20 / 27
20、(ざまぁ)、side勇者パーティー、帰り道
しおりを挟む勇者ロゴミス達は、『終わりなき園』の攻略を中断、5、6日後にグロッサの街へと帰った。
…………ほぼ一週間もかかったのは、食糧管理すらしてなかったからだ………普通何日もかかる攻略をする場合、食料や水を大量に持ってこなければならない、…………それか、尽きる前に一回撤退するべきだったのだが、彼らは何も考えず無意に時間を費やし、食糧や水を消費してしまう。
そして、いざ帰るだんになったら、食料が残りわずかでとても町までもたない事に気づいた、近くに森があったので小動物を狩る事で食糧はなんとかなるが、水の調達が難しかった、仕方がないのでシャーリーに水魔法で補う………しかし、それはつまり後方火力のシャーリーの魔力を浪費することに他ならない、魔力耐性の高い魔物など出てきた時にまたもや苦戦する………リフィルがいれば、後ろから援護するなり、前に出てロゴミス達が魔力を溜める時間を稼いだりできたが……今はいない。
これまでは今持っている食糧なら何日持つのか判断するのがリフィルの仕事だった………リフィルの仕事というより、他のパーティーメンバー達が誰もやりたがらなかったので、消去法でリフィルがやらざるを得ないと言った方が正しかったが。
リフィルを追い出した今、誰かが代わりにしなければならない、しかし、ガンツも、イザベラも、シャーリーも、そしてロゴミスも、全員が全員、誰かがやるだろう、自分の仕事ではないと、無意識に楽観視していた。
今まではそのスタンスで何も問題なかった、誰もやらないなら自分がやらなければと思えるリフィルが居たから……だが、もう彼女はいない、その弊害が如実に現れていた。
そんな無責任な考えが、食糧や水不足に陥るという、冒険者はおろか、観光客ですら笑ってしまう失敗をしてしまった、完璧な存在である自分達がこんな初歩の初歩の初歩じみた失態に苛立つロゴミス。
「クソッッッ」
「………リフィルがいれば」
「うるさい黙れ!!!、追い出した俺が悪いって言うのか!!」
「……………別にそんなこと言ってない、冷静になれロゴミス」
「紛らわしい!!!、調子に乗るなよ!!!!」
ガンツの呟きに食ってかかるロゴミス、困惑しながら返事をするガンツにさらにイライラをぶつけるロゴミス。
後ろにいるシャーリーとイザベラは仲裁にすら入らない、自分にロゴミスの怒りが飛び火したらたまらないからだ……徐々に、だが確実に、パーティーに不協和音が流れ出している。
「フー、フー……まぁ良いだろう、リフィルを探すぞ、きっと追い出されて、一人途方に暮れているはずだ、そこまで金は持ってないから、他の街に行くにしても路銀を稼がなければ動けないはず」
「もしかしたらもう行き倒れてるかもよ~キャハハ」
「酒場で情報収集をしてみましょう」
「だな」
イザベラの提案に三人とも同意、ロゴミス達は最初に酒場に行く。
「リフィル?、ああ、リフィル・ペンドラゴンか?」
「し、知ってるのか??!!」
「知ってるも何も、今一番有名な冒険者なんじゃねぇか?」
「ぼ、冒険者だと??!!」
「ああ、『無限の水牙』を捕まえてーーーーあれ?兄ちゃんどこ行った?」
酔っ払いから話を聞き出したロゴミスは最後まで話をよく聞かず、その場を離れる。
「どうやら、冒険者になったようだ」
「プッッッ、冒険者ってwwwwwww笑うんですけどぉ」
「まぁお似合いではありませんか?」
「なら、冒険者ギルドにいるってことか………」
俺達はひとしきり笑った後、冒険者ギルドに向かう
0
お気に入りに追加
570
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
御機嫌ようそしてさようなら ~王太子妃の選んだ最悪の結末
Hinaki
恋愛
令嬢の名はエリザベス。
生まれた瞬間より両親達が創る公爵邸と言う名の箱庭の中で生きていた。
全てがその箱庭の中でなされ、そして彼女は箱庭より外へは出される事はなかった。
ただ一つ月に一度彼女を訪ねる5歳年上の少年を除いては……。
時は流れエリザベスが15歳の乙女へと成長し未来の王太子妃として半年後の結婚を控えたある日に彼女を包み込んでいた世界は崩壊していく。
ゆるふわ設定の短編です。
完結済みなので予約投稿しています。
【完結】どうして殺されたのですか?貴方達の愛はもう要りません
たろ
恋愛
処刑されたエリーゼ。
何もしていないのに冤罪で……
死んだと思ったら6歳に戻った。
さっき処刑されたばかりなので、悔しさも怖さも痛さも残ったまま巻き戻った。
絶対に許さない!
今更わたしに優しくしても遅い!
恨みしかない、父親と殿下!
絶対に復讐してやる!
★設定はかなりゆるめです
★あまりシリアスではありません
★よくある話を書いてみたかったんです!!
【 完結 】「平民上がりの庶子」と言っただなんて誰が言ったんですか?悪い冗談はやめて下さい!
しずもり
恋愛
ここはチェン王国の貴族子息子女が通う王立学園の食堂だ。確かにこの時期は夜会や学園行事など無い。でもだからってこの国の第二王子が側近候補たちと男爵令嬢を右腕にぶら下げていきなり婚約破棄を宣言しちゃいますか。そうですか。
お昼休憩って案外と短いのですけど、私、まだお昼食べていませんのよ?
突然、婚約破棄を宣言されたのはチェン王国第二王子ヴィンセントの婚約者マリア・べルージュ公爵令嬢だ。彼女はいつも一緒に行動をしているカミラ・ワトソン伯爵令嬢、グレイシー・テネート子爵令嬢、エリザベス・トルーヤ伯爵令嬢たちと昼食を取る為食堂の席に座った所だった。
そこへ現れたのが側近候補と男爵令嬢を連れた第二王子ヴィンセントでマリアを見つけるなり書類のような物をテーブルに叩きつけたのだった。
よくある婚約破棄モノになりますが「ざまぁ」は微ざまぁ程度です。
*なんちゃって異世界モノの緩い設定です。
*登場人物の言葉遣い等(特に心の中での言葉)は現代風になっている事が多いです。
*ざまぁ、は微ざまぁ、になるかなぁ?ぐらいの要素しかありません。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
甘やかされて育ってきた妹に、王妃なんて務まる訳がないではありませんか。
木山楽斗
恋愛
侯爵令嬢であるラフェリアは、実家との折り合いが悪く、王城でメイドとして働いていた。
そんな彼女は優秀な働きが認められて、第一王子と婚約することになった。
しかしその婚約は、すぐに破談となる。
ラフェリアの妹であるメレティアが、王子を懐柔したのだ。
メレティアは次期王妃となることを喜び、ラフェリアの不幸を嘲笑っていた。
ただ、ラフェリアはわかっていた。甘やかされて育ってきたわがまま妹に、王妃という責任ある役目は務まらないということを。
その兆候は、すぐに表れた。以前にも増して横暴な振る舞いをするようになったメレティアは、様々な者達から反感を買っていたのだ。
【完結】え、お嬢様が婚約破棄されたって本当ですか?
瑞紀
恋愛
「フェリシア・ボールドウィン。お前は王太子である俺の妃には相応しくない。よって婚約破棄する!」
婚約を公表する手はずの夜会で、突然婚約破棄された公爵令嬢、フェリシア。父公爵に勘当まで受け、絶体絶命の大ピンチ……のはずが、彼女はなぜか平然としている。
部屋まで押しかけてくる王太子(元婚約者)とその恋人。なぜか始まる和気あいあいとした会話。さらに、親子の縁を切ったはずの公爵夫妻まで現れて……。
フェリシアの執事(的存在)、デイヴィットの視点でお送りする、ラブコメディー。
ざまぁなしのハッピーエンド!
※8/6 16:10で完結しました。
※HOTランキング(女性向け)52位,お気に入り登録 220↑,24hポイント4万↑ ありがとうございます。
※お気に入り登録、感想も本当に嬉しいです。ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる