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7、代金はモフるだけで良い

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「良い品ばかりだな………ありがたいけど、遠慮しとくよ」

「え??、何で?」

猫の獣人、彼の名前はワイアット・ライトウッド、剣士らしい………商品を見てるワイアットは不意につぶやく。

「俺、冒険者やめようと思う……確かに、あいつらの言い分はひどいけど……限界感じてたのも事実なんだ……もう五年はDランク………それでも、仲間と一緒に冒険出来れば良いと思ってた………もし運良く他のパーティーに入れたとしてまたこんなことが起きるかもしれないっていう不安に怯えたままで、本当の仲間になんか……なれっこねぇ………」

「…………」

「………ありがとよ、俺なんか貧乏人を客として扱ってくれて……じゃあな……」

「待ちなよ」

「まだなんかーーーーーどわッッッ、な、何しやがる!!!」

私は魔武器の一つを振り返ったライアットに投げ渡す、驚愕しながらもなんとかキャッチする。

「……貴方、今まで普通の剣使いづらかったでしょ?」

「ーーーッッッ??!!、な、何でそれを……」

「それなら使いやすいと思う……」

「………いくらだこの刀?」

「冒険者引退の選別にあげるよそれ、代金はいらない……使い方はこの紙に書いてある、それじゃあね」

「は?……」

私は選別代わりに魔武器をライアットに無償で渡す、魔道具達をしまい、その場を離れる………。

「エマ、良いのか?」

「元々、あの魔武器使いこなせるのはかなり限られるから、埃被せてるよりは誰かに使われる方が武器も嬉しいでしょ」

黒鉄は無償で渡して良いのかと聞いてくる、私は適当に返事する。

「お、おいッッッちょっと待て!!」

「何?」

「な、何で今日会ったばかりの俺にそこまでしてくれるんだ?」

「………昔、似たような悩みを持った奴に武器を作ったことがある、それが理由かな」

「そ、そうか………で、でもタダっていうのは流石に悪い……」

「そこまでいうなら体で払ってもらおうかな」

「か、体で払う?」

追ってきたライアットは流石に無償で受け取るのは気がひけるようなので、体で補ってもらう事にした。

「ああ~気持ちいい~」

「く、くぅ………\\\\\」

「……毛局それか……」

猫耳をモフる私、猫耳を好き勝手されて、くすぐったさを耐えるライアット、ため息をつく黒鉄。


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