私この戦いが終わったら結婚するんだ〜何年も命懸けで働いて仕送りし続けて遂に戦争が終わって帰ってきたら婚約者と妹が不倫をしてて婚約破棄された〜

ターナー

文字の大きさ
上 下
22 / 75
人狼国編

22、帰りの汽車

しおりを挟む

「なんでそんなに不機嫌なんですかロイ様」

「別に不機嫌じゃありません」

(不機嫌じゃん)

さっきから目を合わせてくれないロイ、さっきからこの調子、ちょうどルーガスの見送りの後からだ。

(やっぱりイヴさんってモテるのか、交渉が思ったより大変だったからイヴさんとも距離を縮めるどころじゃなかったし、それにしてもたった数日で悪い虫が寄ってくるなんて……)

「い、イヴさんは貴族の娘なのですから気安く男に触れるのは控えたほうがよろしいかと、ペンドラゴン家の品位をーーー」

「ーーーああ、なるほど」

「分かって頂けまーーー」

「ーーーロイ様もルーガスに触りたかったのか」

「はい?」

「男って結構シャイな人が多いんだな、いや毛っ構か、自分が触れなかったからって、まぁ確かに獣人の毛はもう見るだけで触ったら気持ち良いんだろうなってわかるからな~」

「…………」

「もう、しょうがないですね、今度会った時にロイ様も触らさせてもらえるように私が頼んであげますから機嫌を直してーーーー」

「ーーーち・が・い・ま・す!!!」

「え?違うんですか?」

私だけがルーガスのモフモフを堪能して、脳みそをとろけさせてたから、ロイが嫉妬してると思い、慰めるように話しかける、しかし、どうやら不機嫌の理由は違うようだ。

「もしかして好きなんですか?」

「ーーーーななっッッッっ、何を言ってるんですかッッッ!!!、な、なんの証拠があってッッッッ!!!」

「わ、わかりやすい」

(ーーーし、しまったバレてしまったッッッ!!!け、けど、このままタイミングを図るばかりじゃ関係は進展しない、だったら覚悟を決めていこう!!!)

「じ、実は僕は貴女のーーー」

「ーーールーガスが好きなんですね」

「へ?」

勘が良すぎる自分が怖い、あの慌てようからして核心をついてしまっているだろう。

「大丈夫です、BLが嫌いな女はいません、私、そういうのに偏見ありませんから、他国の王子と王族の護衛の人狼族の男、許されざる禁断の恋、応援します!」

「………」

「当然ルーガスの方がヘタレ受けって感じで、ロイ様が鬼畜攻めなんですよね?」

「それも違います」

「え?これも違うんですか?」

どうやらこれも違うらしい、じゃあ一体なぜ、謎が深まるばかりだ。

(危うく勘違いで告白するところでしたよ)



しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

拝啓、許婚様。私は貴方のことが大嫌いでした

結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
【ある日僕の元に許婚から恋文ではなく、婚約破棄の手紙が届けられた】 僕には子供の頃から決められている許婚がいた。けれどお互い特に相手のことが好きと言うわけでもなく、月に2度の『デート』と言う名目の顔合わせをするだけの間柄だった。そんなある日僕の元に許婚から手紙が届いた。そこに記されていた内容は婚約破棄を告げる内容だった。あまりにも理不尽な内容に不服を抱いた僕は、逆に彼女を遣り込める計画を立てて許婚の元へ向かった――。 ※他サイトでも投稿中

【完結】ずっと、ずっとあなたを愛していました 〜後悔も、懺悔も今更いりません〜

高瀬船
恋愛
リスティアナ・メイブルムには二歳年上の婚約者が居る。 婚約者は、国の王太子で穏やかで優しく、婚約は王命ではあったが仲睦まじく関係を築けていた。 それなのに、突然ある日婚約者である王太子からは土下座をされ、婚約を解消して欲しいと願われる。 何故、そんな事に。 優しく微笑むその笑顔を向ける先は確かに自分に向けられていたのに。 婚約者として確かに大切にされていたのに何故こうなってしまったのか。 リスティアナの思いとは裏腹に、ある時期からリスティアナに悪い噂が立ち始める。 悪い噂が立つ事など何もしていないのにも関わらず、リスティアナは次第に学園で、夜会で、孤立していく。

5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?

gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。 そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて 「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」 もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね? 3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。 4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。 1章が書籍になりました。

【完結】私は死んだ。だからわたしは笑うことにした。

彩華(あやはな)
恋愛
最後に見たのは恋人の手をとる婚約者の姿。私はそれを見ながら階段から落ちた。 目を覚ましたわたしは変わった。見舞いにも来ない両親にー。婚約者にもー。わたしは私の為に彼らをやり込める。わたしは・・・私の為に、笑う。

そんなにその方が気になるなら、どうぞずっと一緒にいて下さい。私は二度とあなたとは関わりませんので……。

しげむろ ゆうき
恋愛
 男爵令嬢と仲良くする婚約者に、何度注意しても聞いてくれない  そして、ある日、婚約者のある言葉を聞き、私はつい言ってしまうのだった 全五話 ※ホラー無し

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

殿下、幼馴染の令嬢を大事にしたい貴方の恋愛ごっこにはもう愛想が尽きました。

和泉鷹央
恋愛
 雪国の祖国を冬の猛威から守るために、聖女カトリーナは病床にふせっていた。  女神様の結界を張り、国を温暖な気候にするためには何か犠牲がいる。  聖女の健康が、その犠牲となっていた。    そんな生活をして十年近く。  カトリーナの許嫁にして幼馴染の王太子ルディは婚約破棄をしたいと言い出した。  その理由はカトリーナを救うためだという。  だが本当はもう一人の幼馴染、フレンヌを王妃に迎えるために、彼らが仕組んだ計略だった――。  他の投稿サイトでも投稿しています。

もう尽くして耐えるのは辞めます!!

月居 結深
恋愛
 国のために決められた婚約者。私は彼のことが好きだったけど、彼が恋したのは第二皇女殿下。振り向いて欲しくて努力したけど、無駄だったみたい。  婚約者に蔑ろにされて、それを令嬢達に蔑まれて。もう耐えられない。私は我慢してきた。国のため、身を粉にしてきた。  こんなにも報われないのなら、自由になってもいいでしょう?  小説家になろうの方でも公開しています。 2024/08/27  なろうと合わせるために、ちょこちょこいじりました。大筋は変わっていません。

処理中です...