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9、side天才魔術師、魔力無しの女の子に助けられる
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全速力で走る。
大通りに出ることに成功したが彼は止まらず走り続ける。
人にぶつかったり、全身の筋肉は痛みを訴え、肺は酸素をもっとよこせと暴れていた。
それを全て無視して走る、全身全霊で走り続ける。
「ハッッッ、ハッッッ」
「待てガキ!!!」
「ヒッッッッ??!!」
ガラの悪い男達が自分を追ってくる、どうやら俺が貴族だから、身代金を家族に要求するつもりらしい。
「ーーーこっち!!」
「ーーー?!!」
何者かに手を引かれる、子供か、猫ぐらいにしか通れない、狭くて入り組んだ道を手を引かれながら進む俺。
「………ふぅ~、何とか撒いたみたい………ここはアイツらみたいに悪巧みしてる奴らがいっぱいいるから貴方みたいに綺麗な服着てると標的にされるから気をつけて」
「な、な、な」
俺を助けてくれたのは、白を基調としたシスター服を身に纏い、短めの黒髪、黒目、服と対照的な瞳と髪がコントラストを演出していた、中性的な顔付きだが、声や体格から察するに女の子、少女が持つにしては少しデカい剣を背中に背負っているのが特徴的だった…………その事実を認識した瞬間、頭に血が昇っていく。
「?」
「な、何余計なことしてるんだお前!!!」
「へ?」
「お、俺は槍魔法の名門、ランスロッド家の長い歴史の中でも歴代最強最高の超天才なんだぞ!!、あんなチンピラぐらいお茶の子さいさいだった!!、助けなんかいらなかったんだ!!!」
………嘘だ、正直に言うと、この時の俺でもきっとあの程度のゴロツキならあしらえるぐらいの実力があった、何せ9~10歳でもうすでに無詠唱を体得、初~中級レベルの槍魔法を使える、倒し方も簡単だ、近くの敵から槍魔法で腕や足の一本でも貫いて、近寄らせなければ良い…………元々、どんな奴が出てきても俺一人で大丈夫という自信があったから、家族に内緒で宿屋からこっそり抜け出してきたのだ、折角の旅行、楽しまなければ損だと思って…………だが、俺は自分が思っているほど強くなかった、初めて見る、悪意的な大人、そいつらに大声で話しかけられた瞬間、体がすくんだ…………魔法を一発でも入れれば俺の勝ち、そう分かっていてもダメだった、そいつらが一歩一歩近づいてくるたび、体の震えが一層増していく、汗が噴き出る………………気づいたら俺は逃げていた、必死に、無様に、形振り構わず…………だからかもしれない、自分は怯える事しか出来ない相手に冷静に最善の一手を打った人物が………自分と同年代の小さな女の子だったから、頭がカーッとしてこんな事を言ってしまったのかもしれない。
「………そっか、ごめん、余計なことしたね」
「~ーーーッッッッ、お前何が目的だ!!」
………自分が子供じみた癇癪を起こしているのに、彼女は苦笑しながら謝罪するという大人な対応、それに尚の事、腹が立った俺はさらに突っかかる。
「え?」
「言え!!、何が目的だ!!!」
「………目的?、目的か~~~………」
「ふん、やっぱり金か??!!、ま、まぁ、俺の役に立とうとした事実は認めてやる、いくらーー」
………当時9~10歳の子供とはいえこれはひどいと言わざるを得ない…………才能があったので増長していたし、まだ精神が未熟な年頃な為、自分の失敗を認められず、かといってこのまま何もせずに別れるのは気分が悪い、なので取り敢えず、ありがた迷惑だけど一応金を払ってやるよみたいなスタンスで話す…………。
「困ってる人がいたら助けるそれが私のモットー、もとい目的かな」
「は?」
………彼女の返答に思わず呆けてしまう。
「それに、お金よりさぁ~………君、魔法の天才なんでしょ??、ちょっと見せてよ」
「な、何言ってんだお前?」
「………私、ミレイ・ノーザンって言うんだけど……………生まれつき魔力無いんだよね~、だからさ、君の魔法を見せてよ!」
「ま、まぁいい、魔法なら金を用意するより楽だし…………『サンダースピア!!!』」
「おお!!、すごーい、キレイ!」
「ふ、ふふんすごいだろう\\\\\\」
「すごいすごい、あれ?、魔法って詠唱が必要だって聞いてたけど、君してなくない?」
「俺とそんじゃそこらの有象無象と一緒にするな、超天才の俺は無詠唱で魔法を発動できるんだよ」
「え?、無詠唱………って何?」
「よ、ようは他の奴がブツブツ言ってる間に俺は二、三発魔法を放てるってことだ!!」
「ええ??!!、すごーーーーい!!」
「ま、まぁ俺は天才だからな\\\\\\\\\\」
俺は言われた通り、魔法を見せてやる………危ないので初級程度の魔法だが、彼女は目をキラキラさせて眺める、すごいと連呼の嵐に自尊心が満たされ、気を良くした俺、最初の怒りはどこへやら……………彼女とは滞在期間中の短い間だったが、宿屋の近くでよく一緒に遊んだ…………そして旅行が終わり、自宅に帰ってきてから気づいた、もう二度と会う機会がないだろう彼女が好きになっていた事に………。
大通りに出ることに成功したが彼は止まらず走り続ける。
人にぶつかったり、全身の筋肉は痛みを訴え、肺は酸素をもっとよこせと暴れていた。
それを全て無視して走る、全身全霊で走り続ける。
「ハッッッ、ハッッッ」
「待てガキ!!!」
「ヒッッッッ??!!」
ガラの悪い男達が自分を追ってくる、どうやら俺が貴族だから、身代金を家族に要求するつもりらしい。
「ーーーこっち!!」
「ーーー?!!」
何者かに手を引かれる、子供か、猫ぐらいにしか通れない、狭くて入り組んだ道を手を引かれながら進む俺。
「………ふぅ~、何とか撒いたみたい………ここはアイツらみたいに悪巧みしてる奴らがいっぱいいるから貴方みたいに綺麗な服着てると標的にされるから気をつけて」
「な、な、な」
俺を助けてくれたのは、白を基調としたシスター服を身に纏い、短めの黒髪、黒目、服と対照的な瞳と髪がコントラストを演出していた、中性的な顔付きだが、声や体格から察するに女の子、少女が持つにしては少しデカい剣を背中に背負っているのが特徴的だった…………その事実を認識した瞬間、頭に血が昇っていく。
「?」
「な、何余計なことしてるんだお前!!!」
「へ?」
「お、俺は槍魔法の名門、ランスロッド家の長い歴史の中でも歴代最強最高の超天才なんだぞ!!、あんなチンピラぐらいお茶の子さいさいだった!!、助けなんかいらなかったんだ!!!」
………嘘だ、正直に言うと、この時の俺でもきっとあの程度のゴロツキならあしらえるぐらいの実力があった、何せ9~10歳でもうすでに無詠唱を体得、初~中級レベルの槍魔法を使える、倒し方も簡単だ、近くの敵から槍魔法で腕や足の一本でも貫いて、近寄らせなければ良い…………元々、どんな奴が出てきても俺一人で大丈夫という自信があったから、家族に内緒で宿屋からこっそり抜け出してきたのだ、折角の旅行、楽しまなければ損だと思って…………だが、俺は自分が思っているほど強くなかった、初めて見る、悪意的な大人、そいつらに大声で話しかけられた瞬間、体がすくんだ…………魔法を一発でも入れれば俺の勝ち、そう分かっていてもダメだった、そいつらが一歩一歩近づいてくるたび、体の震えが一層増していく、汗が噴き出る………………気づいたら俺は逃げていた、必死に、無様に、形振り構わず…………だからかもしれない、自分は怯える事しか出来ない相手に冷静に最善の一手を打った人物が………自分と同年代の小さな女の子だったから、頭がカーッとしてこんな事を言ってしまったのかもしれない。
「………そっか、ごめん、余計なことしたね」
「~ーーーッッッッ、お前何が目的だ!!」
………自分が子供じみた癇癪を起こしているのに、彼女は苦笑しながら謝罪するという大人な対応、それに尚の事、腹が立った俺はさらに突っかかる。
「え?」
「言え!!、何が目的だ!!!」
「………目的?、目的か~~~………」
「ふん、やっぱり金か??!!、ま、まぁ、俺の役に立とうとした事実は認めてやる、いくらーー」
………当時9~10歳の子供とはいえこれはひどいと言わざるを得ない…………才能があったので増長していたし、まだ精神が未熟な年頃な為、自分の失敗を認められず、かといってこのまま何もせずに別れるのは気分が悪い、なので取り敢えず、ありがた迷惑だけど一応金を払ってやるよみたいなスタンスで話す…………。
「困ってる人がいたら助けるそれが私のモットー、もとい目的かな」
「は?」
………彼女の返答に思わず呆けてしまう。
「それに、お金よりさぁ~………君、魔法の天才なんでしょ??、ちょっと見せてよ」
「な、何言ってんだお前?」
「………私、ミレイ・ノーザンって言うんだけど……………生まれつき魔力無いんだよね~、だからさ、君の魔法を見せてよ!」
「ま、まぁいい、魔法なら金を用意するより楽だし…………『サンダースピア!!!』」
「おお!!、すごーい、キレイ!」
「ふ、ふふんすごいだろう\\\\\\」
「すごいすごい、あれ?、魔法って詠唱が必要だって聞いてたけど、君してなくない?」
「俺とそんじゃそこらの有象無象と一緒にするな、超天才の俺は無詠唱で魔法を発動できるんだよ」
「え?、無詠唱………って何?」
「よ、ようは他の奴がブツブツ言ってる間に俺は二、三発魔法を放てるってことだ!!」
「ええ??!!、すごーーーーい!!」
「ま、まぁ俺は天才だからな\\\\\\\\\\」
俺は言われた通り、魔法を見せてやる………危ないので初級程度の魔法だが、彼女は目をキラキラさせて眺める、すごいと連呼の嵐に自尊心が満たされ、気を良くした俺、最初の怒りはどこへやら……………彼女とは滞在期間中の短い間だったが、宿屋の近くでよく一緒に遊んだ…………そして旅行が終わり、自宅に帰ってきてから気づいた、もう二度と会う機会がないだろう彼女が好きになっていた事に………。
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