20 / 36
本編
最終話 それ、二度寝の後で良いですか?
しおりを挟む
こうして、オリヴィアの婚約破棄から始まったオリヴィア達の慌ただしい日々は幕を閉じた。
特別褒賞授与式での騒動から数日後、オリヴィアは無事手に入れた特別休暇を自室のベッドの上で存分に満喫していた。
あれからジャクソン公爵家は数々の不正、犯罪行為が明るみに出てお家取り潰しは決定となった。元公爵夫妻は牢内で襲われた際に負傷し、一時は意識不明だったが回復し、現在はいまだ出てくる余罪の裁判を待っている状態らしい。
娘のローズマリーは実家の犯罪行為の加担および、今まで散々揉み潰してきた不貞行為を一つ一つ調べ直されているという。
そして、ダン・プラット。彼はジャクソン公爵家の犯罪とは直接の関係はなかったが、オリヴィアへの名誉毀損で訴えられる事となった。そしてそれ以上に世間へ広まったのは、オリヴィア・ブラックという大輪の白い薔薇を手にした世界一の幸運の持ち主は、ローズマリーという美しい薔薇に隠された棘に刺された事も気づかず踊らされた大まぬけ者、という人物評だった。
それから取り敢えずの面倒ごとは片付けてやったのだから、今後の事は任せる、とばかりに高齢の国王陛下は王位を退位し、その席を王太子であるサミュエルの父親に譲り渡した。前陛下は隠居して思う存分孫バカ生活を送るぞ!と意気込んでいるらしい。目下の目標は孫達の結婚式に参列する事なのだとか。
そんなこんなで王城はあれからかなりバタバタしているらしいが、一介の貴族令嬢であるオリヴィアにはそんな事は関係なく。気付けばここ数日ずっと遊びにやってくるサミュエルに事の顛末を聞いたのだった。
「いや~…今回はかなり働いた…なんなら第二王女殿下襲撃事件の時よりもっと働いた…」
「そうだね…若干の空回り感が否めないけどね…」
サミュエルはオリヴィアの自室のソファーに一人座り、足元でころころと転がっているブラック家の愛犬、ミルクが産んだ仔犬達を愛でる。
「ていうか、王城の方がそんなにバタバタしてるならサムはここに居ていいの?」
「う~ん、よくはないけど…でもまぁ、結局忙しいのは父と一番上の兄だから、僕は別にいいかなって」
「あ~~~…私も特別休暇が終わったらまた忙しくなるなぁ…やだ~~~…」
「え?オリヴィア昇格するんだっけ?」
「ううん~~そうじゃなくて、ダンとの婚約は解消したから、また入婿探さなきゃ…第二子以下で、超有能で、私が騎士を続けても文句なくて、浮気もしなくて、私のこのオフの姿を呪い状態だと言わない人…」
「…随分条件増えたね…っていうか、最後のは?呪い状態?」
「パパが言うのよ…私のこれは呪われている状態なんだって。最近女神によく祈ってる」
「あはは…」
どこまで本気なのか分からないオリヴィアに、サミュエルは笑う。
そして暫くそわそわとミルクの耳を無心にわしゃわしゃと撫でくりまわしていたが、突然ガバッ!と立ち上がると、早足でつかつかとオリヴィアの寝転がるベッドのふちまで進むとおもむろに跪く。
「…え、なに?」
「オリヴィア!!!」
「はい」
相変わらず寝転んだままのオリヴィアの目に、顔を真っ赤に染めたサミュエルの姿が写る。
「僕は第三子だ!」
「そうだね」
「僕は有能だと思う!今回はちょっとあれだったけど…王族として最高峰の教育を受けてきた!」
「うん」
「騎士として働く君は素敵だと思う!ゆくゆくは隊長…は多分君の事だから面倒で引き受けないと思うけど、このまま活躍して欲しい!」
「ありがとう」
「僕は絶対浮気しない!その証拠に、未だに8つの頃からの初恋を拗らせ続けている!よそ見は一切していない!」
「あ、そうなんだ」
「それから…それから、オンオフをきっちり分ける君の姿勢もどちらかと言うと好印象だ!僕も家ではゆっくり寛ぎたい!!」
「へー」
「…君のその気だるげなパジャマ状態も、実はちょっと背徳感があってす、好きだ」
「ごめん。あんたの性癖曲げてるとは思わなかった」
「あっ!ち、違くて!!それは違くて…えーと、そう!オフ状態も、飾らないありのままの君だから好きなんだ!」
「…へぇ」
突然ベラベラとよく分からない性癖暴露をし始めたサミュエルをオリヴィアは訝しげに見つめる。オリヴィアがベッドの上で上半身を起こし、気持ち捲れ上がったパジャマの裾を直し出した事に気づいたサミュエルは慌てて取り繕う。
そして、起き上がったオリヴィアの手をそっと取る。今まで寝ていたオリヴィアの手は温かく、サミュエルの手は少し汗ばんでいた。
「オリヴィア・ブラック!僕を君のお婿さんにしてもらえないだろうか!!」
「………は?」
既に赤かった顔を更に染め上げて、サミュエルはオリヴィアの瞳を真っ直ぐに見つめる。
「ずっと…出会った頃からずっと君のことが大好きだった。僕はもうずっと前から君のお婿さんになりたかったのに、オリヴィア、君がある日突然婚約者を決めてしまった時の僕のショックが分かる?」
「え…え!?だって、サムは王位継承権のある王族で…」
「王位継承権って言ったって、第四位だよ。しかも父が王位を継いだ今、王太子である兄の子供達の継承順位の方が繰り上がるから…僕の継承順位は高くて第七位。知ってた?第七位以下は王族であっても自由に結婚出来るんだ。勿論、入婿も可!」
「そ、そうなんだ…」
「どう?僕ってとっても、君の婚約者の条件にぴったりはまらない?」
「え?あ、うん…え!?」
「…」
「……」
「………っ」
まるで「待て」をされている犬のように、キラキラと期待に瞳を輝かせじっと見つめてくるサミュエル。そんな彼の姿にオリヴィアもうっかりわしゃわしゃとその頭を撫でてしまいそうになるが手を伸ばしかけたところでハッとなる。
オフでお休みモードだったオリヴィアの脳にゆっくりと、サミュエルの言葉が意味を成して浸透してゆく。
「あ、の…」
「うん。なぁに?オリヴィア」
そっと包んでくる大きな手に、柔らかくて撫で心地の良い髪に、優しさがにじんだようなキラキラした瞳に、鼓膜をゆっくりと揺らす声に、オリヴィアだけを見つめる熱のこもった眼差しに、そんなサミュエルの全てに気づいてオリヴィアの頬が微かに色づく。
トットットッ、とリラックスしきっていたオリヴィアの心臓がにわかに騒ぎ出す。真っ赤なオリヴィアの頬にとっくに気づいているだろうに、それでも急かさずじっと待つサミュエル。それがまた擽ったくて、オリヴィアは慌てて口を開く。
「そ、それっ…!その返事!に、二度寝の後でも、いいっ!?」
さて、孫バカの前国王陛下が早速隠居後の目標をすぐに叶えられたのかどうかは、また別の話。
fin
特別褒賞授与式での騒動から数日後、オリヴィアは無事手に入れた特別休暇を自室のベッドの上で存分に満喫していた。
あれからジャクソン公爵家は数々の不正、犯罪行為が明るみに出てお家取り潰しは決定となった。元公爵夫妻は牢内で襲われた際に負傷し、一時は意識不明だったが回復し、現在はいまだ出てくる余罪の裁判を待っている状態らしい。
娘のローズマリーは実家の犯罪行為の加担および、今まで散々揉み潰してきた不貞行為を一つ一つ調べ直されているという。
そして、ダン・プラット。彼はジャクソン公爵家の犯罪とは直接の関係はなかったが、オリヴィアへの名誉毀損で訴えられる事となった。そしてそれ以上に世間へ広まったのは、オリヴィア・ブラックという大輪の白い薔薇を手にした世界一の幸運の持ち主は、ローズマリーという美しい薔薇に隠された棘に刺された事も気づかず踊らされた大まぬけ者、という人物評だった。
それから取り敢えずの面倒ごとは片付けてやったのだから、今後の事は任せる、とばかりに高齢の国王陛下は王位を退位し、その席を王太子であるサミュエルの父親に譲り渡した。前陛下は隠居して思う存分孫バカ生活を送るぞ!と意気込んでいるらしい。目下の目標は孫達の結婚式に参列する事なのだとか。
そんなこんなで王城はあれからかなりバタバタしているらしいが、一介の貴族令嬢であるオリヴィアにはそんな事は関係なく。気付けばここ数日ずっと遊びにやってくるサミュエルに事の顛末を聞いたのだった。
「いや~…今回はかなり働いた…なんなら第二王女殿下襲撃事件の時よりもっと働いた…」
「そうだね…若干の空回り感が否めないけどね…」
サミュエルはオリヴィアの自室のソファーに一人座り、足元でころころと転がっているブラック家の愛犬、ミルクが産んだ仔犬達を愛でる。
「ていうか、王城の方がそんなにバタバタしてるならサムはここに居ていいの?」
「う~ん、よくはないけど…でもまぁ、結局忙しいのは父と一番上の兄だから、僕は別にいいかなって」
「あ~~~…私も特別休暇が終わったらまた忙しくなるなぁ…やだ~~~…」
「え?オリヴィア昇格するんだっけ?」
「ううん~~そうじゃなくて、ダンとの婚約は解消したから、また入婿探さなきゃ…第二子以下で、超有能で、私が騎士を続けても文句なくて、浮気もしなくて、私のこのオフの姿を呪い状態だと言わない人…」
「…随分条件増えたね…っていうか、最後のは?呪い状態?」
「パパが言うのよ…私のこれは呪われている状態なんだって。最近女神によく祈ってる」
「あはは…」
どこまで本気なのか分からないオリヴィアに、サミュエルは笑う。
そして暫くそわそわとミルクの耳を無心にわしゃわしゃと撫でくりまわしていたが、突然ガバッ!と立ち上がると、早足でつかつかとオリヴィアの寝転がるベッドのふちまで進むとおもむろに跪く。
「…え、なに?」
「オリヴィア!!!」
「はい」
相変わらず寝転んだままのオリヴィアの目に、顔を真っ赤に染めたサミュエルの姿が写る。
「僕は第三子だ!」
「そうだね」
「僕は有能だと思う!今回はちょっとあれだったけど…王族として最高峰の教育を受けてきた!」
「うん」
「騎士として働く君は素敵だと思う!ゆくゆくは隊長…は多分君の事だから面倒で引き受けないと思うけど、このまま活躍して欲しい!」
「ありがとう」
「僕は絶対浮気しない!その証拠に、未だに8つの頃からの初恋を拗らせ続けている!よそ見は一切していない!」
「あ、そうなんだ」
「それから…それから、オンオフをきっちり分ける君の姿勢もどちらかと言うと好印象だ!僕も家ではゆっくり寛ぎたい!!」
「へー」
「…君のその気だるげなパジャマ状態も、実はちょっと背徳感があってす、好きだ」
「ごめん。あんたの性癖曲げてるとは思わなかった」
「あっ!ち、違くて!!それは違くて…えーと、そう!オフ状態も、飾らないありのままの君だから好きなんだ!」
「…へぇ」
突然ベラベラとよく分からない性癖暴露をし始めたサミュエルをオリヴィアは訝しげに見つめる。オリヴィアがベッドの上で上半身を起こし、気持ち捲れ上がったパジャマの裾を直し出した事に気づいたサミュエルは慌てて取り繕う。
そして、起き上がったオリヴィアの手をそっと取る。今まで寝ていたオリヴィアの手は温かく、サミュエルの手は少し汗ばんでいた。
「オリヴィア・ブラック!僕を君のお婿さんにしてもらえないだろうか!!」
「………は?」
既に赤かった顔を更に染め上げて、サミュエルはオリヴィアの瞳を真っ直ぐに見つめる。
「ずっと…出会った頃からずっと君のことが大好きだった。僕はもうずっと前から君のお婿さんになりたかったのに、オリヴィア、君がある日突然婚約者を決めてしまった時の僕のショックが分かる?」
「え…え!?だって、サムは王位継承権のある王族で…」
「王位継承権って言ったって、第四位だよ。しかも父が王位を継いだ今、王太子である兄の子供達の継承順位の方が繰り上がるから…僕の継承順位は高くて第七位。知ってた?第七位以下は王族であっても自由に結婚出来るんだ。勿論、入婿も可!」
「そ、そうなんだ…」
「どう?僕ってとっても、君の婚約者の条件にぴったりはまらない?」
「え?あ、うん…え!?」
「…」
「……」
「………っ」
まるで「待て」をされている犬のように、キラキラと期待に瞳を輝かせじっと見つめてくるサミュエル。そんな彼の姿にオリヴィアもうっかりわしゃわしゃとその頭を撫でてしまいそうになるが手を伸ばしかけたところでハッとなる。
オフでお休みモードだったオリヴィアの脳にゆっくりと、サミュエルの言葉が意味を成して浸透してゆく。
「あ、の…」
「うん。なぁに?オリヴィア」
そっと包んでくる大きな手に、柔らかくて撫で心地の良い髪に、優しさがにじんだようなキラキラした瞳に、鼓膜をゆっくりと揺らす声に、オリヴィアだけを見つめる熱のこもった眼差しに、そんなサミュエルの全てに気づいてオリヴィアの頬が微かに色づく。
トットットッ、とリラックスしきっていたオリヴィアの心臓がにわかに騒ぎ出す。真っ赤なオリヴィアの頬にとっくに気づいているだろうに、それでも急かさずじっと待つサミュエル。それがまた擽ったくて、オリヴィアは慌てて口を開く。
「そ、それっ…!その返事!に、二度寝の後でも、いいっ!?」
さて、孫バカの前国王陛下が早速隠居後の目標をすぐに叶えられたのかどうかは、また別の話。
fin
0
お気に入りに追加
65
あなたにおすすめの小説
【完結】野蛮な辺境の令嬢ですので。
❄️冬は つとめて
恋愛
その日は国王主催の舞踏会で、アルテミスは兄のエスコートで会場入りをした。兄が離れたその隙に、とんでもない事が起こるとは彼女は思いもよらなかった。
それは、婚約破棄&女の戦い?
【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
婚約破棄を申し込まれたので、ちょっと仕返ししてみることにしました。
夢草 蝶
恋愛
婚約破棄を申し込まれた令嬢・サトレア。
しかし、その理由とその時の婚約者の物言いに腹が立ったので、ちょっと仕返ししてみることにした。
田舎娘をバカにした令嬢の末路
冬吹せいら
恋愛
オーロラ・レンジ―は、小国の産まれでありながらも、名門バッテンデン学園に、首席で合格した。
それを不快に思った、令嬢のディアナ・カルホーンは、オーロラが試験官を買収したと嘘をつく。
――あんな田舎娘に、私が負けるわけないじゃない。
田舎娘をバカにした令嬢の末路は……。
好きにしろ、とおっしゃられたので好きにしました。
豆狸
恋愛
「この恥晒しめ! 俺はお前との婚約を破棄する! 理由はわかるな?」
「第一王子殿下、私と殿下の婚約は破棄出来ませんわ」
「確かに俺達の婚約は政略的なものだ。しかし俺は国王になる男だ。ほかの男と睦み合っているような女を妃には出来ぬ! そちらの有責なのだから侯爵家にも責任を取ってもらうぞ!」
初対面の婚約者に『ブス』と言われた令嬢です。
甘寧
恋愛
「お前は抱けるブスだな」
「はぁぁぁぁ!!??」
親の決めた婚約者と初めての顔合わせで第一声で言われた言葉。
そうですかそうですか、私は抱けるブスなんですね……
って!!こんな奴が婚約者なんて冗談じゃない!!
お父様!!こいつと結婚しろと言うならば私は家を出ます!!
え?結納金貰っちゃった?
それじゃあ、仕方ありません。あちらから婚約を破棄したいと言わせましょう。
※4時間ほどで書き上げたものなので、頭空っぽにして読んでください。
【完結】こんな所で言う事!?まぁいいですけどね。私はあなたに気持ちはありませんもの。
まりぃべる
恋愛
私はアイリーン=トゥブァルクと申します。お父様は辺境伯爵を賜っておりますわ。
私には、14歳の時に決められた、婚約者がおりますの。
お相手は、ガブリエル=ドミニク伯爵令息。彼も同じ歳ですわ。
けれど、彼に言われましたの。
「泥臭いお前とはこれ以上一緒に居たくない。婚約破棄だ!俺は、伯爵令息だぞ!ソニア男爵令嬢と結婚する!」
そうですか。男に二言はありませんね?
読んでいただけたら嬉しいです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる