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7、sideマーガレット、ざまぁ1
しおりを挟む「それで?、あの魔力無しに腕を切り落とされて、ノコノコ逃げ帰ってきたってわけ?」
「ウケるんですけどぉ~」
「ーーーッッッッ」
あの後、マーガレットはガルシア国の兵士に拾われ、応急処置をしてもらってなんとか帰ってきたが………目的を達せられず、さらに腕まで切り落とされた事を他の聖女達に馬鹿にされる。
「………まぁいいわ、あんなゴミ、何もできないでしょ…………取り敢えずアンタは国民の頼み事をなんとか処理しなさい」
「ーーー!!、そ、それは………」
「……ゴミを取り逃した上に、さらに口答えまでする気?」
「ーーーッッッッ、わ、わかりました!!!」
本当は国民のお願いなんて大したリターンが望めないことやりたくないが、さっきの失態があるため肯定するしか選択肢がない、急いでその場を後にするマーガレット。
この後に及んで、国の魔力トラブル全てをたった一人に任せるなんていうやり方をする聖女達、それが出来るのはミレイ以外いないというのに………。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
「クソクソクソクソクソ!!、何で私があんなゴミに!!!」
いまだに脳裏に映るのはミレイとの戦い、彼女如きに腕を切り落とされたなんて一生の恥だ………。
(それにしても………何であの程度で魔力切れを起こしたのかしら……)
彼女は首を傾げる、マーガレットは………いや、他の七人の聖女達も含め、誰も知らなかったのだ、実はミレイが持つ退魔の剣が吸収、霧散させた魔力は他の聖武器へと流れ、強化されていた事に、それ故にほぼ無尽蔵に魔力を使えていたが、使い手である彼女を一族から追放した今、聖剣ヴァナルガンドと他の聖武器とのリンクも切れてしまい、魔力供給がされなくなったのだ、この仕組みを知っているのは聖女の一族、族長だけ、無闇に教えるとどこから情報が漏れるかわからない為秘匿にされている………なまじ魔力高い彼女達はそうそう魔力切れに陥ることがないため、いまだに自身の異変に気づいていなかった、実際に魔力切れになったマーガレット以外……だが。
「………ま、まぁ魔力切れは何か体の調子が良くなかったのよ、今はあのクソ女の事は良いわ………任された仕事をきっちりやって、信頼を回復させないと………」
今すぐ報告したほうがいい異変を、適当な理由で納得してすぐ忘れる彼女、信頼を回復させなければ、そう息巻いて事に当たるが………。
「ーーーちょっとこれどうしてくれんの??!!」
「………か、火事は消えたでしょ?」
「火事は消えたってこれ、家ごと吹き飛ばしたの間違いだろ!!」
………そう、彼女達は生まれつき魔力が高いが、その才能にあぐらをかき、自分の聖武器の属性しか伸ばしてこなかった、簡単な初級魔法なら別属性も使えなくないが、火事を水鉄砲で消化できるわけもなく、業火で家ごと消し飛ばすということしかできないのだ………。
「あのさ、ミレイさんはいないの??」
「ーーーッッッッ、な、何で、あの女を………」
「ああ??、あの人なら家に傷一つつけずに解決できる、次はミレイさんを連れてきてよ」
「す、すみません、彼女はちょっと今国外に出ておりまして……」
「ええ??!、ちょ、ちょっと困るよ、多少なりともこっち金払ってんだよ?、毎回毎回家吹っ飛ばされたらたまったモンじゃないって」
「す、すみません……」
………いくら平民とはいえ、こちらが十割悪い状態でキレ散らかすのはマズイ、必死に平謝りで謝罪するマーガレット………だがまだ彼女の苦労は始まったばかりだった…………。
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