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増援要請編
23、増援要請
しおりを挟む「増援を要請しにきました」
「何故だ?、八つ裂き乱射魔たる君がいれば戦力面では何も問題はないはずだ」
私は軍の本部への提示連絡のついでに増援要請をする、だが、相手もできる限り少ない人数で回したいのでそう簡単に許すはずがない、どうしてか理由を聞いてくる。
「戦力面では何ら不備はありません」
「では何故だ?」
「が、やはり私は女、異性なのでロイ王子の事を完全に護衛する事は不可能のようです」
「……………」
「ロイ王子が私の事を気に入っているのは確かですが、度々、意思の疎通というか、齟齬が生じるので、それに男性しか入れない場所等にはお供ができません、異性の私が王族の湯浴みを除くわけにもいきませんし」
「なるほど、確かにそこは盲点だったな」
「しかし同姓ならば私よりも近いところでお守りすることが可能かと」
「わかった、十人までなら連れってても構わん、君が信頼する者を連れて行け、しかし、一ヶ月一人ずつだ……王宮内で粗相をしないかどうか見張れ」
「ありがとうございます!」
異性なので相手が気を使ったり、プライベートな空間まではカバーできない事を全面に説明すると、あっさり許可が降りた、私は本部内をルンルン気分で歩く、あ、いや別にロイ王子×〇〇とかそんな事は微塵も考えていない、いやちょっとあるかもしれないけど、本当に微粒子レベルだ、ルーガスで少しそちらに心を惹かれかけているからロイの周りを男で固めれば覚醒するとか、全く全然これっぽっちも考えていない、ただ純粋に私が一人で護衛するのはしんどいからだ、今は王宮の空室を使って寝泊まりするのだが、王宮は息苦しくてかなわん、かといって休日だからといってロイから離れたら私の責任問題になる、だから、信頼できる人を連れてきて護衛を任せて休日をしっかり謳歌しようという事だ。
「ーーオウ、コバト、スキップなんかしてご機嫌だな、なんか良い事でもあったのか?」
「あ、アルバート、久しぶり」
歩いていると同期の熊人アルバートが声をかけてくる。
「っていうかそのコバトってやついい加減やめてくれないかな」
「いやぁ、結構呼びやすくてな、それにあれは面白すぎたからな」
「全くあのアホのせいで」
コバト、というのは同期内での私の渾名だ、とあるアホが私の二つ名をコバト・コバトとか間違って周りに伝えてその名前が定着してしまい、コバトというあだ名をつけられてしまった、悪い奴ではないんだが、少々アホなのがたまに傷。
「あ、そういやアルバートって今なんか重要任務とかについてる?」
「いや、ついてないが」
「よかったら私と一緒にロイ王子の護衛やらない?」
「い、いいのか??!」
「うん、そっちが良いなら頼みたいな、アルバートだったら信頼できるし」
「お、オウ、そ、そうか、嬉しい事言ってくれるぜ」
「んじゃあ決まりね」
丁度良く、信頼できる男ハルバートと会ったので護衛に彼を誘う、食いつきが良かったのでそのまま彼を増援一号に決定する。
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