私この戦いが終わったら結婚するんだ〜何年も命懸けで働いて仕送りし続けて遂に戦争が終わって帰ってきたら婚約者と妹が不倫をしてて婚約破棄された〜

ターナー

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歌姫の国

73、地下水路

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「あちゃ~あれは流石に厳しいかな~」

女騎士に勝った後、暴食の罪、ベルゼブブ・ヒュドロニーの力で女騎士の私に関する記憶、これで私の情報が漏れることはないだろう。


急いで国の外へ出る為に門へと向かうが、遠目でもわかるほど、警備が厳重に固められている、簡単には出られそうにない………一応、徳罪歯車起動セフィロギアなどを使えば無理やり突破できそうだが………いくら机上楼閣の愚女エアリス機械仕掛けの有翼幻獣キマキナより燃費が軽いと言っても、連発をすれば悪魔にも私にも負担がかかるのは目に見えている、七大罪と七善徳の力を使う場合はそれぞれの感情を魔力の代わりにエネルギー源にできるらしく、例えばさっきは怒っていたので、憤怒の罪、サタン・ユニースの力を使う場合は消費魔力を多少抑えることができたわけだ。

(……… 場合によっちゃ国外に出ても追手が二人を襲ってるかもしれない………無理やり通るか……)

「ん?、この光、連絡用の水晶玉………」

しかし、チンタラしてるとレクスとミゲルに危険が及ぶかもしれない、無理矢理門をこじ開けようかと思ったその時、鞄が輝く、何かと思えばレクスとの連絡用の水晶玉が光っているようだ、私はすぐさま人気の無い場所へ移動、応答する。

「ーーーあ~もしもし?」

「おお、やっと出てくれたかイヴ」

「レクス、貴方達はもう国の外に出てるの?」

「いや、警備が厳しくてな、我一人ならまだしもミゲルと一緒になると乱暴な作戦はできなくて、まだ街中におる」

「それって大丈夫なの?、悠長に連絡なんかして」

「それがな、大丈夫なのだ、そう簡単に見つからない場所を発見したからな!!!」

「へぇ、どこなの?」

「地下水路だ」

「なるほど」

………とりあえず、レクスの誘導に従い、二人のいる場所に移動する私。

「ここを右っと……お、いたいた」

「イヴ!!」

「怪我はしてないみたいだね」

「それはこっちの台詞だ!!」

地下水路はかなり複雑に入り組んでおり、確かに身を潜めるにはもってこいの場所だった、薄暗い道を慎重に進んでいき、角を曲がったところに二人はいた。

「あ、あの騎士は……どうしたんですか?」

「なんかムカつくからぶっ飛ばした」

「ぶっ飛ばしたって、た、倒したってことですか?」

「うん」

(………確かあの女騎士は上級騎士のはず………この人一体………)

ミゲルも無事なようで一安心、何か彼が呆気に取られているような気がするが、気のせいだろう。

「さて、それじゃあこれからの事を決めようか」

「うむ……ほとぼりが冷めるまでここに潜伏するか?」

「現状それが一番リスクが低い、まぁ、あんまり長いようなら、数日休めば完全回復できるし、無理やり門こじ開けて外に出ちゃうのもありだね」

「イヴの火力ならばそれも可能か……しかしあんまり派手にやり過ぎると外へ出たとしてもしつこく追われそうだぞ?」

「だよねぇ~、だからそれは最終手段、基本はほとぼりが冷めるまでここに潜伏、我慢比べってところか」

今後のプランを練っていく私達。
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