私この戦いが終わったら結婚するんだ〜何年も命懸けで働いて仕送りし続けて遂に戦争が終わって帰ってきたら婚約者と妹が不倫をしてて婚約破棄された〜

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ロイ様とデート編

52、ロイと祭りデート

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「……貴女は本当にロイ愛しているのですか?」

「あ、当たり前です!」

王妃様に仲を勘ぐられる私………確かに浮いた話の一つもないというのは怪しいと思われても仕方ない。

「それじゃあ、丁度良く祭りが開かれるそうなのでロイを誘ってみなさい」

「ええ??!!」

「おや、何か問題でも?、腕の立つ貴女が一緒ならロイの身も安全でしょう……」

「わ、わかりました……」

「………デートの様子は観察させてもらいます、結果次第では婚約は解消させてもらいます、元々、婚約者を決める大会の参加にはロイを愛してることが必須条件だったので、愛してないというなら貴方にはそもそも参加資格がないということですからね……」

「…………はい……」


………まさか勇者パーティについた嘘がこんな風に実現してしまうとは夢にも思ってなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「……という訳でロイ様、祭りデートをしましょう」

「ま、全く、母上は……仕方ないですね\\\\」

王妃様に解放された後、ロイに事情を話す、少し嬉しそうに顔を赤らめてる気がする……もしかしたらロイは祭りを誰かと楽しみたかったのかもしれん、王族だからそういうとこ行けなそうだしなぁ………。

「あ、ベビーカステラ売ってますよ、イヴさん!」

「出店のやつってなんで、ああ美味そうに見えるんだろ………」

とりあえず二人で街へと移動する、街は人で賑わっていた、祭りだから当然といえば当然、出店が並び、夜とは思えないほど明るい街並み、一応ロイには顔を変える魔道具を使ってもらっている。

「おじさん、ベビーカステラ二袋お願いします」

「はいよッッ!!、アツアツのうちに食べな………おや、あんたらカップルかい?」

「え??!!、い、いやあのその僕たちは\\\\\\」

「あ、はいカップルです」

「へへへ、初々しくて良いねこりゃ、よし、もうひとつオマケだ」

「おじさん男前~」

「おおわかってるじゃねぇか姉ちゃん!!、よし、なら一個半額に負けてやる!!!」

「ありがとうございます~」

ベビーカステラを購入、店主と雑談をした後、食べ歩く私達。

「ーーーーあれ?、イヴさんどこに………」

「こっちですよ」

「あ、そっちですーーーッッてうわッッッ??!!」

「へへ、びっくりしました?そこの売店で買ってきました」

不意に後ろからロイの肩を叩く私、振り向く彼は魔物のお面をつけた私にびっくりする。

「ほ、本当にびっくりしましたよ………」

「どうぞこれ」

「?」

「貴方の分も買ってきましたので」

「あ、ありがとうございます\\\」

適当に買ったお面をロイに手渡す、赤くなった顔を隠すようにお面をつけるロイ。

「……もうそろそろやめにしませんか?」

「あ、後一回だけですから!!」

今度は金魚掬いに夢中なロイ、破れたポイが山のように積み上がる。

「くぅ………『発疹皮膚武器イラプション』さえ使えれば一発なのに……」

「い、意外と射撃下手なんですねイヴさん……」

次は射的、コルク銃で商品を狙うが当たらない、普段使っている武器と感覚が違いすぎて狙いが定まらん。

「……あ、せっかく祭りなのでこれ着てみませんか?」

「みたことない服ですね?」

「実は祭りというのはある極東の島国での『縁日』が原点らしく、島民は祭りをする時はこの服を着るそうです」

「へぇ~」

ロイと二人で着物を借りる。

「い、イヴさん綺麗ですね……」

「ども、ロイ様も似合ってますよ」

お互いの着物姿を褒め合った後、そのまま街中を練り歩く。

「………その、イヴさん…」

「なんでしょうか?」

「………様づけをやめてくれないか?」

「へ??!!、そ、それは………その………」

「………いつまでも様付けしてたら、その、母上が僕達の仲を疑う理由にもなりそうですし、そ、それにいくら顔を変えても様付けで呼んでいては裕福な人物だとバレてしまいそうですし………」

「た、確かに……では……ロイ……\\\\」

「は、はい\\\\\\」

私が彼の名前を呼んだ瞬間、ロイは固まる、何事かと思ったら、自分を呼び捨てで呼んでほしいと頼んでくる、王族を名前呼びなんてしたくないが、確かに今はデート中な上、今後、王妃に勘繰られる要素はなるべく無くしたい、私は湯気を噴きながら呼ぶ、ロイも顔をりんごのように真っ赤にしながら返答する。

「え、えっと\\、あっちの焼きそば美味そうですよ!!」

「あ、は、はい!!\\\」

私は誤魔化すように焼きそばをロイ様に勧める。

(………な、なんだこの胸の高鳴りは……いやいやいや、相手は王族………いや、でも、私たち婚約してたな…………ーーーーッッッ、そうだよ、なに舞い上がってるだ私は………ロイ様ーーいやロイには………好きな人がいるっていうのに………)

「………イヴさん?」

「あ、すいません、ちょっとぼーっとしてしました!!」

少し甘酸っぱい雰囲気に私の胸が高鳴ったが………ロイ様には好きな相手がいることを思い出す、ロイ様は足を止めた私を心配そうに眺めてくる、私は適当に誤魔化す。

「……綺麗ですね」

「……はい」

ドンドンと大きい音ともに夜空で広がる光の花、ベンチに座りながら、花火を見ながら食べる焼きそばの味も意外と化けるものだ。

「………すいません……」

「え?、何がですかイヴさん?」

「……本当は好きな相手と祭りを楽しみたかったですよね………なのに……私なんかと回ることになってしまって………」

「………気にしないでください、寧ろ最高でした………」

「……ごめんなさい………」

もう王妃とか関係なしに楽しんでいたが、よくよく考えてみれば彼には好きな相手がいるのを思い出し、無意識の内に謝罪していた。

「………だって、僕の好きな人って貴女ですから…………」

「…………はい?」

私は思いがけない返事に間抜けな声と顔を晒す、その後、花火が大きな爆発音を鳴らす………。
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