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6、次の町
しおりを挟む「いやぁ~食糧が切れる前に次の町に着いてよかったよかった~」
「っていうか、あの食料を復元する魔道具を持っていれば食料問題は解決するんじゃないのか?」
「んにゃ、あれ、結構魔力使うんだよね~、あそこの村みたく人数がいてローテで回せるならともかく、そもそもの魔力が低い私があんまりバカスカ使うと魔力が空っぽになっちゃう、んで空っぽになるまでやったところで林檎五、六個復元して終わりだから、リターンが全然釣り合ってないのさ~」
「なるほど」
次の町の酒場でだべりながら昼飯を食べる私と黒鉄。
「ーーーなんでだよッッッ!!!」
「騒がしいな?」
「どうしたんだろ?」
不意に怒鳴り声が響く酒場、声のした方に人だかりが作られていた、気になった私達は近づく。
「何で俺がクビにされるんだ!!、今までずっと一緒に冒険してきたじゃないか!!!」
「………お前、獣人じゃん、獣くさいんだよ」
「なッッッ」
「そうそう、早く私達の前から消えてよ、臭くてお昼食べられないじゃん~」
「……………わかった」
「おいおいちょっと待てよ、剣を置いていけよ、それは俺達のおかげで手に入れられた物だろ?」
「ほらよ、それじゃあな………」
「じゃあ頑張れよ~アハハハハ」
どうやらあの猫の獣人っぽい冒険者がパーティーを解雇されているらしい、まぁどんな職場でも役に立たなく、やる気もない奴はは切り捨てた方が良いからな、ただ私には獣人だから解雇して、装備巻き上げる、というどう聞いても理不尽な行為にしか見えない。
「あの人の猫耳ってどんな感触なのかな?」
「………ふん、どうせ俺なんて……」
「ーーーーあ、いや、黒鉄もカッコいいよ!!、でもね、それとこれとは別っていうか!!!」
「今度俺にも毛皮つけてくれよ……」
「人工的に作る毛ってあんまり気持ち良くないんだよなぁ~」
私が猫耳の虜になっていると黒鉄は隣でいじけ出す、フォローするも、なんか自分に毛皮をつけろとか言い出す黒鉄。
「ーーーって、あ、そこの人待って!!!」
「………なんだよ?」
酒場から出たところを急いで話しかける私。
「貴方、剣がないんでしょ?、私の魔道具……この場合は魔武器か……買わない?、安くしとくよ」
「………魔武器って作るの大変なんだろ?、俺はそんなに金持ってないぞ?」
「大丈夫、足りない分は体で払ってくれれば良いから」
「か、体で払う?」
「ま、まぁまぁ、とりあえず商品見てよ、見るだけはタダだからさ」
とりあえず、武器を無くした冒険者なんていう商品を売りつけるには最高の客を逃すわけにはいかない、取り敢えず話しかける、金は持ってないと返答する相手、私はつい口を滑らしてしまう、私の言葉に少し身を引く相手、誤魔化すように魔道具を広げる私。
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