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ドM令嬢編
45、sideハル、親友の遺言
しおりを挟む「おい!!!、おい死ぬなハトコ!!!!」
「ーーーコフッッッ、私はもうだめだ……ハル、君だけでも逃げて……」
戦場の中、腕の中で死にかける親友ハトコ。
「そんな事できるわけ無いだろ!!、大丈夫だ、本部に戻ればきっと助かる!!、だからーーー」
「ハル………もうハトコは……」
「ーーーーウルセェ!!!、お前にこいつの何が分かる!!!、コイツの図太さは俺が一番よく知ってる!!、ガキの頃からの親友なんだ!!!、コイツだったらこのくらいの怪我どうって事ねぇ!!!」
「………ハル、最後にお願いがあるんだ……」
「ーーー最後なんて言うな!!!」
「頼むよハル……お願いだから聞いてくれ………」
「……………」
隣で分かりきってる事を言う同僚、俺は現実が受け入れられず、怒鳴り散らす、ハトコは俺に最後の願いとかほざく、図体ばかりでかいガキの俺はハトコのその言葉が気に入らず大声をあげる。
「ハル、良いのか?、このままハトコの言葉を聞かず、死なせてしまって………」
「ーーーッッッ、………わかった、聞く、黙って聞くよ………ハトコ………教えてくれ、お前の最後のお願いってのはなんだ?」
「………イヴ少佐は知ってるよね?」
「あ、ああ、同期の中でもかなり優秀で上司からも気に入られてる人だろ?」
「あの人……何か自暴自棄な気が………するんだよ……一緒の任務に着いた時に……かなり危なっかしい突っ込み方をしてた………まるで一分一秒も惜しいみたいな感じで……それでそれとなく理由を聞いてみたんだけど……『故郷に婚約者が待ってるから戦争を早く終わらせたい』ってさ……休憩時間の時もずっと張り詰めてて…………同期の中だと少ない女友達だったからかな……すごく気になちゃって……あんな調子じゃ私みたいに死んじゃうかもしれないから……彼女の緊張をほぐしてあげて、隣で彼女をサポートしてあげて欲しいな………」
「き、緊張をほぐすって……どうすれば良いんだよ?」
「………昔さ、父さんが死んじゃった時、いつまでも落ち込んでる私を励まそうとした君に私が八つ当たりして、喧嘩した時あったでしょ?………それで君が友達に『ハトコって実はサイ○人なんだぜ』っていう嘘を触れ回った時……私は呆れたよ、そんなしょうもない嘘ついてなんの得があるんだって、ハルの馬鹿さ加減を見てると深く悩んでる自分がアホらしくなって、肩の力が抜けた気がして……父さんの死をなんとか受け入れる事ができたの………人間って自分より馬鹿な事をする奴を見ると、途端に冷静になれるから………そうすればきっとイヴさんの暴走気味の特攻もやめさせる事ができると……思う……だからさ、私と話してる時みたく、イヴさんと仲良くしてあげ……て……」
「……………わかったよ、ハトコ…………」
俺は親友の最後の言葉を聞く、ハトコは静かに息を引き取った。
ーーーーーーーーーーーーー
「ーーーーッッッ??!!!…………また懐かしい夢を見たな………」
俺は勢いよく飛び起きる、彼女達と適当な時間まで遊んだ後、眠りについた、レベッカとイヴと戯れて楽しかったせいか、親友との楽しい日々まで思い出してしまった………最後の言葉のところまで………戦争が終わったと行ってもまだ世の中は物騒だ、イヴが我を失わないために、俺は今日も今日とて親友の遺言に従ってイヴにアホな事をしまくる。
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