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11、sideマーガレット&ディラン、ざまぁ2
しおりを挟む「何で呼び出されたか分かっているなマーガレット」
「………はい」
「全く、クレームがひきりなしに来て超迷惑なんですけどぉ~」
「これじゃあミレイの時より酷いな」
「ーーーッッッ、すみません」
「なんとかしろ」
「………はい」
「これ以上無様を晒すというなら、お前も一族から追放を考えなければならない」
「ーーッッッッッ!!、そ、それは!!」
「嫌なら後二、三日で何とかしろ」
「…………わかりました」
聖女の一族会議で他の仲間に批判されるマーガレット。
「クソ!!、何で私がこんな目に!!」
………マーガレットはあの後も国のトラブル対応に追われていた…………朝から晩まで国中を走り回る、だが、ミレイのように完璧に対応することができず、仕事が一日で終わらない、一日で終わらないと次の日に持ち越しになり、そして次の日の仕事が滞る、と言う負の無限スパイラルに陥っていた……。
「しかも、毎日毎日、ミレイミレイって耳タコでクレーム入れられるし」
そう、国民全員、ミレイの名を口にする、事ある毎にミレイと比べられ、卑下される。
「何とかしないと…………そ、そうだ、ミレイを連れてきて雑用をさせれば良いじゃない!!………でもどうやってみんなを説得しようか………」
勝手に追い出しておいて、雑用が面倒臭いから戻ってこいなんて、身勝手にも程があるが、マーガレットはなんとも思ってなった、むしろ使い道のないゴミを再利用しているつもりだ。
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ディラン視点
「な、治らない??!!」
「ええ……回復術師の私にも手が負えません」
銀狼に腕を噛まれ、ミイラ化した腕をかかりつけの回復術士に診察してもらうが、匙を投げられる。
「な、何でだ!!」
「…………腕がなくなったわけではないですからお金はかかりますが、道具を揃え、時間をかければ直す事は可能です」
「だ、だったら!!!」
「しかし、その、基本的に回復魔法というのは人の治癒力を促進、強化しているだけなんです、大雑把に言えば傷口の魔力を刺激し、回復を促すんですが………見たところこの腕には全く魔力が残っていない上、体の中の魔力の通り道、魔脈がズタズタに引き裂かれていて、自然治癒も期待できなさそうで………どう手を施せば良いのか解らないですね」
銀狼が噛みつき、残らず魔力を吸い出された上、魔力を体に行き渡らせる血管のような存在の魔脈すらズタズタに引き裂かれているので自然治癒の可能性も低いと、絶望的な情報を喋る男。
「か、金ならいくらでも出す!!、だから治してくれ!!」
「………お金の問題ではないんです…………せめてこの怪我の原因の銀狼を詳しく調べられれば、回復のためのとっかかりも見つかるかもしれませんが………」
「ほ、本当か??!!」
「ええ……可能性があるというだけですが……」
(な、なら、あの女を騙くらかして連れてくれば………)
マーガレットと似た者同士で、婚約者としては相性が良いのかも知れない、彼女と同じように自分勝手な事を考える彼。
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