魔力無しの聖女に何の御用ですか?〜義妹達に国を追い出されて婚約者にも見捨てられる戻ってこい?自由気ままな生活が気に入ったので断固拒否します〜

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17、修羅場(フランvsハルバート)1

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「ミレイ、誰なんだよ、コイツは?、一体どういう関係なんだ?」

「先越されたからって子供相手にみっともない、器量が小さいと女の子に嫌われるよ、ねぇミレイ?」

「子供?、自分のこと子供だってわかってる奴はもうすでに大人なんだよ、女の扱い知ってる奴はもうガキじゃねぇんだよ」

「そうだね、じゃあ半裸で朝一緒のベットにいる大人の男女の関係が分からず、わざわざ問いただすお兄さんは子供なのかな?」

「ちょっと表でろや」

「ミレイお姉さん、このお兄さんが虐めてくるの、フラン怖~い」

「……………」

「あ、アハハハハハ」

これが修羅場というやつなのだろうか…………朝食を食いながら、ハルバートと口論するフード付き赤マントを羽織った人狼の少年、彼はハルバートを煽るようにあざとさマックスの子供のような仕草で私に引っ付く、ハルバートの額に青筋が浮かぶ………とりあえず愛想笑いを浮かべることしかできない私…………なぜこうなったのか、話は数十分前に遡る。


ーーーーーーーーーーーーーーー

(………なんか不思議な夢だったな……………)

小鳥が囀る爽やかな朝、眠りから目を覚ます………不思議な夢を見た気がする。

「んんぅ………」

「ーーー!!!??」

横向きで寝ていた私、体を起こそうとしたら、背中から誰かの声が聞こえる。

(え?\\\\、え?\\\\\\\、も、もしかしてハルバート??\\\)

誰かが横で寝ている…………この家にいる人間、思い当たる人物はハルバートしかいない………。

「んぁ……」

「ちょッッッッ\\\\\\\」

背中から誰かに抱きつかれる………

(やばいやばいやばい\\\\、記憶ないけどもしかして、え?、まさかその……\\\\)

「………ミレイ」

(ーーー囁くなぁ\\\\\\)

耳元で私の名前を囁かれ、身体中がゾワゾワする。

(ん?、あれ………なんか柔らかくてあったかい感触が肌に当たっている気がする)

一瞬布団かと思ったが違う、疲れて寝巻きを着るのが億劫で下着姿で寝たが、こんな感触のするものベットの上になかったはず、昨日と違うものといえば…………。

(ーーーえええええええ、じゃあ、もしかして………\\\\\\)

自分に抱きついている相手は裸だと思われる…………感触的に人肌に近い、ところどころ、モフモフと柔らかい毛の感触もする…………。

「うん?モフモフ?」

ハルバートと思っていたが、モフモフという感触がするのはおかしい……。

「………え?、誰?」

「むにゃむにゃ」

恐る恐る、起き上がって誰か確認すると、人狼の少年が裸で寝ていた………年は七、八歳に見える………。

「………違う、私はショタコンなんかじゃない」

「おーい、ミレイ、まだ寝てんのか?、朝メシ出来たぞ~」

「あ、起きてるよ、わかった今行く」

「んぁ……」

「へ?、ちょ、ちょっと!!??\\\\」

「ど、どうした!!」

「あ、え、えーと……」

「悪い、中入るぞ」

「えええ??!!、いや、ちょ、ちょっと待っーーー」

まるで私がこの人狼の少年を襲った変態女みたいな、そんな状況証拠が出来上がりつつある現状から目を逸らし、自分に言い聞かせる、断じてショタコンではないと………そうしていると、扉の外からハルバートの声が聞こえてきた、どうやら朝ごはんを作ってくれたらしい、私はベットから起きあがろうとすると、隣の少年がそれを許さず、寝ぼけながら私に引っ付いてくる、いきなり増えた重量に耐えきれず、ベットに倒れてしまう………正面から抱きつかれているので、照れ混じりの声をあげながら………私の声に異常を感じたハルバートは扉を魔法でこじ開け、部屋の中に入ってくる。

「……………」

「…………」

その場を支配する沈黙、ハルバートの視線はベットの上の私達に注がれる、おそらく半裸で抱き合っているように見えている事だろう。

「あ、いや、これは、その………」

「ミレイ………とりあえず服着て、下に来てくれ」

「……………あ、はい」

………ハルバートの背中からドス黒いオーラが立ち昇ってるのを幻視する。
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