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第一章
7、ハルシュ地方(3)
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それから四半刻(30分)もせずに全員が会議室に集まったとの報告を受け、もう1人の護衛騎士エルミン・ドゥ・リグバと向かう。
「ユーリアシェ王太女殿下が参られました。」
ノックしてからドアを開け中にいる者達に伝える。
声かけの後、ユーリアシェが中に入ると全員が立ち上がって腰を折ったままユーリアシェの言葉を待つ。
「楽に」
声をかけられてから顔を上げ座るように促し着席を待って出席者の顔ぶれを確認した。
扉から見てUの字になったテーブルの一番奥にユーリアシェが座り、ユーリアシェの右から騎士団長、副官2名、騎士3名が座り、左側に文官長、副官2名、書記官1名、文官が3名座ってそれぞれがなを名乗り挨拶する。
「早速ですが今回の土砂崩れにより街道が2ゼル(200m)も塞がれており王都から西に抜けることが出来なくなっています。早急な復興を国王陛下が望みわたくしが一任されました。この件の担当者は?」
彼等の本音を見るために優しく丁寧に聞く。名前にドゥがつくのは貴族で騎士団長と文官長、副官1名は貴族だ。
ユーリアシェの問いかけに答えたのは騎士団長のエグル・ドゥ・ベーシュ。ベーシュ子爵の弟で見た目も似ている。
「この件の担当は俺ですよ。もう対処はしています。」
ニヤニヤとこちらを見下すように答える。
「ですがルオルの村人達だけで道具も使わずに作業していましたが…」
「そりゃルオル村の街道がやられたんだからルオル村の奴等がやるに決まってる。俺達がいく必要はない」
「あのままでは復旧が進みません。騎士団の方からも人手を割けませんか。」
ユーリアシェは相手を増長させるために少し困ったように聞く。
「はっ!これだから世間知らずの御姫さんは困る。我々もそんなに暇じゃあ無いんですよ。余計な口出しは遠慮してもらいたい。」
これで十分だと思ったユーリアシェは次に文官長デグス・ドゥ・ラニバに質問する。
「ラニバ文官長、村人達は手で作業をしていました。顔色も悪く休憩も食事も満足に取れていません。道具の貸出や食事の補助はどうなっていますか?」
デグスはベーシュ子爵とエグル騎士団長の従兄弟でエグルとそっくりなニヤニヤ笑いをしながら答える。
「殿下。我々のほうも助けたいのですが、予算がないのですよ。それに騎士団長も言った通りルオル村で起こったことはルオル村で解決すべきです」
当たり前のように言って嘲笑う彼等を見、入口に立っている執事をチラッと見る。
執事は彼等にベーシュ子爵の処罰を伝えていない様だ。お蔭でやり易くなった。
「ユーリアシェ王太女殿下が参られました。」
ノックしてからドアを開け中にいる者達に伝える。
声かけの後、ユーリアシェが中に入ると全員が立ち上がって腰を折ったままユーリアシェの言葉を待つ。
「楽に」
声をかけられてから顔を上げ座るように促し着席を待って出席者の顔ぶれを確認した。
扉から見てUの字になったテーブルの一番奥にユーリアシェが座り、ユーリアシェの右から騎士団長、副官2名、騎士3名が座り、左側に文官長、副官2名、書記官1名、文官が3名座ってそれぞれがなを名乗り挨拶する。
「早速ですが今回の土砂崩れにより街道が2ゼル(200m)も塞がれており王都から西に抜けることが出来なくなっています。早急な復興を国王陛下が望みわたくしが一任されました。この件の担当者は?」
彼等の本音を見るために優しく丁寧に聞く。名前にドゥがつくのは貴族で騎士団長と文官長、副官1名は貴族だ。
ユーリアシェの問いかけに答えたのは騎士団長のエグル・ドゥ・ベーシュ。ベーシュ子爵の弟で見た目も似ている。
「この件の担当は俺ですよ。もう対処はしています。」
ニヤニヤとこちらを見下すように答える。
「ですがルオルの村人達だけで道具も使わずに作業していましたが…」
「そりゃルオル村の街道がやられたんだからルオル村の奴等がやるに決まってる。俺達がいく必要はない」
「あのままでは復旧が進みません。騎士団の方からも人手を割けませんか。」
ユーリアシェは相手を増長させるために少し困ったように聞く。
「はっ!これだから世間知らずの御姫さんは困る。我々もそんなに暇じゃあ無いんですよ。余計な口出しは遠慮してもらいたい。」
これで十分だと思ったユーリアシェは次に文官長デグス・ドゥ・ラニバに質問する。
「ラニバ文官長、村人達は手で作業をしていました。顔色も悪く休憩も食事も満足に取れていません。道具の貸出や食事の補助はどうなっていますか?」
デグスはベーシュ子爵とエグル騎士団長の従兄弟でエグルとそっくりなニヤニヤ笑いをしながら答える。
「殿下。我々のほうも助けたいのですが、予算がないのですよ。それに騎士団長も言った通りルオル村で起こったことはルオル村で解決すべきです」
当たり前のように言って嘲笑う彼等を見、入口に立っている執事をチラッと見る。
執事は彼等にベーシュ子爵の処罰を伝えていない様だ。お蔭でやり易くなった。
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