14 / 22
14、二人目
しおりを挟む「なっっーーー、何でお前がここにいるんだ?!!、もうちょっと遅いって言ってただろ?」
「運良く予定より早くこれたんだ……まぁ、君にとっては不運だろうけど」
どうやらレクスの知り合いらしい、不意に出てきた男の人と揉めている。
「え、えと、誰なのその人?」
「うん?、ああ、コイツはーーームグッッッッ??!!」
「自己紹介ぐらい自分でするよ」
見知らぬ男の正体をレクスに聞くが、男はレクスの口を止める。
「さて………僕は誰でしょう?」
「え?」
………自己紹介をすると言っておきながらいきなり始まる人名当てクイズ……とりあえず言動から私の知り合いでもあるようなので、今わかる情報から絞り込んでいこう……短めの銀髪、眼の色は、瞼を糸のように細く閉じているのでわからない、全体的に顔は整っており、身長は高く、レクスより頭一つほど大きい、レクスのように手足が細く、程よく鍛えられている、足が長く、自然と頼りたくなるような……。
「ーーー!!、も、もしかして………ロイにぃ?、ロベルト・ルイフォード?」
「当たり………久しぶりだね、リレちゃん」
子供の頃、友達の中でもいつも落ち着いていて、みんなの頼りになっていた兄貴分、ロイ。
「懐かし~、え、じゃあロイ兄もこの学院に通うの?」
「そうだよ、リレちゃんと同じクラスさ、まだ手続きが済んでないから、クラス加入するのは後数日かかるけどね」
「そうなの?!、やった!!!」
兄貴分と言っても、私達より半年ぐらい先に生まれているだけで、年は同じなので、学年は同じだ、けど、クラスまで同じとは思わなかった。
「………一歩リードってところかな?」
「へ、何が?」
口元に右手を当てて、上品に微笑しながら訳のわからない事を呟くロイ、疑問をぶつけるが、答えてくれず、ちょいちょいと逆側の手で何処かを指差す。
「………俺には気づかなかったのに………ロイにはすぐに気がつくんだな……」
「ーーーあ、いや、その、だ、だってレクスは最初だったからわかんなかったっていうか、その……」
「ブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツブツ」
指し示された方へ視線を向けると、部屋の隅で疼くまり、体育座りでいじけてるレクスがいた、私は慌ててフォローするが、レクスは落ち込み続ける、真っ黒い影を彼の周りに幻視する。
「……というか、二人共、結構良い時間だけど、もう支度しないとやばいんじゃない?」
「ーーあ」
0
お気に入りに追加
137
あなたにおすすめの小説
そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげますよ。私は疲れたので、やめさせてもらいます。
木山楽斗
恋愛
聖女であるシャルリナ・ラーファンは、その激務に嫌気が差していた。
朝早く起きて、日中必死に働いして、夜遅くに眠る。そんな大変な生活に、彼女は耐えられくなっていたのだ。
そんな彼女の元に、フェルムーナ・エルキアードという令嬢が訪ねて来た。彼女は、聖女になりたくて仕方ないらしい。
「そんなに聖女になりたいなら、譲ってあげると言っているんです」
「なっ……正気ですか?」
「正気ですよ」
最初は懐疑的だったフェルムーナを何とか説得して、シャルリナは無事に聖女をやめることができた。
こうして、自由の身になったシャルリナは、穏やかな生活を謳歌するのだった。
※この作品は「小説家になろう」「カクヨム」「アルファポリス」にも掲載しています。
※下記の関連作品を読むと、より楽しめると思います。
二度目の人生は異世界で溺愛されています
ノッポ
恋愛
私はブラック企業で働く彼氏ナシのおひとりさまアラフォー会社員だった。
ある日 信号で轢かれそうな男の子を助けたことがキッカケで異世界に行くことに。
加護とチート有りな上に超絶美少女にまでしてもらったけど……中身は今まで喪女の地味女だったので周りの環境変化にタジタジ。
おまけに女性が少ない世界のため
夫をたくさん持つことになりー……
周りに流されて愛されてつつ たまに前世の知識で少しだけ生活を改善しながら異世界で生きていくお話。
転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
女性が全く生まれない世界とか嘘ですよね?
青海 兎稀
恋愛
ただの一般人である主人公・ユヅキは、知らぬうちに全く知らない街の中にいた。ここがどこだかも分からず、ただ当てもなく歩いていた時、誰かにぶつかってしまい、そのまま意識を失う。
そして、意識を取り戻し、助けてくれたイケメンにこの世界には全く女性がいないことを知らされる。
そんなユヅキの逆ハーレムのお話。
美幼女に転生したら地獄のような逆ハーレム状態になりました
市森 唯
恋愛
極々普通の学生だった私は……目が覚めたら美幼女になっていました。
私は侯爵令嬢らしく多分異世界転生してるし、そして何故か婚約者が2人?!
しかも婚約者達との関係も最悪で……
まぁ転生しちゃったのでなんとか上手く生きていけるよう頑張ります!
明智さんちの旦那さんたちR
明智 颯茄
恋愛
あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。
奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。
ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。
*BL描写あり
毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。
女性の少ない異世界に生まれ変わったら
Azuki
恋愛
高校に登校している途中、道路に飛び出した子供を助ける形でトラックに轢かれてそのまま意識を失った私。
目を覚ますと、私はベッドに寝ていて、目の前にも周りにもイケメン、イケメン、イケメンだらけーーー!?
なんと私は幼女に生まれ変わっており、しかもお嬢様だった!!
ーーやった〜!勝ち組人生来た〜〜〜!!!
そう、心の中で思いっきり歓喜していた私だけど、この世界はとんでもない世界で・・・!?
これは、女性が圧倒的に少ない異世界に転生した私が、家族や周りから溺愛されながら様々な問題を解決して、更に溺愛されていく物語。
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる