんからね?」
洋一の話はルディには冗談だと受け取られてしまっていた。
「でもさ、師匠の料理って全然聞いたことないものいっぱいあるじゃん? ゴーストの天ぷら? だって本当かもしれないぞ」
ヨルダのみが洋一の話を信じきっている。
まるで中学生にもなってサンタさんの存在を信じている子供のような純真無垢な瞳で、洋一を見上げた。
そんな同世代の子に比べて冷めすぎていると自覚したルディは、前言を撤回して取り繕った。
「それは……そうですけどね」
「じゃあさ、じゃあさ、唐揚げは?」
「今ある肉は唐揚げに適さないからなー」
洋一にとって、唐揚げとは鶏肉で作るものなのだ。
もちろん、牛肉や豚肉のも不味くはない。
狼肉、熊肉だって美味いかもしれない。
コストはかかるが、それも美味しいものである。
しかしこれを唐揚げと認められないと脳内で訴える洋一もいる。
これだよ、これ!
ビールにあう最高の相棒。
それこそが鳥の唐揚げである。
もも肉では脂が乗りすぎる。
胸肉信者の洋一だが、かつての師匠が作り上げた逸品には未だ届かずにいる。洋一もまた道半ばの修行中。
こんなところで偉そうに教えるたちばではなかった。
「揚げるっていうことはフライですよね? ポティ以外のフライって実は食べたことないんですよね」
「単純に原価の問題じゃないか?」
「ああ、仕入れ値の割に合わない?」
「いくらで仕入れて、いくらで売るか。それは商売をする人の腕の見せ所だ。俺はこの国で、油がいくらで取引されてるか知らないからな。だからポティが安価で入手できると安易に思い浮かべることはできたが。油は不明瞭だ」
「ああ」とルディが手のひらに拳を乗せた。
「そういえば、ポティフライを配っているのは決まって教会でした。教会の炊き出しで、振る舞われたものです。売っていたわけではないです」
「炊き出し?」
「ふーん、教会って金あんだな」
「見栄を張ってるだけだよ。そうやって定期的に炊き出しをして、信者を増やすのが目的だ」
「信者、ねぇ」
「この国は豊穣の女神様を信仰してるんだよな」
「豊穣か、確かに生きてる限り感謝することは多くある。が、わざわざそんな胡散臭いところの信者になる必要なんてあるか? この場で直接祈ればいいだろ。教会必要あるか?」
洋一は率直な意見を述べた。
一般人代表のルディですら、その宗教観に目を丸くする。
ヨルダに至っては洋一の常識知らずっぷりを諦め切っていた。
肩をすくめ、手のひらを上に上げている。
「まぁ、信者を増やして他国の教会にマウントを取るのが我が国のやり口ですからね」
「碌でもねぇ国だな」
「ですがそのおかげで平和が維持できています。実態は貴族が平民を奴隷のように酷使する偽りの平穏ですが」
「とりあえず……」
洋一は話を溜め、弟子の顔を一人づつ見ながらこう締めた。
「極力関わり合いにならない方向でいこう」
「まぁ、それが無難ですね」
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