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30、お試しに

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「………綺麗……だな」

リベルタス様が帰った後、黄昏の明星ヴィーナスがまだ手元にある事を思い出し、照明にすかして見る私………何を血迷ったのか、指に嵌めようとする………。

「………こんな事しても、弾かれるだけだってのに………」

愚かな自分の行為に呆れながらも、好奇心を抑える事が出来ない………別にサンセット家当主の座なんて興味はないし、アイシャが後継者に決まっているが………幸いな事に今は一人、試すだけならタダだし、誰かに見られて恥をかくという事もないだろう。

「ほら、やっぱり入った………入った?」

後継者以外が指につけようとすると、弾かれる、もちろんそうなるだろうと思っていたら、なぜか指につけられてしまった…………。

「………偽物?、いや……多分本物だよな………」

偽物かと疑うが、恐らく本物だと思われる。

「…………ってことは、お義父さんとお義母さんは私を後継者に選んだってこと?」

………不思議と目頭が熱くなるのを感じた………。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
side アイシャ

時間は少し前に遡る。

「今日も気持ちよかったぞ、アイシャ」

「………ありがとうございます」

今日も色ボケ王子の玩具にされる私………。

「それで、そのオルク様にお願いがあるのですが」

「なんだ?」

「コトハにサンセット家の後継者の座を奪われてしまったのです、だから、どうにかして、私へと変更させてほしいのです」

「ーーーッッッッこ、コトハか………わ、悪いが……」

「ーーーんっっ………お願いできますか?」

「ーーアッッッ…………わ、わかった……なら、ハルバートをさらって脅迫でもすればアイツも言うことを聞かざるを得ないだろう、幸い、今あの化け物女は休日で離れているはずだ」


「ありがとうございます」

色ボケ王子に頼むも、何度も負けているので流石に二つ返事で了承はしてくれない、私は彼の体を触ってから再度お願いする、すると王子の態度がなんかして、了承させる事に成功した。

(………見てろよクソ女)
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