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第一章
33、運命の別れ道〜波乱~(4)
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あまりにも叙情的に語り、王女の哀れさを浮き彫りにする。
「スードに異心はありません。先程陛下も仰せられたように王族を抜ければただの平民でございます。野に下った殿下の御身を王家が見れぬのであればスードが御守り致したく存じます。」
「本当にそんな理由でユーリアシェ殿下をスードに連れて行くのかな?誰も信じないと思うけど」
イルヴァンが挑発するように嘲笑う。
カーティスもそれに乗って皮肉げに嗤った。
「アルビス公爵子息殿。貴方が愛だけで第二王女殿下を選んだというよりは、真実味があると思うが?」
その言葉に反応したのはイルヴァンではなく、リーシュだった。
「酷いわ!わたくしとイルヴァンは本当に愛しあっているのよ!!どうしてそんな事が言えるの!?」
「第二王女殿下。アルビス公爵子息殿は陛下との会話に割って入った上に、スードの忠心を疑われた。貴女様と彼の裏切りで全てを失ったユーリアシェ殿下がどんな思いで野に下ると言ったかお解りか?王家の庇護がなければ1日とて無事ではいられまい。それでも国の為に王族の地位を捨てると言われるなら、スードがお守りする。我らは東の守護を自負している。その矜持にかけて殿下も守り抜くつもりだ。」
そう言い切ったカーティスは、誇り高い東の守護神と呼ばれるイバン・フォン・スード辺境伯の後を継ぐに相応しい雄々しさだった。
「だ、だったら王女として残ったら・・・」
今までの話を聞いてなかったのか!と怒鳴り付けたいのを我慢して子供に諭すように話す。
「第二王女殿下。実績のない貴女の側に、何の非もなく降ろされた優秀なユーリアシェ殿下がいれば誰もが納得などしないのですよ。国の為に心を殺し身を削ってきたユーリアシェ殿下以上を求められ続けるのです。貴女にそれができるのですか?」
「でもーーー」
「やめなさい」
「お父様!」
「そなたは王女としての義務でなく愛を選んだのだ。今からは王太女としての責務を果たさねばならん。それが愛をとった代償だ。」
マドルクはカーティスの不敬に目を瞑り、イルヴァンを睨み付けた。
「イルヴァンよ、そなたは王女の婚約者ではあるが王女より上ではない。それは婚姻しても変わることはない。何故王の許しなく会話に割って入った?そなたは王より上のつもりか?」
「申し訳ございません」
(自分の王配の地位が揺るがなかったから調子に乗っちゃったんだね。さて王様はどうするのかな?)
ユーリアシェはだんだん観客の気持ちになって成り行きを楽しんでいた。
「イルヴァン、そなたの驕りが王太女の婚約者からきているのなら、婚約を見直さねばならん」
「えっ!?」(えっ!?)
不覚にもイルヴァンと被ってしまい普段なら落ち込むが、それよりもマドルクの発言に驚愕する。
観客から一転、当事者に戻った。
「スードに異心はありません。先程陛下も仰せられたように王族を抜ければただの平民でございます。野に下った殿下の御身を王家が見れぬのであればスードが御守り致したく存じます。」
「本当にそんな理由でユーリアシェ殿下をスードに連れて行くのかな?誰も信じないと思うけど」
イルヴァンが挑発するように嘲笑う。
カーティスもそれに乗って皮肉げに嗤った。
「アルビス公爵子息殿。貴方が愛だけで第二王女殿下を選んだというよりは、真実味があると思うが?」
その言葉に反応したのはイルヴァンではなく、リーシュだった。
「酷いわ!わたくしとイルヴァンは本当に愛しあっているのよ!!どうしてそんな事が言えるの!?」
「第二王女殿下。アルビス公爵子息殿は陛下との会話に割って入った上に、スードの忠心を疑われた。貴女様と彼の裏切りで全てを失ったユーリアシェ殿下がどんな思いで野に下ると言ったかお解りか?王家の庇護がなければ1日とて無事ではいられまい。それでも国の為に王族の地位を捨てると言われるなら、スードがお守りする。我らは東の守護を自負している。その矜持にかけて殿下も守り抜くつもりだ。」
そう言い切ったカーティスは、誇り高い東の守護神と呼ばれるイバン・フォン・スード辺境伯の後を継ぐに相応しい雄々しさだった。
「だ、だったら王女として残ったら・・・」
今までの話を聞いてなかったのか!と怒鳴り付けたいのを我慢して子供に諭すように話す。
「第二王女殿下。実績のない貴女の側に、何の非もなく降ろされた優秀なユーリアシェ殿下がいれば誰もが納得などしないのですよ。国の為に心を殺し身を削ってきたユーリアシェ殿下以上を求められ続けるのです。貴女にそれができるのですか?」
「でもーーー」
「やめなさい」
「お父様!」
「そなたは王女としての義務でなく愛を選んだのだ。今からは王太女としての責務を果たさねばならん。それが愛をとった代償だ。」
マドルクはカーティスの不敬に目を瞑り、イルヴァンを睨み付けた。
「イルヴァンよ、そなたは王女の婚約者ではあるが王女より上ではない。それは婚姻しても変わることはない。何故王の許しなく会話に割って入った?そなたは王より上のつもりか?」
「申し訳ございません」
(自分の王配の地位が揺るがなかったから調子に乗っちゃったんだね。さて王様はどうするのかな?)
ユーリアシェはだんだん観客の気持ちになって成り行きを楽しんでいた。
「イルヴァン、そなたの驕りが王太女の婚約者からきているのなら、婚約を見直さねばならん」
「えっ!?」(えっ!?)
不覚にもイルヴァンと被ってしまい普段なら落ち込むが、それよりもマドルクの発言に驚愕する。
観客から一転、当事者に戻った。
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