Sランクギルドから追放されたEXランク陰陽師は新人達を凄腕に育てる〜え?戻ってこい?だから俺がいなくなったら困るのお前らだって言ったじゃん〜

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エマ・ライトウッド育成編

26、エマ・ライトウッド育成2

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「よし、格好はこんなもんか」

「……………これで本当に強くなれるんですか?」

彼女に着物を着させ、クソ長い長刀を背負わせる。

「…………君、腰に釣ってるその剣、異様に使いずらいでしょ?」

「え??!!?な、なんでそれをーーーあ、は、はい、私は周りの剣士に比べてスキルや技術の覚えが悪く、キレもセンスも悪い………大手の鍛冶屋のどの名剣もも手に馴染まず………」

「………やっぱりか………」

「な、なぜわかったんですか??!!、仲間にしか言ったこと無いのに……」

「え?、そんなもんひと目見りゃわかるよ」


「す、すごい」

一応勝負に負けたので従ってはいるが、未だに疑いの眼差しを向けてくる、少し信用させるために彼女の秘密をズバリ言い当てる……驚愕に目を向く彼女………。



「ちょっときついかも知れんが我慢してくれよ…強制限定憑依経験、佐々木小次郎!!」

「ッッッッーーーあ、頭が割れるーーー!!!」

俺はエマに佐々木の経験を強制的に体感させる、別の人間の経験を直接頭に叩き込まれているからそりゃ脳みそは悲鳴をあげる。

「………よし、見たな、次はその動きをできる限り真似して動いてみろ」

「………何をしたかわかりませんが、そんな簡単に出来るわけが………あ、あれ……ちょっと出来る」

「………練度を上げて10割出来る様になったら次の技に行くぞ……」

「は、はい!!」

簡単な敵の攻撃を避けるための足運びの練習をさせる、いくら憑依経験をさせたと言っても一朝一夕で覚えられたら苦労はしない、少しはできているがやはり拙いと言わざるをえない、ここはもう数をこなして慣れてもらうしかない。

その日から彼女にノルマを課す、何事もまずは守りと筋トレからだ、守っているだけでは勝てないとかいう奴も居るが俺に言わせれば自分の身も守れないやつが攻めたところでそれはただの特攻だ、成功しようが失敗しようがただの運否天賦、そんな物を教え子や後輩にさせたくはない。

「よし、良い感じだ、その調子!!」

「す、すいませんやっぱりこれ恥ずかしいんですけど………」

「訓練場が使えないんだ、仕方ないだろ?」

施設にだって限りがあり、まだなんの成果も実績もあげていない新人とベテランがぶつかったら、そりゃベテランの方が立場が強く、訓練場を取られてしまった、一日たりとも無駄にするわけに行かず、仕方なしに外で足運びの練習をしていた………思いのほか彼女は真面目に取り組んでくれているが、通りすがりの通行人にくすくす笑われてしまっている。

「……仕方ない、俺も一緒にやってやるから、我慢してくれ」

「え??………いいんですか?」

「君の恥ずかしさが少しでも薄くなるなら別にいいよ」

「………あ、ありがとうございます」

俺は別にやる必要はないが、一緒に独特な足運びの練習をする。

そうして、訓練場が使えない日は町の公園で練習するのが日課になった。

「………あの、いつになったら剣技を教えてくれるのですか?」

「うん?教えてるじゃないか」

「いえ、その、返し技とか足運びとかじゃなくて自分から攻める技は全然覚えてないような気がするのですが………」

「うーーんそもそも君はカウンタータイプの剣士っぽいんだよ、あと教えるにしても体捌きが七、八割できるようになってからだな、まずは攻撃よりも守りを固めてほしい」

「そ、そんな、守ってばかりでは勝てませんよ!!」

「………俺との模擬戦覚えてる?」

「え?、あ、はい」

「俺から一回でも攻めたか?」

「い、いえ、全て返し技でやられました」

「だろ?、君には先の先は取れなくても、後の先は絶対に取れる剣士になってほしいんだよ………….それに」

「それに?」

「…………無理に攻めて冒険者に復帰不能な大怪我でも負ったら大変だからな、せめて守りを固めておけばそうそうやられる事はない」

「う、ウォーカー先輩……」

「………ちょっとカッコつけすぎたな、ほら鍛錬の続きだ」

彼女は頬を染めて俺を見つめてくる、俺はキザな台詞を言ってしまった恥ずかしさを誤魔化すように顔を背ける、そのまま彼女と一緒に鍛錬を昼まで続けていく俺達。

「………よし、昼飯にーーー」

「ギャハハマジでこんな所で練習してるよ!!」

休憩にしようとすると下品な笑い声がその場に響き渡った。

「随分落ちぶれちまったもんだなあ…………エマ?」

「ーーーーッッッ!!?………ブサイ………一体何の用?」

「あ?、面白い噂を聞いたから確かめに来ただけだよ……まさか本当に公園で鍛錬してるマヌケがいるとはなぁ!!!ギャハハ!!!」

声と見た目と………ついでに中身まで下品な男はブサイといい、エマの知り合いらしい。

「………暇人ね、用事が終わったのなら早く帰ってくれない?、私まだ鍛錬中だからさ」

「ーーーあ?、テメェ誰にそんな口聞いてやがる!!!!」

「ーーーッッッ!!!?!」

彼女はまともに取り合わず、相手に帰宅を進めるとブサイは額に血管を浮かべ、顔を真っ赤にしたと思ったらいきなりエマに腰の剣を抜き斬りかかる。

「…………正気?、こんな場所でいきなり斬りかかるなんて………」

「この俺様がお前の鍛錬の成果を試してやろうってんだ、有り難く思えよ雑魚」

長刀で上手く相手の剣を逸らして回避するエマ。

「………って言っても、そんなアホみたいな刀を使ってる奴が強いはずがないがな!!!」

「ーーーッッ」

相手は苛烈な剣戟を披露してくる、その剣圧にエマは冷や汗を流す、しかし当たらない、全ての剣をうまく捌いていく。

「エマ!!見たとこコイツそんな強くない!!、今日までやってきた鍛錬と……自分を信じて戦えばやられることは無いはずだ!!!」

「は、はい!!」
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