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ブチ切れました(2度目)
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首座主教様から裁判の公表は今日の日の出とともに公表されると言われた。
そして私は皇帝に呼び出される可能性を考えて、教会の東塔にしばらく滞在する事になった。
先生は皇帝の要請を拒否できるのが教会しかない、教会はピンクと深く関わった私を皇室に渡したくないと両者の利害が一致し、アヤナとリッツヘルムそして先生とお世話になる。
なぜに先生も?
「君との関わりを知られてるんでね。
皇宮に強制連行されるからだよ。
私が人質にされても君が教会から出てこなければいい話なんだが·····」
私を疑わしく見つめる。
いや、そんなん無理だよ!
先生だって人質にされたりしたら助けて欲しいでしょ!!
「皇帝の権力が堕ちるまで生き残ればいいだけの事だ。」
頭の中覗かないで下さい!
はぁ~、私の周りってアヤナ以外まともなのが居ないわぁ~。
皆からは一番おかしいのが私だと思われているなんて、考えもせずそんな感想を持った。
東塔に移動していたら、屑が教会騎士に囲まれながら早足でこちらに来た。
先生とリッツヘルムが私を守るように前に出た。
「お礼を言いたくて。母上を医師に診せるように言ってくれてありがとう。
君には辛い思いをさせたのに」
その言葉に我慢し続けた私の理性が焼ききれた。
「アヤナ、私の扇持ってる?」
すかさず鉄扇を胸元から出して渡して来た。
さすがアヤナ。
鉄扇を持って笑顔で屑に近付く。
微笑んでいる皇太子の前に立ち、更に笑みを深くしてーー
足を振り上げ金的した。
「ぐっ·····!あぐっっ!!」
前かがみになった顔に鉄扇で思いっきり顔面を殴って、倒れた屑の腹を踏みつける。
リッツヘルムは屑の首を鞘に収めている剣で押さえ付けた。
「な、なに·····をっ!」
「辛い思い?あんたが、あんた達がリアナにした非道を辛い思いで片づけるつもり?
まだ自分のした事がわかってないの?
リアナがあんたになんかした?
皇族に相応しくない行動でもとった?
してないよねぇ。
だからあんたはリアナを貶めなきゃならなかったんだよね。
女の色香に惑わされて肉体関係持って、その後ろめたさから自分の都合のいい想像してリアナを悪者に仕立て上げたんだよね。
そんで今は恥知らずにも私の前に出てこれるんだ。
アルマエル様に非道な悪魔って言われても仕方ないよね。
本当にそうなんだもん。」
屑はぶるぶる震えてるけど全く何とも思わない。
「二度と顔を見せんな。次に近づいたら歩けなくしてやる!」
これがこの世界の常識なら一生染まりたくないわ!
私は足を退けてふと周りを見た。
屑の見張りの騎士は全員こちらから顔を背けていた。
もしかして教会で暴力は駄目だったのかな?
「皇太子殿下。こんな所で転ぶとはどれだけ体が訛っておられるのです。
ああ、あの愚か者の尻を追いかけるしか能がないから、足元に注意も出来ないのですね。」
先生が私の横に立ち屑に追い打ちをかけた。
「サウスリアナ様行きましょうか。悪魔の傍にいれば気が狂うと言われています。
皇后陛下もそれでああなったのかも知れませんね。」
·····先生、それ言っちゃう?
いや、私も大概凄い言い方したけど。
屑は教会騎士に引きずられて戻って行った。
なんか疲れたなぁ。
アヤナが私の強ばった手を握り、ゆっくりと開いて折れ曲がった鉄扇を外してくれた。
「お嬢様、東塔でお茶を飲んで湯浴みしてからお休み下さい。」
アヤナの気遣いに涙腺が緩みそうになる。
アヤナを抱きしめて目をキツく閉じた。
何も言わずに背中をゆっくりと摩ってくれる。
こうやって労わってくれたり、庇ってくれる人がいる。
あの時のリアナに一人でもそんな人がいれば、人生終わらせようとしなかったのかな?
そして私は皇帝に呼び出される可能性を考えて、教会の東塔にしばらく滞在する事になった。
先生は皇帝の要請を拒否できるのが教会しかない、教会はピンクと深く関わった私を皇室に渡したくないと両者の利害が一致し、アヤナとリッツヘルムそして先生とお世話になる。
なぜに先生も?
「君との関わりを知られてるんでね。
皇宮に強制連行されるからだよ。
私が人質にされても君が教会から出てこなければいい話なんだが·····」
私を疑わしく見つめる。
いや、そんなん無理だよ!
先生だって人質にされたりしたら助けて欲しいでしょ!!
「皇帝の権力が堕ちるまで生き残ればいいだけの事だ。」
頭の中覗かないで下さい!
はぁ~、私の周りってアヤナ以外まともなのが居ないわぁ~。
皆からは一番おかしいのが私だと思われているなんて、考えもせずそんな感想を持った。
東塔に移動していたら、屑が教会騎士に囲まれながら早足でこちらに来た。
先生とリッツヘルムが私を守るように前に出た。
「お礼を言いたくて。母上を医師に診せるように言ってくれてありがとう。
君には辛い思いをさせたのに」
その言葉に我慢し続けた私の理性が焼ききれた。
「アヤナ、私の扇持ってる?」
すかさず鉄扇を胸元から出して渡して来た。
さすがアヤナ。
鉄扇を持って笑顔で屑に近付く。
微笑んでいる皇太子の前に立ち、更に笑みを深くしてーー
足を振り上げ金的した。
「ぐっ·····!あぐっっ!!」
前かがみになった顔に鉄扇で思いっきり顔面を殴って、倒れた屑の腹を踏みつける。
リッツヘルムは屑の首を鞘に収めている剣で押さえ付けた。
「な、なに·····をっ!」
「辛い思い?あんたが、あんた達がリアナにした非道を辛い思いで片づけるつもり?
まだ自分のした事がわかってないの?
リアナがあんたになんかした?
皇族に相応しくない行動でもとった?
してないよねぇ。
だからあんたはリアナを貶めなきゃならなかったんだよね。
女の色香に惑わされて肉体関係持って、その後ろめたさから自分の都合のいい想像してリアナを悪者に仕立て上げたんだよね。
そんで今は恥知らずにも私の前に出てこれるんだ。
アルマエル様に非道な悪魔って言われても仕方ないよね。
本当にそうなんだもん。」
屑はぶるぶる震えてるけど全く何とも思わない。
「二度と顔を見せんな。次に近づいたら歩けなくしてやる!」
これがこの世界の常識なら一生染まりたくないわ!
私は足を退けてふと周りを見た。
屑の見張りの騎士は全員こちらから顔を背けていた。
もしかして教会で暴力は駄目だったのかな?
「皇太子殿下。こんな所で転ぶとはどれだけ体が訛っておられるのです。
ああ、あの愚か者の尻を追いかけるしか能がないから、足元に注意も出来ないのですね。」
先生が私の横に立ち屑に追い打ちをかけた。
「サウスリアナ様行きましょうか。悪魔の傍にいれば気が狂うと言われています。
皇后陛下もそれでああなったのかも知れませんね。」
·····先生、それ言っちゃう?
いや、私も大概凄い言い方したけど。
屑は教会騎士に引きずられて戻って行った。
なんか疲れたなぁ。
アヤナが私の強ばった手を握り、ゆっくりと開いて折れ曲がった鉄扇を外してくれた。
「お嬢様、東塔でお茶を飲んで湯浴みしてからお休み下さい。」
アヤナの気遣いに涙腺が緩みそうになる。
アヤナを抱きしめて目をキツく閉じた。
何も言わずに背中をゆっくりと摩ってくれる。
こうやって労わってくれたり、庇ってくれる人がいる。
あの時のリアナに一人でもそんな人がいれば、人生終わらせようとしなかったのかな?
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