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9、宮廷魔術師の初日3
しおりを挟む「どうしたんだろ……まぁ良いか、仕事は終わったんだし、寝させてもらうか~」
エクス先輩がおかしな態度だったが、即棚に上げて寮へと帰る、宮廷魔術師は専用の寮が与えられ、そこに住むことができるのだ。
もちろん部屋のグレードは高く、これ目当てに宮廷魔術師を目指す人間もいるほど………という噂を聞いた。
「あーー、今日は疲れた~、とっとと寝るーー………『反響定位』……三、四人……宮廷内の人間か?、いやだったらここまで気配を殺す必要はない………それにこの感じは魔族………へっ、何しにきたかは分からんが、あんたらの思い通りにはさせないよ」
索敵魔法で宮廷内に入り込んだ侵入者を感知、魔族だと判断した私。
即現場へ直行する。
「よし、オールクリア、先を急ぐぞ」
同時刻、黒ずくめの集団のリーダーらしき人間が指示を飛ばして進もうとした瞬間ーー燃え盛る炎弾が飛んできた。
「お前ら、一体何者だ、ここで何をしている?」
宮廷魔術師の制服に身を包んだ青年、カイ・ドラゴンが立ちはだかる。
「ちっーー、気づかれたか………」
「しかもこいつ………体に魔力が満ちている、中々の腕みたいだ………」
「手っ取り早く片付けるぞ」
「増援を呼ばれる前にな………」
「ちっーー、名乗る気はないってか、そっちがその気なら『我望む、焼き貫く竜の吐息、火龍炎弾!!』
先ほどと同じ炎弾を見舞うが、四人は簡単に避ける、その後数の利を活かして、カイを囲む。
一人が近接戦を仕掛けてきた………が、カイも腰の剣を抜いて互角に斬り結ぶ。
「はっーー、魔術師だからって近接戦は弱いとでも思ったか?残念、最近の魔術師はクロスレンジも必須科目なんでね」
「………弱いなんて思ってないさ」
『我望む、極光の輝きーー閃光太陽弾』
「なッーー!!?め、目がッーーー?!」
どうやら最初の男は囮役だったらしい、閃光で相手の目を眩ます魔法が三方向から注がれる。
暗闇でいきなり光を浴びた目は一瞬見えなくなる……そしてその一瞬が実戦では命取り。
「ーーー死ね」
「ッッーー!!?ガハッーー!!!?」
近くにいた奴はタイミングがわかっていたから目を閉じていたのか、それとも何か視界に補助魔法でも付与されていたのか、分からないが、カイの隙を一刀両断に斬り裂いた。
正面から袈裟斬りに傷を負って、派手に血が噴き出る、そのまま力無く地に膝をつく。
「ふん、やはり温室育ちはやり易いな………殺し合いにおいては赤子同然だ……死ね」
「ーーーー貴方がね」
「ッッーー!!!?!ゴフッーー!!」
トドメを刺されそうになった瞬間、カイは自分の死に際を悟ったのか目を瞑る。
しかし、相手の剣は自分に襲いかかる事はなく、鈴の音のような澄んだ音が代わりに響く。
その後、目を開けると相手は吹っ飛んで、地に伏せており、一人の少女が立っていた。
「助っ人登場ーーーってね」
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