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価値観が違いすぎる
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馬車の中では行きと違った居心地の悪さがあった。
皇宮に行く時は主にアルマエル様とセルシュ先生の冷戦状態に逃げたい居心地の悪さ。
皇宮を出てからは先生&アルマエル様、アヤナの幼子の正義感に呆れた視線。
そして屑の見直したとゆーか良い奴だな的な視線に、早く教会着いてー!
と心の中で絶叫しながらの居心地の悪さ。
だいたい屑よ、自分の今の立場まだ分かってないの?
あんた聖玉の尋問の時私の前で最低の発言して、アルマエル様から悪魔呼ばわりされるような人間なんだよ。
そんな奴が何上から目線で私を見てんのよ!
だんだん腹が立ってきた。
元から此奴に対する評価は地の底だと思ってたが、まだ下があったわ。
沸沸とした感情を抑えやっと教会に着いた!
此奴らともおサラバだーーー!
荷馬車を降りて大きく伸びをする。
真夜中にも関わらず大勢の教会騎士が、門の前で私たちを待っていた。
·····相変わらず目に痛い配色だな。
クリスマスカラーに囲まれて首座主教室に入る。
首座主教様は執務机に座り右にエジエル様が立っていた。
私達は跪き頭を下げ、アルマエル様が帰還の挨拶を代表してされる。
「只今戻りました。王妃、皇太子、第二皇子を保護、その際第二皇子が暴れる恐れがあり、やむなく気絶させました。」
首座主教様は皆を立たせ穏やかに微笑んでいたので、それぐらいは許容範囲内のようだ。
「仕方あるまい。皇宮にいたのでは、皇族だけでなく関わった侍従や侍女、王妃の親族まで殺め証拠を消されるからの。」
神前裁判に関する情報を公表する前ならそれも皇室を守る(ひいては国を守る大義名分として)一手として使えたけど、公表されてから処刑したら皇帝が己の身可愛さに処刑したとなる。
対外的には皇太子が王妃の心神喪失、弟皇子の錯乱に自身の誤ちを悔い、神の慈悲に縋る為に教会に助けを求め、教会が保護したとなる。
ものすっごく納得がいかないが、我慢しなければ屑皇帝との結婚だ。
「それとサウスリアナ殿から王妃を医師に見せるよう頼まれました。」
アルマエル様の発言に首座主教様とエジエル様が目を見開く。
そして馬車でのアルマエル様と同じ目を向けられた。
私は正義感からの発言でない事を頑張って強調した。
「王妃陛下がこの状態ではまともな返答などできません。
それでは罪を詳らかにできないでしょうし、本人も罪を自覚しません。
まずは医師に見せ正常になって罪を償って欲しいのです!」
力説したら更に可哀想な子に見られた。
なぜに?
結構酷い事言ってるよね。
正気に戻してから尋問受けて罰せられろって言ってるんだから。
「医師に見せずとも正気に戻す方法などいくらでもあるのですよ。」
アルマエル様が呆れを含んで言う。
「彼女にはまだ自身より守りたい者がいますしね。」
先生の恐ろしい発言に私は二の句が告げられなかった。
それを聞いていた首座主教様もエジエル様も頷かれ、跪いたまま涙を流す王妃を誰も気にかけない。
1度目の世界の常識や倫理観は全く通用しない。
解ってた筈なのに、本当の意味で骨身にしみた。
·····私はこの世界で頑張れるんだろうか。
突然世界に独りぼっちにされたような、焦燥感やら不安やら恐怖が押し寄せてきた。
その時、先生が私の名を呼んだ。
「サウスリアナ様」
先生の方を見ると困ったような仕方ないような顔で私を見ていた。
「君は時々迷子のような顔をする。
記憶がないから残酷に感じられるかもしれないが、裁判がなければ皇太子達にいいように使われ最後には殺されていたんだ。
彼らがこれからどんな目にあおうとも未来に彼らにされた事を、彼等が受けているだけだと割り切りなさい。」
でないと君の精神が壊れるよ。と目が語っていた。
そうだ。
私の気持ちに関係なくこの世界から抜け出せる手段がわからないなら、不安があろうがなんだろうがやっていくしかない。
そして暗闇で会った焦点のあっていないリアナの瞳。
本物のリアナは壊れかけていたように思う。
意図的にそうしたのはコイツらだ!
何とか自分を納得させようとした。
そうでもしなければ声も出さずに泣く王妃にリアナを重ねてしまう。
先生は深く溜息をついて首座主教様に顔を向けた。
「首座主教様、サウスリアナ様の考えは甘いですが、一理あります。
一度だけ医師に診せてから尋問しては如何でしょうか?」
先生の言葉に皆が驚いていた。
もちろん私も。
「先生·····」
「無理矢理自分を押さえつけるような顔をされたら、師として放ってはおけないでしょう。」
出来の悪い子を見るような眼差しに嬉しさと恥ずかしさで頬が真っ赤になるのがわかる。
「そなたも不憫よの」
「ひねくれた彼にはちょうどいいのでは?」
「サウスリアナ殿は巫女になった方が良いのでは?」
首座主教様とアルマエル様は何言ってるかわからんが、エジエル様の哀れみの目と言葉に俗世ではやっていけないって言われたのは解った。
教会なんぞお断りだ!
皇宮に行く時は主にアルマエル様とセルシュ先生の冷戦状態に逃げたい居心地の悪さ。
皇宮を出てからは先生&アルマエル様、アヤナの幼子の正義感に呆れた視線。
そして屑の見直したとゆーか良い奴だな的な視線に、早く教会着いてー!
と心の中で絶叫しながらの居心地の悪さ。
だいたい屑よ、自分の今の立場まだ分かってないの?
あんた聖玉の尋問の時私の前で最低の発言して、アルマエル様から悪魔呼ばわりされるような人間なんだよ。
そんな奴が何上から目線で私を見てんのよ!
だんだん腹が立ってきた。
元から此奴に対する評価は地の底だと思ってたが、まだ下があったわ。
沸沸とした感情を抑えやっと教会に着いた!
此奴らともおサラバだーーー!
荷馬車を降りて大きく伸びをする。
真夜中にも関わらず大勢の教会騎士が、門の前で私たちを待っていた。
·····相変わらず目に痛い配色だな。
クリスマスカラーに囲まれて首座主教室に入る。
首座主教様は執務机に座り右にエジエル様が立っていた。
私達は跪き頭を下げ、アルマエル様が帰還の挨拶を代表してされる。
「只今戻りました。王妃、皇太子、第二皇子を保護、その際第二皇子が暴れる恐れがあり、やむなく気絶させました。」
首座主教様は皆を立たせ穏やかに微笑んでいたので、それぐらいは許容範囲内のようだ。
「仕方あるまい。皇宮にいたのでは、皇族だけでなく関わった侍従や侍女、王妃の親族まで殺め証拠を消されるからの。」
神前裁判に関する情報を公表する前ならそれも皇室を守る(ひいては国を守る大義名分として)一手として使えたけど、公表されてから処刑したら皇帝が己の身可愛さに処刑したとなる。
対外的には皇太子が王妃の心神喪失、弟皇子の錯乱に自身の誤ちを悔い、神の慈悲に縋る為に教会に助けを求め、教会が保護したとなる。
ものすっごく納得がいかないが、我慢しなければ屑皇帝との結婚だ。
「それとサウスリアナ殿から王妃を医師に見せるよう頼まれました。」
アルマエル様の発言に首座主教様とエジエル様が目を見開く。
そして馬車でのアルマエル様と同じ目を向けられた。
私は正義感からの発言でない事を頑張って強調した。
「王妃陛下がこの状態ではまともな返答などできません。
それでは罪を詳らかにできないでしょうし、本人も罪を自覚しません。
まずは医師に見せ正常になって罪を償って欲しいのです!」
力説したら更に可哀想な子に見られた。
なぜに?
結構酷い事言ってるよね。
正気に戻してから尋問受けて罰せられろって言ってるんだから。
「医師に見せずとも正気に戻す方法などいくらでもあるのですよ。」
アルマエル様が呆れを含んで言う。
「彼女にはまだ自身より守りたい者がいますしね。」
先生の恐ろしい発言に私は二の句が告げられなかった。
それを聞いていた首座主教様もエジエル様も頷かれ、跪いたまま涙を流す王妃を誰も気にかけない。
1度目の世界の常識や倫理観は全く通用しない。
解ってた筈なのに、本当の意味で骨身にしみた。
·····私はこの世界で頑張れるんだろうか。
突然世界に独りぼっちにされたような、焦燥感やら不安やら恐怖が押し寄せてきた。
その時、先生が私の名を呼んだ。
「サウスリアナ様」
先生の方を見ると困ったような仕方ないような顔で私を見ていた。
「君は時々迷子のような顔をする。
記憶がないから残酷に感じられるかもしれないが、裁判がなければ皇太子達にいいように使われ最後には殺されていたんだ。
彼らがこれからどんな目にあおうとも未来に彼らにされた事を、彼等が受けているだけだと割り切りなさい。」
でないと君の精神が壊れるよ。と目が語っていた。
そうだ。
私の気持ちに関係なくこの世界から抜け出せる手段がわからないなら、不安があろうがなんだろうがやっていくしかない。
そして暗闇で会った焦点のあっていないリアナの瞳。
本物のリアナは壊れかけていたように思う。
意図的にそうしたのはコイツらだ!
何とか自分を納得させようとした。
そうでもしなければ声も出さずに泣く王妃にリアナを重ねてしまう。
先生は深く溜息をついて首座主教様に顔を向けた。
「首座主教様、サウスリアナ様の考えは甘いですが、一理あります。
一度だけ医師に診せてから尋問しては如何でしょうか?」
先生の言葉に皆が驚いていた。
もちろん私も。
「先生·····」
「無理矢理自分を押さえつけるような顔をされたら、師として放ってはおけないでしょう。」
出来の悪い子を見るような眼差しに嬉しさと恥ずかしさで頬が真っ赤になるのがわかる。
「そなたも不憫よの」
「ひねくれた彼にはちょうどいいのでは?」
「サウスリアナ殿は巫女になった方が良いのでは?」
首座主教様とアルマエル様は何言ってるかわからんが、エジエル様の哀れみの目と言葉に俗世ではやっていけないって言われたのは解った。
教会なんぞお断りだ!
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