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12、慣れてきた仕事

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「この猫でよろしいですか?」

「まぁーー、みーちゃんだわ~ありがとう!!」

「毎度あり~」

何でも屋として働く事、少し不安だったが、はや数日、結構慣れてきた、というかそこまで大した内容の仕事を依頼されない、やれ荷物運びだとか、やれ猫探しとか、別に命が危険がある仕事があるわけじゃない、あのキノコ熊の依頼が特殊だっただけっぽい。

「ハル君も隅に置けないわね~」

「え?」

不意に猫探しを頼んだ依頼人は呟く、私はいきなり何のことだろうと疑問符を浮かべる。

「ん?、だって貴方、ハル君の彼女じゃないの?」

「ーーーッッッッち、違います!!\\\\、ただの仕事の同僚です!!\\\」


いきなり彼女とか言い出す依頼人、私は慌てて否定する。


「ええ?、でも、ペアルックスーツじゃない」

「何ですかそのクールビズの親戚みたいな言い方は………ただの仕事着です!!!、二人しかいないからペアルックに見えるだけです!!\\\\」

「でも、それ男物、ハル君のでしょう?、年頃の若い男女が服を貸し合ってて、何も無いっていうのは考えづらいわ」

「そ、それは………今は服がなくて……仕方なく……」

そう、そういえば荷物は馬車に乗せっぱなしだったので、私は今手ぶらだ、着替えがないから服を貸してもらっているだけだ、そもそもこれは仕事着、断じてペアルックとかそんなんじゃない。

「そうなの?、お似合いなのに~」

「~~も、もう失礼します!!\\\\\」

「照れちゃって可愛いんだから」

尚も面白がって、揶揄う依頼人、私は恥ずかしさに負け、その場から離れる。

「ただいま」

「お、おかえり~ミレイ、猫探しお疲れ様~」

「……………\\\」

「……ど、どうした?」

店に帰ると、事務室でコーヒーを飲んでいるハルバートが居た………さっきの揶揄いが頭から離れず、ついハルバートの事を凝視してしまう。

(べ、別にペアルックじゃない、仕事だから一応スーツを着てるだけで、たまたま服が無くて、彼に借りているだけだ)

「ん?、どうした、ボーッと突っ立って?」

(だ、大体その観点で言えば、騎士団の騎士達だって同じ鎧を着てるけど、ペアルックとは言わないじゃないか、仕事上同じ服や装備をしているだけだ、そう、ただの制服!!、よし、これだ)

自分なりにペアルックなんかじゃないと否定する材料を探す。


「………本当にどうした?、体調悪いなら今日は臨時休業にするか?」

「…………ーーーーー\\\\\\だ、大丈夫!!!!」

「ーーーッッッッ、そ、そんな大声で返事しなくても聞こえるっつうの………本当に大丈夫か?」

「大丈夫大丈夫、だ、だから近づかないで!!\\\」

「?、まぁ、よく解らんが、何かおかしかったらすぐいうんだぞ」

そのことに夢中になりすぎて、ハルバートの声が耳に届かなかった、私を心配した彼は顔を覗きこんでくる、不意に急接近した彼の顔に数秒の間、理解が追いついてなかったが、脳が視覚情報を処理した瞬間、私は恥ずかしさから、大声で返答、至近距離で大音量で叫ばれたため、耳を押さえながら距離をとるハルバート…………尚も心配をしてくれるが、今近づかれるのは非常に困るため、近づくなと要求する私、首を傾げる彼。


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