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増援要請編
31、勧誘失敗
しおりを挟む「ハル、私と一緒にロイ王子の護衛やんない?」
「悪いけどパス、明日から重要任務に就くから」
「そっか~そりゃ残念」
子供達の遊び相手をして暗くなったところで適当に解散、その帰り道、ハルを護衛に勧誘するが断られる。
「そもそも、なんで俺なんか誘うんだよ、完全にお前の足手纏いだろ」
「?、そんな事無いでしょ、ハルはやる時はやってくれるじゃん、強さに関しては同僚の中では一番信頼してんだぜ」
「お、おう、さ、サンキュ~」
「……ま、普段はアホだけど」
「ひでぇなオイ」
ハルは力不足というが、私はそうは思わない、戦場でも彼と背中合わせで戦ったりした、他の仲間が私の動きについて来れないなか、ハルはなんとかついて来た、元々竜人族という種族がかなり優秀というのもあるが、褒めると彼は顔を赤くしながら照れ隠しに頭をボリボリ掻く、しかしあんまり褒めると調子に乗ってうざいので釘を刺しておく。
「それじゃあ、私こっちだから、さよなら」
「おぅ、また明日」
「うん……………また明日?」
そろそろ自宅への分かれ道なのでお別れの挨拶をする、数分歩いた後、彼の言葉が引っかかる、しかしアホの言う事を真に受けてもしょうがない、適当に聞き逃すことにした。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「また明日ってそういう事か」
「こういう事です」
次の日にロイの護衛をしていると、ロイの弟アレンが訪ねてきた、兄と遊びたかったのだろう……そしてなぜか見知った顔のハルがそこにいた、私が驚いていると物凄いドヤ顔でこちらを見てくる、どうやらアレンの護衛らしい、今回の戦争でちゃっかり中佐に昇進したとの事、そして私とも顔見知りなので連携が取りやすいから弟の護衛に任命されたらしい。
「護衛はパスじゃなかったの?」
「ロイ王子の護衛はな」
「うっぜぇ~………けどま、王宮内にハルがいるのは心強い、困った時は助けてくれよ」
「役に立てる時は手伝うが、お前が困った時はほとんど俺の手に余るからな~」
「そういやハル、中佐に上がったんなら敬語の方が良い?」
「いや、今更敬語とか気持ち悪い、タメ口で良いぜコバト」
「おっけ~」
お互い苦笑しながら拳を軽く合わせる。
「い、い、い、イヴさんとあんなに親しげに、う、羨ましい……」
「に、兄さん?ど、どうしたの?」
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