鉄臭い義手女になんの御用ですか?〜妹に婚約者を取られ、居場所も失った、戻ってこい?、自由気ままな今の生活が気に入ってるのでお断り〜

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19、重婚

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「それで……その、二人はどういった関係なんですか??!!」

喫茶店で一休みしている時に、ふとエクスに疑問をぶつけられる私達。

「「どうって………………相棒?」」

私達的に一番しっくりくる返答をする。

「………二人は婚姻契約エンゲージ・リンクをしているんですよね?」

「「ーーー\\\\\!!、ま、まぁそうだけど………」」

私達の関係を他人の口から聞くとは小っ恥ずかしいな…………。

「………契約した経緯を聞いてもいいですか?」

「別にいいけど………」

ーーーーーーーーーーーーーーー

「………なるほど、ルーガスさんはリフィルさんに惚れているが、リフィルさんはルーガスさんがみんなに虐められて頭にきて、成り行きで契約………一方通行な愛……と、そういう事でよろしいですね?」

「ま、まぁ……当たらずとも……遠からずってところかな?」

「…………グスッ…………」

「だ、大丈夫だよルーガス!!、愛してる……かどうかはまだ分からないけど、私、あなたと一緒にいると楽しいよ!!」

「い、今優しくするな………グス………」

事情を話すと、少し嬉しそうに、私とルーガスの関係を整理する………否定できないが、全面肯定もルーガスが可哀想だ………お茶を濁す私………隣で涙目になり始めるルーガス…………そんな彼に優しい言葉を投げかけるが、さらに涙目になってしまうルーガス。

「なら…………リフィルさん、僕とも婚約契約エンゲージ・リンクしませんか?」

「ーーー\\\\\、なななな何言ってんの??!!!!!」

既に契約し、既婚者といっても差し支えない自分にいきなり契約、いや、プロポーズ宣言に私は慌てふためく。

「僕、実はただの騎士じゃなくて、竜騎士なんです」

「りゅ、竜騎士?」

「………騎竜や竜人と契約して戦う騎士のことだな、ヒック……」

「わ、わぁ~ルーガス物知り~凄~い」

「だから、ヒック……今は優しくしないで………そっとしておいて………グス」

「はい!!、リフィルさんと契約するためにこの戦闘職につきました!!」

竜騎士という単語に首を傾げる私、涙目ながらも捕捉してくれるルーガス……これ幸いにと彼を褒めるが、むしろ俯きが増してしまう………。

「というわけで契約してくれると嬉しいです」

「ま、待て待て待て!!、わ、私ルーガスと契約してるんだけど!!、さらに契約ってできるの??!!」

「同じ職業の契約は重ねがけはできないけど、別の戦闘職ならできるはずです!!」

「そうなのルーガス?」

「………ああ、できるぞ、まぁ竜騎士なら契約しておいた方が戦力的にも良いよな」

既にルーガスと契約している自分がさらにエクスと契約できるのかと、疑問に思い、聞いてみると、エクスは出来ると即返答してきて、少し落ち着いたルーガスも肯定する。

「……それじゃあ早速、始めましょうか!!」

「ちょ、ちょっと!!、待って!!、る、ルーガスはそれでいいの!!?、重婚みたいなもんでしょ??!!」

「獣人の国では別に重婚は禁止してないぞ?」

「ーーーえ?!!、そ、そうなの?」

「まぁ………体だけの目的の男がリフィルと結婚するのは嫌だが………エクティスはお前への愛だけは深そうだしなぁ………なんせ数年間ずっとお前に憧れて自分を鍛え続けてきたんだ、ポッと出の、最近会ったばかりの俺が、先に契約したからって突っぱねるのは漢としてしたくねぇし……」

「フフン、ようやく分かってくれましたか、貴方より僕の方が彼女を愛しーーー」

「……………それに、何人、夫が増えようが俺がリフィルの本夫になるって決めてるしな/////」

「へ、へぇ~大きく出ましたねぇ、ルーガスさん」

火花を散らし合うルーガスとエクティス…………。

「いや、本当に勘弁してください\\\\\」

喫茶店の中で愛してるだの、リフィルの本夫になるだのいうもんだから、周りの客にチラチラ見られてしまっている………ものすごく恥ずかしい………後ほど、場所を移して、エクティスと契約をした私。
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