貴方達の武器の面倒はもうみません〜名門貴族に雇われているSランクパーティーリーダーを妹に取られて婚約破棄されパーティーからも追放されました〜

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5、sideガンツ、『炎光の鷹』崩壊の序曲2(ざまぁ)

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「………今日もこの程度しか稼げなかったのか」

「……すいません」

「別に構わん、ただ、これ以上無様は晒すと言うのなら我がバルセロナ家との契約は破棄させてもらう」

「ーーーッッそ、それはだけッッッッ!!!、つ、次こそ期待に添える働きをしますので、お、お許しをッッッ!!!」

「………もう一度だけチャンスをやろう、だが私はせっかちでね……次はないと思え………」

「か、寛大な処置に感謝しますッッッッ!!」

「もう良い、下がれ」

「はい!!、失礼します!!!」

バルセロナ家当主、アルス・バルセロナの執務室に呼び出された、要件はわかっている、予想通り最近の特注で受けている依頼の達成率の悪さを指摘され、果ては契約破棄という言葉すら出てきた、慌てて許してもらえるよう口を動かす、俺の必死の弁明のおかげかアルスはチャンスをくれるという、冷や汗を滝のように流しながら部屋から退室する俺。

(くそ、クソクソクソ!!!!!、せっかく美肌のエミリアと上手くいってるのに、他の事は全くうまくいかない!!!)

「どうだった、ガンツ」

「あ、あぁ、大丈夫だ、今日もよくやったった労ってもらっーーー」

「ーーー嘘をつかなくていい」

「あ?」

「声、聞こえてたからさ……」

「………………」

「あのさ、ガンツ、ルフに戻ってきてもらうように頼めないか?」

「ーーーッッッッ??!!、な、何を言ってるんだ!!??」

「言っちゃ悪いが、エミリアが俺達の武器の整備をしてから明らかに性能が著しく低い……それでも今まで騙し騙しやってたが……もう頼みの綱の『バーストシステム』の弾も無くなっちまった……エミリアが作ってはくれるが、精々二、三倍しか威力や効果の増加しない……ルフの時の数十倍から数百倍と比べちまうと雲泥の差だ、それに二、三倍の増加程度なら強化魔法と変わらないから、燃費が悪すぎる……数十倍や数百倍上がるから意味があったんだ……それに弾に形が歪で装填できない時もある………」

「そ、そんなのお前一人の意見だろ!!、パーティーリーダーとして一人だけの意見を贔屓するわけにはいかない!!!」

「………そうか、みんなの意見なら良いのか……だってよ、どう思うみんな?」

「俺はノーマンに賛成だ」

「俺も」

「自分も」

「なッッッッ」

通路を歩いているとノーマンに声をかけられる、誤魔化そうとするが、アレスとの会話が聞かれていたらしい、食い気味に言葉を挟んでくる、そして何かと思えばルフを連れ戻せと言ってくる、冗談ではない、そんな事をしたらパーティーメンバーについてる嘘がバレてしまう、リーダー特権で封殺しようとすると、ノーマンが呟くと他のパーティーメンバーがぞろぞろと出てきて、一人残らずノーマンの意見に賛成する。

「………わかった、連れ戻してきていいぞ」

「?、何を言ってるんだ、ガンツ、お前が行った方が良いに決まってるだろ」

「なッッ?!!、何で俺がッッッ??!!」

流石に顔を合わせるのは嫌だし、パーティーメンバー全員が賛成してる事を断る理由が思いつかない、仕方なくノーマンに連れ戻す許可を出す。

「いや、だってよ、今ルフは精神的に不安定なんだろ?、そんな時にパーティメンバー程度の俺達が行っても顔すら合わせられないかも知れないだろ?、婚約者のお前の方が会いやすいし、お前が誠心誠意、彼女を安心させてやれば戻ってくるんじゃないか?」

「ーーーッッッッ、そ、そうか………そうだな………」

ノーマンは不思議そうな顔で理屈を並べてくる……残念ながらそれに対する反論が思い浮かばず、了承させられてしまう。

「頼むよ、一緒に謝りにきてくれ、姉妹の情をチラつかせれば戻ってきてくれるかもしれないだろ?」

「ーーー嫌よ!!、何で私が頭を下げないといけないの??!!」

「お願いだ」

「イヤイヤイヤイヤイヤ!!!」

「契約を破棄されたら今の生活はできないんだぞ?」

「どっちもイヤよ!!、ガンツが一生苦労させないって言ってたじゃない!!!」

「ーーーッッッッッ仕方ないだろ!!!、そもそもお前が装備の整備できるって言ったのにできないのがいけないんだ!!!」

「なッッッッ??!!、そんな風に思ってたの??!!」

「事実を言っただけだ!!!、パーティーメンバー達も我慢の限界なんだ!!」

「私は悪くない!!!、貴方達が武器を使いこなせてないだけだわ!!!」

パーティーメンバー達との話し合いが終わった後、俺だけで行っても断れる可能性が高いので、エミリアも一緒に行くように誘うが、断ってくる、説得しようとするも聞く耳を持たない彼女にイライラが募り、だんだん声色が荒くなり、怒鳴り合いへと発展していく、お互い言い疲れるまで言い合う俺達。
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