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10、気まずい
しおりを挟むハルバート視点
「…………随分と昔の夢を見たな………」
あの時の夢を見るなんて、久しぶりだ………まぁそれも仕方ないか、なんせ、昨日その女の子に告白をしたのだから………森で見た時、心臓が鷲掴みにされた錯覚を覚えた……朧げに覚えている彼女と似ている、話を聞いてみると、やはりあの時のリレイだと分かった。
「…………もう後悔するのが嫌だからって、初っ端告白はキモすぎだろ俺…………\\\\\\」
先走った行動、自己嫌悪が止まらない…………だが、言い訳をさせてほしい、5、6年ぶりに初恋の人に出逢ったら、そりゃテンパってしまうだろう。
「時間巻き戻らないかな~\\\\」
ベットで足をジタバタ悶えさせながら、生産性皆無のつぶやきをする俺。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ミレイ視点
「「ーーあ」」
…………あの後、お互い冷静を欠いため、取り敢えず一旦頭を冷やす意味も込め、小一時間散歩してきた、帰ってくるとばったり顔を合わせてしまい、硬直する私達。
「え、えーーと、さ、散歩、ど、どうだった?\\\」
「あ、いや、私の国では見なかった珍しいものがいっぱいあるね、ついつい無駄な物を買い込んじゃうところだったよ\\\\\\」
ギクシャクとした会話をする私達…………まぁ、当然だろう、なんせ先ほど告った男と告られた女なのだから………。
「それで、その、さっきの話なんだけど………\\\」
「あーー、あれは、その………」
「ごめん、私、今、恋愛する気持ちにはなれないんだ………」
「ーーー!!」
「だから、その………」
(そうか………婚約者に婚約破棄された事がトラウマなってるのか………自分の事ばっかでミレイの事を何にも気遣ってやれなかった………)
「分かった、ごめんな、急に告白なんかしちまって」
今、私に恋愛する精神的余裕も肉体的余裕も金銭的余裕もない、自分の正直な感想を言うと、彼は曇った笑顔を浮かべる。
「ただ、これだけは言っておく」
「?」
「俺と何が何でも恋愛したくてたまらなくさせてやるから覚悟しておけ」
「ーーー!!!\\\\\\、そ、その自信はどこからくるわけ??」
「好きな女を口説く時に自信もクソもねぇよ、ただ俺がそうするって決めただけだ」
「ちょ、ちょっともうやめてよ!!\\\」
「さっき散々いじられたからな、お返しだ」
………要は私を口説き落とすという表明をしだす彼、私はますます顔に熱が篭っていく、反比例に彼は飄々とした笑みを浮かべ、キザな台詞を恥ずかしげもなく言う。
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